【2026年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
創業助成金(創業助成事業)とは?申請期間や助成額・要件など

東京都の「創業助成事業」は、都内で創業を予定している個人や、創業から5年未満の中小企業者等を支援する助成金です。
東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施しており、オフィスの賃借料や広告費、従業員の人件費など、創業初期にかかる経費の一部について、最大400万円(助成率2/3以内)の助成を受けられます。
2026年度(令和8年度)の第2回申請受付は、10月8日(木)23:59をもって終了しました。次回の募集日程は現時点で公表されていません。
申請には指定された創業支援事業の利用など、複数の要件があります。本記事では、創業助成事業の対象者や助成額、申請方法、次回募集に向けた準備について解説します。
この記事の目次
都内事業者の心強い味方!個人事業主も利用できる創業助成事業とは

創業助成事業とは、都内開業率の向上を目的とした東京都独自の助成金です。都内で創業予定の個人、または創業から5年未満の中小企業者等が対象となります。
公社などではさまざまな形で創業・起業を目指す人のサポートを行っています。指定されたいずれかの「創業支援事業」を利用していることが、創業助成事業の申請要件のひとつとなっています。加えて、代表者の経営経験が通算5年未満でなければならない等の要件も定められています。
【2026年】創業助成事業の申請期間と募集スケジュール
令和8年度の第1回・第2回ともに受付終了。次回の募集日程は未公表
2026年度(令和8年度)の創業助成事業は、年2回の募集が実施されました。申請受付期間は以下のとおりです。
- 第1回:2026年4月7日(火)10:00~4月16日(木)23:59(受付終了)
- 第2回:2026年9月29日(火)10:00~10月8日(木)23:59(受付終了)
2026年度の申請受付はすべて終了しています。2026年10月9日時点で、次回の募集日程は公表されていません。募集時期や申請要件は今後変更される可能性があるため、次回申請を検討している方は公式サイトで最新情報を確認しましょう。
なお、2026年度の申請は電子申請システム「Jグランツ」のみで受け付けられ、「GビズIDプライム」のアカウントが必要でした。
創業助成事業の対象者は指定された創業支援事業を利用した事業者
指定の創業支援事業を利用している必要あり
創業助成事業は、前提として申請の段階で指定されたいずれかの創業支援事業を利用した経験がある事業者が対象です。
指定された創業支援事業の利用によって要件を満たすまでには、おおむね3か月以上かかる場合があります。次回募集への申請を検討している場合は、早めに準備を進めておくことが重要です。
対象となる創業支援事業は、例えば公社が提供する特定の創業支援プログラム(プランコンサルティング等)を受けたことや、東京都が提供しているインキュベーション施設に一定期間以上入居歴があるなど、23種類が定められています。
自身が受けた創業支援が「創業助成事業の対象」となっているかどうか、申請の前にしっかりと確認しましょう。
チェック①:経営経験は通算5年未満か?
経営経験は、法人登記日または開業の届出日を起点に計算します。過去に別の事業で法人代表や個人事業主だった期間も通算され、複数の事業を行い期間が重複している場合には通算して計算します。雇われ社長や子会社の社長としての期間は含みますが、未届のフリーランス期間は含まれない点に注意してください。
チェック②:指定の創業支援事業を利用済み、または今から利用可能か?
対象となる支援事業は23種類指定されています。
これから利用を開始して要件を満たすには、おおむね3か月以上かかる場合があるため、次回募集に向けた準備として、できるだけ早く行動を始める必要があります。
チェック③:都内に事業の実態があるか(またはその予定があるか)?
登記上の住所だけでなく、実質的に事業活動を行う拠点が都内にあることが求められます。バーチャルオフィス以外に実質的に事業を行っている別の拠点が存在しない場合(バーチャルオフィスのみの場合)は、対象外です。
創業助成事業の助成上限と助成率
最大400万円。経費の2/3以内
創業助成事業の支給額は下限100万円、上限400万円です。助成率は助成対象と認められる経費の3分の2以内となっています。なお、事業費・従業員人件費の助成申請額は上限300万円、委託費の助成申請額は上限100万円です。
例えば、賃借料が300万円の場合、助成されるのは200万円で、100万円を自費で支払う計算になります。
また、助成金の支払いは後払いです。そのため、申請要件の一つとして、事業実施中に助成金なしでも事業を継続できる資金計画(自己資金や融資など)を立てておくことが求められます。
ただし、助成対象期間が6ヶ月を超えている計画の場合、資金繰りの負担を軽減する特例として、6ヶ月経過以降に事業実績の報告を行うことで、1回に限り「中間払」として助成金の一部を前倒しで受け取ることが可能です(※中間払を受けるには「事業費」を助成対象経費として申請する必要があります)。この制度は資金繰りを考える上で非常に重要なポイントとなります。
創業助成事業の次回募集に向けた準備と申請の流れ
創業助成事業では、指定された創業支援事業の利用や事業計画書の作成など、申請前に準備することがあります。
指定の創業支援事業の利用によって要件を満たすまでに、おおむね3か月以上かかる場合があるため、次回の募集日程が発表される前から準備を進めておくことが大切です。
指定された創業支援事業を利用する
申請要件を満たす方法の一つに、TOKYO創業ステーションの「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援の修了があります。ほかにも、指定された創業支援事業の利用実績など、複数の選択肢が設けられています。
自分が利用できる支援事業と要件を満たすまでの期間を確認し、早めに申し込みましょう。公式サイトの申請要件一覧も参考になります。
事業計画書を作成し、必要な経費を整理する
事業内容や想定顧客、売上・収支の見通し、助成金の使い道を整理し、事業計画書を作成します。また、賃借料や広告費、人件費など、助成対象となる経費を確認し、必要に応じて見積書などの書類を準備しましょう。
なお、申請書の様式や必要書類は募集回によって変わる可能性があります。次回公募の募集要項が公開されたら、改めて確認してください。
GビズIDプライムを取得し、電子申請に備える
2026年度は電子申請システム「Jグランツ」でのみ申請を受け付けており、利用には「GビズIDプライム」の取得が必要でした。
公式案内では、アカウント発行の審査に1か月程度かかる場合があるとされています。
次回公募でも同じ申請方法となるかは、最新の募集要項で確認する必要があります。電子申請に備えて、必要な手続きは余裕を持って進めておきましょう。
事業者の種類ごとの要件
創業助成事業の対象となる事業者の種類は「都内での創業を具体的に計画している個人」「中小企業者(個人事業・法人)」「特定非営利活動法人」です。それぞれの要件を見ていきましょう。
都内での創業を具体的に計画している個人
これから都内で創業を予定している個人の要件は、以下のとおりです。
- 個人事業主・法人の登記上の代表者としての経営経験が通算5年未満である
- 都内での創業を具体的に計画している
- 個人開業医による病院や診療所等での医業としての申請ではない
中小企業者
創業助成事業の対象となる中小企業者は、法人の代表者と個人事業主の場合で要件が異なります。
法人代表者
- 法人登記を行ってから5年未満の法人の代表者である
- 個人事業主・法人の登記上の代表者としての経営経験が通算5年未満である
- 本店(士業法人の場合は主たる事務所)の所在地が都内に登記されている
- 都内で実質的に事業を行っている本店(士業法人の場合は主たる事務所)が実在する
個人事業主
- 税務署へ開業の届出を行ってから5年未満である
- 個人事業主・法人の登記上の代表者としての経営経験が通算5年未満である
- 納税地と主たる事業所等が都内に実在している
- 都内の主たる事業所等において実質的に事業を行っている
- 個人開業医としての申請ではない
特定非営利活動法人
特定非営利活動法人が対象となるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 法人登記を行ってから5年未満の特定非営利活動法人の代表者である
- 個人事業主・法人の登記上の代表者としての経営経験が通算5年未満である
- 主たる事務所が都内に登記されている
- 実質的に事業を行っている主たる事務所が都内に実在する
- 下記ア・イのうち、いずれか1点を満たす
- ア:中小企業者の振興に資する事業を行っており、中小企業者と連携して事業を実施(事業の共同実施など)していること
- イ:中小企業者の支援を行うため、中小企業者が主体(表決権を持つ社員の2分の1以上が中小企業者)となって設立された事業者であること
創業助成事業の対象にならない事業者
創業助成事業の対象とならない事業者は、以下の通りです。
- 個人事業主・法人の登記上の代表者として、通算5年以上の経営経験がある
- みなし大企業に該当する
- 個人開業医である
- 一般社団法人、一般財団法人などの各種法人・組合や任意のグループ
- 他の個人事業主、または他の法人の実施事業の承継や譲渡に該当する
事業経験年数の要件は、これまで行ってきた事業を通算した期間であることに注意しましょう。雇われ社長などの期間も含まれ、日本国内だけでなく海外での経営経験も事業経験年数に含まれます。
みなし大企業とは、中小企業者という位置づけであるものの、大企業が事業に大きく関与している企業のことを指します。発行済株式総数や出資総額の過半数を占められていたり、役員総数の2分の1以上を大企業の役員が兼務しているといった項目について、大企業の決定権が一定以上ある場合は創業助成事業の対象外となります。
創業助成事業のその他の要件
他の支援事業との併願について
過去から助成対象期間終了までの期間において、「商店街起業・承継支援事業」と「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」の助成金を受けている(または過去に受けたことがある)場合は本助成事業に申請できません。それ以外の創業関係の助成金や補助金については、本助成金と重複する同一経費でなければ申請が可能です。
また、本助成金の申請時点から交付決定までの間に、以下のいずれかの助成金・補助金と併願申請を行い、両方で交付決定を受けた場合は、いずれか一方を取り下げる必要があります。
- 「商店街起業・承継支援事業」または「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」
- 本助成金と同一経費への重複助成・補助となる助成金・補助金
個人で申請して、法人成りする場合
令和8年度第2回の基準日は2027年1月5日
令和8年度第2回募集では、個人または個人事業主として申請した方が、設立した法人で助成金を受給するためには、基準日である2027年(令和9年)1月5日までに法人設立登記を完了し、法人名義の申請書や履歴事項全部証明書などの必要書類を提出する必要があります。
申請時の事業計画を設立後の法人が実施することなど、所定の要件もあります。また、個人として交付決定を受けた場合、助成対象期間中に法人を設立すると助成金を受給できなくなるため注意が必要です。この基準日は令和8年度第2回募集に固有のものであり、次回募集でも同じ日付になるわけではありません。
創業助成事業の主な対象経費
創業助成事業の主な対象経費は以下の表の通りです。
| 賃借料 | 都内不動産の賃借料(事務所、店舗、駐車場など)。業務に使用するサーバーなどのリース・レンタル料金も対象。 |
|---|---|
| 広告費 | 販路開拓や顧客獲得を目的とした広告費用。(ホームページやチラシの制作費、展示会出展料など) |
| 器具備品購入費 | 机、椅子、PC、エアコンなど、1点あたり税込1万円以上、50万円未満のもの。消耗品や建物の附属設備は対象外。 |
| 産業財産権の出願・導入費用 | 商品、製品、サービスに対する特許権、商標権などの産業財産権の出願費用、ライセンス料など |
| 専門家指導費 | 外部専門家への相談や、指導を受ける際に発生する手数料について助成。※業務の遂行を伴う委託費や、顧問契約の経費などは対象外 |
| 従業員人件費 | 正社員、パート・アルバイトに対する人件費など。※申請者本人や、役員の人件費、派遣や委託契約で支払う人件費は対象外。※正規従業員の月額給与は1人につき35万円、パート・アルバイトの賃金は日額8,000円が上限。 |
| 委託費(市場調査・分析費) | 市場等の調査・分析を外部業者等に委託し、委託費として支払われる経費など。※助成事業とは関連のない事業についての調査・分析に関する経費などは対象外。 |
経費については、創業助成事業の交付決定日から6ヶ月以上2年以内でかかった経費が対象です。つまり、助成対象期間の間に、契約・取得・実施・支払いまで完了した経費である必要があります。
交付決定日前、助成対象期間外にかかった経費は助成の対象外(※)となるので注意しましょう。ただし、賃借料と従業員人件費に限り、交付決定日以前に契約した内容も対象になります。
(※)賃借料と従業員人件費については、助成対象期間以前に契約した場合も対象となります。
助成上限の400万円を最大限活かす対象経費の選び方

助成率2/3・上限400万円の枠を有効に使うには、「どの経費をいくら申請するか」の設計が重要です。ここでは、創業初期に取り入れやすい戦略を紹介します。
人件費と賃借料を軸に「毎月の固定費」で積み上げる(上限300万円)
正社員の月額給与は1人あたり上限35万円、パート・アルバイトは日額8,000円まで助成対象になります。助成対象期間は最大2年間あるため、1人の正社員を雇用するだけでも相当額を積み上げることが可能です。
同様に、都内オフィスや店舗の賃借料も毎月発生する固定費であり、賃貸借契約書や振込明細など証拠書類の準備もしやすい経費です。創業初期に重くのしかかる固定費をそのまま助成対象に組み込めるため、計画の柱に据えやすいのが特徴です。
ただし、「事業費(賃借料など)」と「従業員人件費」を合わせた助成申請額の上限は300万円となっている点に注意が必要です。
委託費(市場調査・分析費)を戦略的に活用する(上限100万円)
全体の助成上限400万円をフルに活用するには、上記の事業費・人件費枠に加えて、市場調査やターゲット分析を外部に委託する「委託費(上限100万円)」も組み合わせる必要があります。
創業初期は事業開発に時間を割くべきフェーズであり、市場調査を自力で行う余裕がないケースも多いでしょう。外部のリサーチ会社に委託すれば、時間を節約しながら質の高いデータが得られます。さらに、調査結果を事業計画の裏付けデータとして申請書に盛り込めば、審査における説得力の向上にもつながり、一石二鳥の効果が期待できます。(※委託費のみでの申請はできず、必ず賃借料や広告費などの「事業費」と組み合わせて申請する必要があります。)
対象外経費との線引きを事前に確認する
申請者本人や役員の人件費、顧問契約に基づく報酬、業務の遂行を伴う委託費などは対象外です。
経費の妥当性に不安がある場合は、申請前にTOKYO創業ステーションの相談窓口などで確認を取りましょう。判断に迷う経費を含めたまま申請すると、審査時の印象を下げるリスクがあるため、事前の確認が結果的に採択率の向上につながります。
創業助成事業の申請方法

2026年度(令和8年度)の募集では、申請方法は電子申請のみで、直接持ち込みや郵送等による提出は受け付けられませんでした。
電子申請には、デジタル庁が提供するシステム「Jグランツ」を使用します。利用には「GビズIDプライム」アカウントの取得が必要です。
GビズIDプライムの取得には審査で1か月程度かかる場合があり、書類に不備がある場合はさらに日数を要する可能性があります。次回募集に備えて、余裕を持って準備しましょう。
次回募集時の申請方法や必要書類は、必ず最新の募集要項で確認してください。
創業助成事業の過去の採択結果
令和7年度までの申請者数と採択者数については以下のとおりです。
| 年度 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 申請者数 | 863 | 600 | 808 | 1037 | 1140 | 1210 | 1060 | 1053 | 1225 |
| 採択者数 | 115 | 151 | 152 | 156 | 157 | 162 | 157 | 208 | 201 |
| 採択率 | 13.3% | 25.2% | 18.8% | 15.0% | 13.7% | 13.3% | 14.8% | 19.7% | 16.4% |
採択率が20%を下回っている状況がほとんどで、狭き門になっていることがわかります。令和7年度に関しては、第1回と第2回をあわせて採択率が16.4%という結果でした。
令和8年度第2回募集要項において、審査における主な視点としては以下が挙げられています。
-
- 製品・商品・サービス内容の完成度
- 具体的な内容、適切な価格設定、実施する時期や場所等について説明できているか
- 問題意識・潜在力の明確さ
- 創業によって解決可能な社会課題、経営理念、ビジョンが明確になっているか
- 事業に活かせる自分の強み・弱みと、その補強方法が明確になっているか
- 対象市場に対する理解度・適応性
- 想定顧客が明確になっているか
- 対象市場の規模、特徴、成長性を的確に把握しているか
- 競合他社との差別化、優位性が明確になっているか
- 事業の実現性
- 収益獲得の仕組みが適正であるか
- 製品・商品・サービスの製造・調達ルートが的確に設定されているか
- 販売戦略が的確であるか
- 想定されるリスクとその回避方法が検討されているか
- 助成金の活用方法の有効性
- 事業への助成金の活用方法が事業の拡充等に効果的であるか
- スケジュール・経営見通しの妥当性
- 経営計画・経営見通しが実現の見込める内容であるか
- 資金調達の妥当性
- 助成対象期間中に必要な資金調達が見込めるか
- 助成金の交付がない場合でも、事業継続が可能な収支計画であるか
- 申請経費の妥当性
- 事業計画に必要な経費が計上され、販売計画や経営収支と連動しているか
- 製品・商品・サービス内容の完成度
2026年度の創業助成事業は年2回募集されました。次回以降も募集が実施される場合、申請要件を満たしていれば再申請できる可能性があります。不採択となった場合は事業計画を見直し、次回募集の要項を確認しましょう。
ただし、募集要項にも記載の通り審査は非公開で行われるため、審査に関する個別のお問い合わせには対応しておらず、不採択の理由等も通知されません。採択の可能性を高めるには自分だけでなんとかしようと思うのではなく、専門家に相談し進めていくことがおすすめです。
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創業助成金は後払い。タイムラグを念頭に申請を
創業助成金は後払いなので、活用を考えている経営者は、申請からタイムラグが発生する助成金であることを頭に入れておきましょう。
公社が展開しているTOKYO創業ステーションのHPでは、創業助成金についてわかりやすく解説する動画なども公開されています。申請の前に、募集要項や注意点をしっかり確認の上、申請に臨みましょう。
(編集:創業手帳編集部)
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