【完全版】合同会社(LLC)設立までの手順・合同会社のメリットを解説

創業手帳

合同会社を設立の流れをくわしくまとめました

(2018/01/29更新)

2006年にできた新しい法人格である「合同会社」。大手企業も合同会社に組織変更をしているなど、使い勝手もよく、注目されている法人形態です。

合同会社は設立費用も安く、登記申請もシンプルなため、専門家に依頼せずに自分自身で設立する人も多くいます。

そこで今回は、実際に合同会社設立を検討している方のために、合同会社のメリットや設立費用、設立の流れなどを詳しく説明していきます。

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合同会社(LLC)の基礎知識

合同会社の設立を検討するにあたり、まずは合同会社に関する基本的な知識をおさらいしておきましょう。

合同会社(LLC)とは?

合同会社とは会社形態のひとつで、2006年の会社法の改正により設立できるようになった、新しい法人格です。一般的に、小規模な会社や、BtoCの会社に向いているといわれています。

合同会社は、経営者と出資者が同一であるという特徴を持った会社形態で、2006年の会社法の改正以前からあった「合資会社」や「合名会社」と似た性質を持っています。
ただし、合資会社や合名会社と違い、有限責任社員のみで構成されています。
有限責任社員とは、会社が倒産したときや負債が発生した場合、出資額以上の負債を背負う必要がないということです。

そのほかの会社形態としては、株式会社や一般社団法人などがあります。法人の種類について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:法人の種類・特徴まとめ|本当に株式会社でいい?設立する前に知っておくべき法人の種類

合同会社と株式会社の違い

合同会社は株式会社と比較されることが多くあります。合同会社と株式会社はともに営利企業ですが、両者の大きな違いは「利益の配当のしかた」にあります。

株式会社の場合は、1株あたりの配当が決まっており、それにしたがって出資者に配当を支払います。
しかし、合同会社には「株式を発行する」という概念がありません。よって、出資の割合に関係なく、定款によって利益などの配分の仕方を自由に設定することができます。
たとえば、出資額は少なくとも、それ以外の部分で会社に貢献した人間に多くの利益を分配することなどもできるのです。

また、株式会社には義務付けられている決算の公告や、役員の任期などは合同会社にありません。ほかにも、合同会社は株式会社の約1/6の費用で会社設立が可能です。

株式上場を目指す方、また、より高い法人格の認知度や信頼性を求める方は株式会社を、一方、スモールビジネスなどでの会社設立であれば合同会社もおすすめです。

LLCとLLPの違い

合同会社はLLCとも表記されます。これは、「Limited Liability Company」の略で、直訳すると有限責任会社という意味です。

一方、似たような名前のLLPは、「Limited Liability Partnership」の略で、有限責任事業組合を指します。
LLPは、形態としては合同会社と似ており、組織契約で組織のルールを柔軟に決めることができます。また、LLC同様、設立費用はかかります。

しかしLLPには法人格がありません。法人ではないので、法人税等が課せられないというメリットがあります。
ただし、多く利益が上がるビジネスでは、法人化した方が節税になる場合もあるので注意が必要です。また、LLPには、法人としての許可(建設業許可など)を取得することができない、株式会社への組織変更は不可能などのデメリットもあります。

LLPは、個人でビジネスを持っている事業主が数名で始める場合や、すでに会社設立を行なっている人が新規プロジェクトを立ち上げるときなど、リスク回避のために新たに設立する場合が多いようです。

合同会社の設立費用はいくら必要?

合同会社の設立費用は、株式会社よりも安くなっています。

定款に貼る収入印紙代が4万円(電子定款の場合は不要) 。
登録免許税(登記)は資本金の額の0.7%。資本金に0.7%をかけた額が6万円に満たない場合は、6万円です。

さらに、株式会社設立の際に求められる定款の認証(約5万円)は必要ありません。

ということで、電子定款の場合ならば、6万円から。そうでなければ10万円から設立することができます。

合同会社にかかる税金は?

合同会社も株式会社と同じように税金がかかります。
課せられる税金は、主に「法人税」「法人住民税」「法人事業税」「消費税」の4つです。

「法人税」は、会社の所得を課税対象とする国税です。
社員総会で承認された決算書の当期利益がベースとなり、税率は、課税所得の23.4%となっています。

ただし、中小企業には軽減税率制度があります。
資本金が1億円以下で、年間所得金額のうち800万円以下の部分には、15%の税率が適用されます。

※税制改正により、平成31年度3月期からは、課税所得の23.2%、軽減税率は19%となります。

「法人住民税」には、市町村に支払う「市町村民税」と、都道府県に支払う「道府県民税」の2つがあります。
また、税率は「所得割」と「均等割」というもので決定されます。税率は、市町村や都道府県ごとに決められています。
所得割は、前年度の所得に対して課税されます。税率は法人税額によって異なります。
均等割は、所得に関係なく定額が課税されます。納税額は資本などによって異なります。

「法人事業税」は、都道府県の行政サービスや、公共サービスの利用料として負担する地方税金です。

「法人税」「法人住民税」「法人事業税」は、決算日から2ヶ月後の納付が義務付けられています。3つあわせて、だいたい所得の35%ぐらいの税金がかかると覚えておきましょう。

参考:2017年版|法人税入門。申告のしかた/納税方法を徹底解説します!

「消費税」は、商品やサービスの消費に課される税金です。消費税には、2年前の売り上げが1000万円以下であると消費税が免除されるという免税制度があるため、起業初期にはかからない場合が多いです。

しかし、次のような時には免除されず、消費税の納付が求められます。

  • 事業年度開始日の資本金が1000万円以上の場合
  • 上半期の売り上げが1000万円を超えた場合

消費税の免税を受けるために、資本金などの設定にも気を配ると良いでしょう。

参考:消費税は2年間の免税や簡易課税制度を活用しよう!起業/法人登記予定者は要チェック。

合同会社設立のメリット・デメリット


さて、ここからは、合同会社にはどのようなメリット・デメリットがあり、どのような人・ビジネスに合同会社が向いているのかを詳しくみていきます。

合同会社設立のメリット

設立費用、ランニングコストが安い

合同会社のメリットとしては、たった6万円で設立できるという、費用の安さが目を引きます。
また、決算公告義務がないので官報掲載費の6万円が不要、役員の任期がないので、重役登記の1万円もかからない、など、ランニングコストも安くすみます。

利益配分を自由に決めることができる

営利企業における会社の利益は、出資者に配当という形で分配されます。このとき、株式会社は持株数に応じて配当が決まりますが、合同会社は、定款によって利益の配分を自由に決めることができるのです。

技術力や会社への貢献度など、出資額だけでない要素で配分が決められることは、合同会社のメリットのひとつといえるでしょう。

意思決定が早い

合同会社には「株主総会」が必要ありません。よって、重要な経営上の意思決定がすばやくなるというメリットがあります。

有限責任である

合名会社や合資会社は無限責任となり、会社が倒産したら、出資額以上の負債を背負うことになります。

しかし、合同会社は有限責任であるため、もし事業が失敗したとしても再出発が可能となります。

合同会社設立のデメリット

株式による資金調達ができない

株式という概念のない合同会社は、株式の発行による資金調達を実施することができません。上場をすることもできないので、会社を大きくしたいと思うのであれば、合同会社は適していないでしょう。

株式は大きな資金調達手段ですので、資金調達の面ではデメリットといえます。

株式会社に比べ信用度が低い

2006年から新設された法人格である合同会社は、株式会社と比較してもまだまだ知名度が低いため、社会的な信用度も比例して低くなっています。

求人のときや、取引先の開拓などで不利になる場合もあるかもしれません。

利益の配分をめぐるトラブルの危険性がある

メリットでもあった、利益の配分を自由に決めることができるというのも、利益の配分をめぐる社員同士の対立が起きる可能性があるデメリットと表裏一体です。

合同会社設立に向いているのはこんな人!

合同会社の設立に向いている人は以下のような人です。

  • BtoCのビジネスのため、株式会社というブランドが必要がないという人
  • 法人としての許可(建設・介護など)が必要で、株式会社よりも設立費用を抑えたい人
  • 株主総会や決算公告などの手続きをしたくない人
  • 事業開始期に資産をあまり必要としない、コンサルティングや、IT関係のビジネスをはじめる人
  • 個人の能力を事業の中心としたビジネスをはじめる人

合同会社設立は自分でやる?専門家に依頼する?

合同会社の設立手続きは株式会社のものよりも簡単なので、時間があれば自分自身で行うことも比較的容易です。

合同会社設立でのポイントは、定款認証です。
紙の定款の場合、印紙税4万円がかかります。これを節約するために、印紙税のかからない電子定款を使うという方法があります。

電子定款を利用すれば、法人登記にかかる費用は登録免許税の6万円のみです。

ただし、電子定款の作成には、PDF編集ソフトやICカードリーダーなどが必要となり、イチから揃えるとなると、5万円前後のコストがかかってしまいます。

そこで、電子定款の作成のみを専門家に依頼したり、作成サービスを利用するという方法がおすすめです。専門家などに依頼した場合、報酬は安いところだと1万円台で済み、手間もかからないのでお得といえるでしょう。

合同会社設立前後の資金調達

当たり前ですが、会社の設立だけではなく、運営にも資金が必要です。
設立資金については自己資金でまかなえる場合は多いかもしれませんが、運営資金はそうはいかないはずです。
ここからは、合同会社はどのような資金調達の手段があるのかみていきましょう。

社員による出資

合同会社設立の際、社員の出資金(資本金)が元手となります(合同会社での「社員」は、従業員のことではなく、いわゆる出資者のことです)。
増資の際も、社員から出資してもらうことによって資金を調達する方法があります。

合同会社の社員全員には、業務執行権と代表権がありますが、定款により業務執行権のない社員を定めることができます。
そして配当に関しても定款で定めることができるため、業務には関わらないが出資してもらい、そのかわり利益を分配する、という形で資金を調達することもできます。

融資

合同会社も株式会社などと同じように金融機関から融資を受けることができます。

創業期に受けられる融資は、主に3つあります。

創業期に受けられる融資

融資審査のポイントとなるのは「自己資金」と「事業計画書」です。

融資担当者は、事業に対する熱意を、「自己資金をいかに貯めてきたか」というところでも確認します。
クレジットローンなどで一時的に持ってきたお金は見せ金とみなされ評価されません。
評価される自己資金は「融資申し込み前に支出した事業用経費の領収書分」や、「きちとんと手続きをした上での知人・親戚からの借入」、「コツコツ貯めたお金だと通帳をみてわかるもの」などです。

そして、事業計画書ですが、綿密な事業計画書が立てられているかどうかがポイントとなります。
大きな儲けになるであるとか、革新的な事業であるかなどはポイントではありません。
担当者は、滞りなく返済できるような事業であるかどうかだけをみています。
そのため、現実的な事業計画を立て、それに見合った額の融資を申請することが大切です。

参考:日本政策金融公庫担当者が語る、創業融資に失敗する可能性がある4つのパターン

補助金・助成金

補助金・助成金は原則として返済不要であるため、創業期の資金としてとてもありがたいものです。
しかし、補助金・助成金のほとんどは後払いになるため、補助金が手元に入るまでの資金繰りなどには注意しなくてはなりません。

助成金と補助金は、受給の難度が違います。
助成金は、要件などが合えば受給できる可能性が高いものです。
しかし補助金は、予算の関係で採択の上限が確定しているので、受給できる可能性は低くなっています。

創業時に使える助成金としては、厚生労働省の「雇用関係助成金」が有名です。
35歳未満をトライアル雇用する際に支給されるもの(トライアル雇用奨励金)や、有期契約労働者などを正社員へ転換した際などに支給されるもの(キャリアアップ助成金)などがあります。

キャリアアップ助成金は、有期契約労働者などを正社員へ転換したり、有期契約労働者に職業訓練を行う、といった要件なので、創業期にはすこし使いにくいものかもしれません。
トライアル雇用奨励金は、ハローワークなどからの紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成金が支給されるものです。
こちらは創業期であっても比較的要件を満たしやすいのではないかと思います。

補助金としては「創業・事業継承補助金」などがあります。
創業・事業継承補助金は、一般的に「創業補助金」と呼ばれているもので、新たに創業する者に対して創業等に要する経費の一部を助成してくれます。
そのほかにも、「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」なども創業期の企業に人気です。
特に補助金は、公募期間が短く競争率も高いので、早めの準備が必要となります。

参考:補助金/助成金を活用しよう。起業家が選べる4種類をご紹介!

クラウドファンディング

最近話題のクラウドファンディングですが、実はさまざまな種類があります。

クラウドファンディングは、大きく「非投資タイプ」と「投資タイプ」に分類できます。

「非投資タイプ」には、寄付型と購入型があります。
寄付型は、以前からあった寄付・募金をネットで一般的に募集するものです。
購入型は、新しい製品やサービスのプロジェクトに資金を提供するものです。
目標額が集まるとプロジェクトが開始され、それによって生まれた製品・サービスを出資者が対価として受け取るものです。

「投資タイプ」のクラウドファンディングは、いわゆる金融商品ものです。
ファンド型、貸付型、株式型の3つがあります。
ファンド型は、事業に対して個人投資家から出資を募るもので、売上などの成果や出資額に応じた配当を個人投資家にリターンします。性質としてはエンジェル投資に近いもののようです。
リスクが高いため、個人投資家としては事業を応援するという気持ちのほうが強いタイプのクラウドファンディングです。
貸付型は、いわゆるソーシャルレンディングと呼ばれているものです。
企業や個人に資金を提供し、利率に応じた分配金を得るという仕組みで、借手としては、少ない金利負担でお金が借りられるというメリットがあります。
株式型は、株式市場に上場していない企業の株の権利に投資するものです。

合同会社には株がないため、株式型は使えません。
合同会社が利用するクラウドファンディングとして候補にあがるのは、購入型、ファンド型、貸付型に3つ。
もし一般消費者向けのプロダクトやサービスで事業を展開しようとしているのなら購入型が最適でしょう。そうでなければ、ファンド型か貸付型という選択になります。

実践!合同会社を設立する手順


ここからは実際に合同会社を設立することを考え、設立の手順について解説していきます。
書類の作成はそこまで複雑なものではないため、早ければ1日から3日で終わらせることができるでしょう。

合同会社設立の流れ

設立の流れとしては、以下の6ステップとなっています。

  • 1.基本事項の決定
  • 2.印鑑の作成
  • 3.定款の作成
  • 4.資本金の払込み
  • 5.登記書類の作成
  • 6.登記書類の提出

合同会社の設立の手続きは株式会社と比べると、とてもシンプルなものとなっています。

合同会社の設立登記に必要な書類一覧

合同会社の設立登記に必要な書類は以下の8つです。

  • 合同会社設立登記申請書
  • 登記用紙と同一の用紙
  • 定款2部(会社保存用と法務局提出用)
  • 代表社員の印鑑証明書
  • 払込証明書
  • 印鑑届書
  • 代表社員就任承諾書(場合によって必要)
  • 本店所在地及び資本金決定書(場合によって必要)

下の2つ以外はすべて必須となっています。
また、資本金に現物出資がある場合は「財産引継書」と「資本金の額の計上に関する証明書」が必要となります。

合同会社設立の手順

さてここからは、合同会社の設立の手順についてそれぞれのステップを詳しく解説していきます。

1.合同会社の基本事項決定

まずはじめに基本的な設立項目を決める必要があります。
決定しなくてはならない項目は以下の6項目です。

商号(会社名)

会社の名前です。最初か最後に「合同会社」とつけます。会社名がかぶっていないかなどの確認をするには、本店所在地を管轄する登記所(法務局)に行くとファイルを閲覧することができます。

事業目的

設立する会社がどのようなビジネスを行うかを決めます。事業目的として定めた事業以外の事業をやってはいけないため、慎重に決定しましょう。
もちろんあとから事業目的を変更・追加することはできますが、その分コストがかかります。つまり、将来行うであろう事業も見据える必要があるのです。

本店所在地

会社の住所のことです。定款作成や登記申請の際に記入が必要となります。表記方法に決まりはないため、1丁目2番地と書いても、1-2と書いても大丈夫です。

資本金の額

総額いくらなのか、誰がいくらずつ出すのかを決定します。この資本金の額のところで、次の項目の社員も決定します。

社員構成の決定

誰が業務執行社員なのか、誰が代表社員なのかを決定します。代表社員とは株式会社でいう代表取締役と同じ役割の者です。
実は、代表社員は1人でないといけないという決まりはなく、業務執行社員すべてが代表社員ということも可能です。しかし、それでは外部の人間が混乱してしまうため、通常は代表社員は1人だけ選びます。

事業年度

事業年度を決定します。つまり、決算を何月にするかということです。通常は、国の会計年度と同じく3月決算を選ぶ会社多くなっています。
とはいえ、決算というものは手間のかかる作業のため、本業が忙しくない時期にするという選択もあります。
また、決算を何月にするかによって設立初年度の期間が変わってきます。
設立した月を事業年度として設定すると、設立月の月末が決算になってしまいます。

参考:決算期を決めるときは◯◯を考慮|失敗しない決算月の決め方

2.印鑑作成

会社の設立手続きには会社の印鑑が必要となってきます。
印鑑は、登記申請書と一緒に法務局に届け出ます。

会社印は、一般的には「代表印(実印)」「銀行印」「角印」の3本セットで作成されます。
法務局に届け出るのが代表印です。
銀行印は、取引銀行に届ける印鑑です。
銀行印は代表印と併用することも可能ですが、紛失・盗難などのリスクがあるため、分けて使われることが一般的です。
角印は、会社名が掘られた四角い印鑑で、社内文書や、契約書、領収書などに捺印するものです。認印としても利用されます。

会社印は、インターネット通販などでも注文することができ、3本セット1万円程度からあるようです。

参考:法人印鑑|会社設立時に準備すべき実印・銀行印・角印

3.定款作成

定款は会社を運営していく上で定める根本的なルールです。

株式会社と比べると、合同会社の定款では、株主構成や機関設計、株式の譲渡制限などに関しては書かなくていいため、簡単に作成することができます。
基本的には、1.で決定した基本的な設立事項を記載し、さらに、以下の要素を追加します。

表紙

会社名と、会社設立日、作成日を記載します。

公告

官報公告、時事に関する日刊新聞紙公告、電子公告の3つのなかから選べます。また、合同会社は決算公告は義務ではないため、必要なければ定款に記載しなくても大丈夫です。

社員の責任

合同会社は有限責任社員だけで構成されていますが、定款にはそのことをかならず記載することになっています。

任意退社

社員が退社するときの取り決めを記載します。

損益の分配と分配の割合

合同会社では、損益の分配について自由に定めることができます。
定款に記載してしまって、分配の割合について固定したくない場合は「各社員への利益の配当に関する事項は、総社員の同意により定める。」などと記載することもできます。

4.資本金の払込み

設立登記を行うためには、資本金が確かに払込まれたことを証明する書類(払込証明書)が必要です。
この証明書は銀行が発行するものではなく、自分で作成するものです。

資本金の払込み先は、まだ会社設立前で合同会社名義の口座はありませんので、社員のうちの誰かの口座を使えば大丈夫です。
その口座にすべての資本金を払込み、そのあと払込証明書を作成します。

払込証明書は、A4の紙に払込証明書と書き、「当会社の設立により、発行する株式につき、次のとおり発行価額全額の払込みがあったことを証明します。」と記載します。
さらに、資本金の総額、日付、商号、代表社員の名前を記載し、押印します。

なお、資本金の払込みは、定款が認証された日以降でないといけないのでご注意ください。

5.登記書類作成

合同会社設立登記申請書は、登記官が書類を調査しやすいように、形式と記載内容が法律で定められています。
記載内容は、「商号」「本店」「登記の事由」「登記すべき事項」「課税標準金額(資本金)」「登録免許税(収入印紙の金額)」「納付書類」「日付」「申請人の詳細」などです。

さて、合同会社設立登記申請書のほかにも作成しなければならない書類があります。
それは「登記用紙と同一の用紙」です。
この用紙は、法務局の登記簿ファイルに収納され、謄本などで利用される重要な書類です。

記載する内容は、定款や、決定した事項をそのまま書き写すだけなので簡単ですが、重要な書類なのでミスは許されません。間違いがあると登記が受けつけてもらえないので慎重に作成しましょう。

6.登記書類提出

さて、いよいよ登記の申請です。

登記申請は、設立する会社の本店所在地を管轄する法務局で手続きを行います。

登録免許税として6万円の収入印紙を貼って提出します。
法務局でも収入印紙は販売していますので、一度法務局で書類をチェックしてもらってから、提出の直前で貼るといいでしょう。

また、窓口には登記申請の完了予定日が掲示されている場合があります。
完了予定日までに、申請書の補正が必要との連絡がなければ登記完了です。

登記が完了しても法務局からの完了連絡はありません。

なお、設立日は、申請書を提出した日となります。

合同会社設立後の手続き一覧

合同会社設立登記が完了したあとも、必要な手続きはまだあります。
いずれも会社を運営するにあたって必要なものなので、忘れずに行いましょう。

設立届

都道府県税事務所(設立後、1ヶ月以内)、市区町村役場(設立後、1ヶ月以内)、税務署(設立後、2ヶ月以内)に設立届を提出します。
税務署に設立届を提出するときは「定款の写し」「登記事項証明書」「社員等の名簿」「設立時の貸借対照表」が必要です。
都道府県税事務所と市区町村役場に提出するときは「定款の写し」「登記事項証明書」が必要となります。

青色申告承認申請書

税金の面で特典のある青色申告の承認を受けるには、会社設立の日から3ヶ月以内に申請書を提出しなくてはなりません。
特典としては、「欠損金を7年間繰り越せる」「30万円未満の固定資産を買った場合、全額を一括で費用として計上できる」などがあります。

印鑑証明書の交付

法人の印鑑証明書も、個人のときと同じで、賃貸契約のときや、銀行から借り入れを行う際に必要となります。
創業期はこのような取引をするはずなので、印鑑証明書が必要となります。

印鑑証明書は、法務局の窓口で交付してもらえます。登記申請書の提出の際に、一緒に会社印の届出をしているはずです。
それにより、印鑑カードというものが発行されます。申請書と印鑑カードを法務局の窓口で提出することで、印鑑証明書を発行してもらえます。

登記簿謄本の交付

登記簿謄本も法務局で交付してもらえるので、印鑑証明書と一緒に交付を申請しておきましょう。
登記簿謄本は、銀行融資のときや、補助金申請、賃貸契約などで必要となります。

給与支払事務所等の開設届出書

役員や従業員を雇い、給与を支払う場合は「給与支払事務所等の開設届出書」を1ヶ月以内に税務署に提出する必要があります。

源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書

上記と関連する書類です。
従業員が常時10人未満であると、源泉徴収税の納付が、月1回のところ、年2回にすることができます。
事務の面で楽になるため、この申請はしておいたほうがよいでしょう。

労働保険関係の届出

従業員を雇う場合、従業員が入社をした翌日から10日以内に労働保険への加入手続きをしなくてはなりません。労働保険には「労災保険」と「雇用保険」の2種類があります。
労災保険は、労働基準監督署に届出をします。
従業員が、業務上で労働災害を受けた場合に、必要な保険給付を行うものです。
雇用保険は、ハローワークに届出をします。
従業員が失業したり休業したりした場合に、給付を行うものです。

社会保険の加入手続き

法人には社会保険の加入義務があります。
社会保険には「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の3種類があります。
加入手続きは、年金事務所で行います。
提出書類は、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」「健康保険被扶養者(異動)届」の3つです。
新しく人を採用した日から5日以内となっていますので、忘れずに加入手続きを行いましょう。

(編集:創業手帳編集部)

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