0円起業の成功のコツと注意点|開業資金0円で起業するためのアイデア

創業手帳

0円起業はスモールスタートしたいフリーランスや個人事業主にはおすすめ。しかし法人化を考える場合デメリットも。その理由とは?


起業をするとなると、リスクが高く多額の自己資金が必要となるイメージを持たれがち。仕事をしながら資金の準備ができないがゆえに、起業に二の足をふむ人も少なくありません。

実は、現在は開業資金0円で起業する「0円起業」をする人が着実に増えてきています。資金が少ない分、ビジネス拡大には時間がかかるものの、仕事内容とやり方を工夫すれば、開業資金0円で収益化するチャンスは充分にあります。

また、起業準備の段階で、収益化への成功率をあげるために「まずは何から手をつければいいか分からない」方へおすすめなのが、「創業カレンダー」です。「創業予定日」前後の2年間にやるべきことが時系列で分かります。空欄に日付を書き込んだり自分だけの「創業カレンダー」は、無料ですのでぜひお気軽にご活用ください。

今回は0円起業の実態や、向いているビジネスアイデア、そして起業する場合の注意点について紹介していきます。


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0円で起業する人は決して少なくない

日本政策金融公庫では、2019年に当初から大きな収益を狙わずに、自分のやりたいことを重視する「ゆるやかな起業」の実態を調査しました。

ゆるやかな起業を希望する人においては「収入を増やしたい」という起業動機を持つ人が15.9%(起業家全体では42.2%)と少ない分、スモールビジネスから起業を始める人が多いようです。

そのため、開業費用も「低く抑える」人が多く、特に約28%が開業に際して「費用がかからなかった」と回答。起業家全体で見ても約20%が同じく開業費用なしと回答しています。

ゆるやかな起業と通常の起業の開業費用に関するアンケート

出典:日本政策金融公庫 総合研究所調査『ゆるやかな起業 の実態と課題』より

すでに一定の割合の人は「開業費用0円」での起業を実行していることからもわかるように、0円起業は決して不可能ではありません。

起業する方法について、詳しくはこちらの記事を>>
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳の大久保が解説!

0円起業のアイデア8選


0円起業をうまく進めるためには、起業の内容が重要です。ここからは0円でも起業できるアイデアのうち、工夫と取り組み方次第でビジネスの拡大も目指せるものを8つ紹介します。

小さくコツコツ始めて、ゆくゆくはしっかりとした収入源にしたいという人は、ぜひ参考にしてください。

コンサルティング

自分のスキルや経験を活かして、個人・法人に助言・課題解決などのサービスをおこなうビジネスです。

会社員としてコンサルタントをやっていた人や、財務、マーケティング、ITソリューションなど企業からのニーズが高い領域の知見がある人はスムーズに起業する余地があります。

最近では、個人事業主や個人に起業のノウハウやWebマーケティングを指南したり、個人に家計管理のアドバイスをしたり、とさまざまな領域でコンサル活動をしている人もいます。フリーランスやスポットでのコンサルタントを募集しているマッチングサービスを利用すればまさに0円で始められます。

自前で集客も含めて取り組む場合はパソコンでWebサイトを構築するなど準備は必要ですが、パソコンをすでに所有していて、自前でWebサイトを構築できる人は、やはり0円でチャレンジできます。

Webデザイナー

Webサイトのデザインを考えて、実際に構築していく仕事です。SEOの観点から上位表示されやすい、利用者がスムーズにアクセスしてくれる、来訪者が使いやすいと感じる、など多面的な視点で顧客が求めるWebサイトを考えていく仕事です。

Webマーケティングがビジネスにおいて重要な役割を担う昨今では、Webデザイナーの需要は堅調です。もともと関連業種で働いていた人は特に有利ですが、未経験から自分なりに勉強してチャレンジする人も少なくありません。勉強する場合には資料や書籍などのコストはかかりますが、ビジネス自体はパソコンさえあれば0円で始められます。

未経験から始める場合はクラウドソーシングなどで小さな案件から受注し、徐々に大型・高単価な案件に繋いでいくと良いでしょう。

またWebサイトの立ち上げだけでなく、その後の保守・運用まで手掛けて、継続的な収入につなげる人もいます。マーケティングのスキルやノウハウがある人は、保守・運用の過程の中でマーケティング効果を測定し、より集客効果を高めるためのWebサイトの改良案を出すことで、付加価値を高めることも可能です。

Webライター

最近ではWebサイトにコラムを連載したり、オウンドメディアなどと呼ばれる自社独自のメディアを展開していたりする企業が多くなっています。もちろんそのほかに情報発信それ自体を主目的としたメディアサイトも多数存在します。

こうしたコラムやメディアへの記事出稿をして報酬を得るのがWebライターという仕事です。文章を書くことさえできれば誰でも始めるチャンスがあり、かつパソコンなど文章を打ち込んで顧客に送信・共有するツールさえあれば、ほかに必要なものはありません。

Webライターもクラウドソーシング内で多くの案件が継続的に発注されている仕事の一つです。こうした仕事から始めて徐々に知名度を高め、最終的には自らメディアや企業などに営業活動をおこなって、高報酬な仕事につなげていく人も少なくありません。

オンライン教室

自分がもつ知識や専門性を他の人に講師として教える仕事。現在ではZOOMなどでオンラインベースで取り組むこともできるようになっています。人々が「習いたいもしくは知りたい」と思うような知見であればどのようなことでも教室にする余地があります。

マンツーマンで行う人もいれば、集団に対して講義形式で情報発信をする人もいます。またYouTubeなどの動画配信を絡めて集客や収益拡大をおこなっている人も。

オンライン教室の生徒を集める上では、Webサイトを立ち上げたり、SNSで発信したりするなどの集客活動が必要になります。また最近ではTeachableのように会員制のオンラインスクールを立ち上げるプラットフォームがあるので、こうしたサービスを利用すると、未経験からでもスムーズに運営ができるでしょう。

ZOOM、Webサイト構築、SNS、プラットフォーム利用はいずれも無料でも利用できるツールやプランがあるので、0円から始めることができます。

SNS運用

SNSでフォロワーを集めたり、発信したコンテンツのアクセス数を増やすノウハウや実績がある人は、さまざまな形でビジネスにつなげる方法があります。

従来はアフィリエイトという広告の一種を掲載して、クリック数や掲載した商品・サービスのアクセス数で収益を得る方法が一般的でした。今でも可能ではありますがTwitter、Instagramを始め複数のSNSがこうした広告掲載を禁じるようになったので、収益化の余地は小さくなっています。

一方で、インフルエンサーのように、特定の題材を広く世に知らしめる力がある人は、企業と契約して題材に対する情報発信を通じて収益を得ることも可能です。現在ではインフルエンサーと企業をつなげるマッチングサイトがあり、活用すれば効率的に収益化できます。

マッチングサイトに登録するには、膨大なフォロワー数が必要なイメージがありますが、意外に1,000人程度でも登録が可能なサービスもあります。

そのほか、TwitterやYouTubeなどでは「投げ銭」などと呼ばれるフォロワーなどから直接収益を受け取る手段があります。人気次第なので収益額にはばらつきが出やすいものの、このシステムを主な収益源としている人は少なからずいます。

写真・制作物の販売

自分が撮影した写真、制作した画像や音楽などを販売して収益を得る方法です。いわゆる「アーティスト」活動の一環であり、昔からある手法ではありますが、インターネットを活用すれば、より効率的に収益化が可能です。

いちから自分が制作したものに対して、購入者が出るのを待つ方法もありますが、一方でクラウドソーシングなどでは指定のテーマ、コンセプトに沿って写真や音楽などの制作を請け負うこともできます。

販売や契約獲得自体は0円でできる一方で、著作物の制作自体にはカメラや楽器、文房具など、作品によってさまざまな備品が必要になるため、もともと特定の作品制作を趣味としている人に適した手法です。

動画撮影・編集

YouTubeの普及も背景に、Webコンテンツの中でも動画は最近需要が高まってきています。動画を自前で制作したり、雑多な動画素材から一つのコンテンツを作り上げる作業に対しても需要があります。

企業から請負の形で動画を撮影・編集して報酬を得る方法もありますし、いわゆる「YouTuber」のように、自分で制作した動画を発信して収益化する方法も。

動画撮影・編集となると撮影機器と編集ツールが必要ですが、撮影機器はカメラ性能の高いスマートフォンでも最初は始められますし、編集ツールも無料で利用できるクラウドサービスが存在します。

始めは「0円」で始めて、収益化のめどが立ち始めたら徐々に機材やツールにコストをかけていく、という方法をとるとスムーズです。

0円でフランチャイズ契約が得られる場合も

起業の一つの方法として、特定の企業とフランチャイズ契約を結び、商材を販売する方法があります。一般的な起業家でこの形式でビジネスを始める人も少なくありません。

現在ではフランチャイズ案件を紹介しているWebサイトも複数存在し、「初期費用0円」としている案件も紹介されています。中には車両などビジネス運営に必要な設備の無料貸与もセットになっている案件も(ただし、初期の数ヶ月限定の場合が多いです)。意外にも「0円」でフランチャイズ契約を得るチャンスはあるのです。

0円での起業を成功させるコツ


自己資金を使わずに起業を成功させるためには、通常の起業とは異なる工夫やアイデアが必要になります。ここからは、特に0円で起業をスムーズに進めるためのポイントを5つ紹介します。

クラウドソーシングから始める

クラウドソーシングとは、小口の仕事をタスク単位で請け負って、収益を得る方法。クラウドワークスやランサーズといった企業がマッチングサービスを展開しています。

日々多数の小口の案件依頼が登録されていて、会員になれば、好きな案件に応募できます。ライティングやプログラミング、写真・動画の撮影・編集など、先に紹介した仕事内容が多数あるのも特徴です。

インターネットに接続さえできれば、簡単に応募でき、ノーコストで仕事を得ることができます。高い報酬の案件はそれなりにスキルも必要ありますが、初心者向けの仕事もあるため、小さい収入からコツコツ進めていける人には特におすすめです。

ITツールを積極的に使う

現代の0円起業のほとんどはハード面、ソフト面両面でITツールを有効活用することが重要です。

まずインターネットに繋げるパソコン・スマートフォン・タブレットがなければ仕事を始めることすらできないものがほとんど。日常使用している端末をそのまま使用しても問題ありませんが、もし所有していない場合は、少なくともパソコンとスマートフォンは購入したほうがよいでしょう。

その上で、クラウドソーシングやマーケティングツール、マッチングサービスやプラットフォームなど、それぞれのビジネスに特化したツールを使いこなすのが重要です。

クラウドタイプのツールでは条件付きでフリープランを用意してあることが多いので、こうしたプランをうまく使うことで、0円起業のハードルは大きく下がります。

組み合わせて希少性を高める

際立った強みや専門性が見つからずに思うように収益化が進まない人は、強みを組み合わせる方法を考えてみましょう。

例えばWebサイトをデザインする能力とマーケティングの双方を組み合わせて、WebマーケティングのコンサルとWebサイトの構築・管理を同時に請け負うことができます。

ライターであれば、Wordpressへの入稿ができるなど、簡単なプログラミング知識があれば、案件の幅が広がります。

得意・強みを活かす方法を考える

写真や動画の撮影、音楽演奏など自分の得意なことをうまく起業につなげていけば、少ないストレスで収益化ができます。すでにSNSでフォロワーを獲得している人は、それを活かした起業も有効です。

また、経済や転職、マーケティングなど特定の専門知識を活かしてコンサルやWebライター、オンライン教室で起業すれば、より早いペースで収益の拡大を目指すこともできます。

副業から始めるのも一案

0円起業で当初から高収益を得るのは容易ではありません。そもそも手元に潤沢な資金がある人は、コストをかけずに起業する必要性が薄いといえます。

手元に資金が乏しい中で0円起業をする人は、まずは現在の仕事を続けながら副業として取り組んでいくのがよいでしょう。いずれビジネスが軌道に乗って、充分生計が経つほどに収益が拡大したタイミングで本業として一本化していくのがおすすめです。

0円での起業のリスクと注意点


初期費用がかからないからといって、リスクがないわけではありません。ここからは0円で起業することのリスクや注意点を紹介していきます。

報酬が少額になるリスク

0円でできるビジネスの多くは、当初は1案件で数百円など、極めて少額の案件を積み上げていくことになります。

初期費用がかからない分、まとまった金額を得るには時間がかかると想定しておきましょう。当面の間は会社員として月給を得るなど、他の収入獲得手段を確保しながら活動を継続していくのがおすすめです。

ランニングコストがかかるビジネスもある

ビジネスの内容によっては、初期費用がかからなくても、継続していくとランニングコストが発生するものもあります。

例えばフランチャイズ契約では、費用がかからない期間は限定されていて、数ヶ月〜半年後からは設備費用などがチャージされる案件が多くなっています。商品を販売するタイプのフランチャイズの場合は、仕入れ費用などを先に負担しなければならないケースもあります。

また、クラウドツールの中には、当初は0円でも、一定期間が経過したり、機能拡大したりするためには有料プランに加入しなければならないサービスが多くなっています。

0円起業といえど、将来のランニングコストを想定して、収益を着実に拡大していくプランニングを立てることが重要です。

税金支払いの発生に注意

収益が発生すると、所得税や住民税が発生します。年間20万円までは所得税の申告や支払いは免除される一方で、住民税は少しでも収益が発生したら支払う必要があります。

0円起業ではお小遣い稼ぎのような感覚でスモールビジネスから始める人が多いため、税金の支払いに対する意識が疎かになるケースも少なくありません。

知らず知らずのうちに申告漏れや脱税をしてしまわないように確定申告や税金に関する正しい知識を身につけておきましょう。

副業に関する確定申告については、こちらでさらに詳しく紹介!
副業の確定申告はいくらから?書類の書き方、申告のためのポイントを解説

資金調達が難しい

0円で起業するビジネスは、収入の規模が小さくかつ不安定であるとみられがちなため、基本的に金融機関の融資審査を通すのが困難。金融機関によっては、ある程度の自己資金が無ければそもそも審査申請を受け付けていない場合もあります。

まとまった資金調達ができないため、事業規模の拡大にも時間がかかります。0円起業でビジネスを行う場合や、通常の起業以上にじっくりコツコツ取り組む必要があることをおさえておきましょう。

法人化を考えている場合は0円起業が適さないケースも

0円起業は文字通り自己資金なしでチャレンジできるため、リスクを抑えてスモールビジネスから始めたい人にはおすすめです。一方で、事業規模の拡大のハードルは高く、また時間がかかるため、早期に法人設立を考えている人にはおすすめできません。

自己資金が乏しければ、法人口座を作るのが困難で、融資審査も通りにくくなります。収益規模を拡大して自己資金を貯めていけば、ゆくゆくは法人化の道もひらける可能性もありますが、まとまった資金調達が得られない中では、規模の拡大にも時間がかかります。

当面は個人事業主やフリーランスで生計を立てていく見通しであれば、まずは0円起業でミニマムスタートしてみるのもよいでしょう。ただしその場合も、生活が成り立つだけの収入の目処がたつまでは副業として取り組むことをおすすめします。

創業手帳の冊子版(無料)は、起業に関わる手続きや資金調達の制度など、役に立つ情報を多数掲載しています。事業のサポートにぜひ参考にしてください。

また、起業へ具体的な準備を進める際には、「創業カレンダー」がおすすめです。起業の成功率をあげるために“今”必要なものや各種届出が時系列で分かりやすく理解出来ます。無料でお申し込み出来ますので、起業への第一歩として是非ご活用ください。


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