5分で作成完了!開業届の書き方と税務署に提出する際の注意点

創業手帳

個人事業主の開業届の書き方と記入例

(2018/02/01更新)

個人事業主として事業を始めると、税務署に提出しなくてはならない「開業届」。新たなビジネスを始めるという宣言の書類でもあり、青色申告をするための必須書類でもあります。開業したら、忘れずに提出しましょう。

とはいえ、開業直後は慌ただしくて書類準備の時間も惜しいですよね。今回は、忙しい個人事業主の方でもスムーズに開業届が作成できるよう、書き方や注意点をまとめてご紹介します。

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開業届とは?

「開業届」とは、個人事業をスタートしたことを税務署に申告するための書類のことで、正式には「個人事業の回廃業届出書」と呼ばれています。

個人事業主の場合、国税である「所得税」「消費税」を税務署に、地方税である「個人事業主税」は都道府県税事務所に納めます。そのため、個人事業主としての開業を報告する必要があります。

ちなみに、都道府県税事務所に対する届出は、確定申告をすると自動で通知が行くために提出を省く方もいます。

実は、開業届を提出しなくてもペナルティはありませんが、青色申告を行うためには開業届(と「青色申告承認申請書」)の提出が必要です。
また、屋号で口座開設するときや、融資申し込みにも開業届の提出が求められる場合があります。

このようなことから、個人事業主の多くは、事業を開始するときに開業届を準備しています。

開業届の提出先は?

開業届は、納税地を管轄する税務署に提出します。提出期限は、原則として開業から1カ月以内です。

無料の開業届作成サービスも便利

開業届を作成するにあたっては、無料の開業届作成サービスを利用するとスムーズです。

例えば、「開業freee」というサービスを使うと、質問に答えるだけで開業届を含む開業に必要な書類を一括で作成することができます。

>>開業freee

開業にあたってはやるべきことも多いので、時間を有効活用するために便利サービスの活用も検討してみてください。

開業届を入手するには

開業届を入手する方法には、2つの方法があります。

ウェブサイトから入手

国税庁のウェブサイトからダウンロードします。様式は定期的に変わるので、最新版であることを確認しましょう。

ダウンロードしたファイルは、PDFが直接編集できるので、パソコンで作成すれば見た目もきれいな書類が作れます。

税務署で入手

最寄りの税務署に行くと、直接白紙の開業届を受け取ることができます。予備や控えのために、2部もらっておくと安心です。

開業届の書き方

開業届を入手したら、必要事項を記入していきます。

以下にそれぞれの項目で書くべきことをまとめました。この通りに書いていけば、迷わず5分で開業届作成が完了しますよ!

1. 開業に丸をつける

まず、「個人事業の開業・廃業届出書」というタイトル部分の「開業」に丸をつけます。

2. 税務署名・提出日

提出先の税務署名と、提出日を書きます。

提出先の税務署は、「納税地」を管轄する税務署です。納税地については、次の項目で詳しく解説します。

提出日は、実際に提出する日を記入します。開業届の提出期限は、事業開始から1カ月以内とされていますが、遅れてしまっていても問題ありません。

なお、開業届の提出日はそこまで厳密でない一方で、所得税の青色申告承認申請書には「3月15日まで」もしくは「開業日から2カ月以内」という決まりがあります。これを過ぎると青色申告ができずに納税額が多くなってしまうので、注意しましょう。

3. 納税地

納税地は、「住所地」「居所地」「事業所等」から選択します。

個人事業主の場合、自宅を事務所にしていることがあるかと思います。そのため、一般的には、住民票がある「住所地」を選ぶことが多いです。

海外で生活していて、国内に活動場所がある場合は、その居所地を納税地とできます。事業所を構えている場合は、その場所を納税地にすることもできます。

納税地以外に住所地や事業所がある場合は、「上記以外の住所地・事業所等」欄に記載します。該当しない方は、空欄で構いません。

ちなみに、納税地に変更が生じた場合、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」または「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」の提出が必要になるので、覚えておきましょう。

電話番号欄については、携帯電話の番号でも問題ありません。

4. 氏名・生年月日・マイナンバー

個人事業主の氏名・生年月日・マイナンバーを記載します。氏名の欄には、印鑑を押しましょう。押す印鑑については指定はありません。個人の印鑑でも、屋号印でも、好きな方を押してください。

5. 職業

個人事業主として行う職業を記載します。特に決まりはないので、第三者から見て何をしているかが分かれば自由に書くことができます。

よくある職業の例:
デザイナー、ライター、エンジニア、広告業、翻訳業、飲食業、小売業、製造業、理美容業、士業、コンサルティング、不動産業、運送業、サービス業、農業、漁業、医業 等

「職業」欄を書く時に注意したいのは、事業所得が290万円を超える場合です。この場合、「個人事業税」の課税対象となり、業種によって税率が異なります。

ほとんどの業種は5%ですが、

  • 畜産業、水産業、薪炭製造業は4%
  • あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復、その他の医業に類する事業は3%

という違いがあります。

6. 屋号

屋号を設定する場合は、記載します。屋号とは、お店や事業所の名前のこと。必須項目ではないので、屋号がない場合は空欄で構いません。

7. 届出の区分

新規開業の場合、「開業」欄を丸で囲みます。それ以外は空欄で構いません。事業を引き継いだ人のみ、住所や指名を記載します。

8. 所得の種類

個人事業で得る所得の種類を「不動産投資」「山林所得」「事業所得」から選びます。

ほとんどの場合は事業所得に該当します。副業で事業を開始する場合も、「事業所得」を選びましょう。

9. 開業日

事業をスタートした日を記入します。

事業開始についての定義はないので、「店舗をオープンした日」「事務所の賃貸契約がスタートした日」「月初のキリが良い日」「開業届を提出した日」など自分で決められます。

自宅で開業した人であれば、「今日から個人事業主として頑張る」と決めた日が開業日といえるかもしれません。

ただ、「青色申告承認申請書」は開業日から2カ月以内(またはその年の3月15日まで)に提出する必要があるので、青色申告を行う場合は、開業日との整合性が取れるように注意しましょう(2ヶ月より前の日を開業日と記載しないように注意)。

10. 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無

「青色申告承認申請書」「消費税に関する課税事業者選択届出書」を同時に提出する場合は、「有」にチェックを入れてください。

個人事業主が青色申告を行うメリットは非常に大きいので、青色申告を行うことをおすすめします。

開業当初は、消費税の免税を受けることができるので、基本的には消費税の書類は「無」を選びます。

11. 事業の概要

職業欄で記載した内容について、具体的にどのようなことを行うのかを記載します。
細かい決まりはありませんが、10字~40字程を目安にするといいかと思います。

記載例:
イタリアンレストランの経営、ヘアサロンの経営、日英の翻訳、ウェブサイトや雑誌等に掲載する記事の取材・執筆、ウェブサイトの設計・デザイン 等

12. 給与等の支払の状況

従業員を雇用する予定がある場合は、人数やお給料、ボーナスなどの詳細を記載します。

「専従者」は家族に手伝いを依頼した場合のこと、「使用人」はそれ以外の従業員のことです。
1人で事業を行う場合は、空欄で構いません。

「給与の定め方」には、日給、月給、月給+ボーナスなどの支払い体系を記載します。
「税額の有無」は、源泉徴収の有無に応じて選択。基本的に、給与を支払うときには源泉徴収を行います。

ちなみに、青色申告の人は、配偶者や親族を「青色事業専従者」にすることで、給与を経費として計上することが可能です。家族などに事業の手伝いを依頼する際は、青色申告を上手に活用しましょう。
ただこの場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要なので、注意してください。

13. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無

従業員を雇い、かつ源泉徴収を納付する場合、「納期の特例の承認に関する申請書」の提出の有無が選べます。

通常は源泉徴収分を毎月納付しなくてはなりませんが、この書類を提出すると半期に一度の納付にまとめることができます。

開業届を税務署に提出するときの注意点

開業届を作成したら、税務署に提出します。税務署の窓口に直接持ち込む、または、郵送での提出も可能です。

最後に、開業届を提出する際の注意点をご紹介します。

青色申告承認申請書もあわせて提出しよう

開業届と同時に、「青色申告承認申請書」も提出しましょう。3月15日、もしくは開業から2カ月以内にこの書類を提出しなければ、その年の確定申告で青色申告をすることができません。

また、家族を専従者として雇用する場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」も忘れずに準備してください。

青色申告のメリット

個人事業主にとって、青色申告はメリットだらけです。

  • 「青色申告特別控除」で、税額が10万円もしくは65万円控除される
  • 赤字を3年繰り越すことができる
  • 家族を雇った場合、その給料を経費にできる
  • 30万円未満のものを、一度に必要経費として計上できる

青色申告を行うことで得られる節税効果はとても大きいです。
会計ソフトなどを使えば、帳簿の知識がなくても青色申告をすることができるので、迷わず選ぶことをおすすめします。

必ず自分の控えも作り、受付印をもらうこと

必ず「控え」を準備して、受付印をもらいましょう。開業届は、税務署に提出すると手元には戻ってきません。開業届の控えは、銀行で屋号名義の口座を作る時や、融資を申し込む時に必要になることがあります。いざという時に困らないよう、忘れずに準備しておきましょう。

パソコンで作成する際には、2部印刷すればOKです。手書きで作成した場合は、もう一部手書きで書いても構いませんし、提出前のコピーでも大丈夫です。

郵送で提出する際には、開業届2部(提出用と控え用)・切手を貼った返信用封筒を同封しましょう。

まとめ

開業届は、個人事業主にとって「事業をスタートする」という決意の書類でもあります。一見難しい書類に見えますが、書き方のポイントをおさえればスムーズに作成できるでしょう。

作成にあたっては、管轄の税務署に相談しながら行うと、より確実です。起業家の皆様が良いスタートを切るために、この記事を役立てていただけたら幸いです。

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(執筆:創業手帳編集部)

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