個人事業主とは? 開業届から税金のことやメリット・デメリットを紹介!

創業手帳

個人事業主の特徴や必要な手続きなどを総まとめ

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起業の形態や、働き方として「個人事業主」を選択したいと考えているあなた。
そもそも、個人事業主とはどんな存在なのか、説明できますか? 
法人との違いや、個人事業主がやるべき手続きについて「何となくはわかっているけど、今ひとつ自信がない」という方もいると思います。

この記事では、これから個人事業主として開業しようか悩んでいる方や、個人事業主として事業を始めた方向けに、個人事業主についてあらゆる情報をわかりやすくご紹介します。
この記事を読めば、個人事業主として起業するメリットや、やるべき手続きがすべて分かります。
効率的に情報収集して、浮いた時間をビジネスに充ててくださいね。

法人についてよく知るには、冊子版の創業手帳(無料)がうってつけです。法人にもメリット・デメリットがありますので、この冊子からも情報収集をして、最適な働き方を選ぶのに役立ててください。

創業手帳では、企業経営における税金の支払いスケジュールが一目で確認できる税金カレンダー(無料)を提供しています。個人事業主または法人向けに「全13パターン」のカレンダーを用意し、それぞれの税金がいつ納付されるべきかがわかります。自分に適した税金カレンダーを見つけて、活用してみてください。

また、節税のための基本ポイントをまとめた税金チェックシート(無料)も新たにリリースしました。どうすれば節税になるのかだけでなく、税金の種類などもわかりやすく解説しています。ぜひあわせてご利用ください。


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個人事業主とは?


そもそも、「個人事業主」とはどんな立場なのでしょうか。まずは定義をおさえておきましょう。

個人事業主とは、株式会社などの法人を設立せず、文字通り「個人」で「事業」を営む人のこと。税務上で区分される働き方で、個人事業主となるためには、税務署に開業届を提出する必要があります。個人とはいえ、必ずしも1人で事業を営まなければならないわけではなく、従業員を雇うこともできます。

会社員との違い

個人事業主と会社員との違いは、雇用主との関係性です。自分が雇用主になるのが個人事業主で、会社に雇われているのが会社員です。

雇用主になれば、働く時間も仕事内容も自分で決められます。「もっと収入が欲しい」と思えば、仕事の質を高めて収入アップを目指せるでしょう。ただし、個人事業主は会社員のように社会保険や雇用保険がなく、収入が安定しません。税金も自分で納めなければならず、手間がかかります。

社会的信用度で比べると、毎月給料が保証されている会社員に分があります。起業したばかりの個人事業主だと、ローンの審査に通りにくい点も問題です。しかし、個人事業主でも、時間はかかりますが成果を上げていけば信用を構築することができます。

フリーランスとの違い

「個人」で働くというと、「フリーランス」や「自営業」というワードも思い浮かぶ方もいると思います。フリーランスとは、特定の企業や団体と雇用契約を結ばず、独立して仕事を請け負う働き方。自営業は、自ら事業を経営する働き方のことです。フリーランス・自営業は、個人事業主よりも言葉の意味としては幅が広く、法人を設立することもできます。つまり、フリーランスや自営業の人のうち、会社を設立していない人が個人事業主と言えます。

会社員でも個人事業主になれる?

会社員であっても、税務署に開業届さえ出せば個人事業主になれます。開業届は、開業の1か月以内に出すことが原則ですが、開業届を出さなくても罰則はありません。

ただし、会社員が個人事業主になるのを禁止する就業規則を設ける会社もあるため、注意が必要です。会社に内緒で開業した際に、副業の収入が増えて税金の支払いが必要となれば、会社にバレるリスクがあります。

会社員が開業する場合は、会社の就業規則を確認しましょう。副業が認められているなら、副業の赤字を通算できて、給与所得控除と青色申告特別控除のダブル使いが可能となり税金面でお得です。

法人とは?

「法人」とは、「人間以外が法律上の権利義務の主体となることを認められたもの」という定義です。個人事業主とは、開業手続きや税務手続き、社会的信用の面で大きな違いがあります(詳細は後述)。

起業する方法について、詳しくはこちらの記事を>>
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳の大久保が解説!

個人事業主の特徴


個人事業主にはメリットとデメリットがあります。これから個人事業主を目指す方は、両方の特徴を確認しておきましょう。ここでは、法人との違いを解説しています。
個人事業主と法人の違いを表にまとめてみました。

個人事業主 法人(株式会社の場合)
設立コスト(法定費用) なし 25万~30万
会計処理 比較的容易。個人で対応可能 煩雑。税理士へ依頼する可能性が高い
維持コスト 赤字の場合は課税なし 赤字でも毎年7万円は税金が発生
節税 経費計上できるものが少ない 経費計上できる項目が多い(経営者の給与、生命保険料など)
赤字の繰越 最長3年 最長9年
社会的信用度 低い 高い

法人と個人事業主の違いについては、以下の記事で詳しく紹介しています。どちらにすべきか迷っている場合などの参考にしてください。
◆法人とは?個人事業との違いや、向いているケースを解説します!

個人事業主のメリット

起業する際に悩むのが、この「個人事業主にするか」「法人として起業するか」ということではないでしょうか。個人事業主を選択することには、法人に比べて以下のようなメリットがあります。

  • 手間とコストを掛けず、すぐに起業できる
  • 経理作業がシンプルで、自分でも対応できる
  • 屋号で銀行口座を開設できる
  • 経費として計上できる接待費の上限がない

個人事業主のデメリット

一方、個人事業主を選ぶときの法人に比べた際のデメリットは、次のものが挙げられます。

  • 節税につながる仕組みが少ない
  • 経営者に「給料」を支払えない
  • 社会的信用度が法人と比べると低い
  • 個人の財産を守れない

 

個人事業主になるためには


個人事業主としてビジネスを始めるには、開業や税務処理について手続きが必要になります。ここでは、個人事業主がやるべき手続きについて、見ていきましょう。

必要書類を準備する

税務署に開業届を出す前に、銀行で専用の口座開設をしておきます。口座名は、個人事業主で使う屋号や個人名です。必要であれば、専用の屋号や個人名によるクレジットカード作成もしておいてください。

屋号とは、個人事業主の名前のことです。法人であれば「〇〇株式会社」あるいは「株式会社〇〇」という名前を付けるでしょう。個人事業主で名前を付けたい場合は、屋号が対象です。ただし、個人事業主で必ずしも屋号が必要なわけでなく、個人名で活動するフリーランスの方もいます。

屋号で開業届を出すなら、事前に屋号を決めておいてください。

税務署での開業届に必要となる「個人事業の開業・廃業等届出書」は、税務署で入手可能です。用紙はパソコンを使い自分で作成することもできますが、その際は2部作成する点に注意してください。

また、任意で提出する書類は、必要に応じて用意します。

  • 所得税の青色申告承認申請書
  • 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
  • 源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書

 

開業届の提出をする

先述したように、個人事業主として事業を始めるときには、税務署に「開業届」を提出する必要があります。節税効果の高い「青色申告」をしたい場合は、開業届とともに「青色申告承認申請書」も提出するようにしましょう。

詳しい開業届の書き方と提出の際の注意点については、以下の記事で確認してください。

5分で作成完了!開業届の書き方と税務署に提出する際の注意点

税金に関する手続きをする

個人事業主は、1年ごとの所得(1月~12月でひと区切り)について、翌年3月15日までの間に確定申告をしなくてはなりません。この際、「白色申告」「青色申告」が選べるのですが、節税の観点から見て「青色申告」を選択するのがオススメ。青色申告を選択すると、それだけで65万円の控除を受けられるのです(白色控除は10万円)。

控除とは、利益(所得)とは見なされず、利益(所得)から差し引かれる金額のこと。所得税・住民税・国民健康保険税などの税金は、利益(所得)の総額に対してかかるので、実質的に支払う税金が少なくて済むことになるのでお得です。 

また、個人事業主の確定申告の際は、「節税できるもの」を上手に活用するのがポイント。例えば、

  • 家賃や水道光熱費の一部
  • 通信費の一部
  • 接待費
  • 勉強のための資料代

 

などを経費に計上することができます。経費に計上する額が増えると、それだけ利益(所得)が低くなり、この場合も納めるべき税金が少なくて済みます。

個人事業主の確定申告に関する詳細は、以下の記事を参考にしてください。

冊子版の創業手帳は、創業したての法人向けのノウハウを掲載していますが、確定申告の記事など、個人事業主も使えるものもあります。一度チェックしてみてください。

単式簿記と複式簿記の違い。青色申告・白色申告はどっちで行う?

個人事業主も必ず得する「青色申告特別控除」とは?

個人事業主から法人に「法人成り」したいと考えたら


個人事業主として事業を始め、あるタイミングで法人化することもできます。これを「法人成り」と呼びます。

すでに、個人事業主と法人の違いを述べたとおり、法人成りの大きなメリットは、法人になると、開業や維持にコストは掛かるが「節税の幅が大きくなる」という点です。つまり、コストよりも節税メリットが大きくなる境界を見極めれば、法人成りしたほうがお得と言えるのです。

一般的には、利益が500万円を超えたくらいをめどに検討するのがよいとされています。
悩んだ場合は、税理士に相談するのもひとつの方法です。事業規模が拡大してくると、自身のリソースも圧迫されるため、会計や税務に関しては、専門家に相談することをおすすめします。融資のサポートや、経営のアドバイスなど、心強い味方としてサポートしてくれるでしょう。
法人成りの手続きについては、以下の記事をご覧ください。

法人成りを考えるということは、事業規模が大きくなってきたことを意味します。法人になれば、信用があがりますので、融資の幅が広がります。資金調達手帳(無料)では、資金調達の方法を詳しくまとめています。さらに事業を大きくするには資金調達が必要となってきます。この先のステップを考えるにあたって、資金調達手帳を参考にしてみてください。

個人事業主が「法人成り」をする5つのメリットと手続きについて解説!

まとめ

新たな事業のスタートとして、「個人事業主」という働き方を選ぶには、さまざまなメリットがあることがおわかりいただけたと思います。

ビジネスだけでなく、開業や税金についての手続きも必要になりますが、この記事をはじめとして効率的に情報収集することで、手間は大いに削減できるはずです。

冊子版の創業手帳は、創業したての法人向けのノウハウを掲載しています。この記事によって知った個人事業主のメリットと、法人のメリットを比較し、ご自身に合った働き方を選んでみるのもいいのではないでしょうか。

さらに、創業手帳では、会社経営時の税金の納付スケジュールがすぐにわかる税金カレンダーを無料で提供しています。個人事業主や法人が対象で「全13パターン」のカレンダーがあり、各税金をいつ支払うべきかがすぐに分かります。適切な税金カレンダーを選んで、ぜひ利用してみてください。

新たにリリースした節税の基本ポイントがわかる!税金チェックシート(無料)もおすすめです。税金の種類や、重要な法令や制度なども解説しています。ぜひあわせてご利用ください。


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(執筆:創業手帳編集部)

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