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2022年12月15日電子機器の熱問題を解決する新素材を展開する「U-MAP」が7億円調達

2022年12月14日、株式会社U-MAPは、総額約7億円の資金調達を実施したことを発表しました。
U-MAPは、電子機器の熱問題を解決するため、名古屋大学から生まれた素材であるファイバー状窒化アルミニウム単結晶(Thermalnite)の研究開発を進めています。
今回の資金は、さらなるコストダウンのための研究開発と、量産体制を確立するための設備導入に充当します。
2024年に、年間1トンのThermalniteを生産開始する予定です。さらに、パートナー企業である岡本硝子株式会社と共同で、Thermalniteを用いた窒化アルミニウム基板の製造・販売を開始する予定です。
U-MAPは、独自素材Thermalniteに加え、Thermalniteを用いた高機能・放熱部材ビジネスを展開します。
Thermalniteを用いた部材は、従来品と比べて高い熱伝導率・機械強度を特徴としており、電子機器に組み込むことで放熱性能が向上します。
これまでの製品開発では、従来品の2倍近い機械特性(破壊靱性)を持つ窒化アルミニウム基板を実現しています。
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パソコンの頭脳でもあるCPUなどの電子部品は、電流が流れると部品・配線が持つ電気抵抗によって熱が発生します。
CPUは負荷をかけると50℃程度には簡単に温度が上昇します。
一方でこうした電子部品・電子機器は温度が上昇すると正常に動作しなくなってしまいオーバーヒート(熱暴走)と呼ばれる状態になります。
電子部品の熱の発生は防ぐことができないため、技術・構造などによってなるべく熱を低く抑えたり、放熱のための仕組みを構築したりします。
たとえばパソコンのCPUにはヒートシンクと呼ばれるアルミ製の板を無数に並べた部品が装着されており、熱伝導率が高い素材の表面積を多くすることで放熱を促しています。さらに小型のファン(扇風機)が内蔵されていることがありますが、これは送風によって放熱効率を高めることを目的としています。
この電子機器の熱問題はパフォーマンスの低下・寿命の低下だけでなく、エネルギー消費の問題にもつながっています。
たとえば、現在世界のデータセンターで消費されている電力量は、世界のエネルギー需要のうち約2%を占めています。さらに、その消費量は10年前と比べて約8倍になっています。
またこの消費電力のうち約3割を空調関連が占めているといわれています。
U-MAPはこの熱問題を解決するため、高い伝導率・機械強度を特徴とする新素材Thermalniteの量産化を目指しています。
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