「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会報告書」

tips

厚生労働省は「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」の報告書を取りまとめ公表しました。

この検討会では、2024年2月から11回にわたり、雇用の分野における女性活躍推進やハラスメントについて、現状の分析や論点整理を行い、今後の在り方を検討してきました。

概要

女性活躍推進法等を通じた雇用の分野における女性活躍の更なる推進

①女性活躍推進法については、10年間期限を延長することが適当。
②事業主行動計画の策定が努力義務である100人以下の企業については、努力義務を維持した上で、支援策の充実が必要。
③現行のえるぼし認定では評価できない企業の積極的な取組・実績を評価できるような仕組みも視野に、必要な見直しを検討すべき。
④女性活躍に関する情報公表について、
・男女間賃金差異については、101人以上300人以下の企業においても公表を義務とすることが適当。
・女性管理職比率については、企業の実情を踏まえつつ、開示必須項目とすることが適当。併せて、男女別管理職登用比率の付記を促すことも検討すべき。
・情報公表義務がある企業に、女性活躍データベースにおける情報公表を促す方向で、具体的な制度設計を検討すべき。 など

月経・不妊治療・更年期等の健康課題への対応

①性差の特徴に応じて健康課題に取り組むことは社会的便益につながり、労働者個人の生活や仕事のパフォーマンスの向上につながるという視点が重要。プライバシー保護への留意も必要。
②女性特有の健康課題については、ヘルスリテラシーの向上が重要であり、国がコンテンツの作成・周知に取り組むことが望ましい。女性の健康ナショナルセンター(仮称)との連携も重要。
③女性特有の健康課題への取組の要素を女性活躍推進法の事業主行動計画に盛り込むことを検討すべき。行動計画策定指針に、健康支援やヘルスリテラシー向上の意義、プライバシーへの配慮の必要性等を明記することが考えられる。なお、企業が取り組む際には、産業保健スタッフの活用も検討されることが望ましい。
④女性特有の健康課題に取り組む企業を評価するための、えるぼし認定制度の見直しをすることが適当。 など

職場におけるハラスメント対策の充実

①一般に職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確化することが考えられる。
②カスタマーハラスメントについては、
・企業横断的に取組が進むよう、対策強化が必要。労働者保護の観点から事業主の雇用管理上の措置義務とすることが適当。
・定義については、社会全体で幅広く受け入れられるものの検討が適当であり、別紙の3つの要素のいずれも満たすものとして検討すべき。
・取組の強化に当たり、業界団体等や業所管官庁との協力・連携が必要。
③就活等セクシュアルハラスメントについても、事業主の雇用管理上の措置が講じられるようにしていくことが適当。
④ILO第190号条約に関しては、本検討会で調査・議論した海外法制の状況が参考となるほか、①の法整備も批准に向けた環境整備に資するものと考えられ、引き続き、条約全般について更なる検討を進めることが適切。 など


2015年の国連サミットで全会一致で採択された持続可能な開発目標(SDGs)では、5番目の目標として「ジェンダー平等の実現」が掲げられています。

世界各地で、社会的・文化的に作られた性差が不平等や格差を引き起こしています。世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダーギャップ指数によると、日本は146か国中118位(2024年6月12日発表)と、低い順位に位置しています。

日本は「教育」や「健康」分野では世界トップクラスの評価を受けていますが、「政治」や「経済」分野では低い評価がされています。こうした状況を背景に、2015年には「女性活躍推進法」が制定され、女性が個性や能力を十分に発揮できる社会の実現を目指しています。

企業においても、女性の活躍を推進するため、各種制度の整備や職場環境の改善が進められています。経済界では、人手不足が進行しているため、従来の人材戦略に限界が生じており、その解決策としても女性の活躍が注目されています。

シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」には、女性起業家に特化した「創業手帳woman」もあります。女性起業家の方々のインタビューや、女性起業家だからこそ使える助成金など、役立つノウハウを掲載しています。

また事業の拡大のためには資金調達が重要です。別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受ける方法など、創業期の資金調達のノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ 厚生労働省 報告書 女性 女性活躍推進 雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会
詳細はこちら

雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会報告書を公表します

創業手帳woman
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

働く女性のためのキャリアマッチングサービスを運営する「CORE」が資金調達
2024年5月21日、株式会社COREは、資金調達を実施したことを発表しました。 COREは、働く女性のためのキャリアマッチングサービス「CORE」や、女性活躍推進に向けて企業を支援する伴走型人事代行…
東京都が女性活躍のため職場環境の整備を強化
東京都は、製造業や建設現場などでの女性の活躍推進のための支援を強化します。 2016年度は、建設現場での女性用仮設トイレの設置費用の助成などが実施されます。 2015年度は、女性用ロッカー設置への支援…
「ユニコーン創出支援事業(女性アントレプレナーのための地域密着型支援事業)」公式サイトオープン&ビジネスプラン発表会エントリー受付開始
2024年8月8日、経済産業省は、令和6年度「ユニコーン創出支援事業(女性アントレプレナーのための地域密着型支援事業)」の公式サイトをオープンし、この事業で実施する女性起業家と支援者のためのマッチング…
女性のための金融コミュニティを運営する「きんゆう女子」が資本提携・出資受け入れ
2022年9月1日、株式会社きんゆう女子は、個人投資家の田沼豪氏、ベンチャー投資を行うAI・テクノロジー・イノベーション・ファンド有限責任事業組合、株式会社KIJと資本提携及び出資を受けたことを発表し…
「鳥取県の未来に変革を!とっとり起業女子応援事業」
株式会社ビザスクは「鳥取県の未来に変革を!とっとり起業女子応援事業」について発表しました。 先輩起業家や専門家等からアドバイスが受けられる場の提供や、ビジネスプランの発表の場、ビジネスプランのブラッシ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集