今後の中小企業向け資金繰り支援が公表

tips

経済産業省は、今後の中小企業向け資金繰り支援について公表しました。

また、関係省庁と共に、官民金融機関等に対してコロナ資金繰り支援策の転換を踏まえた事業者支援の徹底等を要請しました。

今後の中小企業向け資金繰り支援について

「再生支援の総合的対策」(2024年3月8日)で方向性を示したとおり、7月以降は能登半島地震の被災地に配慮しつつ、各種資金繰り支援策をコロナ前の水準に戻し、経営改善・再生支援に重点を置いた資金繰り支援を展開します。

官民金融機関等に対する要請について

コロナ資金繰り支援の転換点を迎えていることを踏まえ、関係省庁とともに、官民金融機関等に対して事業者支援の徹底等を要請しました。要請文は、「要請文(コロナ資金繰り支援策の転換を踏まえた事業者支援の徹底等について)」をご覧ください。

事業再生情報ネットワークについて

要請文内「5.事業再生情報ネットワークを活用した支援(公租公課の確実な納付と事業再生の両立)」に記載の「事業再生情報ネットワーク」について、中小企業活性化協議会での運用を2024年6月17日から開始します。ネットワークの概要は「事業再生情報ネットワークの運用開始」をご覧ください。


2020年初頭から世界的に広がった新型コロナウイルス感染症は、日本経済にも深刻な影響を及ぼしました。

コロナ禍では多くの企業が事業の縮小を余儀なくされました。とくに厳しい影響を受けたのは飲食店、観光業、建設・工事業であり、これらの業界では倒産件数も顕著に増加しています。

また中小企業は、大企業に比べて資金面などで余裕がないため、このような大きな危機を自力で乗り切ることは難しく、国や自治体からの支援が必要です。

そのため、政府はコロナ禍を対象とした融資制度(ゼロゼロ融資など)の創設やセーフティネット保証の指定など、さまざまな取り組みを通じて中小企業を支援してきました。

2023年5月には、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと引き下げられ、事実上の終息宣言がなされましたが、長く続いたコロナ禍はさまざまな場所に大きな爪痕を残しています。依然として立ち直れない企業も多く、継続的な支援が求められています。

こうした中、財務省・金融庁・経産省は、民間金融機関による実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が4月に本格化することを受け、「再生支援の総合的対策」を策定し、資金繰り支援を6月末まで延長することで中小企業を支援する方針を打ち出しました。

この「再生支援の総合的対策」では7月以降は能登半島地震の被災地に配慮しつつ、各種資金繰り支援はコロナ前の水準に戻し、経営改善や再生支援に重点を置いた資金繰り支援を展開するとしています。

今後展開する資金繰り支援は以下の通りです。

1. コロナ資金繰り支援

・「コロナセーフティネット保証4号」・「コロナ借換保証」は、本年6月末で終了。小規模事業者に対しては、コロナ前から措置している「小口零細企業保証」(100%保証)を活用し、借換等を支援。
・ただし、能登半島地震の影響が残る地域においては、「コロナ借換保証」を継続。対象地域は、災害救助法適用地域をベースに、利用実績や復旧状況を踏まえつつ、本年7月以降3ヶ月毎に見直しを行う。

2. コロナ禍からの経営改善・再生を図るための資金繰り支援

・「コロナ経営改善サポート保証」・「コロナ資本性劣後ローン」は、本年12月末まで延長。関係機関による支援も強化(信用保証協会向けの改正監督指針の運用開始 等)。

3. 円安等に伴う資材費等の価格高騰対策

・資材費等の価格高騰対策として実施している日本公庫等の「セーフティネット貸付(利益率▲5%→金利▲0.4%)」は、本年12月末まで継続。(5年貸付の場合、金利引下げ後は中小事業:1.1%、国民事業:1.7%、24年6月時点)

創業手帳も、シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」や、資金調達に特化した「資金調達手帳」により、さまざまな企業をサポートしています。無料で入手できるため、ぜひご活用ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ COVID-19 コロナ 中小企業 中小企業向け資金繰り支援 支援策 新型コロナウイルス感染症 経済産業省 融資 資金繰り 資金繰り支援 転換 金融機関
詳細はこちら

今後の中小企業向け資金繰り支援について公表します

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

分散型エネルギーシステムに関係するプレイヤーの共創の場「令和4年度分散型エネルギープラットフォーム」が開催
2022年11月10日、経済産業省は「令和4年度分散型エネルギープラットフォーム」を開催することを発表しました。 経済産業省資源エネルギー庁は環境省と共同で、分散型エネルギーに関係する多様なプレイヤー…
【東京都】「環境評価型私募債」私募債発行手数料を補助(上限200万円)
「環境評価型私募債」のご案内です。 東京都が実施する補助金事業です。脱炭素に取り組む中小企業等が私募債を発行する際に必要となる費用の一部を都が補助します。 補助対象事業者 脱炭素化に取り組む都内中小企…
製造業向けAI見積支援システム「匠フォース」を提供する「匠技研工業」が2.1億円調達
2023年6月28日、匠技研工業株式会社(旧:株式会社LeadX)は、総額2億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 匠技研工業は、製造業向けAI見積支援システム「匠フォース」を提供す…
中小企業庁「価格交渉フォローアップ調査」価格交渉が行われた割合は59.4%と微増に
2024年6月21日、経済産業省は、価格交渉促進月間(2024年3月)フォローアップ調査の結果を公表しました。 中小企業庁は、毎年3月と9月の「価格交渉促進月間」に合わせ、受注企業が、発注企業にどの程…
令和5年度補正予算「IT導入補助金」概要発表
2023年12月時点における、令和5年度補正予算「IT導入補助金」の概要が発表されました。 業務の効率化やDXの推進、セキュリティ対策に向けたITツール等の導入費用を支援する補助金制度です。 令和5年…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集