法人口座開設に信用金庫を選ぶ理由~口座開設方法や起業家にうれしい独自サービスを紹介~

信用金庫を取引先銀行として選ぶメリットとは?地域密着型の信用金庫ならではのサービスも必見。

地域密着の信用金庫

(2020/08/20更新)

起業すると、取引先となる金融機関の選定が必要となります。一般的には、近場の銀行などが候補に挙がりますが、起業に伴う口座開設は預貯金以外のサービスを利用する機会も出てくるため、金融機関のサービス内容や特徴を確認したうえで選択すべきです。

銀行、信用組合、信用金庫など、金融機関にも種類がありますが、今回は信用金庫の特徴について見てきます。信用金庫が起業家にとって、どのようなメリットがあるのかに加えて、主な信用金庫の特徴や法人口座の開設方法などをご紹介します。

創業手帳冊子版では、起業家が気になる情報を細部にわたって提供しています。経営を進めるなかで役立つ情報を掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

信用金庫とは?

信用金庫とは、1951年に信用金庫法施行によって誕生した金融機関です。地域から集めた資金をその地域に属している中小企業や個人に還元することで、地方創生の役目を担っています。
地域密着型の金融機関であることから、大都市ではなく地方都市に集中しているのが信用金庫の特徴です。また、店舗数は、ピーク時であった1998年度の8,673店舗から、2019年度には7,237店舗と縮小が続いているものの、各地域のコミュニティと根強い繋がりを持っています。

銀行との違い

信用金庫と銀行は、機関を設置する際の「根拠法」自体が異なります。
信用金庫は、地元の中小企業や個人経営者とのつながりを深く持ち、地域の発展を目的とした非営利組織です。
一方、銀行は、営利を追求した株式会社であり、大企業を含む日本全国の企業を取引相手としています。

信用金庫を利用する場合は下記のような条件に適合しなければいけません。
・信用金庫の営業地域に住所を持っている者
・信用金庫の営業地域に住所を持つ事業所
・従業員が300人以下

信用金庫を利用すると起業家にどのようなメリットがあるのか?

起業家が信用金庫で法人口座開設するメリット
信用金庫は、同じ地域の中小企業や個人経営者といった規模の小さい事業者を取引先としていることから、起業家にとっても利用するメリットがあります。
また、銀行と異なり顧客である会員の範囲を限定的としているため、有益なサービスを受けられるのも信用金庫の魅力です。

ベンチャー企業でも融資を得やすい

信用金庫のメリットは、創業したばかりのベンチャー企業でも融資を受けやすいことです。
三大バンクをはじめとした銀行は、企業に対してお金を貸し出すことで、利益を生み出すため、信用度の高い大企業をメイン顧客としています。

一方、地域密着型の信用金庫は、地域の繁栄を狙いとしていることから、小規模の企業であっても前向きに融資を検討してくれます。とはいえ、すべての企業が融資を受けられるというわけではなく、経営状況や事業計画などの審査を通過しなければなりません。

地元や地方で事業展開をしやすい

出身地である地元や地方での事業展開を検討している起業家にとって、信用金庫は強い味方となります。地域の発展を目的とした信用金庫は、日本全国に店舗を持つ銀行と異なり、ある特定地域の企業のみを顧客としているためです。

また、信用金庫は、地域と深く繋がりを持っているため、事業を拡大する際のメソッドや経営方針の相談を積極的に行ってくれます。その地域に馴染がないベンチャー企業も信用金庫との関係性を早期につくっておくことで、事業展開をしやすくなるのがメリットです。

会員限定のサービスや優遇を受けられる

信用金庫の会員になることで、独自のサービスや優遇を受けられます。たとえば、地元で起業をしたい方への創業支援や、地元で成功するために必要な提携先のリサーチなどがあります。

さらに、信用金庫によっては、会員専用の金融商品の販売や金利の優遇なども行っており、小さい会社でも事業を進めやすくなります。

信用金庫で法人口座を開設する際のポイント

銀行と同じように信用金庫でも法人口座を開設するためには、所定の手続きが必要となります。近年、金融犯罪が多発していることから、本人確認の徹底や口座開設の審査に時間がかかる傾向があります。スムーズに口座開設手続きを済ませるために、あらかじめポイントを把握しておきましょう。

必要書類

信用金庫で法人口座を開設する際に、書類を準備する必要があります。信用金庫によって多少の違いはあるものの、主な書類としては以下4点です。
・履歴事項全部証明書
・印鑑登録証明書
・口座開設担当者の公的な本人確認書類
・事業代表者の公的な本人確認書類
発行日の日数が定められている書類もあるため、口座開設を希望する信用金庫の案内を十分に調べておきましょう。

事業内容の説明

必要書類とともに、自社事業を説明できる準備をしておきましょう。どのような目的で法人口座を開設するのか、今後どういった事業展開を検討しているのかを書類や口頭で、信用金庫の担当者の方に伝える必要があります。

また、事業所への訪問や面談が行われるケースもあるため、説明した内容と実際の事業に相違がないように注意しなければなりません。信用金庫による審査の結果、口座開設が断られる場合もあります。

口座開設までの日数

信用金庫で法人口座を申請したあと、店舗の担当者によって審査が行われます。具体的な日数は定められていないものの、1~2週間を目安としている信用金庫が多いです。書類に不備があったり事業内容に相違があったりすると再審査を要するため、すぐに口座を必要としている方は早めに準備をしましょう。

主な信用金庫の種類と口座開設方法をご紹介

口座開設方法と特徴的なサービスを提供する信用金庫
それぞれの地域に由来したサービスが特徴の信用金庫。
信用金庫で法人口座開設をするには、営業エリアに事業所の住所を置いている必要がありますが、どのような信用金庫が展開されているのか参考にしてみてください。

城北信用金庫

城北信用金庫は、東京都荒川区に本店を置く信用金庫です。東京都北部や埼玉県南部を営業エリアとしており、地元のお祭りの運営に携わったり、独自でイベントを開催したりするなど、地域活性化に力を入れています。
また、最近では、立地の良い店舗内に認定保育園の開設を行い、地域住民への直接的な関わりを持ち続けている信用金庫です。2004年に4金庫が統合して誕生したため、信用金庫業界では規模の大きい部類に入ります。

特徴 口座開設方法 開設難易度と時間 おすすめの業種・業態
東京都北部、埼玉県南部の広域をカバー。 取引担当者、事業活動に影響のある個人情報の確認など。 取引目的や事業の確認など一定の基準あり、口座開設に1~2週間必要。 小売りから製造業まで幅広い業種におすすめ。

京都信用金庫

京都信用金庫は、1923年に設立した長い歴史があります。新しく事業をはじめる起業家や創業間もない経営者へのサポートを行っており、「ここから、はじまる」という独自の融資サービスが特徴です。
また、2013年には創立90周年を記念して、「京信・地域の起業家大賞」を創設し、地域活性化に貢献した起業家への表彰も行っています。京都はもちろん、大阪府・滋賀県も営業地域としており、積極的な地域とのつながりを重視した信用金庫です。

特徴 口座開設方法 開設難易度と時間 おすすめの業種・業態
起業家や創業間もない経営者への丁寧なサポート。 直接来店し、履歴事項全部証明書や印鑑証明書の提出が必要。 営業範囲が広いため近隣県でもチャンスあり、法人口座開設には約2週間。 主に製造業への融資が多い。ベンチャー企業や中小企業におすすめ。

沼津信用金庫

静岡県東部に位置する沼津市一帯を営業エリアとしています。地元の催事や行事に積極的に参加をしており、沼津市民との親交にも力を入れているのが特徴です。
また、2019年には、過去に利用していた店舗をリノベーションし、起業家やクリエーター向けのコワーキングスペースとして開放しました。

特徴 口座開設方法 開設難易度と時間 おすすめの業種・業態
地域とのつながりを重視した経営、コワーキングスペースの開設など独自のサービスも展開。 登記事項証明書や申告受理及び認証証明書などの書類が必要。 営業エリアが沼津市周辺であるため、事業所の住所に注意。口座開設までに所定の日数がかかる。 幅広い業種に対応。定期的な相談会が行われており、起業家にもおすすめ。

自社事業と親和性のある信用金庫を選ぶ

信用金庫は、地域に根差した活動を行っており、ベンチャー企業から中小企業まで幅広い顧客をサポートしています。 それぞれ独自性があるため、営業エリアの確認や自社がどのようなサービスが受けられるかを検討してみましょう。

創業手帳冊子版では、起業家にとって役立つ情報を提供しています。事業展開をしていく上でお困りの方は、ぜひご参考ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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