【初心者向け】個人事業の開業・廃業等届出書 書き方ってどうすればいい?

創業手帳

開業届は難しくないので早めに提出しよう!

【初心者向け】個人事業の開業・廃業等届出書 書き方ってどうすればいい?

開業届を出すと聞くと少し難しそうに感じるかもしれません。項目が多くて面倒に思われがちな開業届ですが、ひとつずつ見ていけば簡単です。

これから事業を始める人も、計画段階で着手していない人も、開業に関する手続きを知っておきましょう。

開業自体は、所轄の税務署に開業届を出すだけで、窓口でも郵送でもす実行できます。しかし、無計画な開業はおすすめできません。

開業したものの、資金計画や事業で行き詰る事業主はたくさんいます。開業の第一歩である開業届と、その後の経営まで必ず考えておくようにしてください。

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そもそも開業届って何?


フリーランスで仕事をする、事業を立ち上げるといった言葉は聞く機会があっても、具体的には何をすれば良いのかわかりにくいもの。
フリーランスになりたいと思っても、なかなかイメージしにくく、不安に感じるかもしれません。開業や開業届についておさらいしましょう。

開業とは?

まず、開業とは起業する、自分で事業を立ち上げることを言います。例えば、サラリーマンや会社員は会社に所属、勤務しています。
一方で、開業すれば事業の立ち上げから決算、経営までが自分の仕事。また、働き方自体も大きく変化します。

開業届は開業のスタートラインと言えるでしょう。税務署に開業を届け出ると、社会的に開業したことを公にできます。

起業や独立との違いは?

「いずれ起業したい」、「独立してフリーランスになって稼ぎたい」といった言葉を聞いた、もしくは自分で言った経験があるかもしれません。
働き方の選択肢も増え、今後もそのような需要は高まる可能性があります。

開業や起業、独立という言葉は、どれも同じような意味合いで使われますが、厳密には違いがあります。それぞれの違いを確認してください。

・起業
起業は何らかの事業を始めることを意味しています。
起業家の場合は、自ら新しい事業を起こして経営する人を指し、ベンチャー企業がイメージされやすい傾向があります。

起業は、創業とも似た意味合いで使われますが、創業は従来にない新しい商品や事業を指す場合が多い言葉です。
少しの違いですが、ニュアンスが違うため注意しましょう。

・開業
開業は、起業と同様に新しく事業を始めることを指しますが、事業や商売を継続している意味合いも少なくありません。
つまり、既存ビジネスを続けて自分の事業を立ち上げるような場合にも使われる言葉です。

具体的には司法書士や税理士、コンサルタント、医師のように資格や技能を持った人が自分のクリニックや事務所を開く場合に使います。
また、商業施設やレジャー施設、飲食店のオープンを指す意味でも使われます。

・独立
独立は、それ自体が日常的に幅広いシーンで使われる言葉かもしれません。自分の稼ぎで生計を立てることも広く独立を意味します。
また、自分で事業を営み、自分の意思で行動することも独立と言えるでしょう。

ビジネスの場で独立という場合には、自分の力で事業を営むことを言い、独立・開業のように使う場面も多い言葉です。

開業届とは?

開業届は、個人事業としての開業を税務署に届け出る書類で、開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

開業届は開業してから1カ月以内に届け出るよう推奨されていますが、提出しなくても罰則などはありません。

個人事業主は1月1日から12月31日まで1年間の所得を計算して、所得税を納税します。事業規模によっては、個人事業税、消費税も納税しなくてはなりません。

所得税と消費税は国税なので税務署に、個人事業税は地方税として各都道府県税事務所に納税します。

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個人事業を始める時に提出する開業届とは?提出するメリット・デメリットを解説

廃業するときはどうする?

個人事業主として廃業する場合は、開業と同じ「個人事業の開業・廃業等届出書」を使います
所定の様式の必要事項を記入してから、所轄の税務署や都道府県税事務所に提出します。

所轄の税務署がわからない場合は、国税庁のホームページで確認してください。多くの場合は、平日の朝8時30分から夕方17時までが受付時間です。

土日祝日の場合は、税務署の時間外収受箱を利用しての提出が可能なほかに、書類の郵送でも受け付けをしています。
記入に対して不明点がある場合は、国税庁のホームページを参考にしてください。

どうして開業届を出すの?


開業届は提出しなくても罰則などはありません。開業届を出さなくても事業に支障がなければ、そのまま届け出せずに事業を進めようと考える人もいるかもしれません。
どうして開業届を出すのか、その理由を紹介します。

青色申告には開業届が必須

開業届を出して、届け出るメリットのひとつが、青色申告が可能になることです。青色申告を使う最大のメリットは、最高65万円の青色申告特別控除が受けられる点でしょう。
さらに、青色申告では純損失を3年にわたって、全額を繰り越せます。

通常の白色申告だと繰り越せる損失が限られてしまいます。開業してすぐは売上の変動も大きく、税金の負担の多寡によって事業の進め方も大きく変わるかもしれません。

税制の特典によって税負担を減らすためには、「青色申告承認申請書」と「開業届」の提出が必要です。
青色申告を利用する場合には、開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を出すようにおすすめします。

青色申告の申請は、1月15日までなら同年の3月15日まで、1月16日以降なら事業開始から2カ月以内と定められています。

開業届よりも長く期限が設定されていますが、申請忘れを防ぐためにも同時に提出すると良いかもしれません。

関連記事
開業届を出すタイミングは?個人事業主なら知っておきたい開業届について

副業でも年間所得が20万円を超えたら確定申告が必要

事業を始めたばかりであれば、ほとんど利益が出ていない赤字であるパターンも珍しくありません。
事業を開始した時にどれだけ稼げば、確定申告しなければいけないのかと考える人もいるはずです。
また、サラリーマンや勤め人のかたわら、副業として開業するケースもあります。

給与所得がありながら、それ以外に所得がある場合は、給与所得以外の所得合計額が20万円を超えると確定申告が必要です。
本業として開業しても副業で開業しても、開業届の手続き自体には違いはありません。

副業は事業として認められれば事業所得、そうでなければ雑所得として扱われます。事業所得のほうが青色申告など、税制面での優遇が多いのが特徴です。

雑所得も事業所得も、収入から経費を差し引いて計算する点では同じです。
しかし、事業所得にすれば身内に支払った給与を経費にでき、経費の範囲を広げられるでしょう。

さらに、赤字が出た場合も事業所得であれば損益通算にできます。税負担を抑えるためにも開業届を出して、事業所得とするメリットは大きいと考えられます。

しかし、確定申告で事業所得として申告すれば、すべて事業所得に認められるわけではありません。事業所得として認められない場合には、修正申告しなければなりません。

一般的に、会社員の副業は雑所得として扱われることが多いものの、開業届を提出すれば事業所得や不動産所得としての扱いにしやすくなります。
事業所得として認められるためには、継続的なビジネスや、ある程度の事業規模も条件です。

働き方改革の影響によって、サラリーマンの副業が注目されるようになりました。副業は収入が増えるだけでなく、将来の可能性をも広げられるでしょう。
副業として事業をスタートする場合でも、開業届を出すメリットは多くあります。

副業で事業を始める場合にも、開業届や納税、確定申告について事前に検討しておくようにしてください。

金融機関での手続きや審査で開業届が必要な場合がある

事業をスタートした時に問題となるのが、事業用の口座やクレジットカードです。
プライベート用の銀行口座やクレジットカードを事業用として共有するのに問題はありませんが、あまりおすすめできません。

経理処理が煩雑になり、ミスの原因にもなりうるからです。会社のお金を間違いなく把握するためにも、屋号を名義とする銀行口座の開設をおすすめします。

口座開設に必要な書類は金融機関によって違いますが、場合によっては開業届の控えが必要な場合があります。

開業したての場合は、実績も少なく金融機関からの信用も得られにくいかもしれません。開業届を出しているかどうかが重要視される可能性もあります。

信用力が得られる

開業届を出すことで得られる信用力は、金融機関に対してだけではありません。
オフィス契約や賃貸契約をする場合にも、開業届を出しているかどうかが判断基準になる場合があります。
また、各種補助金、助成金の申請にも開業届の控えが必要な可能性があります。

個人の信用力を担保するためにも開業届が使われています。
会社員であれば、在職証明や社員証を発行して身元を証明してもらえますが、個人事業主やフリーランスの場合は、証明書を発行してもらえません。
そのため、開業届の控えの提出が求められる場合があります。

具体的には、未就学児童を保育園や保育所、児童クラブに入所する際、申請書類のひとつとして在職証明書が求められます。
保育の必要性を審査するためですが、個人事業主の場合は在職証明書がないため、開業届の控えを使うケースもあります。

開業届を書いてみよう


開業届は間違いや出し忘れがあったとしても罰則はありません。しかし、開業日から1カ月以内に提出するよう決められています。
また、青色申告のためにも必須です。見慣れない書類かもしれませんが、難しい部分はほとんどないので実際に書いてみましょう。

STEP1 開業届を入手する

開業届を書くためにはまず、手元に開業届を用意します。開業届は税務署の窓口のほか、インターネットでも取得可能。国税庁のホームページからPDFを取得しましょう。

開業届を書くためには、マイナンバーや事務所の住所、開業日がわかるものを準備してください。

STEP2 開業届の書き方

開業届は決められた項目があり、そこに書き込んでいきます。以下には、それぞれの項目を紹介します。

①納税地の税務署名、提出日
開業届は所轄の税務署に提出します。所轄の税務署の名称、提出日を記入してください。

②納税地/上記以外の住所地・事業所等
納税地は「住所地」「居所地」「事業所等」のいずれかを選択して住所を記入します。電話番号の記載も必要ですが、固定電話でなくても携帯電話の番号で問題ありません。

③氏名/印/生年月日
氏名をフルネームで記入して、押印します。屋号がある場合は屋号印も使用可能。

④個人番号
個人番号は、マイナンバーカードや通知カードに記載されています。

⑤職業
開業届に記載する職業は特別に書き方が決まっているわけではありません。客観的にわかりやすいように記載します。

業種によっては個人事業税の税率が違うので、その点だけ注意してください。各都道府県の税金に関するページに税率が記載されているので事前に確認しましょう。

⑥屋号
屋号が無ければ、空欄でも問題ありません。

⑦届出の区分
届け出の区分は該当する所に〇を付けます。新規開業であれば「開業」に丸を付け、ほかは空欄です。事業を引き継いだ場合には、住所と氏名を記入しましょう。

⑧所得の種類
所得の種類は、不動産による所得や山林による所得以外は事業所得です。

⑨開業・廃業等日
いつが開業とみなすかは厳密に決まっているわけではありません。自分で開業したと認識した日や、開業届を出した日を開業日とすることもできます。

ただし、開業した年に青色申告したい場合には、開業日から2カ月以内に届け出る決まりです。もしも2カ月を過ぎた場合には、青色申告は翌年分の確定申告から適用されます。

⑩事業所等を新増設、移転、廃止した場合/廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
新規開業の場合は記入しません。

⑪開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
青色申告に関する書類や消費税に関わる書類を提出する場合には「有」にチェックを入れてください。

⑫事業の概要
事業の概要は、職業欄に記入した内容よりもより具体的な内容を記載します。
例えば、「飲食業」の場合、単純に「飲食業」ではなく、「テイクアウト食品の調理と販売」と記入します。
業態を客観的に把握できる書き方で書いてください。

⑬給与等の支払いの状況
家族を従業員として雇用したり、家族以外の従業員を雇う場合に記入してください。記入するのは従事者数と給与の支払い方法、源泉徴収するかどうかです。

⑭源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
源泉所得税は原則として徴収日の翌月10日が納期です。しかし、給与の支給人員が常時10人未満の場合には、申請をすれば年2回にまとめて納付が可能。

⑮給与支払を開始する年月日
給与を支払い場合には、支払いを開始する日を記入します。

STEP3 開業届は手書きでも入力でも可

開業届は決して複雑な内容ではありません。国税庁のホームページから取得できる開業届は、印刷して書き込みできるほか、直接編集してプリントも可能です。
書き損じが心配な場合は、入力して作成してください。

STEP4 開業届を提出する

開業届は所轄の税務署の窓口に提出してします。郵送やe-Taxで提出する方法もあり、提出するときにはマイナンバーカードが必要です。
窓口で提出する場合はマイナンバーカードを提示しますが、郵送の場合はコピーを同封しましょう。e-Taxであれば提出不要です。

青色申告承認申請書も一緒に提出しよう!


税制面での優遇が受けられる青色申告は、青色申告承認申請書の提出で可能になります。青色申告を選択する場合は、開業から2カ月以内に青色申告承認申請書を提出します。
提出忘れがないよう、青色申告承認申請書も開業届と一緒に提出しましょう。

青色申告承認申請書の書き方

青色申告承認申請書に書く内容は開業届と似ている部分もたくさんあります。それぞれの項目について確認しましょう。

①提出先・提出日
青色申告承認申請書の提出先は所管の税務署です。提出する日も記載しておきましょう。

②納税地・氏名・生年月日・職業・屋号
納税地や氏名といった必要事項は、開業届と同様に記載していきます。

③青色申告の開始年度
青色申告承認申請書は、青色申告で申告したい年の3月15日までに行います。

④事業所の所在地
事業所の所在地を記載します。

⑤所得の種類
不動産所得や山林所得以外は事業所得を選択します。

⑥過去の青色申告承認の取消しや取りやめについて
過去に青色申告をしてことがあるかどうかを記載します。

⑦開業する日について
開業日を記載します。

⑧相続により事業継承した場合
事業を引き継いでいる場合は、その日を記載します。

⑨その他参考事項
その他参考事項以降の項目はは簿記方式や青色申告控除を受けるかどうかで内容が変わります。希望する控除に合わせて必要な備付帳簿が違うので注意してください。

⑩65万円控除を受けるか否か
65万円控除を受けるには、(1)簿記方式で複式簿記を選択します。備付帳簿名は現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳にチェックを入れます。

⑪特記事項について
特記事項があれば記載します。

⑫顧問税理士について
確定申告を代行する顧問税理士がいれば、名前と連絡先を記載しましょう。

関連記事
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まとめ

開業届の提出には、事業における信用力アップや税負担を減らすといった様々なメリットがあります。起業した場合は、早い段階で開業届を出すと良いでしょう。

開業届を自分で書くのが難しい場合には、専門家に依頼するか記入をサポートしてくれるサービスもあります。まずは、どのような書類なのか確認してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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