地域に情熱を吹き込む!次々地域を蘇らせる・森脇の新たな挑戦

創業手帳

レストレーション 代表 森脇 暉 インタビュー

(2018/12/28更新)

銀行を辞めて全国を駆け回る若き起業家、レストレーション代表・森脇 暉氏。神戸の谷上プロジェクトでは2000万円以上を調達して、見事、シャッターがしまっていた場所を再生しました。そんな森脇氏が次に手がけるのは故郷の下関にある豊北町島戸地区。本州なのにイルカが来る海で、とびきりの絶景地。知る人ぞ知る観光の穴場です。

そんな地域の宝を掘り起こし、情熱を吹き込んで再生させていく、地域の応援団を名乗る森脇氏の次のチャレンジについて、創業手帳 代表の大久保が伺いました。

森脇 暉(もりわき ひかる)
山口県下関市豊北町出身。2013年三井住友銀行入行。
関西に住んで10年、一番の学びはふるさとの素晴らしさであった事に気づく。帰省する度に故郷の衰退に危機感を覚えたことをきっかけに、外に出たからこそ、地域のふるさとの良さを外から再発見した人間だからこそやれることがあるんじゃないか、そう思い2017年10月末に三井住友銀行を退職し、起業。地方創生のハブを作るべく「谷上プロジェクト」へ参画。同年11月に移住、12月に株式会社レストレーションを設立。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社の母子手帳、創業手帳を考案。2014年にビズシード社(現:創業手帳)創業。ユニークなビジネスモデルを成功させ、累計100万部を超える。内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学、官公庁などでの講義も600回以上行っている。

イルカに選ばれた海で始まる地方創生

大久保:創業手帳でも、神戸の谷上プロジェクトを以前取り上げました。谷上は神戸といっても、神戸は都会の海側と、田舎の山側で全然違い、山側の本当に田舎のエリアですよね。
当時、手がけていたコワーキングの開発現場に行きましたけど、駅前なのに大手チェーンが撤退して廃墟みたいなスペースがみるみる変わっていきました。そのあたりから、今のプロジェクトに関わる経緯はどのようなものでしたか?

森脇:神戸の谷上のプロジェクトというのに関わっていました。元チャットワークの山本さんから声をかけてもらって、仲間と一緒になって盛り上げて。
谷上は運営からは卒業しましたが、引き続き移住1号登記1号として、谷上の町を盛り上げるべく、地域活動や事業活動を継続しています。

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もともと当初から僕は谷上での経験をもって、地元下関に貢献すると公言していました。そうする事で、谷上プロジェクトのモデルケースになりたいとも思っていました。

そういった中で、谷上と同じようにふるさと納税を活用したクラウドファンディングを下関で実施したいので手伝ってくれないか、という依頼を発起人の新名さんに頂きました。
下関の角島というきれいな島があって、自分のスマホの待ち受けにしているぐらいなんですが、その角島が望める街のプロジェクトですね。

新名さんの実施している活動の素晴らしさは以前から知っていたので、僕が地元での活動をスタートさせる初めの事業としてはこの上ないなと思い、今回のプロジェクトを新名さんと一緒に立ち上げました。

大久保:島戸地区にはイルカが来るとか。

森脇:島戸地区は下関市豊北町にある港町なのですが、本当に美しくて。コバルトブルーの海とそこから見える角島大橋が絶景です。皆さんあまり知られていないかもしれないですが、こんな美しい海はなかなか無いんじゃないでしょうか。

僕自身も感動しました。イルカは今年初めて来たとの事で、一頭は浅瀬の膝下の所まで。野生のイルカが来る海って、日本全国でもそうないんじゃないでしょうか?

「情熱で何かを変える」人がいてもいい

大久保:応援団長のようで、面白いですね。ガタイもいいし、雰囲気もそんな感じですし、もともと大学でもそうだったんですよね?
でも、地方の再生に必要なものはそういう愚直な、情熱かもしれないですね。クラウドファンディング自体は、ツールとしては全国どこでも使えるし、観光資源も元からあった。リスクやコストもほとんど無いわけだし。でも、やろうというきっかけを作る、応援してくれる人が地域には必要なのかもしれないですよね。

森脇:自分は本当に、大学時代も体育会サッカー部の応援団長だったんです。今でも僕の役割はやりたい事がある人に対して、やりましょう!と応援する事ですね。パッションとリレーション担当です。実際に応援歌もちゃんと歌います。

やっぱり火をつける人っていうのが必要なんだと思います。そうやって眠っている地域をゆりおこしていくきっかけになれば良いなと思うんです。
僕自身は戦略家とか仕掛け人というタイプじゃないんですが、例えば、なんとなく、停滞している、そういうところに飛び込んでいって、情熱が何かを変えていく、という人もいて良いと思うんです。

大久保:日本の場合、地方は、地域の中で閉鎖的になりがちなケースもあります。でも、オープンにしていかないといけないですよね。地域の中や地域感のライバルといっても、ちっぽけな話で、そのままであれば、沈んでいくのは目に見えている。ノウハウや事例もそうだし、人を呼び込んだりとか。地域同士で連携するメリットとデメリットを比較すると自ずと、連携していったほうが良いですよね。地域創生の仲間で他の地域で面白い人はいますか?

森脇:沢山いらっしゃいますね。鎌倉のカマコンを手がけるカヤック柳澤さんや、有馬温泉金井さん、尾道の山根さん、ユーカリが丘小川さん等魅力的な方々ばかりです。
熱海の市来さんも訪ねましたが、最高でした!特に地元の良さを地元の人が知らないという事で、開催されていた地元の人向けのツアーは印象的でした。

熱海は元々、バブルのつけで、財政破綻しかかっていたんですが、見事に再生した事例ですよね。市来さんはIBMを辞めて東京からUターンして、最初、メディアや案内をやって、今はリノベーションや宿泊業、飲食、コワーキング、起業支援と大活躍しています。

地方で参考になる人を紹介してほしいと言ったら、熱海の再生をやっている市来さんがおもしろいよ、と創業手帳さんに紹介してもらって会いにいったら、すごいことになっていて。
そういえば、この縁がきっかけで、来年下関にも講演に来ていただくことになりました。ありがとうございました(笑)。志のある地域と地域がつながっていくと良いですよね。

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大久保:地域同士が触発されていくことで、盛り上がっていくと良いですよね。例えば東京や大阪のマネは無理だけど、熱海、谷上、下関でできるならウチもできるんじゃないかという。

例えば、メディアの露出が多い知事でいうと鳥取県の平井知事がいます。
鳥取は人口58万人で、日本で一番人口が少ない都道府県なんですが、「スタバはないけどスナバはある」がバズったりとか、面白いですよね。出張した時にお会いした知事をはじめ、県の職員の名刺は全員、ひとりひとり鳥取の特産品の写真が貼られて。カニとか砂丘と星とかなんですが。広報にかける気合いがすごいなと思ったんです。

人口が少ないから、なんでもやるしかない。広報、PRで知ってもらって、観光客を呼ぼうという作戦の一環らしいんですけどそういう広報は大事ですよね。ところで、地方で共通した問題って何でしょう?

森脇:その話もそうだと思うんですが、地元の人が地元の良さに気づいていない事や、良さをうまく外に発信できていない事が1つあると思います。
なので、一度地元を出て客観的に地元の良さに気づいた人間や、全くの第三者だけどその土地に魅力を感じた人間等がうまく現地の思いのある人達とグラデーション的に繋がっていく事が必要だと思います。

今回のプロジェクトも、うまく発信ができて寄付が全国からこれだけ集まったという事や、クラウドファンディングというある種のメディアを使った事、また地域の方々向けの説明会も開いた事で、より多くの下関に関わる方々に地元の素晴らしさを再発見して頂けたのではないかなと思ってます。

どの事業でもやりたいことがあるならチャレンジすべき

大久保:森脇さんが、その地域の課題で出せる価値というか、得意技ってなんでしょうね。色々な地域を見てきているし、その中で成果も出てきて、やり方を経験的に知ってきている。

森脇人と人とを繋ぐ事と、やりましょう!という前向きな空気を作る事ですかね。
もともと僕は下関の北の田舎出身なので、地域の方々の気持ちも分かるし、都会に出て外の方々の気持ちも分かる。熱意ある人と協力して、外の人の意見も踏まえながら、地域の方々がやりたい事の実現に向けて、人と人を繋いでチームアップしていく。それぞれみんなの得意分野を持ち寄って、前向きな雰囲気から具体的に形にしていく事が僕の役割ですかね。

大久保:メガバンクをやめたわけですが、後悔は全くなさそうですね。
銀行からスタートアップに行きたいということで、うちにも銀行出身の人が面接によく受けに来ます。昔だと考えにくい動きですよね。改めてどうですか?

森脇:そうですね。本当に銀行での経験や繋がりは今でもかなり生きているので、銀行に行って良かったなぁと思ってます。
どの業種でもやりたい事がある人はチャレンジしてみるべきだと思います。本当にやりたければやらない事が1番のリスクになると思います。やりたい事が見つからないという相談も良くうけますが、やりたい事を探す時間を作っていないし、探す為の行動を起こさず悶々と止まって考えている人が多いように感じます。やりましょう!銀行からスタートアップ、いいんじゃないでしょうか?

大久保:クラウドファンディングで成功するには何がコツなんでしょうかね?トライする人に向けてアドバイスはありますか?

森脇:たくさんありますね。谷上でも角島でもReadyforというプラットフォームを使いましたが、どのプラットフォームにでも、共通して言えることがあります。

まず1番は祭りを成功させる情熱があるかが重要ですね。僕の中ではお祭りみたいなものと捉えています。
そして共感や信頼が持てるような内容か、また1人では難しいので、チームアップをする事も大切ですね!どのサイトにするのか、誰に支援してもらうのか、期間や目標金額はどうするか、かなり事前準備が大切になってきますね。やり続ける気力体力時間もいりますし、軽はずみにやるものではないと思います。

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大久保:クラウドファンディングという調達手段は出資でも融資でもないわけですが、どういう人に向いていると思いますかね?出資や融資はBS(バランスシート、資産)の話なんですが、クラウドファンディングって資金調達と言いながら、販売や広報の面が強いのが面白いなと思います。クラウドファンディングや、それを活用したプロジェクトは世の中をどう変えていくと思いますか?

森脇:クラウドファンディングは信頼や期待をお金に変えるツールだと僕は思っているので、お金はないけどこれまでの活動から信頼貯金がたくさんある人にはオススメじゃないかなと。
そういう意味では、お金より信頼や共感や期待なんかが大切になっていく世の中に変わりつつあるような気がしますね。

大久保:そういえば、森脇さんは今おいくつなんですか?若いのに、色々なことにチャレンジして成果も出ている。これから先どうなるかと思うと傍から見ていてもワクワクしますね。これからどういう生き方、夢がありますか?

森脇:今27歳です。僕は日本では本当に優秀な人は過疎化した街を復活させていく、そういうカルチャーを作っていきたいなと思ってるんです。

アメリカでは優秀な人は起業、その次にアップルやグーグル等大手で働くというカルチャーがあります。その結果、IT関係では常に世界最先端なものが生まれている。日本では少子高齢化で人口が減って都会に人口が集中して地方で過疎化が進んでいる、これは世界でも課題の最先端だと思っています。そして成熟していけばどの国でも同じような事が起こりうる。だから、この分野で最先端をいっている日本だからこそ、道しるべを示せれば世界をもリードしていけるのではないかと思っています。

都会や大企業に勤めてらっしゃる方々の中には、なんか違うな?一歩踏み出したいなという方々が沢山います。だから僕は、都会に1番近いアクセスの良い田舎谷上を、そういった方々が一歩踏み出す玄関にしたいと考えています。そして玄関を作りながら、自分自身1番思いのある過疎化したふるさと下関の街おこしをしていく事で、僕が作りたいカルチャーを体現していきたいなと思っています!

加えて僕が今神戸に住んでいる事が重要で、地元から離れていても地元にはどんどん貢献できるよ、というメッセージを引き続き発信していきたいと思ってます。自分の住んでいる街やふるさとに貢献する事が、カッコイイし、素敵だし、何より楽しいという世の中にしていきたいですね。

(取材協力:株式会社レストレーション /森脇 暉
(編集:創業手帳編集部)

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