SNSの広報テクニックを一挙公開。SNSごとの特性を見極めて攻める!【頼藤氏連載その2】

いまからでも遅くない!フリーランスの広報に詳しい頼藤太希氏に聞く、起業家のためのSNS入門

前回に引き続き、ビジネスアカウントのSNSの運用の実践やテクニックについて、自らも起業したてのころにマーケティングでSNSをうまく活用し知名度を高めた株式会社Money&Youの頼藤太希氏(以下、頼藤氏)にお話をうかがいました。

コロナの影響でオフラインでの取り組みに制限がある中、個人や商品・サービスをより多くの人に知ってもらうためには、広報としてSNSの運用が欠かせません。特に、YouTubeをはじめとした動画コンテンツによるマーケティングは、大企業から小規模の会社までがこぞって注目しています。このことからも、SNS活用は優先順位の高い広報施策と言えます。

しかし一方で、SNSの種類や特性ごとの活用法をうまく把握していない結果、期待した効果が出ず悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

今回は、頼藤氏の実体験を交えながら、どうしたら広報で効果的にSNSを活用できるか論理やテクニックをご紹介します。

前回の記事はこちら
SNS発信を始めてみよう!まず大切なのは続けるための心構え【頼藤氏連載その1】

頼藤太希(よりふじ たいき)
Money&You代表取締役、マネーコンサルタント

中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)にて資産運用リスク管理業務に6年間従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。『SNS時代に自分の価値を最大化する方法』(河出書房新社)、『入門 仮想通貨のしくみ』(日本実業出版社)、『投資信託 勝ちたいならこの7本!』(河出書房新社)ほか著作・共著・監修書多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計150万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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SNSの特性に応じた情報発信をしよう

大久保:少し前までは、FacebookがいわゆるSNSマーケティングではひとつ抜きん出た存在でしたが、今はどのようなSNSが主流なのでしょうか。

頼藤:日本の市場を見ると、YouTubeインスタグラムTwitterといったところが多くの企業の広報で運用されているように思います。TikTokもマーケティングとして徐々に活用されつつありますが、ユーザーが若年層に偏っているので、若い世代を市場にしているビジネスでないと不向きかもしれません。

もし全世代的にビジネスをしていて、これから広報用アカウントの運用を始めるのであれば、TwitterかYouTubeをおすすめします。

インスタグラムも、多くの企業アカウントがあるのは事実ですが、どちらかというとEC業界や食品業界などの広報向けです。インスタグラムを通じて、商品そのものを訴求する傾向がありますので、「企業」アカウントというブランディング的要素よりも、商品そのものを紹介し販売する傾向にあります。

Twitter・YouTubeが広報ツールとして伸びている理由

大久保:TwitterやYouTubeにはどのような特性があるのでしょうか。また、それに応じた運用というのは具体的にどのようなものでしょうか。

頼藤:TwitterやYouTubeがSNSマーケティングとして伸びているのは、SNS内での検索ができるからです。インスタグラムもタグによる検索ができます。一方、Facebookがマーケティングとして活用があまり伸びていないのは、SNS内での検索が難しいからだとも言われています。

インターネットで検索してほしい情報にたどり着く習慣が出来上がっている昨今では、ユーザーが商品やサービスを選ぶときも、検索することが当たり前になっています。TwitterやYouTubeではよりリアルな声を見ることができるため、サイト内での検索が盛んです。これを受けて、商品サービス提供側企業の広報は、積極的に動画やツイートなどによるマーケティングを行っています。

TwitterとYouTubeの使い分けが重要

頼藤:Twitterがリアルタイムで情報が流れてくるフロー型のSNSであるのに対し、YouTubeは過去の情報を蓄積するストック型のSNSです。

そのためユーザーは、最新情報などトレンドをつかむにはTwitter商品・サービスの詳細や質など固定的な情報を把握するにはYouTubeといったように使い分けています。このような特性に応じて、発信する側も情報を分けることができますね。

大久保:なるほど、うまく使い分けることが重要なのですね。SNSというとやはり「フォロー」されないと運用の意味がないようにも思います。

YouTubeは撮影など時間がかかりますが、どのくらいの頻度で発信すれば効果が高いのでしょうか。また、Twitterの場合はフォロワーをどのくらい獲得すればよいでしょうか。

頼藤:私たちも、コロナの影響を受けてYouTubeによるマーケティングを始めました。週に1本ぐらい配信しており、頻度を高くしています。

一般的に動画は、10分前後のものが多いです。あまり長い動画は最後まで見てもらえないので、私たちの動画では8分くらいを目安にしています。さらに短く、3分くらいだと比較的よく見られるので、テーマに応じて長さは調整しています。

Twitterに限りませんが、フォロワー数を伸ばすことはとても骨が折れます。弊社のアカウントもそこそこまでフォロワー数を伸ばしましたが、時間はかかりました。相互フォローのテクニックで無理やり増やしても意味はありません。そのフォロワーがお客様になる可能性は非常に低いからです。

純粋に100人集めるのも難しいと言われているので、まだ知名度のない起業家のみなさんが、どのくらいの人数というのは事業の規模にもよるでしょう。とはいえ500人、1000人というのはひとつの目安になるかと思います。

フォロワーを増やすためのテクニック

大久保:フォロワーの獲得はそんなに簡単にはできないですよね。実際にYouTubeは、チャンネル登録をどのように増やすかという課題を感じている人もいるでしょう。また、Twitterの場合、どのようにフォロワーを増やしていけばよいのでしょうか。

YouTubeの投稿で使える3つのテクニック

頼藤:YouTubeのような動画マーケティングの領域は、まだまだ参入しているところが少ないということもありますが、コツコツ配信していれば登録者数が伸びるというのも事実です。次の基本的な3つのテクニックを参考にしながら投稿数をあげていくとよいと思います。

  • 1.頻度を安定的にする
  • 多くの人が継続できないという理由で断念してしまいます。週に1度以上の更新はあったほうがいいでしょう。

  • 2.サムネイル・タイトル
  • 思わず開いてしまうようなキャッチ―なタイトルやサムネイルにすると視聴してもらいやすくなります。

  • 3.BGM
  • 無音の中淡々と話し続けるような構成だと見ているほうも飽きてしまうので、邪魔しない程度にBGMがあるとよいでしょう。

なお、よくセミナーや講演の様子を撮影し、そのまま載せているようなものを目にしますが、動画は視聴者を意識した構成にしなければなりません。ある程度の編集をしたほうがいいでしょう。

動画コンテンツは、広くマスを取るというよりも、得意なジャンルに絞るとよいです。先ほども触れましたが、YouTubeはストック型のSNSです。例えば、コンサル系の起業家さんなら、戦略策定のノウハウなど撮りためておけば、徐々に再生回数が伸びてくるでしょう。

Twitterの投稿で使える3つのテクニック

頼藤:次に、Twitterのフォロワー数を伸ばすためのテクニックについてご紹介しましょう。ただ、検索すればもうすでにいろいろなところで「こうしたほうがよい」というヒントが出ています。ここでは、基本的なものに絞って3つ説明します。

  • 1.共感を生む内容
  • Twitterは共感コミュニティとしての機能が大きいので、単純な告知のような事務的な内容よりも、共感を得られやすいものにしましょう。

  • 2.インフルエンサーにコメント付きでリツイートしてもらう
  • 特定の分野で影響力のあるインフルエンサーに共感しそうな内容をリツイートしてもらうと、インフルエンサーのフォロワーからの注目度が上がります。

  • 3.プロフィールや肩書を明確にする
  • ツイートの内容を「誰」が言っているか、納得感があるとフォロワーが伸びます。例えば、コンサルタントが戦略を語るのであれば説得力がありますよね。むやみやたらに職歴や資格などを羅列するだけでは効果的とは言えません。

「誰が何を語っているか」というのは、YouTubeでも同じことが言えます。配信する内容に全く関係ないバックグラウンドを持った人が語ったとしても響きません。

大久保:「誰が何を語っているか」という点で説得力が変わってくるというのは、自分がユーザーとして見る時を考えると納得です。

自分の強みを分析して専門家と名乗れる分野を見つける

頼藤:競合が多い分野だと差別化をはかるのがとても大変です。例えば私が、FP(ファイナンシャルプランナー)やファイナンスの分野で起業しようと思った当時、家計管理や節約のFPはもう既にたくさんいました。普通に「家計」に重点を置いたビジネスでは太刀打ちできないと思い「資産運用・確定拠出年金・節税」という個別テーマで勝負しようと決めたのです。

当時は、「個人型確定拠出年金」自体は既に開始されていましたが、まだiDeCo(イデコ)というネーミングはなく、知名度も全くない頃でした。また、FP×資産運用という領域では、競合がいなかったので、自らその分野の「専門家」だと自称することができました。

実際は、走りながら知識を得たり、発信したりしていました。ただ、早めに誰もいない分野で専門家として名乗ることは大切ですし、SNS発信での説得力も増します。

大久保:専門家として積み上げるというよりは、専門家がいない新たな領域を生み出したのですね。頼藤さんの場合は、FPという基礎的な専門性に資産運用という固有の分野を掛け合わされたのですね。

頼藤:そうですね。もともと、保険会社でお客様の大切な保険料を債券や株などに運用する仕事、いわゆる機関投資家の運用業務に従事していたので、資産運用やファイナンス分野の知識がありましたから。

今ではさらに発展して、仮想通貨(暗号資産)やキャッシュレスといった分野にまで専門領域を広げています。自分で専門家を名乗ると自信もついてきますし、運がよければメディアに取り上げられることもあります。

大久保:コンサルや税理士など専門家として起業した場合に、広報術として差別化によるSNS発信が重要なことが分かりました。ただ、特別な資格や専門分野がない起業家の場合はどうすればいいでしょうか。

頼藤:起業家の皆さんが、SNS発信を通じて商品やサービスのPRをするというときでも、「誰」が言っているのかということが大切になってきます。整合するバックグラウンドや現体験などをうまく取り入れながら、自分だけの領域・テーマを見つけるとよいでしょう。

SNS上での発信を通じて「こういう経験があるからこういうサービスをしているんだな」と、共感してもらうことがマーケティング上大切になります。

広報の一環としてSNS発信をするにあたり、自分の事業の「強み」を見極めるという作業が発生すると思います。これは「事業」そのものにエッジをかけることにもつながります。つまり、広報活動におけるSNSの活用は、事業や自分自身の本来の価値を外部に知らせることなのです。

大久保:SNSマーケティングを突き詰めていくと、自分の「差別化」がビジネスにおいて重要なポイントとしてあぶり出されてきますね。次回は、SNS運用においても大切な、本当の自分の価値を高めていくにはどうすればよいかをお聞きします。

(次回に続きます)

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(取材協力:株式会社Money&You代表取締役 頼藤太希)
(編集:創業手帳編集部)

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