集客方程式――開店休業にならないためのちょっとした考え方

創業手帳

創業者のためのマーケティング思考

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(2015/04/27更新)

当たり前のことだが、起業するだけでは集客はできない。

宣伝方法はたくさんあり、広告代理店は自分に任せてもらえたらばっちりである、という。宣伝は専門外だからと、他者に任せておけばよいのだろうか。

いや、それだけではあなたとあなたのビジネスは埋もれていくだけである。

集客方程式という簡単な考え方がある。これをきちんと頭のなかにいれておけば、経営者として自分のビジネスの宣伝について考えられるようになるだろう。

集客が「すべて」だ

なぜ自営業の53.2%が個人所得200万円未満なのだろう?(2014年中小企業白書 p.186)

しかも、図を見てもらえばわかる通り、年々収入が減少している。

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起業家が起業時に直面した課題で「経営知識一般(財務・会計を含む)の習得」に次いで第2位が「販売先の確保」だ。(出典 同 p.209)

創業では集客がすべての始まりである。

集客できなければすべてが終わりなのだ。

逆に言えば、集客さえできればなんとかなる。

「なぜお客様は買ったのか?」もしくは「買わなかったのか?」その理由を聞くことができるからだ。

商品の外見、品質、価格、サービスレベル、接客、納期、品揃えなど、お客様の要望を聞くことができれば、必ず今より売れるようになる。

だが集客がなければすべてが当てずっぽうとなり、失敗の確率が高くなる。では、どうすれば集客がうまくいくのだろうか。

集客=リーチ数×反応率

集客を成功させるためには、集客方程式というものが有効だ。

集客=リーチ数×反応率

反応率とは確率を高める質のことだ。集客とは確率なのである。反応率が高ければ、集客に無駄がなくなる。

だが、よく考えてほしい。一定のリーチ数のないところでは確率は効いてこない。

たとえば、サイコロが1/6の確率だとしても、6回のうち必ず1回は5の目が出るという保証はない。

確率を効かせるには一定以上のリーチ数が必要となってくる。リーチ数とは量のことで、つまり「何人の人に伝えられたか」だ。

あなたは昨日、朝起きてから夜寝るまで何人の人に会っただろうか。

そしてあなたは、その中で何人の人に、自分のビジネスや商品について話をしただろうか。

これがリーチ数である。では、どうすれば、リーチ数を上げることができるのだろうか。

リーチ数を上げる

リーチ数を上げるには多くの方法がある。

ホームページ、FacebookなどのSNS、チラシ、DM、インターネット広告、異業種交流会。多くの業者がそれぞれ「これこそが最強の集客法」とばかりに宣伝している。

宣伝にはそれぞれによさがあり、あなたのお客様になりえる人たちに応じて、その方法は異なる。

ここでの大切なポイントは、1つの方法に命を懸けないということである。

「ホームページさえ作れば」「今の時代はFacebook広告が最強」「FaxDMで集客は万全」そう思いたい気持ちは分かるが、1つの手段だけでは危険だ。

テレビで見て「あっ、これ面白いな」と思ったものは、後でWeb検索するはず。店舗に実際に行かないと納得しない人も多い。もちろん買う前に価格サイトで事前チェックしたりもする。市場に情報があふれている今、リーチ手段は多面的である必要がある。

多面的リーチでもっとも注意すべきことは一貫性だ。それぞれのメディアで言っていることが違っていたら、お客様は必ず不信感を抱く。

集客に「打ち出の小槌」があったとしても、あなたはそれを振らないとお客様は集まらない。それも、1回だけ振って望みのものが手に入ることは決してない。何度も振らなければならないのだ。

では、どうすれば「打ち出の小槌」を振る回数を減らすことができるのだろうか。どうすれば、反応率を高めることができるのだろうか。

反応率を上げる

どうすれば反応率を高めることができるのだろうか。

リーチ数が上がって初めて反応率を計算することができる。前述にもあるように、集客は確率である。一定以上のリーチ数がないところでは、確率は活きてこない。

リーチ数を上げながら反応率を高めるためにやるべきことは、マネジメント・サイクルを回すことである。

マネジメント・サイクル(PDS)

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市場(お客様)の反応がすべてなのだ。

なんだ、と思った皆さん、Seeができているだろうか。どのような基準で検証しているだろうか。

検証のポイント

  • 何を言うか

何を言うかを決める前に、何を言わないかを決める勇気が必要である。

「チョコレートは明治」というキャッチフレーズはご存知かと思う。もちろん明治製菓の商品はチョコレートだけではない。だが明治製菓のすばらしいところはチョコレートに絞って、ほかのことは言わなかったところだ。

チョコレートを食べた人は「チョコレートがこんなにおいしいのだから、他のものもきっと美味しいに違いない」と思う。

では何を選ぶべきなのだろうか。それは、お客様が最初にあなたの会社から買うものに関すること、だ。

  • どのように言うか

一番シンプルで効果的なのは、お客様の声をヒントに使うことである。

どんなあなたの商品・サービスに対する思いよりも、お客様の購買動機と購入後の感想のほうが見込み客には一番響くのだ。

  • どの順で言うか

最も大切なのがどの順で言うかである。

現代人はとても忙しい。自分に関係ないと思ったら、0.3秒でその情報をシャットアウトしてしまう。

お客様が反応する順に単語を並べてつないでみてほしい。

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右の輪と、左の輪で気になるのはどちらだろうか。

言い回しは、少々不自然な方が気になって覚えてもらえる。これまであなたが習ってきた小論文テクニックや起承転結は忘れてもらいたい。文章を論理的に展開させる接続詞や助詞はゼロに近いくらい、使用しないでほしい

 

以上が集客方程式の説明である。

繰り返すが、集客で最も大切なのはまずリーチ数を上げる行動である。

PCの前に座っているあなた。さあ、今すぐ立ち上がって行動だ。

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(監修:アウェイク事務所 代表プロデューサー 菅原齋
(編集:創業手帳編集部)

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