【徹底比較!】法人口座開設のおすすめは? ネット銀行と都市銀行の違いなど紹介!
法人口座開設のおすすめや銀行ごとの違いを知り、後悔のない手続きをしよう!
企業間で取引をする際は、法人口座の開設が必要です。
個人の銀行口座とは違い、法人口座を開設するには金融機関の審査も厳しく、しっかり準備しないと事業の開始に支障をきたすことも。そこで今回は、法人口座の比較と開設時のポイントをご紹介します。
また経営においては、法人口座だけでなく、法人向けのクレジットカードも必要となってくるでしょう。累計100万部を突破した冊子版の創業手帳(無料)では、おすすめのビジネスカードや、メリットなどを詳しく解説しています。また、クレジットカードは支払いだけでなく、資金繰りなど、経営においても有用であることも解説しています。(創業手帳編集部)
※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください。
この記事の目次
法人口座開設の重要性と開設時の注意点
法人を立ち上げて事業を運営していくためには、法人口座開設は欠かせません。ただし、法人用の銀行口座は個人用の銀行口座と違い、誰でも簡単に作れるわけではありません。法人は個人に比べて多額の取引が行われるため、個人用銀行口座よりも信頼性がより重要視され、厳しい条件が設定されているのです。
たとえば、事業所の本店登記住所を行っていたとしても、バーチャルオフィスのように実態が無い場合だと審査が通らないこともあります。
いざ法人設立に向けて計画を立てていたものの、審査が通らず銀行口座が開設できなず取引ができない、といった事態にならないためにも、設立前にきちんと準備しておきましょう。
なお、銀行口座はひとつだけでなく2つ持っておく企業も多いです。たとえば、入金用の口座と出金用の口座で分けるといったケースもあります。出金が多い場合、銀行に行かずとも社内で振込などが完了するネット銀行やインターネット銀行が便利です。
ただし、取引先によってはネット銀行だと信頼性で劣ると見られるケースもあるため、都市銀行や地方銀行にした方が安心です。法人口座開設時には、こうした使い分けも考慮していくつか銀行口座を持つことも検討しておきましょう。
法人口座開設前に知っておきたい銀行の違い
ネットバンクとインターネットバンキングの違いとは?
法人口座を開設するにあたって、どこの銀行を選べば良いか、迷いますよね。
法人口座は大きく分けて、各都道府県で展開している銀行(メガバンク、都市銀行、地方銀行)とネット銀行(ネットバンク)に分かれます。
さらに、各都道府県の銀行が提供しているサービスにインターネットバンキングがあります。
銀行の違いはこちらの記事でも詳しく説明しています。
>>銀行の種類と違いとは?特徴を知って賢く使い分けるためのポイント
まずは、混同しやすいネット銀行とインターネットバンキングについて調べてみました。
・ネット銀行は、店舗を持たない(店舗があってもネット中心の銀行)ネット専業銀行のこと。インターネット上でサービスを提供しています。
・インターネットバンキングは、都市銀行、地方銀行、信用金庫などのサービスの一つで、銀行との取引をインターネット上で行うこと。
スマートフォンやパソコンから「残高・明細照会」、「振込」などを利用することができます。
インターネットバンキングとネット銀行、大きな違いは?
では、ネット銀行とインターネットバンキング、どのような違いがあるのでしょうか。特に実利面で関係がある、基本料・手数料と利用時間を都市銀行4行のインターネットバンキング、ネット銀行4行を比較してみました。(金額は税込)
違い① 月額基本料
都道府県の銀行で法人口座を開設した場合にはかかりませんが、ネットバンキングを利用すると発生します。ネット銀行は無料です。
違い② 振込手数料
都道府県の銀行では同行同一支店宛、同行宛、他行宛で価格が異なります。
ネット銀行では基本的に同行宛の振込手数料は無料です。
違い③ 利用可能時間
都道府県の銀行のインターネットバンキングは利用可能時間に制限があります。ネット銀行は24時間365日利用できます。
法人口座をインターネットバンキングとネット銀行で比較
インターネットバンキング4行の比較
インターネットバンキングを行っている主な銀行を比較しました。法人口座の立ち上げを検討している方はぜひご参考ください。
三菱UFJ銀行 Bizstationネット |
三井住友銀行 パソコンバンク Web21 <デビュータイプ> |
みずほ銀行 ビジネスWEB |
りそな銀行 りそなビジネスダイレクト(Mini) |
|
---|---|---|---|---|
月額基本料 | 1,760円 | 1,650円 | 3,300円 | 3,300円 |
振込手数料 | 同行同一支店 3万円未満:110円 3万円以上:330円 同行内 3万円未満:110円 3万円以上:330円 他行宛 3万円未満:550円 3万円以上:770円 |
同行同一支店 3万円未満:110円 3万円以上:220円 同行内 3万円未満:220円 3万円以上:440円 他行宛 3万円未満:550円 3万円以上:770円 |
同行同一支店 3万円未満:0円 3万円以上:0円 同行内 3万円未満:220円 3万円以上:440円 他行宛 3万円未満:550円 3万円以上:770円 |
同行同一支店 3万円未満:0円 3万円以上:0円 同行内 3万円未満:330円 3万円以上:330円 他行宛 3万円未満:660円 3万円以上:660円 |
利用可能時間 | 平日8:00~23:55 祝日は不可 第二土曜は21:00まで |
月~土曜日・祝日 0:00~24:00 日曜日 0:00~19:00 |
平日 8:00~23:30 土 8:00~20:00 日 9:00~17:00 祝日不可 |
平日 7:00~23:55 土日祝 8:00~22:00 |
インターネットバンキングのメリット
・多くの企業で活用されている実績
・同行間の振込手数料は無料が多い
・口座があることで取引先の信用度は増す
銀行ごとの特徴
・三菱UFJ銀行(Bizstationネット):利用時間は8:00~23:55までですが、契約内容によっては24時間の利用も可能です。申し込み翌々月末までの最大3ヶ月間が無料で利用できます。
・三井住友銀行(パソコンバンク Web21):ライトタイプ・デビュータイプ・スタンダードタイプ・エキスパートタイプの4つがあり、それぞれで月当りの振込件数が変わるので、取引量に応じて選べます。
・みずほ銀行(ビジネスWEB):申し込み月から3ヶ月間分の基本料金が無料になります。都度指定方式における1日の振込限度額は9,999万円です。
・りそな銀行(りそなビジネスダイレクト(Mini)):月額利用手数料3,300円。振込手数料は同一支店であれば無料になります。
ネット銀行4行の比較
次にネット銀行の比較です。インターネットバンキングとの違いも見つつ、銀行口座を決める際の参考にしてみてください。
ジャパンネット銀行 | 楽天銀行 | 住信SBIネット銀行 | GMOあおぞらネット銀行 | |
---|---|---|---|---|
月額基本料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
振込手数料 | 同行内 無料 他行宛 |
同行内 無料 他行宛 |
同行内 3万円未満:50円 3万円以上:50円 他行宛 3万円未満:160円 3万円以上:250円 |
同行内 無料 他行宛 |
利用可能時間 | 24時間365日 (システムメンテナンス時を除く) |
24時間365日 (システムメンテナンス時を除く) |
24時間365日 (システムメンテナンス時を除く) |
24時間365日 (システムメンテナンス時を除く) |
ネット銀行のメリット
・24時間利用可能
・振込手数料が安い
・月額基本料が発生しない
銀行ごとの特徴
・ジャパンネット銀行:Zホールディングス・三井住友銀行のグループ会社。同支店であれば振込手数料は無料です。freeeとも連携しています。
・楽天銀行:必要書類が揃っていれば開設の手続きも簡単。ビジネスデビットカードを銀行口座と連携して使えるのもメリットです。一括振込などのサービスもあります。
・住信SBIネット銀行:助成金・補助金支援サービスの利用などもできます。また、法人口座を利用することで決算書不要でオンライン融資も可能です。
・GMOあおぞらネット銀行:ITビジネスに精通したGMOインターネットグループの銀行。GMO証券との連動が可能などの特徴があります。
今後、法人口座を開設する際に参考にしてみてください。
また、設立1年目でもデビットカードを保有できることもメリットとなります。冊子版の創業手帳では、ジャパンネット銀行と、GMOあおぞらネット銀行について、それぞれ詳しく解説しています。これらのネット銀行は、ビジネスに役立つサービスやサポートも提供していますので、そういった面も銀行選びの参考にするとよいでしょう。
法人口座開設の手続きで注意することは?
代表者自身が口座開設を行う
実店舗のある銀行では代表者自身が口座を開設したい銀行の支店へ直接出向いて口座開設を行う必要があります。
必要なものを準備し、スーツなどビジネスフォーマルな服装で行きましょう。
事業内容を説明できるよう準備しておく
窓口の担当者から事業内容の説明を求められることもあります。
その際に自身の経歴と異なる事業を始める場合は、その事業を始めるに至った経緯について説得力を持った説明を行う必要があります。
ネット専業銀行とそれ以外の銀行を複数口座開設する
ネット専業銀行は一番審査時間が短く、以降、信用金庫、地方銀行、都市銀行の順となり、審査が厳しくなるようです。
ネット銀行では最短で翌日に開設できる銀行もありますが、地方銀行、都市銀行は1~2週間の期間が必要です。
ネット銀行は口座開設の審査が早く、窓口に出向かずWebサイトと郵送で手続きが完了するので忙しい起業家にとってメリットは大きいのですが、日本政策金融公庫の融資金の返済や社会保険料などの引き落としなど、対応できない取引があるため注意が必要です。
以上のことから、ネット銀行で口座を開設し、並行して都市銀行等の口座開設を進めるのがおすすめです。
GMOあおぞらネット銀行は、フリーランス・個人事業主向けのサービス「FREENANCE(フリーナンス)」を提供しています。口座を利用している人だけが使えるサービスです。「FREENANCE」のアカウントを無料で開設するだけで、無料の損害賠償保険が付帯されます。また、請求書を買い取ってくれる「即時払い」というサービスもあります。冊子版の創業手帳では、GMOあおぞらネット銀行と、これらのサービスについてもっと詳しく解説しています。(創業手帳編集部)
口座開設をスムーズに進めるためにも、以下の物は必須でないものも含めて準備しておいた方がよいでしょう。
履歴事項全部証明書(必須)
履歴事項全部証明書は会社、住所等の会社情報を掲載したもので、会社の謄本とも呼ばれています。
会社実印(必須)
法務局へ提出する会社の代表印として重要な印鑑です。
銀行届印(必須)
銀行に届け出る印鑑です。管理上、会社実印とは分けておくことをおすすめします。
運転免許証など本人であることを証明できるもの(必須)
代表者自身の本人確認書類です。
代表者印鑑証明書(金融機関による)
法務局で登記完了後に取得できます。
法人設立届出書の控え(金融機関による)
税務署に提出する書類です。税務署の受付印が押印されている必要があります。
事業計画書(あると望ましい)
会社がどんな事業を展開していくか事業計画書をもとに説明すると担当者に明確に伝えられます。
オフィス賃貸契約書(金融機関による)
実際に事業を行う会社であることを証明するのに有効です。金融機関によっては事業実態の確認のためにオフィス賃貸契約書の提出を求めることがあります。
会社案内・パンフレット(あると望ましい)
窓口の担当者によっては事業内容が分かるものの提出を求められることがあります。
法人口座開設で金融機関が確認するポイントとは?
それでは法人が口座開設の申込みを受けた時、金融機関はどんなことを確認するか詳しく見ていきましょう。
登記上の住所で事業を行っているか
個人の口座開設でも本人確認が厳格化されたように、法人に対しても事業実態の確認が厳格化されており、登記上の住所でオフィスを構えていなければ口座開設は難しくなってきています。
メガバンクや地方銀行ではオフィス・店舗の賃貸契約書の提出を求められる場合もあります。
事業内容が明確となっているか
事業内容がわかりにくい場合は窓口の担当者から具体的な事業内容について説明を求められる場合があります。
また、金融機関は創業者の経歴を重視しており、創業する事業とリンクしていない場合は十分な説明を求められます。
自己資金が一定の要件を満たしているか
資本金額となる自己資金は事業規模に比例し、資本金額が多ければ多いほど取引が増えます。
金融機関の立場としては口座維持のコストを考慮するとそれなりの取引量が望まれるため、金融機関によっては一定の自己資金を要件としています。
会社設立の手続きで困った時は
これまでご紹介したように、口座開設だけでも、多岐にわたる準備が必要です。
思わぬ落とし穴で会社設立の流れが滞らないためにも、創業についての手続きについて専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
銀行口座開設だけでなく、資金調達や会計、労務など、検討するべき課題は専門家の手を借りて効率的に解決していきましょう。
チェックは何重になってもよく、やりすぎるということはありません。将来を見据えて慎重に手続きを進めるなら、セカンドオピニオンができるように相談先を複数確保しておくのも良いでしょう。たとえば、税理士も2~3名に当たってみるのもひとつです。
ただ、コストや使い勝手がわからない状態で専門家に依頼するのは不安な方もいると思います。冊子版の創業手帳では、起業時から税理士・社労士と契約や依頼をしておいたほうがいいメリットを解説しています。また、税理士・社労士の方のインタビューも掲載していますので、実態を知ることができるでしょう。(創業手帳編集部)
(監修:起業コンサルタント(R)・税理士・社労士・行政書士 中野裕哲
(起業コンサルV-Spirits|無料相談受付中))
(編集・加筆:創業手帳編集部)