【2024年最新】個人事業主が使える給付金の種類を紹介

創業手帳

個人事業主が利用できる給付金とは?対象者や申請期限に注意して申請を


個人事業主・フリーランスが利用できる事業用の給付金があります。給付金は基本的に返済が必要なく、経営の安定に大変役立つ事業資金です。

ただし、企業向けのものが多いため、申請できる対象者に個人事業主が含まれる給付金を探す必要があります。
申請時期や条件もありますが、うまくいけば事業の安定に活かせる元手となるでしょう。

新型コロナウイルスの感染拡大以来、関係する給付金も増えましたが、コロナ関連だけでなく一般的な事業拡大のための支援制度も揃っています。

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個人事業主・フリーランスが申請できる給付金一覧


個人事業主・フリーランスが申請できる給付金には以下のようなものがあります。
それぞれの給付金には、条件や申し込みの期限が定められており、当てはまらない場合には申請できません。
対象となる条件や期限を吟味し、利用できるものをピックアップしてみましょう。

事業再構築補助金

※第12回以降の公募については、見直しを行った上で公募を再開する予定。

ウィズコロナ、ポストコロナ時代の変化に対応するためのサポートを行う補助金です。新型コロナウイルス感染拡大後、多くの人は生活習慣や働き方の転換を求められました。

今後も新分野への展開や業態転換、事業再編などといった大きな変化を伴う事業の再構築が必要になるでしょう。

事業再構築補助金制度は、そうした事業の再構築に挑戦する中小企業と個人事業主を支援します。

参考:事業再構築補助金‐必須申請要件

対象者・給付額・申請期間

事業再構築補助金の対象となるのは、中小企業をはじめ、小規模事業者、個人事業主、企業組合などです。複数の枠組みが設けられており、申請枠によって補助上限額や補助率、個別要件が異なります。

申請枠の一つである「成長枠」を例にすると、中小企業における補助上限額は最高で7,000万円、補助率は1/2です。大規模な賃上げを実施する場合、補助率は2/3になります。枠組みごとの補助上限額・補助率は、事業再構築補助金の公式サイトから確認しましょう。

補助金の申請は、「GビズIDプライムアカウント」を利用した電子申請で行います。GビズIDプライムアカウントは法人代表者もしくは個人事業主が利用可能です。

公募はこれまで、1回ごとに1〜3カ月程度の応募期間が設けられてきました。公募スタートは中小企業庁のサイトから知ることができます。次回は第12回の公募が見込まれていますが、正式には決定していません。制度の見直しが図られた上で再開する予定です。

参考:事業再構築補助金‐スケジュール

事業再構築補助金についてはこちらの記事も>>
事業再構築補助金 第10回以降の内容とは?スケジュールも含めて紹介
最大1億円の事業再構築補助金7つのポイント|審査に通るコツや注意点を現場から分かりやすく解説

雇用調整助成金

雇用調整助成金は、労働者に支払う休業手当を助成する制度です。事業の縮小にともなってやむを得ず休業してもらうなどの場合に、労働者を雇用する事業者に給付されます。教育訓練や出向にかかった費用も助成の範囲です。

企業はもちろんのこと、従業員のいる個人事業者も対象となります。

参考:厚生労働省‐雇用調整助成金ガイドブック

対象者・給付額・申請期間

雇用調整助成金の対象となるのは、雇用保険に加盟している事業者です。主な要件として、最近3カ月間における売上高や生産量の月平均が、前年同期比10%以上減少していることが挙げられます。

ほかにも、雇用保険被保険者数が一定以上増えていないこと、実施する雇用調整が一定の基準を満たすことなどの条件があるため、詳細を確認しておきましょう。

助成金の上限は1人1日あたり8,490円で、助成率は中小企業が2/3、大企業は1/2です。休業や教育訓練の場合だと、初日から1年間で最大100日分、3年の間に最大150日分を受給できます。

2024年1月から支給額の算定方式が変わり、実際に支払った休業手当等の総額を用いて金額が決まる「実費方式」が採用されているのもポイントです。2024年1月1日以降を初日とする場合に適用されます。

支給申請期間は、判定基礎期間終了後、2カ月以内です。まずは判定基礎期間ごとに事前に計画届を提出しなくてはならないので、詳しくは管轄の労働局やハローワークに問い合わせておきましょう。

参考:雇用の維持を図る事業主を支援します 雇用調整助成金-厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク

小規模事業者持続化補助金

持続的な経営に必要となる販路の開拓、生産性の向上といった取り組みを支援する制度が小規模事業持続化補助金です。本制度では、通常枠の他に特別枠として「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」「インボイス枠」があります。対象者は小規模事業者なので、個人事業主も利用可能です。

定期的に公募が行われており、申請が採択されたら事業に着手、終了後に実施報告書の提出をもって補助金が交付されます。

参考:小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブック‐第11版(2024年1月16日)商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局

対象者・給付額・申請期間

補助金の対象となるのは、企業と商工業者である個人事業者です。

補助上限額は通常枠の場合は50万円、特別枠の「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」の場合200万円となります。

また、免税事業者からインボイス発行事業に転換する事業者を対象に50万円を上乗せする特例もあり、適用要件を満たせば受け取りが可能です。

申請は補助金申請システムによる電子申告で行い、その際にはGビズIDプライム、またはGビスIDメンバーのアカウントが必要です。

申請期間は、直近の公募では2〜3カ月程度になるケースが多く見られます。一般型の第15回受付締切日は2024年3月14日(木)です。

参考:商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型>第14回・15回受付締切用‐小規模事業者持続化補助金(一般型)とは

小規模事業者持続化補助金についてはこちらの記事も>>

小規模事業者持続化補助金(一般型) 第11回の概要が発表!新設された特別枠とは?対象者やスケジュールも解説。

IT導入補助金


サービス等生産性向上IT導入支援事業によるIT導入補助金は、ITツールの導入費用の一部を補助する制度です。パソコンやタブレットなどのハードウェア、会計ソフトといったソフトウェアに対する費用のほか、ソフトの利用料も補助されます。

通常枠に加えて2種類のインボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠が用意されているので、枠組みごとの要件を確認しましょう。

申し込みが採択された後で該当の事業を実施し、その後実績報告を行い補助金交付、実施効果の報告というのが給付の流れです。

参考:IT導入補助金2024‐IT導入補助金とは

対象者・給付額・申請期間

複数社連携IT導入枠以外の対象は、個人事業主を含む小規模事業者等です。複数社連携IT導入枠に関しては、小規模事業者等で形成されるコンソーシアムなどが対象となります。

自社の課題やニーズに合わせてITツールを導入し、業務の効率化や売り上げアップを行おうとしていることが申請条件です。さらに、GビズIDプライムアカウントの取得、みらデジ経営チェックの実施といった要件も満たさなくてはなりません。

通常枠の補助額を例に紹介すると、1プロセス以上につき5万円以上150万円未満4プロセス以上で150万円以上450万円以下が補助の範囲となります。補助率は1/2以内です。

複数社連携IT導入枠以外は、段階的に締め切り日が設定されています。

最後となる3次締め切りは2024年5月20日(月)17:00です。インボイス枠のインボイス対応類型については5次締め切りまで設けられていますが、5次締め切り日は他の枠の3次締め切り日と同じであるため、実質的な申請期間は変わらない点に注意しましょう。

参考:IT導入補助金2024‐事業スケジュール

IT導入補助金ついて、詳しくはこちらの記事を>>
IT導入補助金とは?申請スケジュールや受給額を分かりやすく解説

住居確保給付金

住居確保給付金は、収入が減った人に対して住居の安定を図る制度で、個人事業主やフリーランスも対象です。

ほかの給付金とは異なり、事業に直接働きかけるものではありません。事業の廃業や休業に伴う収入の減少を補う制度として、参考のために紹介します。

参考:厚生労働省‐住居確保給付金

対象者・給付額・申請期間

対象となるのは、離職や事業の廃業から2年以内の人や、収入が廃業と同等まで減少している、または一定額を超えていない人です。廃業して個人事業主ではなくなった人も対象となっています。対象者に該当しており、求職や事業再生のための活動を行うことが主な要件です。

給付額は市区町村や世帯の人数によって異なり、世帯収入額などをもとに算出されます。東京都特別区の例では、1人の場合の上限額が53,700円2人だと64,000円です。要件や金額などの詳細については、居住地域の自立相談支援機関に相談しましょう。

個人事業主が利用できる減免・支払い猶予


個人事業主の助けになるのは、給付金だけではありません。

資金の提供ではなく、出費を抑えられる減免や支払い猶予の制度も、相対的に保有する資金を減らさないために役立ちます。

国民健康保険料(税)の減免

国民健康保険料・保険税については、軽減や減免の制度が設けられています。定められている条件の該当者として認められると、軽減や減免、納付猶予を受けることが可能です。

事業の悪化で保険料・保険税の支払が難しくなったときには、制度の対象となるかを確認してみましょう。

参考:厚生労働省‐国民健康保険の保険料・保険税について

対象・軽減額

法令規定の所得基準を下回るケースや、災害などの特別な事情によって支払が困難になった場合が対象です。

軽減については、対象者の要件によって7割、5割、2割のいずれかの減額を受けられます。減免や納付猶予については個別に問い合わせが必要です。具体的な要件や金額については、地域の国民健康保険窓口にて確認を行いましょう。

電気・ガス料金の支払猶予(2023年8月検針分まで)

※本制度による支払猶予の対象は、2023年8月検針分までです(2024年2月時点)。

新型コロナウイルス感染症の影響で電気ガスなどの料金支払いに不安がある人に対する支払い猶予の特別措置の認可を行っています。

参考:経済産業省‐新型コロナウイルス感染症の影響を受け、電気・ガス料金の支払いが困難な皆様へ

対象・申請期間

申し込みは利用しているガス電気会社へ、専用のWEB受付などから行います。
緊急小口資金・総合支援資金の貸付を受けている人や廃業や失業で一時的に支払いが困難と判断された人が対象です。

個人事業主が給付金を受ける際のポイント


個人事業主が給付金を利用する際には、手続きや書類作成が無駄にならないように、効率的に手続きを進めることが大切です。
給付金申請で押さえておきたいポイントを紹介します。

対象者に個人が入っているかチェックする

事業用の助成金や補助金など、多くの給付金は法人が対象です。個人事業主が対象者になっているものは限られているため、まずはしっかりと対象の範囲をチェックしましょう。

また、はっきりと「個人事業者向け」と書かれていない場合も多いため、どのように表現されていたら当てはまるか理解しておくことも必要です。

基本的には、「個人を含む」などと募集要項などに追記されている場合は、個人事業主・フリーランスも使えます。「小規模事業主」などと書かれているときも、多くの場合が個人事業主やフリーランスも対象です。

申請期限を守る

補助金や給付金の多くは、それぞれに申請期限が定められています。

期限を過ぎたらいくら条件に該当しても申し込めないため、まずは期限をチェックして、間に合うように準備してください。

給付金の種類によっては何度も公募が行われる場合もありますが、その回を見逃すと、もうチャンスが来ないこともあります。

受給までの期間を考えて計画しておく

給付金は申請してすぐに受け取れるものではありません。入金には数カ月から1年ほどかかることがあるため、受給までの期間を踏まえて資金計画を立てておきましょう。

すぐに受給できる前提で計画を立てると、現実との差異が大きくなり、事業に支障をきたす恐れがあります。給付金を事業に活かしたい場合は、余裕を持って期間を設定しておくことが大切です。

地元の給付金も小まめにチェックしておく

給付金は国が実施しているものもありますが、自治体が独自に行っている制度もあります。

市区町村独自の制度にも目を向けると、もらえるチャンスも広がるため、日ごろから自分の住んでいる自治体、オフィスがある自治体のホームページなどはチェックしておきましょう。

地域の給付金の例

自治体が独自に行っている、地域の給付金の例を一部紹介します。いずれも個人事業主を含めた小規模事業者等が対象です。

  • 小規模事業者等サポート給付金(北海道岩見沢市)

原油価格高騰の影響を強く受ける事業者を対象とした給付金制度です。車両の保有台数によって20万円〜100万円が支給されます。

  • 北川村事業者支援物価高騰対策給付金(高知県安芸郡北川村)

物価高騰のあおりを受けている個人等の事業主に給付金を支給します。支給額は2023年中の対象収入額によって算出され、上限額は20万円までです。

  • 宇多津町農業者支援給付金(香川県宇多津町)

本制度は、農業を営んでいる事業者に対するものです。認定農業者とそれ以外の農家で給付額が分かれています。

全国にはさまざまな給付金制度があり、要件を満たすことで受給が可能です。事業エリアの制度をチェックして、ビジネスに活かしていきましょう。

まとめ・個人事業主が使える給付金を把握して事業に有効活用しよう

個人事業主が利用できる給付金の種類は意外と多くありますが、申請前には十分な調査が必要です。個人が対象でも、条件や申請期限がある場合、条件外や期限を過ぎた場合は利用できません。

個人事業主やフリーランスが給付金を利用する際は、条件や期限が当てはまるかを吟味し、余裕をもって申し込みましょう。国だけでなく、地方自治体の制度を活用するのもおすすめです。

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(編集:創業手帳編集部)

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