創業手帳代表が日経をさくっと解説 プラットフォーマー規制・フラットな組織「ホラクラシー」

12月28日の日経新聞に、以下の7つのニュースが取り上げられました。

3面.スマホ決済百花繚乱
5面.プラットフォーマー規制
7面.監査法人、内向き風土、再編
11面.アトラエ新居佳英社長インタビュー
12面.グーグルが求人広告に参入。2019年に日本へ
15面。2018年中小型株が失速

米国を代表するIT企業であるグーグル(Google)、アップル(Apple)、フェースブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社を指す「GAFA」に対する動きや、社内での上下関係が無いフラットな組織「ホラクラシー」など様々な話題について、創業手帳代表の大久保がさくっと解説します。

スマホ決済百花繚乱

スマホ決済にファミリーマートが参入しました。17000店舗で使えるQRコードやバーコード読み取り式決済「ファミペイ」が2019年7月より開始する予定です。

Suicaなどのコスト高めの非接触式決済から、中国など海外で普及する安価なバーコード、QR式が普及して参入が増えている。非接触式はアプリを立ち上げなくてよいというのがメリットで一長一短。

ファミマに関しては、流通業者が、決済を握りに来た構造で、かつてのATM銀行におけるイオン銀行やセブン銀行のような垂直統合の展開。

決済の収益を狙う以外に、流通業は今の所POSレジでの入力以外に顧客情報を持っていないのが弱点。店員が打ち込むPOSレジ情報はamazonの持っているデータの精度・規模に太刀打ちできません。決済を握りに行く動きは実は、データを駆使して拡大するGAFAへの対抗ともとれるでしょう。

プラットフォーマー規制

今や生活に密着したサービスを手がけるITの巨大企業。
政府は、2018年にこの新興勢力を対象にした規制の整備に着手しました。

プラットフォーマーによる優越的地位の濫用に対する規制が進んでいますが、一方でGAFAに網をかけられずに、日本生まれのGAFAに比べれば小さな新しいプラットフォーマーの成長を阻害する規制にならないように注意してほしいところです。
本日の日経新聞は、全般にGAFA関係が多い印象でした。

監査法人、内向き風土、再編

巨大監査法人への風当たりが英国で強まっています。
東芝の会計不祥事で監査のあり方が問われた日本の論議にも影響を与えそうです。

この出来事をスタートアップの視点から見ると、まず第一に関わってくるのがIPOだと思われます。
スタートアップにとって、一つの目標であるIPO。
日本では外国よりIPOのハードルが低いこともあり、資金・信頼性の獲得を狙い、現実的にIPOを目指せる環境があります。
ちなみに、海外でのIPOはハードルが遥かに高くM&Aによるエグジットが一般的。日本のIPOは割と広く門戸が開かれている面がある。それには監査法人の監査が必須。2期前から監査を受ける必要があり、コストがかなりかかります。

日本では4大監査法人(EY新日本、トーマツ、KPMGあずさ、PwCあらた)がIPOの監査を引き受けることが多かったですが、この中で、EYが東芝関係、もともとPwCが新規IPOを長らく受けていないこともあり、また、監査の厳格化、残業削減の動きで、4大監査法人がIPOの監査を受けにくくなっています。
ショートレビュー費用の値上がりもIPOを目指すベンチャーにとっては深刻である。現在、4大監査法人が受けられない分、中堅の太陽・優成や京都監査法人に流れているという状況もある。

今後、IPOコストが上がりすぎると上場にトライする会社が減ってしまうリスクもある。
現在、IPO以外のM&A、クラウドファンディングやICOなどの手法も増えてきているが、やはりIPOはスケールを目指すベンチャーが目指す目標として、門戸が狭まらないように監査法人業界や監督官庁は配慮してほしい。

アトラエ新居佳英社長インタビュー

階層なくし現場に裁量を与えるホラクラシーな組織について。
エンゲージメントを高めて自律的に、いきいき働く職場を目指す。

業績好調のアトラエCEOのインタビュー。創業手帳では、yentaを作ったアトラエ 岡利幸CTOの取材をしているが、ホラクラシーで創造的な同社に注目が集まっている。

同日の日経新聞では、「カリスマに頼らない経営」についての言及もありましたが、古い組織が行き詰まりを見せているという現状がある中で、ホラクラシーが次の世代の組織のモデルケースの一つとして注目されています。

ルーティンが多い途上国型の労働から、知的な付加価値の高い労働に移行していく際にはこうした組織の方が向いている面もあるだろう。
https://sogyotecho.jp/yenta-oka-interview/

グーグルが求人広告に参入。2019年に日本へ

グーグルは、2019年に求人関連事業「グーグル・フォー・ジョブズ」を始めます。無料で使え、既存の転職サイトと連携する仕組みです。

日本のいわゆる転職サイトというより、求人の検索エンジンに近いという印象。
海外発の求人検索エンジンではindeed(リクルートが買収)があり、日本でも大量にCMを投下してブランディングが浸透しつつあります。
日本独特の求人広告市場に、新しい形の海外の求人広告が入ってきている状況で今後の動向が注目されます。
また、既存の事業者と競合するのか、協調するのかも注目です。

2018年中小型株が失速

メルカリ、サイバーダインが下落しています。

苦戦中の2社だが、先行する会社の業績・株価はスタートアップの資金調達にも影響します。
スタートアップのモデルケースとして頑張ってほしいところです。

解説者 大久保幸世
創業手帳 株式会社 ファウンダー
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社の母子手帳、創業手帳を考案。2014年にビズシード社(現:創業手帳)創業。ユニークなビジネスモデルを成功させ、累計100万部を超える。内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学、官公庁などでの講義も600回以上行っている。

(編集:創業手帳編集部)

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