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2023年10月6日 注目のニュース 大久保の視点インボイス未だ7割の起業家が未登録!その理由・創業手帳が起業家に独自調査
2023年10月1日からスタートとなったインボイス制度ですが、連日メディアやSNSなどで様々な意見が取り沙汰されています。
そこで、起業家・経営者向けメディアである創業手帳では、会員を対象に9/27から10/1までの5日間、インボイスについての独自アンケートを実施し、411件の回答(方法:メール、実名回答)を得ました。
インボイス制度について「賛成か反対か」について聞いてみると、384件のうち、261件の起業家・経営者が「反対」と回答し、全体の68%を占める結果となっています。
また会社形態(法人・個人)で分けて分析してみると、法人回答件数131件中「反対」と答えたのは86件となり、全体の66%を占めました。
個人の場合は、回答件数194件中「反対」と答えたのは139件となり、72%が反対となりより多くの反対という意見の割合が占めることになりました。
この結果からも、インボイス制度については個人事業主の方からの反発が多く上がっていることがわかります。
日々多くの起業家や経営者からのコメントお寄せ頂いている創業手帳においても、「経理や税理士を中心に、事務負担があまりにも大きすぎる」「小売業などで納品の度に請求がある場合、外注費が日払いである場合などについては請求書等にインボイス記載の有無の確認が必要で対応に追われる」といった反対意見がある一方、「そもそも課税売上が1000万円以下は納めるべき消費税を免除するなんて事が可笑しい」といった意見も出てきており、インボイス制度については賛否両論となっていることが言えます。
また、インボイス制度への登録を済ませたかどうかについて回答を求めたところ、有効回答数348件中126件は登録を済ませているとし、222件はまだ登録を済ませていないことがわかりました。
その内訳として、済ませたと回答した個人事業主の方が56件、済ませていないと回答したのが134件で個人事業主190件の回答数の約7割の人が登録に至っていないことが判明。
しかし法人の場合、済ませたと回答をしたのが66件で、済ませていないと回答したのが53件となり、済ませた割合のほうが多いことがわかります。
インボイス登録をまだ済ませていない222件の理由として最も多かった答えとしては「事業・取引や売上に影響がないから」と答えた方が121件と全体の半数を占め、次に「制度がよくわからない」と答えた方が57件と全体の1/4を占める結果になりました。
この結果から、インボイス制度についてきちんと理解をして登録をしないと判断されている方が半数を超えていることがわかりますが、一方で、1/4の人はまだ制度をきちんと理解していなく、どうすればいいかわからないために登録をしていないのではないかということも読み取れます。
インボイス制度については、様々なお悩みごとも創業手帳では寄せられています。
「日々、仕事が多忙でインボイスに対応できないまま10月に入ってしまいました」
「売上が1000万円以下なので登録しないでおこうとしたが、取引をしている業者から、インボイス登録をしていた方が良いと聞いた」
「インボイス導入でこれからのクラウド管理とかが難しそうで悩んでいる」
「会計ソフトをどうしたらよいか迷っている」
インボイス制度はまだ始まったばかりですが、まだまだ制度の浸透行き渡っておらず、理解不足のまま施行されている印象を受けます。
創業手帳では、「自分はインボイス登録をすべきかどうかわからない」という方に向けて、登録すべきかどうかの判断材料となるガイドブック「インボイス登録ガイド」を無料で配布中。フローチャートで登録の判断ポイントを説明したり、いくつかの職種別において考えられる影響を解説しています。
創業手帳では内閣府の起業家アンケートなどにも協力しており官邸ホームページや新聞社にも取り上げられており起業家を網羅している件数と信頼性が評価されています。今回のアンケートにおいても起業家の声を届けるプラスになれば幸いです。
株式会社Money&You 代表取締役 頼藤氏よりコメント
今回のアンケートについて、株式会社Money&You 代表取締役 頼藤氏にコメント頂きました。
Money&You代表取締役、マネーコンサルタント
中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)にて資産運用リスク管理業務に6年間従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。月間400万PV超のWebメディア「Mocha(モカ)」やチャンネル登録者1万4000人超の「Money&YouTV」を運営。『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計120万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)・日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki
2023年10月以後は、国税庁が定める経過措置に従い、仕入税額相当額の一定割合が認められる部分を消費税に代えて請求額に加算はできますが、免税事業者とそもそも取引をしない取引先が出てくる可能性があります。免税事業者のままだと仕事が減る可能性があるので、ルールとして施行された以上、インボイス登録は速やかにしておくのが無難でしょう。
創業手帳の代表・大久保の解説
インボイス実務チェックシートを無料配布中!
インボイス登録を終えた事業者の方々の中には「これからどんな対応をすればよいのかイマイチわからない」と思っている方がいるのではないでしょうか。
そこで創業手帳では、日々の請求書処理をどのように行っていけば良いのか、その最低限の確認ポイントを見やすくまとめた「インボイス実務チェックシート」を作成いたしました。
売り手(発行側)用と、買い手(受領側)用シートを別に用意し、どのような事を注意をしていけばよいのかを、チェックシート形式にまとめました。
無料でお使いいただけますので、さっそく明日からの請求書処理業務にぜひご活用いただき、インボイス対応をうまく乗り切りましょう。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。解説者紹介
大久保幸世 創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。
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またよく分からないので様子見をしている層も結構いる。
既に事業が行われている会社の場合、会計担当や税理士、取引先の多さなどから導入が比較的進みやすいが、起業・フリーランスの層は人材や知識が足りないため導入が遅れやすいことが調査で浮き彫りになった。