7~9月期「全国中小企業動向調査結果」

tips

株式会社日本政策金融公庫は「全国中小企業動向調査結果」(2023年7-9月期実績、10-12月期以降見通し)を発表しました。

中小企業(原則従業員20人以上)の業況判断DI(業況が「良い」と回答した企業割合から「悪い」と回答した企業割合を差し引いた値)はプラス7.7(季節調整値)であり、前期と比べ0.6ポイント上昇しました。

また、小企業(原則従業員20人未満)の業況判断DIはマイナス19.2で0.5ポイント上昇しました。

中小企業・小企業ともに景況は「持ち直しの動きがみられる」としています。

「当面の経営上の問題点」(全業種計)では、「売り上げ・受注の停滞、減少」がもっとも多く、28.8%を占めています。次いで、「原材料高」(24.8%)、「求人難」(24.2%)の順です。

小企業の業種別業況は、製造業でマイナス幅が拡大した一方で、非製造業でマイナス幅が縮小しました。非製造業では、飲食店・宿泊業と運輸業を除くすべての業種でマイナス幅が縮小しました。

「当面の経営上の問題点」をみると、「売り上げ不振」が35.8%ともっとも多く、次いで「原材料高」(19.6%)、「利益減少」(16.1%)の順です。

10~12月期は、中小企業がプラス12.8と上昇し、小企業がマイナス22.1とマイナス幅が拡大する見通しです。


日本政策金融公庫は、毎四半期の頻度で「全国中小企業動向調査結果」を発表しています。

公庫取引先の中小企業を調査対象とし、2023年9月中旬に行った今回の有効回答数は、6,733企業(回答率67.3%)となりました。

業況は、各業種別や企業規模別などで判断する、ある時期の景気状況を表すものです。

新型コロナウイルス感染症の流行により類を見ない景気の落ち込みが見られましたが、コロナ禍が落ち着き、現在は2019年時点の景気と同水準にまで回復しています。

一方、来期はマイナス幅が拡大し、今期の▲19.2から▲22.1となる見通しです。

業種別では、製造業ではマイナス幅が拡大していますが、非製造業ではマイナス幅が縮小しています。

そして、非製造業の内、飲食店・宿泊業と運輸業以外のすべての業種でマイナス幅が縮小しています。

つまり、コロナ禍の影響を大きく受けた業種と、エネルギー価格高騰・人材不足などの課題を抱える運輸業以外では、以前のような状況に戻ってきているという見立てが成り立ちます。

近年はSDGsの推進による価値観の変化やコロナ禍による環境の変化により、市場の動向も目まぐるしく変わっています。ビジネスではこうした市場を正確に捉えることが重要です。「冊子版創業手帳」では、事業を分析するためのフレームワークを掲載しています。自社の強みや市場の機会を明らかにすることで、ブルーオーシャンを見つけだすことができるはずです。

また、新たな事業に取り組むには資金調達も必要となるでしょう。「資金調達手帳」では、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ DI 中小企業 全国中小企業動向調査結果 景気 業況
詳細はこちら

全国中小企業動向調査結果

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

【中小企業庁】中小企業の成長・挑戦を支えるマッチングプラットフォーム「成長加速マッチングサービス」事業者先行登録が開始
2024年12月20日、中小企業庁は、「成長加速マッチングサービス」の事業者先行登録を開始したことを発表しました。 「成長加速マッチングサービス」は、中小企業と支援機関(金融機関、投資機関、認定支援機…
「小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)」公募開始
独立行政法人中小企業基盤整備機構は、「小規模事業者持続化補助金」において新たに「災害支援枠」を設け、その公募を開始したことを発表しました。 「小規模事業者持続化補助金」は、中小企業・小規模事業者の働き…
「2023年度版中小企業施策利用ガイドブック」
中小企業庁は「2023年度版中小企業施策利用ガイドブック」を公開しています。 経営改善・資金繰り支援対策、震災対策など、中小企業が施策を利用する際の手引書として、各支援制度の概要を紹介するガイドブック…
【関東】令和6年度「中小企業等知的財産活動支援事業費補助金(中小企業知的財産支援事業)」公募
経済産業省関東経済産業局は、令和6年度「中小企業等知的財産活動支援事業費補助金(中小企業知的財産支援事業)」の公募について発表しました。 中小企業等への知的財産支援施策を拡充させる事業及び中小企業等に…
【最大300万円】「外国出願・審査請求・中間応答支援(海外権利化支援事業)」外国出願の権利化に要する費用を補助
特許庁は「外国出願・審査請求・中間応答支援(海外権利化支援事業)」を実施しています。 国での特許、実用新案、意匠または商標の出願・権利化を予定している中小企業、中小スタートアップ企業、小規模企業、大学…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集