Piece to Peace 大澤亮|ビジネス界にもプロ契約を!プロ人材のマッチングサービス「キャリーミー」で実現する企業の課題解決

創業手帳
※このインタビュー内容は2023年05月に行われた取材時点のものです。

日本で唯一スクリーニングを徹底!従来のクラウドソーシングとは一線を画す、プロ人材に特化したマッチングサービスの魅力とは


企業にとって自社のミッションや成果を実現するために欠かせない「人材」。ところが、規模を問わず多くの企業で「自社の条件にマッチした人材を確保できない」という課題に直面しています。

人材不足の解決に有効なひとつとしてクラウドソーシングが注目されてきましたが、登録ワーカーの実務能力やビジネスリテラシーの差が激しく、「企業側が求めるプロフェッショナルを見つけにくい」という悩ましい問題を解決しきれていません。

こうした状況下で、ビジネス界におけるプロ契約の支援事業により課題を解決し、多方面から大きな期待を集めているのがPiece to Peaceです。

同社では「ビジネス界にもプロ契約を」というコンセプトのもと、企業の中核を担う案件を業務委託契約で紹介する、ビジネス界におけるプロ契約のマッチングサービス「キャリーミー」を運営。日本で唯一スクリーニングを徹底し、事業グロースを実現できる1万人以上のプロ人材を揃えています。

今回は代表取締役CEOを務める大澤さんの起業までの経緯や、プロ人材に特化したマッチングサービスの魅力について、創業手帳代表の大久保がインタビューしました。

大澤 亮(おおさわ りょう)
株式会社Piece to Peace 代表取締役CEO
5度の事業立ち上げ・2度の事業売却を経験したシリアルアントレプレナー。1996年に新卒で三菱商事株式会社に入社、タンザニア駐在経験(ODA担当)を経て、帰国。退職後、1999年に慶應義塾大学大学院(経営管理研究科修士課程)に入学と同時に起業。在学中に、日本初の証券会社比較サイトを創業し米国企業に売却、EC事業を設立しサイバーエージェント社に売却。その後、株式会社ドリームインキュベータに入社し、大手企業とベンチャー企業両方の経営コンサルティング、ベンチャー企業投資も担当。退職後、株式会社土屋鞄製造所に取締役兼COOとして入社し、2年で売上、経常利益ともに2倍以上にして退職。2009年株式会社Piece to Peaceを創業し、2016年6月にキャリーミーをローンチ。著書「世界をよくする仕事で稼ぐ」、アカデミーヒルズ(六本木)等での講演多数。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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商社やコンサルでのキャリアを通じて気づいた「実行力」と「人材」の重要性


大久保:大澤さんは三菱商事時代にタンザニア駐在をご経験されているんですよね。もともとグローバルビジネスにご興味があったのでしょうか?

大澤:グローバルビジネスというより、当時は国際協力でのキャリア形成を考えていました。「社会に貢献しながら大きなインパクトを与える仕事がしたい」というのが私の人生における変わらぬテーマだからです。

ただ、実際に開発途上国でのプロジェクトを経験した結果、ODAという枠組みでの経済協力活動が私には合っていないことがわかりました。それで「違った形で社会貢献を目指そう」と決意し、自ら事業を運営する道を選んで独立することにしました。

大久保:最初の起業は1999年と伺っています。ちょうど第一次ITバブル時代ですよね。

大澤:はい。慶應義塾大学大学院への入学と同時に会社を設立しました。MBAで学びながら起業により実践経験を積める環境を作れただけでなく、ITバブルを活用して事業を運営できたことがよかったです。

大久保:それから事業を売却され、戦略コンサルティングとベンチャー投資事業を軸に展開するドリームインキュベータに参画されています。再び企業に属する選択をされた理由についてお聞かせください。

大澤:会社経営や新規事業立ち上げにおけるゼロイチは理解できたのですが、1から100、100から1000にスケールさせていくためのノウハウがきちんと身についていないと痛感したからです。

ドリームインキュベータはBCG(ボストンコンサルティンググループ)出身者が設立したコンサルティングファームですので、BCGの理念をベースにした戦略に対する考え方や仮説思考、ビジネスの進め方を学べたことで大きな自信となりました。

大久保:その一方で、戦略重視における課題にも直面されたそうですね。

大澤:コンサルティングファームの経験を経て、2つの要素の重要性に気づきました。

1つ目は、これからの時代は戦略以上に「施策」、つまり「実行力」がより鍵を握るようになるということ。そして2つ目は、企業の競争力の源泉は「人材」だということです。

この要素を活かした事業を起こしたいと考え、土屋鞄製造所の取締役兼COOを経て、2009年9月にPiece to Peaceを設立しました。

プロ人材に特化。ビジネス界におけるプロ契約のマッチングサービス「キャリーミー」


大久保:現在御社で運営されている「キャリーミー」のサービス内容についてお教えください。

大澤「キャリーミー」企業の中核を担う案件を業務委託契約で紹介する、ビジネス界におけるプロ契約のマッチングサービスです。

上流のマーケティング戦略から、広告運用・SNS・SEO・ECなどのデジタルマーケティングや、広報、事業開発、法人営業、採用といった事業のグロースを担う案件に強みを持っています。

大久保:大手から中小、ベンチャー、スタートアップと企業規模を問わず顧客を広げていて素晴らしいですね。この事業コンセプトはコンサル時代に作り上げたのでしょうか?

大澤:創業後の2013年に立ち上げたCtoCプラットフォーム「シェア」から着想を得て構築していきました。

「キャリーミー」の事業アイデアに至った「シェア」は、「伝えたい想いや知識、スキルがある人」と「想いのある人と出会いたい、学びたい人」をつなげるマッチングプラットフォームです。

おかげさまでスキル保有者約1千人、利用会員数約1万人まで広げることができたのですが、細かな金銭のやり取りが発生することがネックとなり、事業としてスケールするイメージが湧かないなと。

ただし「スキルマッチング」というコンセプトは大きなビジネスになると確信していましたので、CtoCからCtoBに事業転換し、企業向けのビジネスモデルとして「キャリーミー」をローンチしました。

スクリーニングの徹底で差別化。一人ひとりの強みやスキルをデータベースに蓄積


大久保:御社では事業内容に「ビジネス界におけるプロ契約の支援事業」と明記されているように、「キャリーミー」は従来のクラウドソーシングとは一線を画す「プロ人材に特化したマッチングサービス」という点が大きな強みですよね。

大澤:おっしゃる通り、弊社の「キャリーミー」にご登録いただいている人材はすべてプロフェッショナルです。

近年競合も増えてきましたが、弊社では日本で唯一スクリーニングを徹底し、なおかつマーケティングなど事業グロースを実現できるスキル保有者を中心に1万人以上のプロ人材を確保しています。

このスクリーニングが非常に重要で、「一人ひとりがどの分野で活躍し、どういう成果をあげることができるか?」といった強みやスキルを明確に把握し、その詳細を社内データベースに蓄積していくことができるんです。

最初のスクリーニングにあたるプロ人材と弊社との初回面談時だけでなく、企業側の人材希望リクエスト後にセッティングされるプロ人材と企業との面談にも必ず都度同席していますので、登録人材のスキルのアップデートまですべて反映させています。

こうしたプロセスを2016年のローンチから約7年間継続してきました。

大久保:きめ細やかなスクリーニングを行っているからこそ、より優秀な人材の確保と、的確なマッチングを実現されているんですね。

大澤:ローンチ前の準備期間からローンチ後もしばらくの間は、私自身がプロ人材との面談を担当していました。現在でも場合に応じて自ら対応するほど「人材を重視する」「きちんとコミュニケーションを取る」ことにこだわっています。

大久保:「キャリーミー」のプロ人材は、同時に「実行力」に長けていることも優位性につながっていますよね。企業側からのニーズが最も高い要素でもあるということでしょうか?

大澤:はい。「事業を成長させたい」あるいは「事業を作りたい」という企業にはなにかしらのボトルネックがあるのですが、多くのケースで「人材が不足している」「効果的な施策がわからない」が要因となっています。

この課題を解決するためには、業務委託で人材を活用するだけでなく、その人材が「自ら考えて動くことができる」という強みを持つ「実務型プロ人材」であることが重要です。

弊社の「キャリーミー」では、この要件を満たす非常に優秀なプロ人材を必要に応じて活用することができます。稼働期間も自由に選べますし、場合によっては正社員化も可能なことが特長です。

目指すのは企業の成果にコミットし、プロ人材と企業が手を取り合える社会の実現


大久保:現在、新たに取り組んでいる事業についてお聞かせください。

大澤2023年3月から始めたのが、業界初となるオンライン上で1万人以上のプロ人材と直接マッチングできる新ソリューション「キャリーミーダイレクト」です。

個人がスキルや能力を生かして自由にキャリアを選択する「プロ人材」という働き方を推進する「日本の企業にプロ契約を」プロジェクトの第2弾としてローンチしました。

「キャリーミー」は弊社を介してプロ人材にアクセスできるプラットフォームですが、「キャリーミーダイレクト」はプロ人材に直接アプローチが可能なプロ人材特化型ダイレクトリクルーティングシステムです。

今後訪れるさらなる労働人口の急減という課題に対応するため、すぐにプロ人材を採れるプラットフォームを目指し、プロ人材の評価が蓄積され可視化される世の中をつくっていきたいと考えています。

大久保:プロ人材にも企業にも寄り添った仕組みづくりが素晴らしいですね。より成果へのニーズに対応したプランも計画中と伺っています。

大澤:「とにかく成果をあげたい」という企業向けのソリューションとして、プロ人材のマネジメントから効果的な施策づくり、施策の細分化、タスク化、最適なプロ人材のアサインまですべて一括でご提供する、「キャリーミー」のアウトソーシングプランを開発しているところです。

すべてのソリューションに共通しているのは「企業の成果にコミットする」ということ。

今後もプロ人材と企業が手を取り合える社会の実現を目指し、単なるプロ人材の紹介にとどまらず、個人と企業に挑戦の機会を増やしながら企業の課題を解決するインフラとなれるよう邁進します。

多くの起業家と共につくりたい、失敗を許容し貪欲に挑戦し続けるカルチャー

大久保:最後に、起業家に向けてメッセージをいただけますか。

大澤:私の人生におけるミッションは「貪欲に挑戦し続けること」です。

そして挑戦には必ず失敗がつきもので、失敗を重ねながら成功をつかんでいくことが大切だと思っています。同じように考えていらっしゃる起業家の方も多いのではないでしょうか。

ところが、日本では失敗を許容しない風潮があり、こうした社会構造が我が国のあらゆる産業や人間関係などに閉塞感をもたらしていると言っても過言ではありません。

私はこの社会を変えたいと考えています。

積極的に挑戦していく人が増え、「失敗してもいいじゃないか!もっとみんなで挑戦していこう!」というカルチャーを、前向きに事業に取り組んでいる起業家の皆さんと一緒につくっていきたいです。

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(取材協力: 株式会社Piece to Peace 代表取締役CEO 大澤 亮
(編集: 創業手帳編集部)



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