どんなお店にする?【飲食店の開業手帳 ~2.コンセプト(業態・客層・価格帯)の決定~】
【全131業態を大公開】あなたの開きたいお店がきっと見つかる!
(執筆:「飲食店開業経験のある」村上広憲 行政書士)
(2015/10/19更新)
「いつか、自分のお店をもちたい!」「脱サラして、飲食店を経営したい!」飲食業は、最も身近に感じられる起業ではないでしょうか。
そのため、母数も多く、やっとの思いで開業しても、経営を持続していくのが困難なのが、現実です。開業から1年以内で30%、2年以内で50%が廃業しています。
失敗するか、成功するかは、経営に関する知識にあると言っても過言ではありません。
飲食店の開業前から開業後までを、ゼロから解説する、飲食店の開業手帳シリーズ。今回は、「2.コンセプト(業態・客層・価格帯)の決定」です。
まずはスケジュールを知っておこう!
飲食店開業までのスケジュール(前半戦)を確認しておきましょう!
業態を決めよう!
飲食店を開業する心構えと起業形態が決まったら、次はお店のコンセプト(業態・客層・価格帯)を決定しましょう!おそらく既にあなたには「こんなお店にしたい!」という漠然なイメージはあるはずです。ですが、その漠然としたイメージをちゃんと「形」にするためには、物事を順序立てて考えていく必要があります。まずは業態を決定してみましょう!
業態とは?
飲食業における業態とは、提供するメニューなどによって分けられた大まかな分類のことを言います。日本におけるマーケティング会社の先駆け的な存在である株式会社富士経済では14業種131業態で飲食業を分類しています。
あなたの開きたいお店はありますか?
業種1 ファストフード業種(21業態)
1.ハンバーガー
2.チキン
3.ドーナツ
4.サンドイッチ
5.クレープ
6.アイスクリーム
7.ギョーザ
8.ラーメン
9.カレーショップ
10.ステーキ
11.立ち食い・セルフ式そばうどん
12.クイックパスタ
13.回転ずし
14.たこ焼き・お好み焼き類
15.牛丼
16.天丼
17.海鮮丼
18.とんかつ・かつ丼
19.ビビンバ
20.定食チェーン
21.スープカフェ
業種2 テイクアウト業種(12業態)
22.テイクアウト弁当・惣菜
23.デリカショップ
24.おにぎり
25.テイクアウトずし
26.ベーカリーショップ
27.チェーン系スイーツ店(洋生菓子)
28.百貨店スイーツ店
29.シュークリーム専門店
30.百貨店デリカ
31.CVSデリカ
32.量販店デリカ
33.たい焼き専門店
業種3 ホームデリバリー・ケータリング<8業態>
34.宅配ピザ
35.宅配ずし
36.宅配中華料理
37.宅配釜めし
38.FR宅配(ファミリーレストラン宅配)
39.FF宅配(ファーストフード宅配)
40.病者・高齢者食宅配
41.仕出し弁当・ケータリング
業種4 料飲店<9業態>
42.居酒屋・炉端焼
43.アッパー居酒屋
44.低価格型居酒屋
45.均一価格型居酒屋
46.やきとり専門店
47.ビアレストラン
48.ディスコ・クラブ
49.カフェバー・ショットバー
50.スナック・クラブ・パブ
業種5 交通機関<5業態>
51.駅構内飲食店
52.列車内食
53.機内食
54.有料道路SA・PA
55.客船食堂
業種6 レジャー施設<10業態>
56.ゴルフ場
57.スキー場
58.健康ランド・スーパー銭湯
59.レジャーランド
60.野球場
61.映画館・シネコン
62.フードテーマパーク
63.ギャンブル場
64.カラオケボックス
65.複合カフェ(漫画喫茶、ネットカフェ)
業種7 ファミリーレストラン<9業態>
66.標準型FR
67.高価格型FR
68.低価格型FR
69.和風FR
70.イタリアFR
71.中華FR
72.ステーキ・ハンバーグFR
73.チャンポンFR
74.バイキングレストラン
業種8 喫茶<10業態>
75.コーヒーショップ
76.低価格型コーヒーショップ
77.高価格型コーヒーショップ
78.喫茶店・コーヒー専門店
79.ロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店
80.紅茶専門店
81.フルーツパーラー
82.ベーカリーカフェ
83.甘味処
84.ジューススタンド
業種9 西洋料理<5業態>
85.フランス料理
86.イタリア料理
87.高級イタリア料理
88.パスタレストラン
89.アメリカ料理
90.ドイツ料理
91.スペイン料理
92.ステーキ・ハンバーグレストラン
93.シーフードレストラン
94.オイスターバー
95.オムレツ・オムライスレストラン
96.ワイン酒場
業種10 日本料理<14業態>
97.そば・うどん
98.そば居酒屋
99.すし
100.うなぎ
101.てんぷら
102.とんかつ
103.すきやき・しゃぶしゃぶ
104.料亭・割烹
105.豆腐料理
106.低価格ふぐ料理
107.かに料理
108.ちゃんこ
109.もつ鍋
110.お好み焼き
業種11 東洋料理<6業態>
111.韓国料理
112.焼肉料理
113.ホルモン料理
114.高級中華料理
115.一般中華料理
116.点心料理
業種12 エスニック料理<3業態>
117.メキシコ料理
118.インド料理
119.東南アジア料理
業種13 給食<7業態>
120.産業給食
121.学校給食
122.病院給食
123.高齢者福祉施設給食
124.有料老人ホーム
125.幼稚園・保育所給食
126.学生食堂
業種14 宿泊宴会場<5業態>
127.ホテル
128.ビジネスホテル
129.結婚式場・宴会場
130.旅館
131.民宿・ペンション
あなたの始めたい業態は見つかりましたか?業態が決まると、マーケティング情報を集めやすくなったり、業態ごとの特徴を知ることができますので、指針として大変役に立ちます。
ただもしかするとこの分類にあてはまらないお店を考えている方もいらっしゃるかもしれません。実際、この飲食業分類には毎年、新業態が加わっています。
そういうときには自分で仮の業態の名前を決めておきましょう。メニュー構成などの際、大まかな指針になりますよ。
客層を決めよう!
次は客層=ペルソナを決めましょう!ペルソナとは、起業が提供する製品・サービスの最も重要で抽象的なユーザーモデルのことです。分かりやすくいえば、お店に来て欲しいお客さんの年齢、性別、特徴などをまとめたものです。
例)高級感あふれるイタリアンレストランの場合のペルソナ
○「会社で役職を持つエグゼクティブな大人」
・年齢 30代~40代
・性別 男性
・職業 会社役員、会社員(役職持ち)
・年収 700万円~1,000万円
・学歴 大卒
・結婚 独身
・子供 なし
・よく利用するメディア 新聞など
例)気軽に寄れる大衆居酒屋の場合のペルソナ
○「がっつり食べて飲みたい体育会系男子」
・年齢 20代~30代
・性別 男性
・職業 学生、フリーター、会社員
・年収 120万~500万円
・学歴 高卒以上
・結婚 独身
・子供 なし
・よく利用するメディア テレビ、インターネット、twitterなど
というようなペルソナの設定をします。こうすることにより、開業する地域や、内外装の雰囲気、メニュー構成などがおおよそですが見当がつくようになります。
価格帯を決めよう!
客層=ペルソナが決まると、だいたい価格帯(高級か、それとも安さをウリにするか)などが分かると思います。ただペルソナの設定次第では、普段使いなのか、特別な日用のお店を目指すのか、が分かれると思いますので、もう一度価格帯について検討してみましょう!
まとめ
いかがですか?コンセプトを決めることによって、お店のおおまかな「形」が見えてくると思います。次回はこのおおまかな「形」を、より具体的にしていきます!
(監修:「飲食店開業経験のある」村上広憲 行政書士)
(編集:創業手帳編集部)