クラウドファンディングのやり方とは?始め方の基本の手順を押さえよう
クラウドファンディングのやり方を徹底解説! クラウドファンディングサイトの比較検討なら「資金調達手帳」
クラウドファンディングとは、インターネットを活用して「自分が立ち上げたプロジェクトに賛同してくれた人」から資金を調達することです。
最近では、漫画の原作を人気女優で映画化したり、アイドルの解散を惜しむ新聞全面広告を出したりという個人的なものから、へき地医療に使うヘリコプターを買ったり、待機児童の多い地域に保育所をつくったりという社会派なものまで、様々なプロジェクトがありました。
今回は、クラウドファンディングをビジネスに活かす方法をみていきましょう。クラウドファンディングのプロジェクトを成功させる方法を知りたい方は、資金調達に関する情報だけをまとめた、資金調達手帳(無料)を参考にしてみてください。クラウドファンディングを立ち上げた起業家にインタビューを行い、クラウドファンディングを成功させる方法について伺っています。
この記事の目次
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、「地域の社会問題を解決したい」「商品やイベントを事前にPRしたい」「テストマーケティングに活かしたい」など、実現させたい目標や夢のプロジェクトを公開して、支援者から資金を募る仕組みです。
プロジェクトの活動や目的に共感した人(個人・法人)が支援者となり、クラウドファンディングサイトを通じて「資金支援」という形で応援してくれます。
クラウドファンディングのメリット
クラウドファンディングは、プロジェクトを公開する「提案者側」と、プロジェクトに共感した「支援者側」にそれぞれメリットがあります。以下に立場ごとのメリットをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
- クラウドファンディングのメリット(提案者側)
-
- 単独では実現できないような大きなプロジェクトにも挑戦できる
- 出資募集によりプロジェクト自体を周知でき、マーケティングにもなる
- 自社商品やイベントの事前PRにより、「ファンを獲得できる」という付加価値がある
- SNSによってプロジェクトを手軽に拡散でき、より広範囲に支援者を募ることができる
- 金融機関等からの出資が難しいプロジェクトや、テストマーケティングにも活用できる
- クラウドファンディングのメリット(支援者側)
-
- 少額からでも気軽に資金支援に参加できる
- 社会貢献をしながら資金支援のリターンが得られる
- 融資型クラウドファンディングは、国債や銀行預金以上の利回りが期待できる
- 購入型クラウドファンディングは、気になる商品やサービスを先行して得られる
- 寄付型クラウドファンディングは、寄付金控除により所得税や住民税を節税できる
クラウドファンディングのデメリット
クラウドファンディングのデメリットを確認することで、提案者側・支援者側の注意点やリスクを把握しておきましょう。
- クラウドファンディングのデメリット(提案者側)
-
- 競合相手に自社のアイディアを知られてしまう
- プロジェクトの達成に失敗すると、労力が無駄になるケースもある
- 10%~20%の手数料と支援者へのリターンにより、純資金が集まらないこともある
- クラウドファンディングのデメリット(支援者側)
-
- 資金支援した後に気持ちが変わったとしても、取り消しができない場合が多い
- プロジェクトの資金が正しく使われているかを、詳細に確認することは難しい
- 投資型クラウドファンディングは、利回りによっては元本割れのリスクがある
クラウドファンディングのやり方・始め方の手順
クラウドファンディングには様々なプラットフォームがありますが、どこも基本的には同じような流れで資金を調達しています。ここからは、大まかなプロセスをみていきましょう。
- クラウドファンディングのやり方・始め方
-
- 1.目標を設定する
- 2.利用するサービスを考える
- 3.プロジェクトの登録・投稿
- 4.プロジェクトの審査
- 5.プロジェクトの開始
- 6.閲覧者・支援者への活動報告
- 7.プロジェクトの終了・支援者へのお礼
1.目標を設定する
まずは、何をやりたいのか決めなければなりません。どんなプロジェクトをやりたいのか。そしてそれはどんな役に立つのか、どんな時期までに集めて、総額はいくら位かかりそうなのか。計画が見通せないと銀行が融資をしてくれないのと同じように、クラウドファンディングでも目標の設定は大切です。
「何から始めたらいいのか・・・」と悩んでいる方は、成功した過去のクラウドファンディングを参考にして決めていくのも良いでしょう。クラウドファンディングの成功体験記を読んでみるなどして、どんな方法が自分に合っているか検討しましょう。
2.利用するサービスを考える
次に、どのサービスを利用するのかを決めます。例えば、国内のクラウドファンディングサイトでは様々なサービスがありますが、それぞれ強い分野やプロジェクトの手数料が違います。
- 国内のクラウドファンディングサイト
-
- 『Ready for』(https://readyfor.jp/)
- 『Makuake』(https://www.makuake.com/)
- 『CAMP FIRE』(https://camp-fire.jp/)
こちらの記事(新しい資金調達、クラウドファンディングとは?3つの種類と選び方のポイントまとめ)を参考にして、自分が叶えたいプロジェクトに合ったサービスを選択してみましょう。
また、資金調達手帳でも、クラウドファンディングについて詳しく解説しています。クラウドファンディング以外の資金調達方法についても詳しく解説していますので、比較検討してみてもよいでしょう。
3.プロジェクトの登録・投稿
プロジェクトを考えたら、サイトに登録し、どんなプロジェクトをやりたいのか、熱意を伝える文章を投稿しましょう。サイトではタイトル、カテゴリー、目標金額、プロジェクトの大まかな流れ、サムネイルにする画像、お礼(リターン)、連絡先を登録します。PR動画などがあるとより分かりやすいでしょう。
どうしてそのプロジェクトを達成したいのかということを記載する際、自分の原体験などを併せて書いておくと、共感を覚えやすいとされています。「私もそう思う」や「これなら応援したい」と思わせることがクラウドファンディングの成功のコツだからです。サイトページを作るときは、ストーリー立てて訴えるといった共感してもらうための工夫をしましょう。
4.プロジェクトの審査
どんなプロジェクトでも運営側からゴーサインが出るわけではありません。プロジェクト実行の見通しが立つかどうかを運営者側は見極めます。当たり前ですが、社会的に問題となるものや、犯罪に加担するものなどは却下されます。
もしプロジェクトが審査で通っても、サイト運営者側は「クラウドファンディングのプロ」ですから、「ここをこういう風に変えられますか」や「画像を変更することは可能でしょうか」といったアドバイス、提案をしてくることがあります。サイト運営者と良好な関係を保つためにも、連絡を密に取り合いましょう。
5.プロジェクトの開始
さあ、いよいよ資金集めを始めます。目標設定期限から逆算して、1日当たりにどのくらい集めなければならないか注意を払っておきましょう。自分のSNSで協力を呼びかけるなどして、積極的に広報したほうがいいです。閲覧者を増やすことで共感を広めましょう。
6.閲覧者・支援者への活動報告
集まったお金をどのように使うかの活動報告は欠かせません。一度そのプロジェクトを閲覧し、寄付するかどうか悩んでいる人に訴えかけるのに有効なのが「経過報告」です。
「あと○○円で達成できそうです!」や「△△人の皆様に応援していただいています」などと途中経過をお知らせすることで、「プロジェクトに賛同している人同士の連帯感」が生まれます。このプロジェクトを成功させたい!という気持ちを「伝染」させるためには、マメな活動報告が大切ですね。
7.プロジェクトの終了・支援者へのお礼
プロジェクトが達成したら、運営者側から手数料を差し引かれて自分の口座に入金されます。達成できなかった場合は、支援金は支援者に返金されてプロジェクトそのものが終了となります。
プロジェクトの期間が終了したら、達成しても、達成できなかったとしても、お礼の文章をきちんと掲載したり、メールや手紙でしたためたりしましょう。事前に約束した支援者への特典があるなら、それも届けましょう。許可を得られた支援者一覧をHPに載せる方法もあります。
プロジェクトを達成した後、その事業が行われている様子をブログなどで公開すると、資金の透明性の観点からも喜ばれます。クラウドファンディングに出資する人たちは「見返り」を求めるよりも、その実現に社会的、個人的な意味や意義を見出しているケースが多いです。
そのため、プロジェクトの行く末が見届けられるようにすると、いつまでも「プロジェクトへの連帯感」から温かく見守ってもらえるでしょう。
まとめ
夢をかなえたいけれどお金がない、人脈がない・・・ないない尽くしの救世主になり得るのがクラウドファンディングです。あなたに合ったクラウドファンディングサイトを探してみましょう。サイトを見ているうちに応援したいプロジェクトや、似たことをやりたいと考えている人に出会えるかもしれません。
経営上の工夫でも資金繰りをよくすることができます。冊子版の創業手帳(無料)では、創業期において重要になってくるキャッシュフローを詳らかにし、キャッシュフローを健全にするノウハウを10つの観点から解説していますので、ぜひ参考にしてください。
(執筆:創業手帳編集部)
創業手帳は、起業の成功率を上げる経営ガイドブックとして、毎月アップデートをし、今知っておいてほしい情報を起業家・経営者の方々にお届けしています。無料でお取り寄せ可能です。