創業手帳が選ぶ起業経営ニュース 2023年12月2日 注目のニュース 解説入り 創業手帳編集部 【速報】スタートアップワールドカップ2023決勝:優勝は医療系のアイリス沖山翔さん! 優勝は日本から出場のアイリス沖山翔さん! 2023年12月1日(米国時間)にサンフランシスコで「スタートアップワールドカップ(SWC) 2023」決勝大会が開催され、日本代表のアイリス株式会社の沖山翔社長が見事優勝しました。 綿棒で鼻の奥から検体を採取する代わりに患者ののど画像を撮影することで、簡単で正確なインフルエンザの早期発見を可能にするAI医療機器「nodoca」を開発し、クリニックなどに提供しています。 SWCでの日本企業の優勝は2017年の第1回に続き、2回目となりました。 SWCは、アニス・ウッザマン氏がCEOを務める米ペガサス・テック・ベンチャーズが主催する、世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンスです。 今年が5回目で、世界50地域以上の地域予選を勝ち抜いた企業で競われました。ただ、実際にはビザ(査証)発給やスケジュールの関係などから渡米できなかった企業を除いて、42社が11月29日のサンフランシスコでの準決勝に挑み、うち10社が決勝に進出しました。優勝投資賞金は100万ドル(約1億5千万円)となっています。 日本からは東京予選優勝のアイリスとともに、京都予選の優勝者スマートホームを米国で展開するHOMMA Group株式会社・本間毅社長が参加しました。本間氏も最終10社に残り、決勝ピッチに登壇しています。 また決勝大会では講演も行われ、米国で大人気の投資リアリティー番組「シャーク・タンク」に出演する70代の女性起業家バーバラ・コーコラン氏をはじめ、旧サン・マイクロシステムズ共同創業者でシリコンバレーの著名ベンチャーキャピタリスト(VC)として知られるビノッド・コースラ氏、グーグル系自動運転開発会社ウェイモのテケドラ・マワカナ共同CEOらがゲストとして登壇しました。ほかに、テスラのアイラ・エーレンプレイス取締役や、ウーバー、ロブロックス、リンクトイン、レディットの幹部もスピーチを行いました。 スタートアップワールドカップの知名度が年々高まるにつれ、米国のテック業界やスタートアップシーンでの著名人がスピーカーとして多数参加するようになっています。 上位の入賞者は下記の通りです。 スタートアップワールドカップ2023決勝大会 入賞者 1位 アイリス株式会社(東京都中央区) AI医療機器システムを開発。大量ののどの画像データベースを使って、AIがインフルエンザの診断を行う医療機器は世界でも類がない。収集したのど画像データは人種や地域にかかわらず活用できることから、今後の事業の世界展開も期待されます。 2位 SaveFruit(メキシコ) 天然物質を使ったポストハーベスト剤の「SAVEFRUIT」を開発しています。果物に適用することで店舗などでの寿命を延ばすことができ、収益ロスを減らしたり食料廃棄物の削減につなげられるといいます。ポストハーベスト技術は農業大国でもある米国で研究開発が盛んですが、今回のものは化学物質を使わず健康影響が少ない点で優れています。 3位 VOINOSIS(韓国) AIを使った音声解析により、認知症(アルツハイマー型認知症)の早期発見につなげるシステムを開発中。米国や日本で認知症の進行を遅らせる新しい医薬品が承認されていますが、認知症の初期段階向けで、その診断には手間とコストがかかります。このような技術が実用化されれば低コストで早期認知症の診断がある程度可能になると思われます。 他のファイナリスト(アルファベット順) ・Artisio Ltd.(ジョージア予選代表) ・Block Aero Technologies Holdings Limited(タイ予選代表代表) ・Circu Li-ion S.A.(ルクセンブルグ予選代表) ・ Electro Scan Inc.(アメリカ・サクラメント予選代表) ・ HOMMA Group, Inc.(日本・京都予選代表) ・Mitra Chem (Mitra Future Technologies Inc.)(アメリカ・シリコンバレー予選) ・ NanoFreeze (BioCold Technologies S.A.S)(コロンビア予選代表) 主催者のアニス・ウッザマン氏から創業手帳読者へのコメント 今回、世界決勝戦は第5回目となりましたが、決勝戦に出場する地域予選代表社のレベルが年々上がっているのを肌で感じます。 また世界で社会課題となっている環境、エネルギー、食料、医療等の問題に関して、テクノロジーを掛け合わせた革新的なソリューションとビジネス・スキームを持つスタートアップが本大会でも目立ちました。 約50社が集結した激戦の中で、日本代表のアイリス、HOMMAの2社がファイナリスト10社に選ばれるという快挙を達成し、日本の技術やビジネスの精度の高さを世界に証明することができたと思います。 是非とも、本大会をジャンプ台として、世界へ大きく羽ばたいていただきたいと思いますし、ペガサスはそれを全力で応援しています。 今年のスタートアップワールドカップのまとめ 今回のスタートアップワールドカップを振り返ると、その開催趣旨通り、欧米中日のほか東南アジア、中南米、中東、アフリカ、ウクライナ、ジョージアなど世界各地のスタートアップが参加し、地域的な多様性が非常に高いピッチコンテストとなっています。 途上国であっても地域の課題解決にとどまらず、AIやブロックチェーン、環境関連技術などを活用して新しいビジネスモデルを生み出し、周辺国や市場規模の大きい米国などにグローバル展開しようというスタートアップが出てきています。 ベンチャー投資が下火になる中でも、経済活性化につながることから、こうしたスタートアップのトレンドは先進国のみならず途上国にも、今後まだまだ広がりをみせていくと思われます。 概要 日時:2023年12月1日(金)9:00~18:00 会場:HILTON SAN FRANCISCO UNION SQUARE 主催:ペガサス・テック・ベンチャーズ カテゴリ イベント 関連タグ スタートアップ ベンチャー この記事を読んだ方が興味をもっている記事 【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選 持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは? 法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能? 【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト 【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説 起業するには何から始める?誰でもできる起業の仕方や手続き【5ステップで解説】 イベントの創業手帳ニュース 【2026年7月1日~3日開催】日本最大級の製造業向け展示会「第38回 ものづくり ワールド[東京]」 (2025/12/22) 【2026年1月20日開催】リアル&オンラインセミナー「創業者・スタートアップのための資金調達入門 ― 公的金融×信用金庫で学ぶ“最初の一歩” ―」 (2025/12/22) 起業家必見!横浜銀行が2026年1月から2026年2月にかけてオンライン創業支援セミナー「みらい海図」を開催! 注目のニュース (2025/12/19) 【2026年2月24日開催】「第10回 J-TECH STARTUP SUMMIT」 (2025/12/19) 【経済産業省】「賃上げ支援キャラバン」中小企業・小規模事業者の賃上げ支援に向けたキャラバンイベント (2025/12/17) 【12/23開催】日本政策金融公庫主催「スタートアップ・ファイナンスミックス年末大相談会」参加者募集中 (2025/12/16) 【2026年1月23日開催】「高校生ビジネスプラン・グランプリ in TOKYO」 (2025/12/15) 【2026年3月4日開催】「令和7年度 第4回ビジネスマッチングin東京」【東京都】 (2025/12/11) 【12/25開催】農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業「第2回フェーズ3基金事業マッチングカンファレンス」開催 (2025/12/9) 「第25回Japan Venture Awards」ノミネート者が発表 (2025/12/9) キャンペーン 女性対象 有望企業 トレンド 便利なサービス イベント 制度改正 公募 関連するタグのニュース アフリカ農村部における水問題解決を目指す「Sunda Technology Global」が1億円調達 2025年4月4日、株式会社Sunda Technology Globalは、総額1億円の資金調達を発表しました。 Sunda Technology Globalは、アフリカ農村部における水問題解決を… スタートアップと投資家間のやり取りを効率化するデータ作成・共有プラットフォーム「smartround」を運営する「スマートラウンド」が資金調達 2022年9月6日、株式会社スマートラウンドは、1倍非参加型の優先株式で資金調達を実施したことを発表しました。 スマートラウンドは、スタートアップと投資家間のやり取りを効率化するデータ作成・共有プラッ… SiC(炭化ケイ素)半導体を活用した次世代パワーデバイスの製品開発を行う「ネクスファイ・テクノロジー」に「荏原実業」が出資 2023年6月30日、荏原実業株式会社は、ネクスファイ・テクノロジー株式会社に出資したことを発表しました。 ネクスファイ・テクノロジーは、大阪大学吹田キャンパス内に所在するスタートアップで、炭化ケイ素… 「日本スタートアップ大賞2024」受賞者決定 2024年7月22日、総務省は、「日本スタートアップ大賞2024」の受賞者を発表しました。 「日本スタートアップ大賞」は、次世代のロールモデルとなるような、インパクトのある新事業を創出した起業家やスタ… フィリピンでスモールビジネス開発を行う「パダヨンジャパン」が資金調達 2024年2月16日、パダヨンジャパン株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 パダヨンジャパンは、スモールビジネス開発によりフィリピンの社会課題解決に取り組むスタートアップとして、フィリピ… 大久保の視点 明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT 2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各… (2025/3/14) 日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞! 日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし… (2024/12/4) 国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート! パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav… (2024/10/9) 創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら 注目のニュース SPONSORED 起業家必見!横浜銀行が2026年1月から2026年2月にかけてオンライン創業支援セミナー「みらい海図」を開催! 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2023年12月2日 注目のニュース 解説入り【速報】スタートアップワールドカップ2023決勝:優勝は医療系のアイリス沖山翔さん!
優勝は日本から出場のアイリス沖山翔さん!

2023年12月1日(米国時間)にサンフランシスコで「スタートアップワールドカップ(SWC) 2023」決勝大会が開催され、日本代表のアイリス株式会社の沖山翔社長が見事優勝しました。
綿棒で鼻の奥から検体を採取する代わりに患者ののど画像を撮影することで、簡単で正確なインフルエンザの早期発見を可能にするAI医療機器「nodoca」を開発し、クリニックなどに提供しています。
SWCでの日本企業の優勝は2017年の第1回に続き、2回目となりました。
SWCは、アニス・ウッザマン氏がCEOを務める米ペガサス・テック・ベンチャーズが主催する、世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンスです。
今年が5回目で、世界50地域以上の地域予選を勝ち抜いた企業で競われました。ただ、実際にはビザ(査証)発給やスケジュールの関係などから渡米できなかった企業を除いて、42社が11月29日のサンフランシスコでの準決勝に挑み、うち10社が決勝に進出しました。優勝投資賞金は100万ドル(約1億5千万円)となっています。
日本からは東京予選優勝のアイリスとともに、京都予選の優勝者スマートホームを米国で展開するHOMMA Group株式会社・本間毅社長が参加しました。本間氏も最終10社に残り、決勝ピッチに登壇しています。
また決勝大会では講演も行われ、米国で大人気の投資リアリティー番組「シャーク・タンク」に出演する70代の女性起業家バーバラ・コーコラン氏をはじめ、旧サン・マイクロシステムズ共同創業者でシリコンバレーの著名ベンチャーキャピタリスト(VC)として知られるビノッド・コースラ氏、グーグル系自動運転開発会社ウェイモのテケドラ・マワカナ共同CEOらがゲストとして登壇しました。ほかに、テスラのアイラ・エーレンプレイス取締役や、ウーバー、ロブロックス、リンクトイン、レディットの幹部もスピーチを行いました。
スタートアップワールドカップの知名度が年々高まるにつれ、米国のテック業界やスタートアップシーンでの著名人がスピーカーとして多数参加するようになっています。
上位の入賞者は下記の通りです。
スタートアップワールドカップ2023決勝大会 入賞者
1位 アイリス株式会社(東京都中央区)
AI医療機器システムを開発。大量ののどの画像データベースを使って、AIがインフルエンザの診断を行う医療機器は世界でも類がない。収集したのど画像データは人種や地域にかかわらず活用できることから、今後の事業の世界展開も期待されます。
2位 SaveFruit(メキシコ)
天然物質を使ったポストハーベスト剤の「SAVEFRUIT」を開発しています。果物に適用することで店舗などでの寿命を延ばすことができ、収益ロスを減らしたり食料廃棄物の削減につなげられるといいます。ポストハーベスト技術は農業大国でもある米国で研究開発が盛んですが、今回のものは化学物質を使わず健康影響が少ない点で優れています。
3位 VOINOSIS(韓国)
AIを使った音声解析により、認知症(アルツハイマー型認知症)の早期発見につなげるシステムを開発中。米国や日本で認知症の進行を遅らせる新しい医薬品が承認されていますが、認知症の初期段階向けで、その診断には手間とコストがかかります。このような技術が実用化されれば低コストで早期認知症の診断がある程度可能になると思われます。
他のファイナリスト(アルファベット順)
・Artisio Ltd.(ジョージア予選代表)
・Block Aero Technologies Holdings Limited(タイ予選代表代表)
・Circu Li-ion S.A.(ルクセンブルグ予選代表)
・ Electro Scan Inc.(アメリカ・サクラメント予選代表)
・ HOMMA Group, Inc.(日本・京都予選代表)
・Mitra Chem (Mitra Future Technologies Inc.)(アメリカ・シリコンバレー予選)
・ NanoFreeze (BioCold Technologies S.A.S)(コロンビア予選代表)
主催者のアニス・ウッザマン氏から創業手帳読者へのコメント
今回、世界決勝戦は第5回目となりましたが、決勝戦に出場する地域予選代表社のレベルが年々上がっているのを肌で感じます。
また世界で社会課題となっている環境、エネルギー、食料、医療等の問題に関して、テクノロジーを掛け合わせた革新的なソリューションとビジネス・スキームを持つスタートアップが本大会でも目立ちました。
約50社が集結した激戦の中で、日本代表のアイリス、HOMMAの2社がファイナリスト10社に選ばれるという快挙を達成し、日本の技術やビジネスの精度の高さを世界に証明することができたと思います。
是非とも、本大会をジャンプ台として、世界へ大きく羽ばたいていただきたいと思いますし、ペガサスはそれを全力で応援しています。
今年のスタートアップワールドカップのまとめ
今回のスタートアップワールドカップを振り返ると、その開催趣旨通り、欧米中日のほか東南アジア、中南米、中東、アフリカ、ウクライナ、ジョージアなど世界各地のスタートアップが参加し、地域的な多様性が非常に高いピッチコンテストとなっています。
途上国であっても地域の課題解決にとどまらず、AIやブロックチェーン、環境関連技術などを活用して新しいビジネスモデルを生み出し、周辺国や市場規模の大きい米国などにグローバル展開しようというスタートアップが出てきています。
ベンチャー投資が下火になる中でも、経済活性化につながることから、こうしたスタートアップのトレンドは先進国のみならず途上国にも、今後まだまだ広がりをみせていくと思われます。
概要
日時:2023年12月1日(金)9:00~18:00
会場:HILTON SAN FRANCISCO UNION SQUARE
主催:ペガサス・テック・ベンチャーズ
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