【税理士監修】会社員をしながら起業するには?サラリーマンが法人を設立するメリット・デメリット
会社設立の流れや法人化を考えるべきタイミングなどをわかりやすく解説!

● 法人化のメリット:節税・信用力・資金調達
● 法人化のタイミング:利益や売上を基準に判断
● 注意点:勤務先への配慮と税務対策
● 会社設立の手順:商号決定から各種届け出まで
● 両立のコツ:計画・スキル・人脈づくり
年々一般化している、会社員の副業。一定の利益が出始めたら、個人事業主としての開業や会社設立(法人化)を検討する人もいるでしょう。
本記事では「会社員の起業」を、個人事業主として事業を始める場合と、株式会社や合同会社などの法人を設立する場合の両方を含む言葉として使用します。そのうえで、会社員が本業を続けながら法人を設立するケースを中心に解説します。
会社員から独立・起業を考えている方は、まず以下の動画をご覧ください。独立前に確認しておきたいポイントを約2分でまとめています。具体的な準備や手続きについては、記事本文で詳しく解説しています。
九州大学法学部卒業。有限責任監査法人トーマツで主に上場企業の監査業務に従事。20代で独立し、上場企業の社外監査役を務めるなど、会計・税務の枠にとどまらず、経営やガバナンスの視点も含めた多角的なサポートを得意とする。
「カジュアルな税理士」をモットーに、いつでも気軽に相談できる身近な専門家として、クライアントに寄り添ったきめ細やかなサービスを提供している。
この記事の目次
会社員の会社設立は可能?勤務先にバレる?確認すべきこと

結論からお伝えすると、法律上、会社員(サラリーマン)が副業で会社設立をすることは可能です。自身の企業を持ちながら別の企業で会社員として働いている人はたくさんいます。
ただし、勤め先の会社が副業を禁止している場合など注意が必要な点もあります。法律上は問題がなくとも、バレてしまったときにトラブルに発展する可能性も考えられます。
詳しくは、後ほどの「会社員が副業から起業する際の注意点」にて解説しています。
会社員が起業する場合のメリット・デメリットを比較

以下は、会社員をしながら副業から起業する場合のメリット・デメリットになります。
| メリット | ・給与所得控除が使える場合がある ・家族への給与支払いで所得を分散できる場合がある ・経費計上の選択肢が広がる場合がある ・設立当初は消費税の納税義務が免除される場合がある ・決算日を自分で決められる ・社会的な信用度が向上する ・資金調達がしやすくなる ・出資者の責任が原則として有限になる ・赤字の繰り越しが10年まででき節税効果が高まる |
|---|---|
| デメリット | ・勤め先の会社にバレるリスクがある ・会社設立の費用がかかる ・決算処理が煩雑になる ・赤字でも税金を支払う必要がある |
会社員が副業で会社設立をするメリット
会社員が会社設立をする主なメリットは「節税」です。税金面を中心に、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。
それぞれの内容は、次の項目から詳しく解説していきますので、確認してみてください。
給与所得控除が使える場合がある
会社員自身が取締役として会社設立をしている場合、そこから得る収入は役員報酬として給与所得控除を受けることができます。
役員報酬とは、法人が役員に支払う報酬のことです。会社員が起業すれば役員となるため、法人からの報酬は役員報酬として受け取ることになります。
役員報酬は会社員の給与と同じように給与所得として扱われることになり、給与所得控除の対象です。
ただし、年収850万円を超える場合、給与所得控除額は上限の195万円に固定されます。給与所得控除はすべての給与所得を合算して計算するため、すでに本業の年収が850万円を超えている場合は、設立した会社から役員報酬を受け取っても給与所得控除は上限の195万円のままであり、メリットはありません。
一方、本業の年収が850万円未満であれば、役員報酬との合計額が850万円に達するまで給与所得控除を増やすことができます。
給与所得控除のメリットの度合いは、本業でどれだけもらっているかによって大きく左右されます。
家族への給与支払いで所得を分散できる場合がある
副業で設立した法人の業務を家族が担っている場合、その対価として給与を支払うことで、所得を家族に分散できる場合があります。所得税は累進課税のため、世帯全体の税負担を抑えられる可能性があります。
個人事業主が生計を一にする家族への給与を必要経費にするには、青色事業専従者給与などの要件を満たす必要があります。一方、法人ではこれらの要件は適用されませんが、家族への給与を無条件に経費計上できるわけではありません。勤務実態があり、業務内容に見合った金額であることが必要です。
また、家族側の税金や扶養、社会保険に影響する可能性もあるため、世帯全体の負担を踏まえて判断しましょう。
経費計上の選択肢が広がる場合がある
会社を設立すると、個人事業主とは経費の取扱いが異なり、会社の事業に必要な支出を法人の経費(損金)として計上できる選択肢が広がる場合があります。適切に経費を計上することで、法人の課税所得を抑えられる可能性があります。
ただし、会社を設立すれば私的な支出も経費にできるわけではありません。経費として認められるには、事業との関連性や支出の実態などが必要です。
設立当初は消費税の納税義務が免除される場合がある
消費税の納税義務は、原則として、基準期間における課税売上高が1,000万円を超えているかどうかなどによって判定されます。法人の基準期間は、原則として前々事業年度です。
新たに設立された法人には基準期間がないため、一定の例外に該当しなければ、設立第1期は原則として消費税の納税義務が免除されます。また、個人事業主から法人成りした場合、個人事業主だった期間の課税売上高は、法人の基準期間における課税売上高には含まれません。
ただし、法人を設立すれば必ず2年間免税になるわけではありません。設立時の資本金が1,000万円以上の場合や、適格請求書発行事業者として登録した場合などは、設立当初から消費税の納税義務が生じます。また、設立第2期についても、特定期間の課税売上高などによっては課税事業者となることがあります。
消費税の取扱いは、資本金や売上高、役員報酬・給与の支払額、インボイス登録の有無などによって異なるため、法人設立前に確認しておきましょう。
決算日を自分で決められる
個人事業主の場合、1月から12月が事業年度と決められています。一方、会社設立をすれば決算日を自由に決定できます。
本業や副業の繁忙期を避けて決算日を定めることで、本業や副業の仕事をスムーズに行えるでしょう。
社会的な信用度が向上する
個人事業主に比べ、法人のほうが対外的な信用を得やすいメリットもあります。
会社を設立して法人になるには、設立費用の支払いや各種手続きといった手順を踏まなくてはなりません。登記による情報開示も伴うので、法的手続きがほぼいらない個人事業主と比べると、一定の信用を得やすいのもうなずけます。
取引先に厳しい企業が多い場合は、副業の法人化を検討するのも一手です。
資金調達がしやすくなる
事業に使える補助金・助成金や融資など、資金調達のしやすさで言えば個人事業主よりも法人に分があります。
補助金や助成金の多くは、対象を法人としているケースが少なくありません。融資の審査も、きちんと登記を終えて活動している法人の方が有利と言われることがほとんどです。
副業を本業にしたいと考えているならなおさら、法人化により会社設立をしたほうが資金調達の幅が広がり、事業の発展にも役立ちます。
出資者の責任が原則として有限になる
個人事業主の立場で副業を続けるより、株式会社や合同会社にすることで、経営責任という名のリスクが減少します。
株式会社や合同会社は基本的に有限責任であるため、会社の資産以上の責任は問われません。ただし、個人保証をした場合などは、個人に返済義務が生じます。
個人事業主のままだと、借り入れの責任もすべて個人事業主本人が背負うことになります。事業のための借金であっても関係なく、自己破産するまでは返済義務が生じるのです。
赤字の繰り越しが10年まででき節税効果が高まる
青色申告者が使える「赤字の繰り越し」ですが、法人の場合は10年まで繰り越せます。対して個人事業主の場合、長くても3年までです。
赤字の繰り越しをしておけば、黒字になったときの利益と繰り越した赤字分を相殺でき、課税所得を減らすことで節税を狙えます。過去10年にわたり繰り越せる法人のほうが、赤字を相殺しきれないまま期限切れにしてしまうリスクを軽減できます。
副業であっても、会社を作り法人として確定申告するなら、赤字の繰り越しが使えます。
会社員の会社設立のデメリット
一方、会社員が会社設立をすることにはデメリットや注意点もあります。
それぞれの内容を、次の項目から詳しく見ていきましょう。
勤務先の就業規則に抵触する可能性がある
会社員として働きながら会社を設立して事業を行う場合、勤務先の就業規則や副業・兼業に関する規定に抵触する可能性があります。無断で事業を始めると、勤務先とのトラブルにつながるおそれがあるため注意が必要です。
会社設立や事業開始の前に就業規則を確認し、届出や許可が必要な場合は、勤務先が定める手続きを行いましょう。また、本業と競合する事業や、勤務先の情報・ノウハウを利用する行為は避ける必要があります。
会社設立の費用がかかる
会社員に限ったことではありませんが、会社設立には当然お金がかかります。
たとえば株式会社設立の場合にはざっと「約25万円+資本金」、合同会社設立の場合は「約10万円+資本金」が必要になります。
決算処理が煩雑になる
個人事業主でも確定申告はなかなか大変だったという人も多いかと思いますが、法人の場合は会社法にしたがってさらに複雑な決算業務を行う必要があります。
決算処理をしっかり行わないことは会社の信用にも関わるので、確実に行いましょう。法人の場合は税理士に依頼するのも一般的です。
創業手帳では信頼できる税理士の紹介を無料で行っていますので、会社設立をお考えの方はお気軽にご相談ください。
赤字でも法人住民税の均等割がかかる
法人は、事業が赤字で法人税が発生しない場合でも、原則として法人住民税の「均等割」を負担します。均等割は所得ではなく、資本金等の額や従業者数などに応じて課税されるため、副業で設立した法人に利益が出ていなくても、税負担がゼロになるとは限りません。
一方、副業を個人で行う場合、事業の赤字そのものに所得税が課されるわけではありません。ただし、本業の給与所得がある会社員には、給与などをもとに所得税や住民税が課されます。
また、副業の赤字を給与所得と相殺できるかどうかは、その副業による所得が事業所得と雑所得のどちらに該当するかなどによって異なります。法人を設立する際は、赤字でも発生する税金や維持費を考慮して判断しましょう。
会社員が会社設立をすべきタイミング

会社員で副業をしている方の中には、特に何も手続きせずに副業をしていたり、個人事業主として開業したりしている方もいると思います。では、こうした会社員が会社設立を考えるのはどのようなタイミングが良いのでしょうか?
会社員を続けながら副業で個人事業主になるか迷っているなら、以下の記事で紹介している「メリット・デメリットや手続き方法」も合わせてチェックしてみてください。
会社員が副業で個人事業主になると最強?メリット・手続き・確定申告など解説
副業の利益が500万〜700万円程度になったとき
副業の利益が年間500万〜700万円程度になることは、法人設立を検討するひとつの目安として紹介されることがあります。ただし、この金額を超えれば必ず法人のほうが節税面で有利になるわけではありません。
個人事業主として副業を行う場合、事業所得は本業の給与所得などと合算され、所得が増えるほど所得税率が高くなる累進課税が適用されます。一方、法人を設立した場合は、法人の利益に法人税だけでなく、地方法人税、法人住民税、法人事業税などが課されます。また、設立した法人から役員報酬を受け取る場合は、個人の所得税や住民税、社会保険料にも影響します。
さらに、法人には設立費用や税務申告費用、赤字でも原則として発生する法人住民税の均等割などの負担があります。
白石会計事務所 代表 公認会計士・税理士 白石 哲也のポイント
課税売上高が1,000万円を超えたとき
課税売上高が年間1,000万円を超えると、消費税の納税義務が生じます。このタイミングで会社設立をすれば、節税においてもプラスです。
消費税の免税による恩恵を最大限に得たい場合は、課税売上高が1,000万円を超えたタイミングを目安にしましょう。
副業で社会的信用が必要なとき
企業によっては、「個人事業主などの個人とは取引を行わない」という方針を持っているケースもあります。
取引先にこうした企業が多い場合は、会社設立をして法人として社会的信用度をアップさせたほうが得する可能性もあるでしょう。
会社設立にはさまざまな目的がありますが、もっとも大きなメリットが節税効果です。その効果を最大化させるためには、やはり専門家である税理士の支援が必要です。創業手帳では無料で専門家を紹介しています。成約手数料も不要の完全無料であるため、気軽にご相談ください。
会社員が副業から起業して会社を成功させるためのポイント
会社員が副業を法人としてやっていくため、事前に成功させるポイントを確認しておいてください。
本業の手は抜かない
副業はあくまでも副業のため、本業の手を抜かないようにします。その理由は、起業したばかりの副業は収入が不安定になることがありますが、本業で安定した収入があれば安心だからです。
今の生活水準を保ちリスクを減らすため、本業の手は抜かないようにします。
必要なスキルや仲間を集めておく
副業で安定した利益を出すため、スキルアップに手を抜かないことが大切です。
また、副業で成果が得られないときのために、同業の人脈を増やしておき、相談できる環境を整えることをおすすめします。個人事業主は孤立しやすく、孤立で挫折しやすくなるため、仲間が必要になります。
起業までの目標計画を綿密に立てる
曖昧な計画では副業による起業が失敗に終わる可能性があります。どんな作業が必要なのか、資金はいくら必要か、どのくらい時間をかければいいか綿密な計画を立てるようにしてください。
ワンストップで法人化できるサービスを活用する
「法人設立ワンストップサービス」を活用すれば、オンライン上で法人設立手続きを一気通貫できます。
法人設立ワンストップサービスは、会社設立に際しての煩雑な手続きを簡略化するために内閣府が提供するサービスです。会社設立に関わるすべての行政手続きをオンライン上で完結できます。
詳しくは下記の記事でご紹介していますので、あわせてご参考ください。
会社員が副業で会社設立をする流れ

会社員として働きながら会社設立をする際の方法や流れについて簡単にご紹介します。
会社設立の流れは、以下の6ステップです。
- 商号の決定と印鑑の作成を行う
- 定款を作成する
- 資本金を払い込む
- 登記書類を作成する
- 登記申請をする
- 会社設立後の税務署への届け出
発起設立によって株式会社を設立する場合の一般的な流れをご紹介します。合同会社では、定款認証が不要になるなど手続きが異なります。
STEP1:会社設立の準備をする
まずは会社設立の準備として、商号の決定と印鑑の作成をしておきましょう。
商号とは、株式会社の名前・名称のこと。会社法や不正競争防止法に気をつけて設定します。
印鑑は、代表印・銀行印・角印を用意しておくと良いでしょう。代表印は、登記申請を行うときに一緒に届け出をします。
STEP2:定款を作成する
定款とは、会社や法人の基本原則を定めたものです。株式会社設立にあたって必ず必要なものですが、合同会社では不要です。
定款を作成したら、会社の本店所在地を管轄する法務局に所属する公証役場で「定款の認証」を受けます。
STEP3:資本金を払い込む
会社設立に必要な資本金を金融機関に払い込みます。
現在の会社法では資本金は1円でもよいことになっていますが、実際には1円起業は現実的ではありません。事業開始後の運転資金などから個別に決めましょう。
STEP4:登記書類を作成する
会社設立をするには法務局で登記申請を行う必要があります。主に必要な書類は以下になります。
- 登記申請書
- 登録免許税分の収入印紙
- 定款
- 発起人の決定書
- 取締役の就任承諾書
- 代表取締役の就任承諾書
- 監査役の就任承諾書
- 取締役の印鑑証明書
- 資本金の払込みを証明する書類
- 印鑑届出書
- 登記すべきことを保存したCD-R など
STEP5:登記申請をする
資本金の払込みや設立時役員の選任・調査などの手続きを終え、必要書類をそろえたうえで、本店所在地を管轄する法務局へ設立登記を申請します。
発起設立によって株式会社を設立する場合は、原則として、設立時取締役等による調査が終了した日または発起人が定めた日のいずれか遅い日から2週間以内に申請します。
登記申請は、法務局の窓口への提出、郵送またはオンラインで行うことができます。株式会社は設立登記によって成立し、通常は登記を申請した日が会社設立日となります。
STEP6:会社設立後の税務署への届け出
会社設立が完了したら、納税地(本店所在地)の管轄の税務署に「法人設立届出書」と「青色申告の承認申請書」を提出します。
法人設立届出書は会社設立から2カ月以内に提出しましょう。青色申告の承認申請書は、設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合、会社設立の日以後3カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに提出します。
会社員が副業から起業する際の注意点
会社員が副業で起業するなら、知識や人脈が必要となります。以下に紹介する点に注意するようにしてください。
副業時から帳簿はしっかりとつける
副業300万円問題に備え、事業の帳簿は必ず保存してください。法人化するときに限らず、副業を始めた時点で注意しなくてはなりません。
副業300万円問題とは「300万円以下の副業収入を雑所得とすべきか」という視点から法改正が検討された事案です。雑所得の場合は控除額の大きい青色申告や赤字の繰り越しができないなど、節税効果が低くなります。
最終的な改正により、帳簿書類の保存があれば金額によらずおおむね事業所得であると認められることになりました。帳簿の保存がなければ基本は雑所得となり、節税で不利になるため気をつけましょう。
勤務先のルールと必要な手続きを確認する
会社員が法人を設立して事業を行う場合は、まず勤務先の就業規則や副業・兼業に関する規定を確認しましょう。届出や許可が必要な場合は、勤務先が定める手続きを行う必要があります。また、本業と競合する事業や秘密情報の利用、本業に支障をきたす働き方にも注意が必要です。
法人から役員報酬を受け取る場合は、勤務実態などによって社会保険の加入や届出が必要になることがあります。本業と設立した法人の両方で社会保険の加入対象となる場合には、所定の手続きが必要です。
勤務先に知られないことを目的として、役員報酬の受取人を家族に変更したり、実態と異なる申告をしたりすることは避けましょう。税金や社会保険については実態に即して適切に手続きを行い、不明な点は税理士や社会保険労務士などの専門家に相談することが大切です。
税金関連の知識をつけておく
税金についての知識をつけることは、会社を作る上で鉄則です。会社員だと税金の支払いは会社が全部やってくれますが、起業すれば自分で対応しなければなりません。
また、給与所得と事業所得では税金の仕組み自体が大きく異なるため注意してください。とくに気をつけるべきは、所得税と法人税では税率が異なること、年間課税売上高が1,000万円を超えると消費税納税の義務がある点です。
さらに、法人住民税(均等割)は赤字でも最低7万円の課税があるため、次年度の資金繰りに気を付けてください。
同じく起業した人と知り合っておく
起業した人の知り合いを作り、人的パイプを幅広く広めていくことが重要です。起業した人でしかわからない情報や悩みが聞けるので、事業に役立ちます。
たとえば、本業との兼ね合いはどうしているのか、資金調達はどう対処しているのかなど、起業に必要となるノウハウを聞きだすきっかけになります。
売り上げが伸びない悩みも、起業した人でしかわかりません。同業種や異業種を問わず、人的パイプは多くもつことです。
会社員の起業に関してよくある質問
会社員の起業には、個人事業主として事業を始める方法と、株式会社や合同会社などの法人を設立する方法があります。本記事では、このうち会社員が本業を続けながら法人を設立するケースを中心に解説しています。以下では、個人事業主と法人の違いを明確にしながら、よくある質問に回答します。
Q. 会社員を続けながら起業することは法律上問題ありませんか?
A. 個人事業主として開業する場合も、法人を設立する場合も、会社員であることを理由に起業が一律に禁止されているわけではありません。ただし、勤務先の就業規則で、副業・兼業に関する届出や許可が必要とされている場合があります。起業する前に就業規則を確認し、必要な手続きを行いましょう。本業と競合する事業や、勤務先の秘密情報を利用する行為にも注意が必要です。
Q. 会社員が起業する場合、開業届の提出は必要ですか?
A. 個人事業主として事業を始める場合は、事業所得などが生じる事業を開始した年分の確定申告期限までに「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。一方、法人を設立する場合は、個人事業主向けの開業届は提出しません。代わりに、設立登記の日から2カ月以内に「法人設立届出書」を所轄税務署へ提出する必要があります。
Q. 会社員が起業する場合、個人事業主と法人のどちらが向いていますか?
A. 初期費用や手続きの負担を抑えて事業を始めたい場合は、個人事業主が選択肢となります。一方、取引先からの信用や将来的な事業拡大、資金調達などを重視する場合は、法人が向いていることがあります。ただし、法人は設立費用に加えて、会計・税務申告や社会保険などの手続きも必要です。事業規模や将来の計画を踏まえて選びましょう。
Q. 会社員が起業すると確定申告は必要ですか?
A. 個人事業主として起業した場合、勤務先1カ所から給与を受けて年末調整を済ませている会社員は、事業所得など給与・退職所得以外の所得の合計額が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。
法人を設立した場合は、法人が法人税などの申告を行います。また、設立した法人から役員報酬や配当を受け取った場合は、本業の収入と合わせて個人の確定申告が必要になります。
Q. 会社員が法人を設立した場合、社会保険への加入は必要ですか?
A. 法人は、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。設立した法人から役員報酬を受け取り、継続的に業務を行うなど、社会保険の加入要件を満たす場合は手続きが必要です。本業の勤務先でも社会保険に加入している場合は、「二以上事業所勤務届」の提出が必要になることがあります。役員報酬の有無や勤務実態によって取扱いが異なるため、年金事務所や社会保険労務士に確認しましょう。
まとめ・会社員の起業では法人設立のメリットと負担を比較しよう

会社員として働きながら副業で会社設立をする場合、法人化のメリット・デメリットを理解しておかなくてはなりません。会社設立を検討すべきタイミングも吟味しましょう。
会社設立にはお金も手間もかかります。特に税金面はしっかりと注意しないと損をしてしまったり、知らないうちに税金の支払いを怠ってしまったりする可能性もあります。そうならないために、会社設立を考えたら一度税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。
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法人化したことで、かえって負担が増す事態に陥らないよう、法人化が世帯に及ぼす影響を、慎重にシミュレーションしてください。