インド発!オーガニック野菜デリバリーで「食を通じた幸せな時間」を届ける。HASORA八田飛鳥さんインタビュー

創業手帳

「関わる人全てが幸せになるサービス」を目指して

(2017/07/13更新)


様々な技術が発達している現代でも、「食」についての安全やこだわりは、今も昔も変わらずに注目されています。そんな「食」への注目度は、海を越えたインドでも上昇しているそうです。
インドでオーガニック野菜の宅配販売を行っているHASORA。実は創業者である八田飛鳥さんは以前、創業手帳の無料コンサルティングを受けていただいたことがあります。今回は八田さんに、創業のきっかけや、拠点であるインドでの衝撃体験を伺いました。

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八田飛鳥(はった あすか)
千葉県出身。カリフォルニア州立大学チコ校の国際関係学部卒業。
日本帰国後、起業家支援会社で社会起業家支援プログラム等の担当を行うなど、特にアーリー・ベンチャーを中心とした起業支援に携わる。2013年よりリクルートホールディングスの海外法人であるRGFインドにジャパンデスク事業立ち上げメンバーとして入社。
日系企業を中心にインド人・日本人双方の採用支援に従事。
2016年5月より、オーガニックフードをインドに広めるべく、双子の姉と共にオーガニック野菜の宅配販売会社の HASORA (ハソラ)を立ち上げる。インド生活5年目。

きっかけは家族が与えてくれた「原点」

ー「HASORA」が展開しているサービスの概要を教えてください。

八田:「安全で健康な食を通じて人々の生活を豊かにしたい。」を理念に、契約農家で生産された無農薬野菜や果物のデリバリーサービスを提供しています。昨年より、自社農園も開始し、無農薬の日本野菜の生産も行なっています。今後はオーガニックサラダやヘルシーランチ、お惣菜の提供も予定しています。また、野菜不足のビジネスパーソン向けの新サービスも開始予定です。

ー起業した経緯は?

八田:大学生の頃から、いつかは起業したいと考えていました。HASORAを創業する1年前くらいから悩んでいましたが、最終的なきっかけになったのは大好きな祖母が急に他界した事でした。今まで元気だった祖母が突然です。誰も、初めは受け入れられませんでした。

人生短く、いつ何が起きるかわからない。であれば、後悔しない生き方をしよう。今まで祖父母や両親が、当たり前のようにずっと与えてきてくれた「安全で美味しい食」「食を通じた幸せな時間」が私の原点だということが腹に落ちた瞬間でした。そして、覚悟が出来、会社を退職し起業しようと決意しました。

ー海外で活動していて大変だったこと、良かったことはありますか?

八田:そうですね。仕事面において「信頼」を構築し、課題や問題点に対して、ソリューションを提供する。そして、喜んでもらい対価を頂くという仕事の基本はどこでも一緒です。

ただ、アプローチや進め方においては、異なる点がたくさんあります。
インドの「当たり前」と日本の「当たり前」は異なる部分がたくさんありますからね。インド流も知らないとここではやっていけないと思います。
しかし、日本人としての強みも自覚しながら、常にどうすればより良いものが出来るか考える事が大切ですね。

とにかくインドは時間がかかる事が多い、何回言っても変わらない。担当者の言ってる事が毎回違う。頼んだものが来ない。
まだまだ、びっくりする事がたくさんあります(笑)

でも、自分で変えられないことを嘆くより、変えられる事にいかに注力出来るか。インドでは特に大事な点だと思います。
良いところは可能性があるところと多様性があるところですね。本当に面白い国です。4年経っても、笑っちゃう事がたくさんあって飽きません。

日本ともアメリカとも違うし、カオスな面も多いですが、歴史があるので奥深いです。元々挑戦や変化が好きなタイプなので、インドの環境はエキサイティングだと思います。

インドで急速に発達している「オーガニック市場」

ー女性起業家で大変だったこと、逆に良かったことはありますか?

八田:「女性で双子でインドにいる」と言うと、だいたいの場合は、びっくりされるか変な顔をされます(笑)
でもインパクトがあるので、覚えてもらいやすいし、応援してもらいやすいと感じています。

ー大手企業から独立しましたが、独立前と後で環境はどのように変化しましたか?

八田環境はガラッと変わりましたね。今まで当たり前にあった綺麗なオフィスやチームメンバー、お客さんからの毎日の連絡がなくなりました。全て、一人で(姉と2人)やらなくてはならない。これは、思っていた以上の変化でした。

やはり、大手企業に所属していたときは、人や、もの、情報などのリソースに恵まれていたと思います。独立するとほとんどその資産が無くなるので、そのギャップが大きかったですね。頭ではもちろんわかっていましたが、実際に経験して、改めてその事に気がつかされました。

起業当時は、まだチームメンバーもいなかったので、農家開拓、交渉、仕入れ、梱包、デリバリー、顧客開拓、営業、広報、web周り、事務、採用など全て2人でやっていました。インドだから、トラブルだらけ。頼んだものが、来ないこともよくありました。

だけど、独立後は、自分が心からやりたいと思えるミッションと、やっている事に一貫性があるので、辛い時も、踏ん張れる覚悟がありました。

問題が降りかかってくる時は、何か意味があるとき。乗り越えられない問題はない、と自分に言い聞かせています。

また、独立後は、独立前より、オーガニック、食、農業などにパッションを持っている方と自然と出逢える事が多くなりました。これも、また感謝すべき変化だと思っています。

ーインドで起業しましたが、どのような印象を持ちましたか?

八田インドでは、まだ課題も多いのでチャンスも多々ありますが、不整備な部分も多く、ゼロから作っていくことは非常に時間がかかります。とにかく、やりたいことをやるのに、時間がかかるのがインドだと思います。各分野に信頼できる専門家がいると、何かあった時に強いですね。

また、今の無農薬の野菜ビジネスは、参入障壁が低く、単価が安くなりがちなので、日本人としての強みを発揮して、どのように会社を成長させていくかが、重要かつ難しい部分です。
インドは人口も多く、競争が激しいので、そのような環境下で、自社のポジショニングを確立することが重要です。

ーインドの「オーガニック」、「安全な食」についての認識はどうでしょうか?

八田:インドではオーガニック市場が急速に成長しています。
富裕層や海外から戻ってきたインド人が、より安心な「食」を求めています。
4年ほど前はスーパーマーケットなどでオーガニックの文字を見ることはほとんどなかったのですが、最近ではオーガニック食材を見かけることが多くなってきました。

しかし、インドではそのオーガニック食材が本当に信用できるのかという不安を抱えている消費者も少なくありません。
まだまだ、消費者に対して、情報提供が十分にされていないように感じています。

食の「Facebook」「Uber」になりたい

ー創業後に創業手帳の無料コンサルを受けて頂きありがとうございます。役に立ちましたか?

八田:幅広い情報を提供して頂けました。
特に、国内で起業するのであればおすすめです。

ー起業・ベンチャーで重要だと思うことは?

八田:インドにおいては、信頼できるインド人パートナーがいることが大切です。
また、各分野において信頼できる人を知っていることも重要ですね。

ー今後の目標・ビジョンを教えてください。

八田HASORAに出逢えたから、人生や生活が変わったと言われる存在になりたいと考えています。
Facebookは従来のコミュニケーションの形を変えました。Uberは、移動をより便利にしました。
私たちは、食でいうFacebookやUberのような革新的な存在になりたい。
インドに今までなかった新しい事、人の役に立つことを提供するのが夢です。
関わる全ての人が幸せになるサービスが作れたらと思います。食農分野での取り組みで人の笑顔をもっともっと作りたいです。

ー起業家にメッセージをお願いします!

八田一度しかない人生。自分が死ぬ前に後悔しない生き方を選んでください。
チャレンジしないで諦めるのであれば、失敗してもいいから、チャレンジした方が良いと思います。

結局、起業したての頃は、上手く行かない事の連続なので、落ち込む事に時間を費やすのでなく、次にどうするかとすぐに切り替え、とにかくどんどん行動する事が大切ですね。

また、何か大きなミッションを成し遂げるためには、一人では出来ないことも多々あります。もちろん、がむしゃらになって一人でやる時期も大切ですが、大切な仲間作り(チーム作り)が会社の成長を左右します。ミッションを発信し、多くの支援者を巻き込み、良いチームを作る事。
これは起業家にとって、重要な事だと思います。特に、起業したばかりの頃は、応援者を増やすことが大事だと思います。

また、挑戦の場は日本だけでなく、今は世界中に広がっています。アジアで、インドで挑戦したいと思っている方がいれば、まず小さな一歩を早く踏み出してください。あと数年待っていたら、また環境は大きく変化してしまいます。

まだまだ課題が多い場所に、チャンスがあります。

(取材協力:Hasora Organic India Pvt,Ltd. 八田 飛鳥
(編集:創業手帳編集部)

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