注目のスタートアップ

Rsmile株式会社 富治林 希宇|不動産管理のシェアリングプラットフォームの事業開発が注目の企業


不動産管理のシェアリングプラットフォーム事業を展開し、注目されているのが、富治林 希宇さんが2020年5月に創業したRsmile株式会社です。

現在、日本各地で大きな問題となっているのが「空き家」の増加です。
総務省の調べでは、平成30年(2018年)の空き家の数は848万9000戸で、過去最高となりました。
空き家の中でも特に問題視されているのが、賃貸や別荘などの二次的住宅用以外の空き家、いわゆる「その他の空き家」です。「その他の空き家」の数は約347万戸で、これは住宅総数の5.6%を占めています。
これら「その他の空き家」は多くの場合、手つかず状態で各地に放置されており、土地は荒れ、建物は朽ち果て、ゴミ廃棄や異臭・犯罪発生の温床になったり、景観を損なう原因となったりしています。

こうした空き家は、定期的に手を入れたり的確な管理をすることで、不動産価値を維持することが可能ですし、地域の魅力的な資産としてもその存在価値を高めることが出来ます。
所有する不動産がどうしても空き家になってしまうのであれば、その価値を下げないためにもきちんと手入れを行うことが自身にとっても地域にとっても肝要です。

しかし、核家族化が進んだことや都市部への居住が集中したことがあり、約25%超の方が、相続した空き家までの行き来に車・電車などで1時間以上かかると回答しており、容易に手入れできない状況下にあります。つまり、誰かがきちんと手入れすれば所有者や地域の資産価値として存在意義があるにもかかわらず、致し方なく放置されているが故に、その資産価値を下げるばかりか地域の魅力低下にさえ繋がってしまっているという残念な現状が広がっているわけです。

この状況を打破すべく、100年以上イノベーションが起きなかった不動産業界を変革し、地域の魅力再発掘にも挑戦しようと奮闘している事業に、今注目が集まっています。

Rsmile株式会社の富治林 希宇さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

COSOJIは“不動産業界の管理業務”と“地域作業者や工務店の方々”を繋ぎ、不動産管理の効率化を提供するワークシェアリングサービスです。
不動産管理会社や不動産オーナーから
・軽作業(共用部清掃、目視点検、草むしりなど)
・法定点検(消防設備点検、貯水槽点検など)
・原状回復、ルームクリーニングなど
の案件依頼を地域作業者(クルー)へスマホひとつで依頼することができます。

また地域作業者の進捗・完了確認、さらに請求、支払い処理まで、全ての業務をCOSOJI上でまとめて管理することができます。そのため、従来のような金額見積りや請求書の受け渡し等、非効率な作業を減らすことができます。

・どういう方にこのサービスを使ってもらいたいですか?

管理業務を効率化したいと考えている不動産管理会社・不動産オーナー、そしてその地域のまちをより良くしていきたいという想いがある方です。

管理業務を必要な分だけ地域作業者に発注することができます。移動コスト、対面でのやり取り、報告書の作成業務を減らすことができるので、従来のように外注で専門の業者に依頼するよりも価格を抑えることができます。

一方、作業者側は、自分(自社)のスケジュールで仕事を受けたい、地域に貢献して自分のスキルを活かしたい、効率よく働きたい、請求書の発行や督促から解放されたいという方に使って頂きたいです。

・このサービスが解決する社会課題はなんですか?

不動産管理業界の課題は、所有する不動産が現在どのような状態なのかを把握できていないことです。
その理由は、主に以下の3つが考えられます。
①紙の資料を作成し運用しているため、必要時に即座に閲覧できない。また破損、紛失などのリスクがある。
②管理業務を複数の業者に分離して発注しているためコストが高くなってしまう。また分離発注の手間がかかる。
③報告書の作成業務に時間が取られる。また、管理会社によっては写真報告がなく、報告書自体も1ヶ月遅れで送られてくることもある。

この課題を解決するため、COSOJIは以下の特徴を持ち、サービスを提供しています。
①ウェブ上で全て完結(ペーパーレス)
②仕事の発注から報酬の支払いまで全ての工程を一元管理
③不動産の「今」がわかるリアルタイム報告

また、各地域で想いを持った方々によって建物の維持管理ができるCOSOJIは、建物の「今」を正しく把握することによる建物価値の維持向上により、社会問題化する空き家問題の課題解決にも貢献できると思っています。各地域での雇用創出の実現により地域活性化も目指していきます。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

創業期は資金も認知もなかったため、ユーザーの信頼を獲得し、認知してもらうことが大変でした。
COSOJIは課題解決ドリブンなのでプロダクトを開発してから解決するのではなく、ユーザーの生の声を聞いてその課題を解決するプロダクトを開発しています。
当初は知人の大家さんに使ってもらって、管理もエクセルで調整していました。ひたすら泥臭くユーザーの声を聞き取って改善していくことで、より良いサービスに成長していけたと感じています。

・今後どういう会社、サービスにしていきたいですか?

COSOJIのビジョンは、「不動産にかかわるすべての人に快適な世界を。」です。
COSOJIを利用してもらうことで、不動産管理者の生産性向上、また地域作業者への更なる働きやすい場の提供を通じ、地域の雇用を創出することができます。
今後も管理者と作業者を増やしていくことで地域不動産の価値を高め、未来へと続いていく快適な街づくりを実現していきたいと考えています。

・今の課題はなんですか?

管理会社・不動産オーナーの課題をヒアリングし、より多くの管理会社、不動産オーナーに使って頂くことです。不動産管理会社の業務負担を少しでも減らせるように、日々新しいメニューやサービスの使いやすさの開発に力を入れています。
また案件が増えていっても地域作業者や工務店の方々の負担にならず、不動産管理者と地域作業者がお互い気持ちよく使えるサービスにしていこうと思っています。
常に「カスタマーファースト」を心がけ、今よりも多くの人々に利用していただけるような魅力的なサービスにしていきます。

・読者にメッセージをお願いします。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
COSOJIは今後も不動産管理において、あったらいいなというサービスではなく、なくては困るサービスになれるよう、より良いサービスを創り上げていきます。
COSOJIについて少し興味をもって頂けましたら、幸いです。

会社名 Rsmile株式会社
代表者名 富治林 希宇
創業年 2020年5月
資本金 1億1674万円(2022年1月) ※資本準備金含む
事業内容 不動産管理のシェアリングプラットフォーム「COSOJI」を提供
サービス名 COSOJI
所在地 〒103-0008 東京都中央区日本橋中洲6-10
代表者プロフィール 代表取締役 富治林希宇
立命館大学時代に建築を学んだ後、大手不動産会社であるザイマックスグループにて、様々な不動産の管理・運営に従事。その後、投資銀行のファーストブラザーズにて多数の不動産投資・運用業務を執行後にクラウドリアルティにて投資銀行部長とし、まちづくり・新規事業支援・不動産開発・運営・プラットフォーム開発・組織づくりなどに従事。

共同創業者&取締役 塚田哲也
不動産を複数棟購入・再生・運用管理を経験。所有者・管理者であるにも関わらず建物の「今」の状態を正しく把握することが困難という課題を感じ、地域の力で地域の不動産を適切管理する仕組みを提供する「COSOJI」を展開。前職のKPMGコンサルティング株式会社では、企業DX、顧客戦略、ガバナンス構築、リスク管理態勢構築等に従事。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Rsmile 富治林希宇
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

不動産管理業務のワークシェアリングサービス「COSOJI」展開の「Rsmile」が資金調達
2022年3月1日、Rsmile株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 2020年11月9日と2021年8月2日にも資金調達を発表しており、今回の調達により累計調達額は1億6,000万円と…
不動産管理サービス「COSOJI」提供の「Rsmile」が不動産クラウド提供の「いい生活」と業務提携
2022年7月18日、Rsmile株式会社は、株式会社いい生活と、業務提携契約を締結したことを発表しました。 Rsmileは、不動産業界の管理業務と地域作業者・工務店をマッチングするワークシェアリング…
不動産における軽作業のワーク・シェアリング・サービス「COSOJI」開発の「Rsmile」が資金調達
2020年11月9日、Rsmile株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 マンションなどの不動産における軽作業(共用部の掃除、草むしり、巡回など)のワーク・シェアリング・サービス「COSO…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】