SNS発信を始めてみよう!まず大切なのは続けるための心構え【頼藤氏連載その1】

いまからでも遅くない!フリーランスの広報に詳しい頼藤太希氏に聞く、起業家のためのSNS入門

(2020/10/20更新)

オフラインでの活動が難しいコロナ禍において、個人やサービスの知名度を広げるためにSNS(ソーシャルネットワーキング)は強い味方。今やマーケティングの主流として積極的に取り組む必要があるもの、それがSNS発信といえます。

SNSは年々進化しており、Facebook、インスタグラム、Twitter、TikTok、YouTubeと種類も豊富になっています。ですが、いわゆる「企業アカウント」「ビジネスアカウント」としての発信に躊躇してしまう人や、一度はチャレンジしたけれど「SNS疲れ」を感じている方もいるかもしれません。

今回は、自らも起業したてのころにSNSをうまく活用し、知名度を高めた株式会社Money&You代表の頼藤太希氏に、SNS発信を継続するための心構えや、うまく運用するためのテクニックについてお聞きしました。

頼藤氏は、起業してすぐに書籍を発行するなど積極的に情報発信をしているほか、SNS発信やコミュニティ運営などに力を入れており、今や2000以上のフォロワーを獲得し、マネーコンサルタントとして成功されています。

「SNS発信をどのように活用していけばよいか」についての連載の初回である今回は、目まぐるしく変化するSNS発信の現状と、どのような発信が求められるのかについてご紹介します。

頼藤太希(よりふじ たいき)
Money&You代表取締役、マネーコンサルタント

中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)にて資産運用リスク管理業務に6年間従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。「SNS時代に自分の価値を最大化する方法」(河出書房新社)、「入門 仮想通貨のしくみ」(日本実業出版社)、「投資信託 勝ちたいならこの7本!」(河出書房新社)ほか著作・共著・監修書多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計150万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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心構えその1 やっぱり必要。SNSでの情報発信は自分の信頼を高める最大のツール

大久保:頼藤さんはサラリーマンを辞めてから起業され、すぐに書籍を出されましたが、どのようなマーケティングをしようと思っていたのですか。事前に、情報発信は積極的にやろうとネタを書きためていたのでしょうか。

頼藤:自分という商品の広報・マーケティングをしようと思ったときに、「アフラック」「資産運用部門」出身という肩書きの方はたくさんいるので、それ以外の社会的信用がほしいと思いました。まず書籍の執筆に取り掛かったのは、広報的にも、SNS発信をしていくうえでもわかりやすい「実績」が欲しかったからです。

そこでまずは、自分のバックグラウンドでもある「資産運用」に関する書籍を2015年に発行しました。内容は、当時まだあまり知られていなかったiDeCo(イデコ・確定拠出型年金)についてです。iDeCoが出る前だったので、情報がまだ世の中で認知されていなく、この領域での専門家として名乗ることができました。

この実績を肩書きとしてSNS発信や他のマーケティングをおこないました。そうすることで、社会的な信頼を徐々に得つつ、自分のサービスを認知してもらえると思ったからです。

書籍は事前に書き溜めていたわけではなく、イチから書き下ろしました。共著の高山が既に書籍を発行した経験があったので、書き方を教わりながらでした。最初は戸惑い、苦労しましたが。

起業当初は、家計や資産運用を相談できる「FP Cafe」という事業を始めたばかりで、登録してくれるFPを集めるために奔走していた時期でしたが、合間を縫ってなんとか時間を捻出しました。

書籍以外にもSNS発信を始める前には、オフラインのネットワークに顔を出して名前を売るという取り組みもしました。足しげく起業家やFPのコミュニティなどをまわり、自社セミナーも行ったりと、着実に知名度を上げていきました。

こうした地道な活動も、SNS発信をする以外にもある程度は必要です。ただ、今はコロナの影響で難しいところもありますので。より一層、積極的にSNS発信するというのが重要なのではないでしょうか。

大久保:以前はまず草の根の活動として認知度を上げてから、その次にSNSでの発信というステップを経ることができましたが、コロナの時代ではそうもいきませんね。ゼロからSNSで発信をして、認知度を上げられるものでしょうか。

頼藤:起業したては、とにかくまずは知ってもらうことが大事です。すぐに数字的な実績を得ることは難しいですが、SNSを通じて、自分が何者なのか、何ができるのかという「強み」をしっかりと捉えて発信していくことによって、徐々に認知されるようになっていくと思います。

特に、コンサルタント業など無形サービスを提供している場合、SNSを通じて思考プロセスなどのテクニックやノウハウをコンスタントに発信することで「この人はこの領域の専門家」という信頼を高めることができます。あまり過激な内容は好ましくないですが、実績が十分ではないうちは、SNSでの発信を続け、「信用」を積み重ねることが大切だと思います。

心構えその2 SNS活用には運用に時間がかかるけれど重要な仕事の一つ

大久保:発信内容を考えたり、実際に投稿したりとSNS発信には時間も手間もかかります。また、あまり出すぎると不快に思われないかと躊躇してしまう人もいるようです。本業とのバランスが難しいと感じてしまうのですが。

頼藤:確かに、SNS発信には企画・編集といった作業が伴いますので、それなりに時間がかかりますよね。しかし、SNS発信はもはや大事な「業務」のひとつだと私は思います。私が起業した2015年はFacebookが全盛だったので、ほぼ毎日のように投稿をしていました。それがきっかけで実際の仕事につながることもありました。

とにかく、自分が何者であるのかを発信し続けることが重要です。フォロワーが増えるのはもちろんのこと、ひとつの領域で専門家としての意見を出し続けていれば、外部ニュースメディアサイトなどに取り上げられることもあります。

実際、我々の運営するメディア「Mocha(モカ)」もスマートニュースで取り上げられるようになり、それをきっかけにPVが増えることはもちろん、フォロワーも増えました。

現在もSNS発信は継続しています。最近は、SNSの主流となってきているTwitterやYouTubeに力を入れています。TwitterやYouTubeでは他者の過去の投稿内容を検索することができますが、Facebookはできません。こうした理由から、TwitterとYouTubeのユーザーは年々増えているので、発信することの意義は高いでしょう。

大久保:今はYouTubeの人気が高まっているようですね。撮影機材や編集ソフトなどにはこだわったほうがいいのでしょうか。

頼藤:そこまでこだわりを持つ必要はないと思いますが、スマホのカメラよりは専用のカメラを使用するほうがよいでしょう。編集ソフトもAdobe Premiere(アドビプレミア)を使っており、特別というわけではありません。

ただ、YouTubeでの発信を続けていくためには「最低限の画像クオリティ」が必要と思っています。スマホで撮影した編集無しの動画が高い再生回数を獲得した事例もありますが、それはトレンドに乗ったからということが大きな要因です。

例えば、コロナの給付金の受給に関して、ある税理士さんが特に編集もしていない動画を上げて多くの方に再生されていました。再生回数が上がったのは、画像の質というよりも、「コロナ給付金」という当時みんなが検索していたものをうまくとらえて、素早く情報を発信したからです。

もちろん、動画の編集はなくても、内容自体は精度の高い情報でないと視聴し続けてもらえないので、それなりに準備は必要です。

なお、再生回数だけでいったら、人気のドラマの放送後に感想を述べるだけの内容でも、トレンドに乗っているので数を稼ぐことができます。

SNS情報発信だからこそ、迅速に対応できるという強みを活かして、発信力や個人の信用を高めた好事例でしょう。

大久保:いわゆる炎上商法というのはどうでしょうか。ある意味目立つことは出来ると思いますが。

頼藤:瞬間風速的に再生回数が上がったり、注目を浴びたりするでしょうが、それが個人の信用を高めたりサービスの売上げに直結するものではありません。

打ち上げ花火のように目立つというよりは地道な発信を続けていくことで、個人の信用は高まると思います。狙って目立ちに行くのではなく、コツコツと継続していくことが大事です。

心構えその3 SNS発信が広報活動の主流へ。テクニックもうまく使いこなそう。

大久保:営業はできるだけオンラインで行うという流れになったように、コロナ禍によって仕事のやり方がガラッと変わりました。これから起業する人も、起業して間もない人も「オンライン化」の流れにはついていかなければなりませんよね。SNS発信も同様に、これからの広報活動の主流になるでしょう。

頼藤:zoomを使ったオンライン営業としてのセミナー開催は、ここ数か月でとても増えましたよね。ただし、気軽に参加ができるだけにコンバージョンがあまり高くならないのが課題としては残っています。各社、コンバージョンをあげるための取り組みを今まさに始めています。

このように業務のオンライン化が進み、もちろん広報活動もSNSでの発信が主流化していますので、乗り遅れないということは大切です。もはや、SNS発信は事業活動にとって不可欠です。オンラインでの営業が、初めての試みゆえに課題が生じるように、SNSでの発信も、フォロワーが伸びなかったり、はっきりした効果が得られなかったりなど、最初はなかなかうまくいかないと感じる人も多いでしょう。

その場合は、やり方がうまくないのか、コンテンツに問題があるのかなど課題を特定して改善をしていく必要があるでしょう。また、行動心理学を勉強したり、うまくやっている人の真似をしたりと創意工夫が大事になります。

ただ、SNS発信を続ける上で見誤ってほしくないのは、なぜ「発信」するのかという目的です。単純にフォロワーやチャンネル登録を伸ばせばいいという問題ではありません。数が増えても、売上げアップなどへの効果につながらないと意味がありません。極端な話ですが、フォロワーはお金で買うこともできるような時代です。フォロワーの数もある程度は必要ですが、発信する内容で誰に何を伝えたいのかコンテンツが重要です。数が伸びなくても焦らずにコツコツと継続していくことが望ましいですね。

大久保:中には、炎上を恐れて手を出せないでいるという人もいるかもしれませんね。

頼藤:炎上を恐れるのは、フォロワーや視聴者が多くなってから考えればいいことかもしれません。TwitterのようにSNSにはコメントをブロックする機能もありますので、心配であれば前もって防ぐ方法はあります。

なお、炎上ではありませんが、賛否両論あるテーマをあえて持ち出して注目を得るというテクニックもあります。こうすることで、賛同者からの支持を得られることもあるかもしれません。SNS発信は個人をアピールする場ですので、こうしたSNS上のテクニックもおさえておくとよいでしょう。その他の具体的なテクニックに関しては次回以降に紹介します。

大久保:意見の相違をうまく「注目度」として利用するのはいいかもしれないですね。最後に、SNS発信は誰でも参入はできますが、続けたり成果をあげたりするには努力が必要ですね。これから始める人たちに向けて、ひとことメッセージをお願いいたします。

頼藤:SNS発信には、人によって得意・不得意もあります。実際、弊社でも発信が積極的ではない者もいます。だからといって何も発信しないのはもったいないので、定期的に無理なく始めるのがいいと思います。1年続けても成果が出ないのはよくあることです。それでもめげず、成功要因を特定しつつ、改善をしていくのがよいでしょう。継続することがまずは大切です。
(次回に続きます)

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『SNS時代に自分の価値を最大化する方法』頼藤太希 河出書房新社
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(取材協力: 株式会社Money&You代表取締役 頼藤太希
(編集: 創業手帳編集部)

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