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生体での薬物動態をシミュレーションするAI創薬基盤を開発する「Tres Alchemix」が6.5億円調達

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2025年9月26日、Tres Alchemix株式会社は、総額約6億5000万円の資金調達を発表しました。

Tres Alchemixは、マルチモーダルおよびマルチオミクスのデータと自社独自の量子化学計算を統合することで、新規化合物の有効性と安全性を予測できるヒト in silicoモデルの構築を進めています。

薬効と副作用を直接予測することで、創薬の効率を大幅に向上させます。また、個別疾患に適用した新たな化合物の提案も可能にします。

2024年に英国・オックスフォードの子会社を研究開発拠点とし、英国・欧市場に進出しています。

今回調達した資金は、予測AIプラットフォームの開発加速、The Oxford Science Park(英国)での新研究所開設に活用します。


創薬は、まず化合物ライブラリの中から有望な候補を絞り込むスクリーニングから始まります。ここでは、有機合成の専門家が過去の知見と経験を駆使しつつ実験を繰り返し、2年から4年という長期にわたって試行錯誤を重ねます。しかし、この段階の候補が必ずしも最終的な医薬品につながるわけではなく、開発失敗のリスクは常に付きまといます。加えて、創薬に要するコストは莫大であり、成果を予測しにくいことが創薬企業の大きな負担となってきました。

また、近年は核酸医薬や細胞治療、遺伝子治療といった革新的なアプローチが実用段階に入りつつありますが、これらは従来以上に高度な技術とリソースを要し、成功確率の低下も懸念されています。こうした背景から、創薬プロセス全体を根本から効率化する基盤技術のニーズが急速に高まっています。

そこでTres Alchemixは、生体シミュレーションモデル(ヒト in silico モデル)を開発しています。

このAIプラットフォームは、生体での新薬の効果や副作用をシミュレーションすることで、創薬期間の短縮、コスト削減、候補選択の精度向上、リスク評価の高度化などを実現します。

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カテゴリ 有望企業
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