法人税率を理解しよう!「法人税」の基礎と税率の考え方

資金調達手帳

法人税納付までにしっかり理解しておこう

(2017/05/01更新)

初めての決算が終わり、ほっとするのもつかの間。決算月の2ヶ月以内に支払わなければならないお金が経営者を待ち受けています。これが法人税です。

「法人税」は、会社の資金繰りを考えるうえで非常に重要で、知らないとキャッシュフローがマイナスになってしまいかねません。

そもそも、国の制度として基本的には、いち会社員として生活しているより、会社を設立した方が税金は安く抑えられるようになっています。しかし、法人税は複数の税法が絡むため、やや難解で、理解するのに苦労する方も。

そこで今回は、初めての法人税納付を控える経営者のために、法人税率についてわかりやすく解説していきます。

本文を読む

そもそも法人税率って?

会社が事業を始めて出たもうけ(所得金額)に対して、国税の一つである「法人税」がかかります。その税率である「法人税率」は会社の資本金の規模や、所得総額によって異なります。

平成27年度の税制改正に伴い、平成27年4月1日以後に開始する事業年度(以降「平成27年度」と年度表現)から25.5%だった法人税率は23.9%へと引き下げられ、さらに、平成28年度の税制改正で23.4%になり、段階的に法人税率が引き下げられています。また、平成30年度以降は23.2%になります。

資本金1億円以下の中小法人に関しては、さらに税制上優遇されています。
資本金1億円以下の法人の場合、年800万円以下の所得金額については15.0%、800万円超の所得金額については23.4%となります。

また、赤字だった場合は、所得金額が無いのでゼロとなります。

資本金規模 所得金額 税率
1億円超 23.4%
1億円以下 800万円超 23.4%
800万円以下 15.0%
※赤字企業の場合 0 0

法人税率の推移

出典:財務省 法人税率の推移

法人税は年度ごとに見直されます。ここ30年ほど年々減少傾向にあり、グローバル化や景気低迷の影響を受けて、平成28年度、29年度は、平成に入ってもっとも低くなっています。

例えば平成元年の基本税率は40%、中小法人のうち所得金額が年800万円以下は29%でした。平成10~11年にかけて一度引き下げられ、平成24年以降も段階的に引き下げが行われたため、今年度は平成になって最低水準になりました。

また平成21年から、以下の通り、「中小法人の軽減税率の特例」が定められています。

中小法人の軽減税率の特例(年800万円以下)について、平成21年4月1日から平成24年3月31日の間に終了する各事業年度は18%、平成24年4月1日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度については経過措置として18%、平成24年4月1日から平成29年3月31日の間に開始する各事業年度は15%。

出典元:財務省 法人税率の推移より引用

法人税だけじゃない?法人にかかる税金の種類と税率

法人税は、「法人税法」「租税特別措置法」「国税通則法」という3つの法律によって細かく規定されています。会社員でいうところの「所得税」と「住民税」にあたるものが、法人税では「法人税」「法人事業税」「法人住民税」の3つに分かれると考えるとわかりやすいですね。

それでは、「法人事業税」と「法人住民税」についての税率も見てみましょう。

法人事業税の税率

法人事業税は各都道府県に納めるものです。法人事業税は所得×法人事業税率によって算出されます。
この法人事業税は、資本金1億円を超える法人と、1億円以下の中小法人の2つに大きく分かれています。資本金1億円以下の法人の場合、所得金額を課税標準とした所得割のみが課せられます。資本金1億円超の法人の場合、この所得割に加え、外形標準課税という、所得金額ではなく資本金額などの法人の外形に基づく課税が行われます。

事業税の税率は、事業所を構えている都道府県ごとに異なりますので、各都道府県のホームページをご確認ください。参考までに、東京都主税局ホームページのURLを記載します。

http://www.tax.metro.tokyo.jp/

東京都の場合、年400万円以下の所得では、所得金額の3.4%、年400~800万円の所得では所得金額の5.1%、年800万円を超えると所得金額の6.7%がかかります。

地方特別法人税は2017年に廃止

都市集中型社会における地域間の税源偏在を是正するため、資本金が1億円を超える法人に課せられていた税金が地方法人特別税です。

平成20年から暫定措置として適用されていましたが、平成29年度からこの地方特別法人税は廃止され、法人事業税に組み入れられています。

法人住民税の税率

法人住民税は、法人を構えている市町村の公共サービスを受けているという観点から、国税ではなく地方税として納めます。金額は、「法人税割」と「均等割」を足したものにより算出されます。

「法人税割」は、法人税額に住民税率を乗じることにより計算します。
「均等割」は各法人の資本金などにより一律に定められています。(均等割は最低でも7万円かかります。)

また、法人住民税は、「道府県民税」と「市町村民税」を足し合わせた税金を納付します。ただし、東京23区内だけに事業所を構えている法人は、「都民税」のみの扱いとなります。

すなわち、
東京都23区だけに事務所を構えている法人の「法人住民税」は、
都民税法人税割+都民税均等割

となり、
他のエリア、例えば、福岡県福岡市だけに事務所を構えている法人の「法人住民税」は、
福岡県民税法人税割+福岡県民税均等割+福岡市民税法人税割+福岡市民税均等割

となります。

所属する従業員数で割ることで、各地方自治体に納める法人住民税額が決まります。

各種税率は従業員数、資本金額、課税所得金額によって変わるので、とても複雑です。また、事業所が違うエリアに増えると、さらに難解になりますので、だいたいいくらぐらいになるのか、顧問税理士に相談することをおすすめします。

法人税の実効税率

企業の利益に対して、法人税、法人住民税、法人事業税の実質的な負担率のことを「法人税の実効税率」といい、{法人税率×(1+法人住民税率)+法人事業税率}÷(1+法人事業税率)で計算します。

平成29年度の法人税の実効税率は29.97%で、平成30年度以降はもっと下がる見通しです。
これは、政府が、諸外国に比べて高いと言われている日本の法人税を引き下げ、グローバル化が進む社会において、国際競争に負けない企業を国内に根付かせようとしているのです。

法人税率は複雑。困ったら税理士に相談しよう。

ここまで法人税についてみてきましたが、各都道府県によって数値が異なる税もあり、全部を理解するにはなかなか難しいかもしれません。

そこで、困ったときに相談すると良いのが税理士です。税務署に税理士の一覧がありますし、ネットで自分の会社規模などに合いそうな税理士を探してみるのも一つの手です。
国内最大級の税理士比較サイト「e税理士」はこちら

法人税の基本をしっかり押さえて、納付時期に備えましょう。

役員報酬の適正金額とは?
役員報酬とは?決め方と注意点、法人税への影響を解説します。
2017年版 法人税の基礎から申告・納税まで
2017年版|法人税入門。申告のしかた/納税方法を徹底解説します!

(執筆:創業手帳編集部)

この記事に関連するタグ

この記事に関連する記事

資金調達手帳

創業時に役立つツール特集

カテゴリーから記事を探す