【2026年最新版】合同会社と株式会社の違いは?メリット・デメリットと選び方を比較

合同会社と株式会社はどっちがいい?

💡この記事の要点

  • 費用や意思決定の自由度を重視するなら合同会社
  • 信用力・資金調達力を重視するなら株式会社
  • 迷ったら「5年後にどうなりたいか」を基準に判断

起業するとき、「合同会社と株式会社はどっちがいいの?」と迷う人は少なくありません。

両者は設立費用だけでなく、信用力・資金調達・意思決定の仕組みなどに違いがあります。

本記事では、比較表をもとに、それぞれのメリット・デメリットや向いているケースをわかりやすく解説します。

執筆者 大久保幸世
創業手帳 株式会社 ファウンダー
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

この記事の目次

合同会社と株式会社の違いを比較表でわかりやすく比較

合同会社は、出資者と経営者が一致し、設立費用や運営コストを抑えやすい会社形態です。株式会社は、株式を発行して資金調達できる、日本で最も一般的な会社形態です。

どちらが向いているかは、事業規模や将来の展望によって異なります。まずは比較表で主な違いを確認し、自分に合う会社形態を考えてみましょう。

合同会社と株式会社の大まかな違い

比較項目 合同会社 株式会社
信用度 ○(十分にある) ◎(高い)
設立費用 ◎(約6万円~ 安価) △(約18万円~ やや高価)
上場 ×(不可) ○(可能)
資金調達 △(融資中心) ◎(融資・出資・株式など)
ランニングコスト ◎(安価) △(やや高価)

大まかに言えば、初期費用を抑えて一人で小さく始めるなら合同会社がおすすめです。一方、資金調達や採用、将来的な上場まで視野に入れるなら株式会社が向いています。

以下、細かく見ていきます。

所有と経営の違い(基本的な性質の違い)

比較項目 合同会社 株式会社
資本金 1円~ 1円~
設立人数 1人~ 1人~
設立費用 約6万円~ 約16.5万円~(条件により変動)
出資者の責任 有限責任 有限責任
経営者 出資者=社員 株主が選定
代表者肩書 代表社員 代表取締役
利益配分 原則自由(定款で決定可) 株数に応じて配分
決算公告 不要 必要

合同会社は出資者=経営者で、所有と経営が一致します。株式会社は株主と経営者が分かれ、ガバナンス重視の形態です。

資金調達の違い(融資・出資・上場)

方法 合同会社 株式会社
社債発行
転換社債型新株予約権付社債 ×
新株発行 ×
金融機関からの融資
個人・法人の出資
ベンチャーキャピタル投資 ×(一部例外あり)
株式上場 ×
M&A

株式会社の方が資金調達の手段は幅広く、事業拡大や採用強化を目指す企業に選ばれやすいです。
一方、合同会社は融資やクラウドファンディングなど小回りの利く調達手段が中心で、少額資金で始めやすいのが特徴です。

意思決定の違い(スピード・経営の自由度)

  • 合同会社:社員全員の合意や多数決で決定。出資比率に左右されず、柔軟でスピーディー。
  • 株式会社:株主総会での決議が必要。時間やコストはかかるが、株主の意見を反映できる。

信用力性・知名度の違い

  • 合同会社:制度が新しいため知名度は低め。「代表社員」という肩書が伝わりにくい場面もある。
  • 株式会社:社会的信用が高く、法人営業や採用に有利。

設立費用や維持コストの違い

  • 合同会社:設立費用6万円~、維持コストも低い(定款認証・決算公告不要、役員任期なし)。
  • 株式会社:設立費用16.5万円~(条件により変動)、公告義務や役員変更登記など維持コストがかかる。

合同会社と株式会社はどっちがいい?ケース別の選び方

合同会社と株式会社のどちらが向くかは、設立費用や社会的信用度、将来の事業展開などで変わってきます。ここでは、起業時によくあるケースごとに選び方のポイントを解説します。

一人会社・スモールビジネスで低コストで作るなら合同会社

できるだけ初期費用を抑えたい場合は、合同会社が向いています。株式会社よりも登録免許税が安く、定款認証も不要なため、設立費用を大幅に削減できます。経営と所有が一致するため意思決定もスピーディーで、運営コストを比較的低く抑えられるのも魅力です。

一人で事業を始めるフリーランスや個人事業主、スモールビジネスを展開する場合は、合同会社がおすすめです。

法人営業や採用を重視するなら株式会社

取引先への信頼性やブランド力を重視する場合は、株式会社が有利です。株式会社は日本で最も一般的な会社形態であり、金融機関からの認知度・信頼性も高く、法人営業の場面では特に安心感を与えやすい傾向があります。また人材採用でも応募が集まりやすく、組織拡大を見据える場合には重要なポイントです。

会社の信用が事業拡大に直結する業種では、株式会社を選ぶといいでしょう。

将来的に資金調達・上場を目指すなら株式会社

投資家からの出資や株式上場を視野に入れている場合は、基本的に株式会社を選ぶことになります。株式発行によって投資家から資金を集める仕組みが整っており、ベンチャーキャピタルとの相性も良好です。また、上場を目指す場合は株式会社であることが前提になります。

将来の選択肢を広く残したい場合は、設立当初から株式会社を選ぶのが無難です。

個人事業主から法人成りするなら合同会社も選択肢

個人事業主が節税や信用力向上のために法人成りする場合は、合同会社でも十分に効果を得られます。

すでに一定の顧客基盤があり、事業規模も小さい段階なら、無理に株式会社にする必要はありません。まずは合同会社でスタートすることで、設立費用やランニングコストを抑えながら法人化できます。将来、必要に応じて株式会社への組織変更も可能です。

迷った時に使える事業モデル別・おすすめ選択チャート

「情報が多すぎて、どちらにするか決めきれない」という方は、以下のチェックリストで当てはまる数が多い方を選びましょう。
 

▼ 「合同会社」が向いている人
     ✔初期費用(設立コスト)を数万円でも安く抑えたい

     ✔まずは自分一人、または家族など信頼できる少人数でスモールスタートしたい

     ✔BtoCビジネス(飲食、サロン、個人向けサービスなど)やWeb系フリーランスである

     ✔出資比率に関係なく、仲間と対等な立場でスピーディーに意思決定したい

▼ 「株式会社」が向いている人
     ✔大手企業との取引(BtoB)や、行政からの入札案件を狙いたい

     ✔将来的に従業員を多く採用し、組織を大きく拡大していきたい

     ✔ベンチャーキャピタルからの出資や、将来的な株式上場(IPO)を視野に入れている

     ✔「代表取締役」という、誰にでも一発で伝わる社会的信用度の高い肩書きが欲しい

それでも迷った場合は、「5年後にどのような会社にしたいか」を基準にして考えると、判断しやすくなります。
 

合同会社とは?

オフィス
合同会社とは、出資者自身が会社の経営にも関わる会社形態です。株式会社のように株式を発行する仕組みはなく、出資者と経営者が一致するため、設立費用を抑えやすく、経営の自由度が高い点が特徴です。近年は、一人会社や家族経営、IT・コンサルティング・クリエイティブ業などで選ばれるケースもあります。

合同会社の設立費用や手続きについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!

株式会社とは?

株式会社とは、株式を発行して投資家から資金を集められる、日本で最も一般的な会社形態です。出資者(株主)と経営者(取締役)が分かれる「所有と経営の分離」が特徴で、社会的信用の高さや資金調達のしやすさから、事業拡大や採用を重視する企業に選ばれています。

株式会社の設立要件や手続きについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
株式会社設立の条件をまとめて解説!設立できる年齢や必要な人数、手続きとは?

合同会社と株式会社のメリット・デメリット

合同会社と株式会社は、どちらも法人格を持ち有限責任である点は共通していますが、費用・信用力・資金調達力などで違いがあります。ここでは、メリット・デメリットを項目別の比較表で整理します。

メリットの違い

合同会社は費用の安さと意思決定の自由度、株式会社は資金調達力と社会的信用の高さが主なメリットです。項目ごとに比較すると、次のようになります。

比較項目 合同会社 株式会社
設立費用 ◎ 安い(6万円~) △ やや高い(18万円~)
維持コスト ◎ 低い(決算公告・役員任期の定めなし) △ 決算公告や株主総会などの義務あり
意思決定のスピード ◎ 社員の合意だけで迅速に決定できる △ 株主総会・取締役会を経る必要がある
利益配分・議決権の自由度 ◎ 出資額に左右されず定款で自由に設定できる △ 出資比率に応じて決まる
資金調達の幅 △ 融資中心 ◎ 株式発行・VC出資など選択肢が幅広い
社会的信用・知名度 ○ 十分にあるが株式会社より低め ◎ 高く、法人営業や採用に有利
事業承継のしやすさ △ 持分譲渡に社員全員の同意が必要 ◎ 株式譲渡でスムーズに承継できる
人材採用 △ 知名度の面でやや不利 ◎ 認知度が高く応募が集まりやすい

コストと自由度を重視するなら合同会社、信用力と資金調達力を重視するなら株式会社に分があるといえます。どちらのメリットを優先したいかが、選び方の一つの基準になります。

デメリットの違い

一方でデメリットを見ると、合同会社は資金調達・信用・承継の面で制約が多く、株式会社は費用と意思決定スピードの面で負担が大きいという違いがあります。

比較項目 合同会社 株式会社
資金調達の限界 株式発行ができず、大規模な調達は難しい 株主総会など意思決定に時間がかかる
費用面の課題 出資者が複数いる場合、利益配分のルール整備が必要 設立費用・維持コストが合同会社より高い
対外的な信用 「代表社員」の肩書が伝わりにくい場面がある
事業承継 相続・持分譲渡に制限があり、定款の工夫が必要

こうして見ると、株式会社はデメリットとして挙げられる項目が少なく、合同会社の方が制約を感じやすい場面が多い傾向にあります。ただし、いずれの制約も事業規模や体制次第で許容できる範囲かどうかが変わるため、自社の状況と照らし合わせて判断することが大切です。

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会社形態を選ぶ前に確認したい3つのポイント

岐路に立つサラリーマン
合同会社・株式会社のどちらを選ぶ場合でも、設立前に押さえておきたい共通のポイントがあります。設立後に困らないよう、事前にチェックしておきましょう。

定款に定めるルール

会社を設立する際は、必ず定款を作成する必要があります。特に出資者・株主が複数いる場合は、議決権や利益(配当)の分配方法など、揉めやすい要素を定款にしっかり定めておくことが大切です。

合同会社は「定款自治」の範囲が広く、株式会社よりも柔軟にルールを設計できます。一方、株式会社は会社法上のルールに沿って定める事項が多いため、事前にどこまで自由に決められるかを確認しておきましょう。

業種や事業の適合性

自社の事業内容や規模に、それぞれの会社形態のメリットが活かせるかを考えてみましょう。

たとえば、一人社長やスモールビジネスで、まずはリスクを抑えて始めたい場合は、設立・維持コストの低さや意思決定の自由度が活きる合同会社が適合しやすいといえます。
一方、法人営業や採用で信用力が問われる業種、将来的に組織拡大を目指す事業であれば、株式会社の方が適合性が高くなります。

資金調達の可能性と方法

設立後、どのような方法で資金を調達する可能性があるかも、事前に検討しておきたいポイントです。
融資や自己資金の範囲で十分なのか、将来的に投資家からの出資や株式上場も視野に入れるのかによって、選ぶべき会社形態は変わります。具体的な事業計画を立てたうえで必要な資金を試算し、調達方法とあわせて検討しておきましょう。

合同会社の設立手順【5ステップ】

黒板にステップを書く手
合同会社を設立するまでの流れは、大きく分けて以下の5ステップです。

1.定款作成
2.資本金の払い込み
3.登記書類の作成
4.登記申請
5.登記後の各種行政などへの手続き

株式会社と異なり、定款の認証が不要なため、比較的シンプルな手続きで設立できます。

書類の準備や手続きの詳しい流れは、以下の記事で解説しています。

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合同会社から株式会社への変更(組織変更)はできる?

合同会社でスタートしたけれど、途中で株式会社に変えたくなった……そんなときは、会社形態の移行が可能です。

組織変更の手続き・費用

移行の際に必要な準備を押さえておきましょう。

項目 概要
移行にかかる費用 ・公告費用:約3万円

・登録免許税:約6万円

移行に必要なもの ・組織変更計画書

・登記申請に必要な書類

移行の手続き ・全社員から組織変更計画書の承認を受ける

・債権保護手続きをする

・登記申請する

どのタイミングで移行すべき?

合同会社の規模が大きくなってくると、株式会社へ変更した方が得られるメリットが多くなります。資金調達の広範化や信用度の向上など、企業の持続的な発展を目指すなら移行を検討しましょう。

法人登記について、詳しくはこちらの記事を>>
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合同会社と株式会社の違いに関するよくある質問

Q. 合同会社と株式会社はどっちがいいですか?

設立費用や運営コストを抑えて小規模で始めるなら、合同会社がおすすめです。対外的な信用力や資金調達、採用を重視する場合は株式会社が向いています。事業規模や将来の展望に合わせて選びましょう

Q. 合同会社は信用されにくいですか?

A. 株式会社に比べると知名度は低いものの、合同会社も法人格を持つ会社であり、契約や取引は可能です。近年は外資系企業などで採用される例もあり、一概に不利とは言えません。ただし、法人営業や採用で信用力を重視する場合は、株式会社のほうが有利なことがあります。

Q. 合同会社から株式会社に変更できますか?

A. 合同会社から株式会社への組織変更は、可能です。資産や契約関係も引き継いだまま変更できます。ただし、組織変更計画書の作成や登記、官報公告などの手続きが必要になり、費用と時間がかかります。将来の資金調達や事業拡大を見据えている場合は、早めに検討を始めましょう。

Q. 一人で会社を作るなら合同会社と株式会社のどちらが向いていますか?

A. 設立費用や維持コストを抑えながら柔軟に経営したい場合は、合同会社が向いています。一方、将来的に人材採用や外部資金調達を考え、取引先からの信用も重要な場合は、株式会社を検討するとよいでしょう。

Q. 合同会社は上場できますか?

A. 合同会社のまま株式上場することはできません。上場を目指す場合は、株式会社へ組織変更する必要があります。ガバナンス体制や開示体制の整備などが求められるため、上場を考える法人は早い段階から株式会社として運営するケースが一般的です。

まとめ・合同会社と株式会社の違いを理解して最適な形態を設立しよう

合同会社を設立する際は、創業メンバーや出資者・投資家などと、会社との関係のあり方や将来像をイメージしながら選択しましょう。

創業手帳では、会社設立について有益な情報をWEBでも数多く提供していますので、無料相談などを含めぜひ利用してみてください。

“身の丈に合う”法人になろう!
株式会社から合同会社になるときの組織変更方法を解説

(執筆:創業手帳編集部)