【2026年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説

創業助成金(創業助成事業)とは?申請期間や助成額・要件など

東京都内で事業を営む経営者、または起業予定の人を支援する「令和8年度第1回創業助成金」の申請が2026年4月7日から始まります。

東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社(以後、公社)が主体となって実施している支援事業で、オフィスの賃借料や従業員の人件費など、創業初期にかかる経費の一部を「最大400万円」支援してくれる助成金です。

申請期間は2026年4月16日までの10日間となっており、受付の開始から申請完了までスピーディーな対応が求められます。また、助成の対象としてクリアしておかなければならないハードルもあるため、申請を考える経営者向けに創業助成金の概要とポイントを解説します。

この記事の目次

都内事業者の心強い味方!個人事業主も利用できる創業助成金とは


創業助成金とは公社が行う創業支援事業のひとつであり、創業・起業者の支援を目的とした東京都独自の助成金です。2015年から開始された当助成金制度は年に2回募集が行われており、近年では採択率は20%以下といった状況となっています。

公社では創業支援拠点の運営や創業関連のセミナー、創業融資制度など、さまざまな形で創業・起業を目指す人のサポートを行っています。それらの創業支援事業を利用したことがあることが、創業助成金の申請要件のひとつとなっています。

創業助成金の申請期間は10日間!令和8年度第1回は4月7日から4月16日まで

ポイント

申請は2026年4月16日まで

創業助成金の申請期間は、2026年4月7日(火)10:00~4月16日(木)23:59までです。申請の終了まで10日間しかないので、申請を考えている事業主は早めの準備を心がけましょう。

創業助成金の対象者は東京都・公社の創業支援を受けた事業者

ポイント

東京都・公社の創業支援を受ける必要あり

創業助成金は、前提として申請の段階で東京都と公社が実施している創業支援事業を利用した経験がある事業者が対象です。こちらを利用するためには、概ね2か月以上かかるため、申請が始まった段階で創業支援事業を利用していない事業主は対象外になります。

対象となる創業支援事業は、例えば公社が提供する特定の創業支援プログラムを受けたことや、東京都が提供しているインキュベーション施設に一定期間以上入居歴があるなど、22種類が定められています。

自身が受けた創業支援が「創業助成金の対象」となっているかどうか、申請の前にしっかりと確認しましょう。

チェック①:経営経験は通算5年未満か?

経営経験は、法人登記日または開業届の提出日を起点に計算します。過去に別の事業で法人代表や個人事業主だった期間も通算されます。海外での経営経験も含まれる点に注意してください。

チェック②:公社の創業支援事業を利用済み、または今から利用可能か?

対象となる支援事業は約22種類あります。

これから利用を開始する場合は、修了まで2〜3か月かかるため、次回募集に向けた準備として、できるだけ早く行動を始める必要があります。

チェック③:都内に事業の実態があるか(またはその予定があるか)?

登記上の住所だけでなく、実質的に事業活動を行う拠点が都内にあることが求められます。バーチャルオフィスのみでは住所登記のみで、実際に事業活動を行う場所ではないため、対象外です。

創業助成金の助成上限と助成率

ポイント

最大400万円。経費の2/3以内

創業助成金の支給額は100万円以上400万円以下です。昨年までの300万からアップしました。助成率はかかる経費の3分の2以内となっています。なお、事業費・従業員人件費の助成申請額は上限300万円、委託費の助成申請額は上限100万円です。

例えば、賃借料が300万円の場合、助成されるのは200万円で、100万円を自費で支払う計算になります。

また、助成金の支払いは後払いです。そのため、申請要件の一つとして、事業実施中に助成金なしでも事業を継続できる資金計画(自己資金や融資など)を立てておくことが求められます。

ただし、助成対象期間が6ヶ月を超える計画の場合、資金繰りの負担を軽減する特例として、6ヶ月経過以降に実績報告を行うことで、1回に限り「中間払」として助成金の一部を前倒しで受け取ることが可能です。この制度は資金繰りを考える上で非常に重要なポイントとなります。

第2回に間に合わせる」ための逆算スケジュール


新規事業者の方で、令和8年度第1回(4月7日〜)の申請要件をこれから満たすのは現実的に困難です。創業支援事業の利用完了までに、概ね3〜4か月を要するためです。

なお、令和8年度第2回は、2026年9月29日(火)10:00〜10月8日(木)23:59の予定です。第2回に照準を合わせた、逆算スケジュールを紹介します。

4月〜5月:創業支援事業・プランコンサルティングへの申し込み

申請要件を満たす手段として利用しやすいのが、TOKYO創業ステーションが提供する「事業計画書策定支援(プランコンサルティング)」です。コンサルタントとの面談を経て事業計画書を完成させるプログラムで、申し込みから修了まで平均3~4か月程度かかります(早い場合でも1カ月程度)。

もうひとつの有力な選択肢が、東京都の制度融資である「女性・若者・シニア創業サポート事業」や東京信用保証協会の創業融資の利用です。ただし融資実行までの審査期間を考慮すると、同じく早期の動き出しが必要です。

6月〜7月:事業計画書の完成・gBizIDプライムの取得

プランコンサルティングの修了と並行し、電子申請に必要なgBizIDプライムのアカウント発行手続きを進めます。発行には2週間程度かかるため、7月中には取得を完了させておくのが安全です。

8月〜9月:申請書類の作成・経費の見積もり取得

助成対象経費の見積書収集と、申請書類(事業計画、収支計画、資金計画)のドラフトに着手します。特に経費の妥当性は審査で重視されるため、複数社から見積もりを取得し、比較検討した根拠を示せるよう準備しておきましょう。

9月下旬~10月上旬:第2回申請期間

第2回の申請受付期間は、9月29日(火曜日)~10月8日(木曜日)です。募集開始後は、10日間程度しか猶予がありません。事前に書類を仕上げておき、募集開始と同時に提出できる状態を目指しましょう。

なお、事業計画書策定支援(プランコンサルティング)の修了に時間がかかると、かなりタイトなスケジュールになります。早い段階で事業計画書の作成を済ませておき、4月中に、プランコンサルティングの予約を入れましょう。

事業者の種類ごとの要件

創業助成金の対象となる事業者の種類は「都内での創業を具体的に計画している個人」「中小企業者(個人事業・法人)」「特定非営利活動法人」です。それぞれの要件を見ていきましょう。

都内での創業を具体的に計画している個人

これから都内で創業を予定している個人の要件は、以下のとおりです。

  • 経営経験が通算5年未満である
  • 都内での創業を予定している
  • 個人開業医の創業ではない

中小企業者

創業助成金の対象となる中小企業者は、法人代表者と個人事業主の場合で要件が異なります。

法人代表者

  • 法人登記を行ってから5年未満である
  • 本店(士業法人の場合は主たる事務所)所在地が都内に登記されている
  • 都内で実質的に事業を行っている
  • 本店(士業法人の場合は主たる事務所)が実在する

個人事業主

  • 税務署へ開業の届出を行ってから5年未満である
  • 納税地と主たる事業所などが都内に実在している
  • 都内の主たる事業所などで、実質的に事業を行っている
  • 個人開業医としての申請でない

特定非営利活動法人

特定非営利活動法人が対象となるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 法人登記を行ってから5年未満である
  • 主たる事務所が都内に登記されている
  • 実質的に事業を行っている主たる事務所が都内に実在する
  • 下記ア・イのうち、いずれか1点を満たす
    ア:中小企業者の振興に資する事業を行っており、中小企業者と連携して事業を実施(事業の共同実施など)していること
    イ:中小企業者の支援を行うため、中小企業者が主体(表決権を持つ社員の2分の1以上が中小企業者)となって設立された事業者であること

創業助成金の対象にならない事業者

創業助成金の対象とならない事業者は、以下の通りです。

  • 個人事業主・法人の登記上の代表者として、通算5年以上の経営経験がある
  • みなし大企業に該当する
  • 個人開業医である

事業経験年数の要件は、これまで行ってきた事業を通算した期間であることに注意しましょう。また日本国内だけでなく、海外での経営経験も事業経験年数に含まれます

みなし大企業とは、中小企業者という位置づけであるものの、大企業が事業に大きく関与している企業のことを指します。発行済株式総数や出資総額、役員総数といった項目について、大企業の決定権が一定以上ある場合は創業助成金の対象外となります。

創業助成金のその他の要件

他の支援事業との併願について

令和7年度第1回募集より、ルールの変更があり、「商店街起業・承継支援事業」と「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」の2つを除き、他の創業関係の助成金や補助金を過去に受けたことがある場合でも、本助成金と重複する経費でなければ申請が可能になりました。

また、本助成金の申請時点から交付決定までの間に、以下のいずれかの助成金・補助金と併願申請を行い、両方で交付決定を受けた場合は、いずれか一方を取り下げる必要があります。

・「商店街起業・承継支援事業」または「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」
・本助成金と同一経費への重複助成・補助となる助成金・補助金

個人で申請して、法人成りする場合

ポイント

法人成りは2026年7月1日までに

個人で申請した事業者が法人として助成金を受給するためには、基準日である「2026年7月1日」以前に法人設立の登記を完了させ、法人名義の申請書や履歴事項全部証明書などの必要書類を提出しておく必要があります

創業助成金の主な対象経費

創業助成金の主な対象経費は以下の表の通りです。

賃借料 都内不動産の賃借料(事務所、店舗、駐車場など)。業務に使用するサーバーなどのリース・レンタル料金も対象。
広告費 販路開拓や顧客獲得を目的とした広告費用。(ホームページやチラシの制作費、展示会出展料など)
器具備品購入費 机、椅子、PC、エアコンなど、1点あたり1万円以上、50万円未満のもの。消耗品や建物の附属設備は対象外。
産業財産権の出願・導入費用 商品、製品、サービスに対する特許権、商標権などの産業財産権の出願費用、ライセンス料など
専門家指導費 外部専門家への相談や、指導を受ける際に発生する手数料について助成。※業務委託を含む経費や、顧問契約の経費などは対象外
従業員人件費 正社員、パート・アルバイトに対する人件費など。※申請者本人や、役員の人件費、派遣や委託契約で支払う人件費は対象外。※正規従業員の月額給与は1人につき35万円、パート・アルバイトの賃金は日額8,000円が上限。
委託費(市場調査・分析費) 市場等の調査・分析を外部業者等に委託し、委託費として支払われる経費など。※助成事業とは関連のない事業についての調査・分析に関する経費などは対象外。

※出典:(令和8年度)第1回創業助成事業【募集要項】

経費については、創業助成金の交付決定日から6ヶ月以上2年以内でかかった経費が対象です。つまり、助成対象期間の間に、契約・取得・実施・支払いまで完了した経費である必要があります。

交付決定日前、助成対象期間外にかかった経費は助成の対象外(※)となるので注意しましょう。ただし、賃借料と従業員人件費に限り、交付決定日以前に契約した内容も対象になります。

(※)賃借料と従業員人件費については、助成対象期間以前に契約した場合も対象となります

助成上限の400万円を最大限活かす対象経費の選び方


助成率2/3・上限400万円の枠を有効に使うには、「どの経費をいくら申請するか」の設計が重要です。ここでは、創業初期に取り入れやすい3つの戦略を紹介します。

人件費と賃借料を軸に「毎月の固定費」で積み上げる

正社員の月額給与は1人あたり上限35万円、パート・アルバイトは日額8,000円まで助成対象になります。助成対象期間は最大2年間あるため、1人の正社員を雇用するだけでも相当額を積み上げることが可能です。

同様に、都内オフィスや店舗の賃借料も毎月発生する固定費であり、賃貸借契約書や振込明細など証拠書類の準備もしやすい経費です。創業初期に重くのしかかる固定費をそのまま助成対象に組み込めるため、計画の柱に据えやすいのが特徴です。

委託費(市場調査・分析費)を戦略的に活用する

市場調査やターゲット分析を外部に委託する費用も助成対象です。創業初期は事業開発に時間を割くべきフェーズであり、市場調査を自力で行う余裕がないケースも多いでしょう。

外部のリサーチ会社に委託すれば、時間を節約しながら質の高いデータが得られます。さらに、調査結果を事業計画の裏付けデータとして申請書に盛り込めば、審査における説得力の向上にもつながり、一石二鳥の効果が期待できます。

対象外経費との線引きを事前に確認する

申請者本人や役員の人件費、顧問契約に基づく報酬、私用との兼用が疑われる備品などは対象外です。

経費の妥当性に不安がある場合は、申請前にTOKYO創業ステーションの相談窓口で確認を取りましょう。判断に迷う経費を含めたまま申請すると、審査時の印象を下げるリスクがあるため、事前の確認が結果的に採択率の向上につながります。

創業助成金の申請方法


申請方法については、電子申請のみになっています。直接持ち込みによる提出は受け付けていないので注意が必要です。

電子申請は、デジタル庁所管の「jGrants」を利用します。電子申請による方法の場合、gBizIDプライムの発行が必要になります。

gBizIDプライムの取得には原則として2週間程度かかり、書類不備等がある場合はそれ以上日数がかかります。申請直前に慌てて取得しようとすると、書類不備で間に合わないケースも少なくありません。将来的に補助金活用を考えている方は、申請予定の有無にかかわらず早めに取得しておくことをおすすめします。

創業助成金の過去の採択結果

令和6年度までの申請者数と採択者数については以下のとおりです。

年度 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 令和7年
申請者数 863 600 808 1037 1140 1210 1060 1053 1225
採択者数 115 151 152 156 157 162 157 208 201
採択率 13.3% 25.2% 18.8% 15.0% 13.7% 13.3% 14.8% 19.7% 16.4%

採択率が20%を下回っている状況がほとんどで、狭き門になっていることがわかります。令和7年度に関しては、第1回と第2回をあわせて採択率が16.4%という結果でした。

令和7年度の募集要項において、審査における主な視点としては以下を挙げられています。

    製品・商品・サービス内容の完成度
    →具体的な内容、適切な価格設定、実施する時期や場所などについて説明できているか

    問題意識・潜在力の明確さ
    →創業によって解決可能な社会問題・経営理念・ビジョンが明確になっているか
    →事業に活かせる自分の強み・弱みと、その補強方法が明確になっているか

    対象市場に対する理解度・適応性
    →想定顧客が明確になっているか
    →対象市場の規模、特徴、成長性を的確に把握しているか
    →競合他社との差別化、優位性が明確になっているか

    事業の実現性
    →収益獲得の仕組みが適正であるか
    →製品・商品・サービスの製造・調達ルートが的確に設定されているか
    →販売戦略が的確であるか
    →想定されるリスクとその回避方法が検討されているか

    助成金の活用方法の有効性
    →事業への助成金の活用方法が事業の拡充などに効果的であるか

    スケジュール・経営見通しの妥当性
    →経営計画・経営見通しが実現の見込める内容であるか

    資金調達の妥当性
    →助成対象期間中に必要な資金調達が見込めるか
    →助成金の交付がない場合でも、事業継続が可能な収支計画であるか

    申請経費の妥当性
    →事業計画に必要な経費が計上され、販売計画や経営収支と連動しているか

創業助成金は年2回募集があり、一度不採択になっても要件を満たす限り再申請が可能です。初回で不採択となっても、事業計画を練り直し、2回目で採択されるケースもあり得ます。

ただし、公社から不採択の理由は通知されません。採択を得るに可能性を高めるには自分だけなんとかしようと思うのではなく、専門家に相談し進めていくことがおすすめです。

創業手帳では、創業手帳アドバイザーによる相談窓口を無料で設置しております。豊富なデータと専門家の知見を元に「起業ノウハウ」について30分から1時間程度アドバイスさせていただきます。是非ご活用ください。

創業助成金は後払い。タイムラグを念頭に申請を

創業助成金は後払いなので、活用を考えている経営者は、申請からタイムラグが発生する助成金であることを頭に入れておきましょう。

公社が展開しているTOKYO創業ステーションのHPでは、創業助成金についてわかりやすく解説する動画なども公開されています。申請の前に、募集要項や注意点をしっかり確認の上、申請に臨みましょう。

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(編集:創業手帳編集部)