注目のスタートアップ

株式会社OHANA 棚木悠|動物園・水族館の推し活サービス事業で注目の企業

動物園・水族館で生活する動物たちの成長を、離れたところからでも応援できる推し活サービス事業で注目なのが、棚木悠さんが2022年11月に創業した株式会社OHANAです。

日本各地に点在する動物園や水族館、皆さんも一度は訪れたり映像でご覧になったことがあるのではないでしょうか。
普段目にする機会の少ないさまざまな動物が暮らし、来場者に愛らしい姿や野性味を感じる様子を見せてくれる人気施設です。
同時に、絶滅危惧種の保護・繁殖や、生態研究のための飼育施設としての役割も担っています。

そんな動物園・水族館で暮らしている動物たちを、大好きな「推し動物」として応援しようとする取り組みが始まっています。
施設に足を運べなくても、全国の動物園・水族館に暮らす動物たちに食事をプレゼントでき、後日動物たちの食事動画が届くというものです。

動物たちの生活環境の向上や、施設運営のサポートに繋がるだけではなく、社会問題となっているフードロス対策にも繋がる取り組みとして、今注目が集まっています。

株式会社OHANAの棚木悠さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

創業手帳別冊版「創業手帳 人気インタビュー」は、注目の若手起業家から著名実業家たちの「価値あるエピソード」が無料で読めます。リアルな成功体験談が今後のビジネスのヒントになるはず。ご活用ください。

・この事業の特徴は何ですか?

「Hello!OHANA」は、動物園・水族館で生活する動物たちの成長を、離れたところからでも応援できる推し活サービスです。ユーザーの皆様は、全国の動物園・水族館から好きな動物を選び、果物・野菜・魚などの「食事」をプレゼントすることができます。

食事のメニューは、動物たちの好みや旬によって毎月変わり、提携の生産者さんや水産加工会社さんから動物園・水族館へお届けする仕組みです。食材には、美味しいのに見た目だけの問題で”規格外”となり、市場で売りにくくなってしまった農産品も活用することで、フードロス問題の解決にも繋がるサービスも目指しています。

ユーザーの皆様が動物たちに食事を贈ると、動物たちが食事を楽しむ動画をはじめ、オリジナルグッズや園内での体験チケット等の特典が受け取れます。これまで、動物園・水族館に足を運ばなければ出会えなかった日本全国の動物たちと、いつでもどこでも繋がりながら成長を応援できる「推し活」体験を提供いたします。

・どういう方にこの事業を知ってもらい、活用してもらいたいですか?

動物がお好きな方や、フードロス対策にご関心の高い方はもちろんですが、動物園・水族館を訪れる機会の少ない方にも使って頂きたいです。掲載されている動物たちのプロフィールや写真をご覧になりながら、気になる動物を見つけていただき、食事のプレゼントを通じて「推し活」の楽しさを発見して頂ければ嬉しいです。

・この事業の解決する社会課題はなんですか?

動物園・水族館は、少子化やエンターテインメントの多様化などにより来園者数が減少する一方、エサ代や燃料費は高騰しており、どの施設も厳しい経営が続いています。来園者数を回復させるためには、新たなファンを獲得する必要がありますが、多忙な飼育員さんが情報発信やマーケティングに費やす時間はほとんどありません。また、業界全体のデジタル化が遅れていることから、広域集客に取り組めず、地元の方々や限られた熱心なファンに支えられているというのが実情です。

私たちは、動物園・水族館業界のマーケティング領域をまずはデジタル化し、全国のユーザーの皆様が場所と時間に捉われず動物や施設と繋がりを持てる環境を作ります。将来的には、動物たちの食事だけではなく、豊かな住まい作りや健康維持のための医療面での支援などにも事業展開し、日本国内はもちろん世界中のファンの皆様と一緒に、動物たちの一生に関わっていくことのできるようなサービスへと成長させていくことも目標です。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

創業時は、「Hello!OHANA」のWebサイトも無く、企画書のみが存在している状態でした。そのため初期の動物園・水族館のパートナー開拓には苦労がありました。まずはメールや電話でご連絡をし、ご返信を下さった施設には直接お伺いし、私たちのビジョンや具体的な計画をお話しました。約280施設にご連絡をし、そこから3つの動物園でご協力頂けることになりました。その後、各施設の皆様のアドバイスやご意見を取り入れながら、一緒に実証実験を進めてきました。私たちにとっても、動物園の皆様にとっても初めての試みだっため、定期的に連絡を取り合って相談しやすい関係性を構築できたことが、乗り越えられた理由ではないかと感じております。

・今の課題はなんですか?

「Hello!OHANA」の事業については、多くの動物園・水族館の皆様から共感を得ることはできています。しかし、デジタル推進やマーケティングを積極的に実施してこなかった業界でもあるので、パートナーとして実装していただける施設はまだ少ない状態です。私たちの描きたい未来とともに、地域・自治体を巻き込んでの協力体制を構築し、今後の実績に繋げられればと考えております。

また、10月にサービスをローンチしましたが、ファンの皆様に広く受け入れていただく為のサービスエンハンスに向けて、追加のコンテンツも検討しています。園内LIVEカメラの導入を中心に、コンテンツ企画・開発にも注力してまいります。

・読者にメッセージをお願いします。

OHANAは、ハワイの言葉で”家族”を意味します。皆様と動物たちが出会い、繋がり続けられる場所にしていきたいという思いで「Hello!OHANA」というサービス名に決めました。すでに推している動物がいる方から、「動物が好き。癒されたい」と思っている方まで、たくさんの方々に楽しんで頂けるよう、動物たちの魅力発信やコンテンツの拡充を進めていきます。皆様からの動物たちへの温かい応援を、心よりお待ちしております!

会社名 株式会社OHANA
代表者名 棚木悠(たなぎ はるか)
創業年 2022年11月
社員数 1名
事業内容 動物園・水族館の推し活サービス「Hello!OHANA」の運営
サービス名 Hello!OHANA
所在地 東京都
代表者プロフィール 福島県喜多方市出身。キルギス共和国で日本語教師を経験後、日系企業で海外営業を4年経験。世界15か国で仕事をする。その後、PR会社に転職しメディア業務に携わり、2022年11月に株式会社OHANAを設立。オランウータンに恋している。
関連記事
株式会社TOMUSHI 双子代表の石田陽佑・石田健佑|農林水産カブトムシを用いた有機物処理、カブトムシ商品の製造・販売事業
ハエで食糧危機を救う!? ムスカ“暫定CEO”が語る驚異のリサイクルシステム
CRUST JAPAN株式会社 Travinder Singh|食品ロスのアップサイクル事業
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ OHANA フードロス 動物園 動物福祉 推し活 棚木悠 水族館
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置「過熱蒸煎機」を開発・販売する「ASTRA FOOD PLAN」が資金調達
2022年5月31日、ASTRA FOOD PLAN株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 ASTRA FOOD PLANは、過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置「過熱蒸煎機」を開発・販売し…
フードロス削減ボックス「fuubo」を手がける「ZERO」と「JFE商事」が資本業務提携
2024年7月2日、ZERO株式会社は、JFE商事株式会社と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 ZEROは、無人販売機フードロス削減ボックス「fuubo」の開発・製造を行っています。 フー…
OYAOYA 小島怜 | 規格外野菜を活用した乾燥野菜で、食品ロスの削減と農業存続へ寄与する取り組みで注目の企業
規格外野菜を活用した乾燥野菜で注目なのが小島怜さんが2020年に創業したOYAOYAです。食品ロスの削減と農業の存続へ寄与する取り組みが、今注目を集めています。 スーパーに行くと形や色のいい野菜や果物…
飲食店の余った料理とユーザーをつないで食品ロスを削減する「TABETE」展開の「コークッキング」が1.1億円調達
2022年1月31日、株式会社コークッキングは、総額1億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 フードシェアリングサービス「TABETE」を運営しています。 中食・飲食店舗において、ま…
お魚サブスク「Fishlle!」展開の「ベンナーズ」が3,200万円調達
2022年1月17日、株式会社ベンナーズは、総額3,200万円の資金調達を実施したことを発表しました。 お魚のサブスクリプションサービス「Fishlle!(フィッシュル)」を運営しています。 魚のフー…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集