注目のスタートアップ

推進剤に水を利用した小型衛星用の推進機を開発する「Pale Blue」が25億円調達

company

2024年6月4日、株式会社Pale Blueは、総額約25億円の資金調達を実施したことを発表しました。

Pale Blueは、推進剤に水を利用した小型衛星用の推進機を開発しています。

さまざまな人工衛星のミッションに適した先進的な電気推進機を開発・提供しています。推進剤として水を使用し、高圧貯蔵を必要としないため、安全かつコストパフォーマンスが高いという特徴を有しています。

今回の資金は、超小型水イオンスラスタ(超小型水イオン推進機)と水ホールスラスタ(水ホール推進機)の開発、宇宙実証、生産技術開発拠点の立ち上げ、組織体制の強化などに充当します。


小型衛星技術の進歩により、衛星の打ち上げコストが大幅に削減され、民間企業の宇宙ビジネスへの参入が加速しています。世界の宇宙ビジネス市場は既に莫大な規模に達しており、2021年には約43兆円と推計されています。さらに、2030年には70兆円、2040年には最大300兆円に成長すると予測されています。

宇宙ビジネス市場で大きなシェアを占めるのは衛星サービス分野です。衛星サービスとは、衛星の打ち上げによって得られるデータを活用したサービスを指します。経済産業省によれば、世界の人工衛星の打ち上げ数は2011年の129機から2022年には2,368機へと大幅に増加しています。

こうした小型衛星は、コスト・重量・安全性などの理由から推進機(エンジン)を搭載しない事例が数多く存在します。そのため小型衛星は軌道を変更・維持することができず、スペースデブリ(宇宙ゴミ)との衝突を回避できない、役目を終えた後に大気圏に再突入させ燃焼処分することができない、といった問題の原因となっています。

Pale Blueは、小型衛星用推進機における研究開発で実績を有するメンバーによって2020年に設立された東京大学発スタートアップです。

水を推進剤として利用した小型衛星用推進機により、安全かつ低コスト、そして持続可能性に優れた小型衛星/宇宙ビジネスの実現を目指しています。

企業の成長には戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウや、融資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB Pale Blue エンジン 人工衛星 宇宙 宇宙ビジネス 安全 小型 持続可能性 推進剤 推進機 水推進機 研究開発 衛星
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

2024年度「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」(新エネ中小・スタートアップ支援制度)公募
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2024年度「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」(新エネ中小・スタートアップ支援制度)の公募について発表しま…
難治性がんなどを対象としたナノテクノロジーを駆使した免疫療法を研究開発する「ユナイテッド・イミュニティ」が11億円相当の資金調達を実施
2023年9月11日、ユナイテッド・イミュニティ株式会社は、第三者割当増資と助成金による合計11億円相当の資金調達を実施したことを発表しました。 ユナイテッド・イミュニティは、マクロファージと樹状細胞…
業務プロセスを最適化するAIソリューションを提供する「BLUEISH」が資金調達
2025年2月17日、株式会社BLUEISHは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、スタートアップ企業支援に強みを持つ株式会社ディ・ポップスグループです。 BLUEISHは、すべての業務…
【東京都】宇宙関連機器およびソリューションの開発・改良を支援「宇宙製品等開発経費助成」【最大1億円助成】
公益財団法人東京都中小企業振興公社「宇宙製品等開発経費助成」のご案内です。 今後の市場拡大が見込まれる宇宙産業における、都内中小企業・スタートアップ等のビジネスチャンス獲得を後押しするため、宇宙関連機…
企業向けAIソリューション事業や非接触型AI肌測定アプリなどを展開する「AquaAge」が資金調達
2024年8月19日、AquaAge株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は8200万円になりました。 AquaAgeは、企業向けAIソリューション事業や…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集