注目のスタートアップ

超電導磁気センサーを用いた電磁探査技術を提供する「超電導センサテクノロジー」に「住友商事」が出資

company

2023年9月4日、住友商事株式会社は、超電導センサテクノロジー株式会社に出資したことを発表しました。

超電導センサテクノロジーは、超高感度の超電導磁気センサーを用いた電磁探査技術を提供しています。

この電磁探査技術は、Ni(ニッケル)などのレアメタルを含む金属資源の探査や、地熱発電用熱水貯留層の探査、二酸化炭素地下貯留(CCUS)のモニタリングなどでの利用を想定しています。

小型で携行可能といった利便性や、地上から深部探査可能であるため、環境への負荷が低いという特徴があります。

超電導センサテクノロジーと住友商事は、住友商事が有するグローバルなネットワークを活用し、CCUSモニタリング・地熱発電・鉱物探査など、地下探査に関連する事業開発に共同で取り組んでいきます。


二酸化炭素などの温室効果ガスは地球温暖化の原因のひとつといわれています。

地球温暖化は現在世界中で深刻な影響を及ぼしており、今後人類が生活や経済活動を安心して営んでいくためには、地球温暖化の課題を解決しなくてはなりません。

こうした背景から、近年二酸化炭素などの温室効果ガスを削減するための技術が注目を集めています。

CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)も、こうした二酸化炭素を削減する取り組みのひとつです。

CCUSは、分離・貯留した二酸化炭素を有効利用する取り組みのことです。たとえば、二酸化炭素を古い油田に注入することで、油田に残った原油を押し出しつつ、二酸化炭素を地中に貯留するという一石二鳥の取り組みが米国で実施されているといった事例があります。

CCUSでは、主に地下への貯留が考えられているため、地下探査技術が重要な役割を果たします。

ほかにも、再生可能エネルギーとして地熱発電も期待されていますが、こちらも地下探査技術が欠かせません。

超電導センサテクノロジー株式会社のコメント

このニュースを受けまして、超電導センサテクノロジー株式会社 代表取締役副社長 波頭経裕氏よりコメントが届きました。

波頭 経裕(はとう つねひろ)
超電導センサテクノロジー株式会社 代表取締役(共同代表)

1992年 名古屋大学大学院電子工学専攻博士課程修了 富士通入社
2005年、超電導工学研究所にて超電導技術の産業化を模索し始める。
2007年-2012年 JOGMECの金属資源探査装置を開発、納品。
2016年 超電導技術研究組合設立
2020年 超電導センサテクノロジー設立 富士通退社

・今回の出資受け入れの目的は何ですか?

弊社の技術を、世界の資源エネルギー問題解決の一手としてスタンダード化し、日本の資源外交に役立てようと起業しました。

世界の資源エネルギー会社を相手にするには、大手商社の協力が不可欠と考え、創業当時から密に協業してまいりました。

・今後の展望を教えてください。

現在、世界の電磁探査手法の中で最も高感度、高精度との評価をいただいており、世界の地熱、二酸化炭素地下貯留、金属資源探査に貢献し、地球温暖化にブレーキをかけ、未来に美しい地球を残すことに尽力したいと思っています。

・読者へのメッセージをお願いします。

30年以上にわたり、基礎技術を国家プロジェクトで開発してきた技術です。税金で開発してきた技術を国民に還元するためには、産業化するしかないと考え起業しました。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーのある企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB CCUS センサー テクノロジー モニタリング レアメタル 二酸化炭素 住友商事 地下探査 地熱発電 技術 探査 株式会社 環境 資源 超電導磁気センサー 金属 電磁探査技術
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「ネクストミーツ」の代替肉が「焼肉ライク」全49店舗において12/14から販売開始
株式会社ダイニングイノベーションは、株式会社焼肉ライクが運営する「焼肉ライク」(全49店舗)において、12月14日(月)から「NEXTカルビ」・「NEXTハラミ」を販売開始することを発表しました。 「…
テスト自動化アプリ「MLET.Ⅱ」を展開する「アミフィアブル」が4億円調達
2023年9月21日、アミフィアブル株式会社は、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、シンプレクス株式会社とINTLOOP株式会社です。 アミフィアブルは、テスト工程自動化アプ…
独自のドローン機体開発技術と自動操縦ノウハウを活かしたドローンショー事業を展開する「ドローンショー」が1億円調達
2023年4月10日、株式会社ドローンショーは、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ドローンショーは、ドローンショー事業や、クリエイティブ事業(ドローン空撮、ワークショップ)を展開し…
アクセラレーター・プログラム「TOHOKU GROWTH Accelerator」が開催
2019年7月25日、株式会社MAKOTOキャピタルは、仙台市と共同で、「TOHOKU GROWTH Accelerator」を実施することを発表しました。 「TOHOKU GROWTH Accele…
触覚センシング技術を開発する「FingerVision」が1億円調達
2022年3月23日、株式会社FingerVisionは、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 画像(カメラ)をベースに触覚を再現する触覚センシング技術の開発と実用化に向けた取り組みを行…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集