注目のスタートアップ

飲食提供事業者向け食物アレルギー対応ITサービスを提供する「CAN EAT」が5000万円調達

company

2024年8月15日、株式会社CAN EATは、約5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、一般財団法人KIBOWが運営する「KIBOW社会投資ファンド3号」です。

CAN EATは、QRコードを活用したアレルギー・食事制限情報把握サービス「アレルギーヒアリングシステム」と、アレルギー情報を把握・検索できるアプリ「アレルギー管理サービス」を提供しています。

「アレルギーヒアリングシステム」は、ホテル宴会・ウェディング・修学旅行などにおいて会食ゲストにQRコードを配布し、詳しい食事制限情報を直接把握することができるサービスです。これにより情報の伝達ミス削減と業務効率化を実現します。

「アレルギー管理サービス」は、スマートフォンで原材料ラベルを撮影することで、メニューのアレルギー情報を把握・検索できるアプリサービスです。これにより飲食店などにおいて適切なアレルギー表示を可能にし、また業務効率化も実現します。さらに、必要に応じてメーカーへの確認も代行しています。

今回の資金は、新機能追加開発や、新サービス提供に向けたシステム開発、営業基盤の確立に充当します。


アレルギー反応とは、免疫系が特定の物質に対して過剰に反応することで引き起こされる症状を指します。症状は、蕁麻疹やかゆみなどの皮膚の症状、鼻づまりなどの粘膜の症状、下痢や嘔吐などの消化器症状、頭痛や意識障害などの神経症状、さらには血圧低下や不整脈などの循環器症状まで多岐にわたります。とくに重篤な症状の場合は命に関わることもあります。

アレルギーを引き起こす物質にはさまざまなものがありますが、食品によって引き起こされるアレルギーは「食物アレルギー」と呼ばれます。国内では、食物アレルギーを持つ消費者の健康を守るために、加工食品に対して特定のアレルギー原材料を表示する義務が課されています。

しかし、飲食店においてはアレルギー表示の義務がないため、食物アレルギーを持つ人は外食時にとくに慎重になることが求められ、飲食店などの利用を忌避する食物アレルギー体質の人も多く存在しています。

国内では食物アレルギーを持つ人の割合が全人口の1%~2%程度とされています。つまり、数百人が集まるような会食の場では、数名の食物アレルギーを持つ人がいる可能性があるのです。

多くの飲食提供事業者は、こうしたアレルギー対応を個別の事情として対処しています。しかしながらこうした対応は、情報伝達のミスや、それによる健康被害などを生む可能性を秘めています。また、個別対応が業務に負担をかけることから、人手不足が深刻な飲食業界においては、効率的な対応システムの構築がますます重要となっています。

CAN EATはこうした背景のもと、飲食提供事業者の食物アレルギー対応を支援するITサービスを開発・提供しています。

事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB CAN EAT アレルギー ブライダル ホテル 健康 宿泊施設 対応 料理 旅館 株式会社 資金調達 食事 食品 飲食 飲食店
飲食開業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
起業の仕方サムネイル
起業の仕方を大解剖!初めての素人でも失敗しない起業の6つのステップと手順とは?
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

脂肪組織由来の多機能血小板であるASCL-PLCの事業化に取り組む「AdipoSeeds」が16億円調達
2022年12月12日、株式会社AdipoSeedsは、総額16億円の資金調達を実施したことを発表しました。 AdipoSeedsは、脂肪組織由来の多機能血小板であるASCL-PLCの再生医療等製品と…
空飛ぶクルマと物流ドローンを開発する「SkyDrive」が「スズキ」から資金調達
2024年1月10日、株式会社SkyDriveは、スズキ株式会社から資金調達を実施したことを発表しました。 SkyDriveは、空飛ぶクルマ(エアモビリティ)と、物流ドローン「SkyLift」を開発し…
デジタル身分証アプリなどを手がける「ポケットサイン」が4億円調達
2024年2月21日、ポケットサイン株式会社は、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ポケットサインは、デジタル身分証アプリ「ポケットサイン」や、公的個人認証サービス(JPKI)を組み込…
AI屋内位置測位システム「TRAILS」を手がける「zeteoh」が資金調達
2024年2月14日、zeteoh株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 zeteohは、AI屋内位置測位システム「TRAILS」を開発しています。 スマートフォンを活用し、ビーコン不要で…
分散型電力運用VPPプラットフォーム「ELIC」開発の「Sustech」が4.5億円調達
2022年4月7日、株式会社Sustechは、総額約4億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Sustechは、分散型電力運用VPPプラットフォーム「ELIC(エリック)」の開発と、…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集