注目のスタートアップ

ドローンデータによる森林解析システム「DF Scanner」を提供する「DeepForest Technologies」が4,500万円調達

company

2022年12月20日、DeepForest Technologies 株式会社は、総額4,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。

DeepForest Technologiesは、ドローンデータからの森林解析システム「DF Scanner」を開発・提供する京都大学発スタートアップです。

市販されている安価なドローンから、森林の各樹木の樹種・サイズ・材積量・炭素蓄積量を推定できるシステムです。

今後、カーボンクレジット取引や生物多様性評価などの応用を実現していく予定です。

今回の資金は、「DF Scanner」の国内・海外展開の推進、Jクレジットなど炭素排出権取引への事業進出などに充当します。

樹木は光合成によって二酸化炭素(CO2)を吸収し酸素を排出します。その他の二酸化炭素削減の取り組みは、排出量を削減するというものであるため、樹木は二酸化炭素そのものを減らすものとして得難い存在です。

世界資源研究所(WRI)は、2001年〜2019年の間に、世界の森林は排出した二酸化炭素の約2倍の量を吸収したと報告しています。

一方、熱帯を中心とした地域では、人間活動による森林破壊が行われており、2015年以降、約10万平方キロメートルの天然林が毎年失われています。

もしこのまま森林破壊が進めば、破壊によって放出される二酸化炭素が森林の吸収量を上回ってしまう可能性もあります。

ところで、国内では林業が大きく衰退しており、木材自給率は2〜3割で推移していたのですが、2011年からは10年連続で増加しており、2020年には自給率が41.8%へと回復しています。

国内の山林では、戦後の復興によって木材需要が高まり、さらに戦争による森林の荒廃もあり、政府主導で針葉樹中心の育成林(人工林)に置き換える「拡大造林政策」が強力に推進されました。

これにより国土の2/3を占める森林のうち約40%はスギを中心とした育成林となっています。

こうした育成林は適切な手入れを行うことが必要です。間伐などの森林整備がされないと、樹木の根が充分に発達せず、さらに日光が遮られ下草が生えないことから土壌が侵食され、土砂災害などが起きやすくなります。

森林保全や林業を推進していくためには、森林の状態を把握し、適切な管理・利用を行う必要があります。

そのため森林評価システムや森林解析システムのニーズが高まっているのです。

環境、社会、ガバナンスに配慮する企業に積極的に投資するESG投資が世界的に盛んとなってきています。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受ける方法など、資金調達のノウハウについて詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ ドローン 株式会社 森林 解析 評価 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」開発・販売の「APB」が80億円調達
2020年3月4日、APB株式会社は、総額約80億円の資金調達を実施したことを発表しました。 次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」を開発・販売しています。 活物質に樹脂被覆を行い、樹脂集電体に塗布…
データベース操作環境ソフトウェアなどを展開する「ディビイ」が資金調達
2022年12月1日、株式会社ディビイは、合同会社MAFを割当先として、第三者割当による株式を発行し、1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ディビイは、データ活用基盤「PreRobo…
フリーランス向け賃貸与信アプリ「smeta」など運営の「リース」が7,000万円調達
2020年3月31日、リース株式会社は、総額約7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 フリーランス向け賃貸与信アプリ「smeta(スメタ)」や、フリーランス向け家賃債務保証サービス「s…
自動運転大型トラックソリューションを開発する「ロボトラック」が3億円調達
2025年3月31日、株式会社ロボトラックは、総額3億円の資金調達を発表しました。 ロボトラックは、2021年に自動運転企業として米国で上場し、自動運転トラックの世界初の完全無人走行テストに成功したT…
農業流通現場向けプラットフォーム「nimaru」を運営する「kikitori」が3億円調達
2023年9月27日、株式会社kikitoriは、総額約3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 kikitoriは、クラウド型農業流通現場向けプラットフォーム「nimaru(ニマル)」を開発・…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集