ディライテッド 橋本 真里子|良い起業家の共通点は「○○○○」ことができる人。(後編)

創業手帳woman
※このインタビュー内容は2018年04月に行われた取材時点のものです。

受付の経験だけは、誰にも負けない

receptionist

(2018/4/23更新)

前編では、受付時代に感じていた不便さを解消するために起業した経緯を語ってくれた、ディライテッド株式会社の橋本 真里子さん。

後編では、起業した際に印象的なエピソードと、事業を行なっていく上で大切にしている信念について、お話を伺いました。

前編はこちら→受付一筋11年の経験から生まれた無人受付システム「RECEPTIONIST(レセプショニスト)」。ディライテッドCEO橋本 真里子インタビュー(前編)

橋本 真里子(はしもと まりこ)
2004年大学卒業後、上場企業5社以上で受付を経験。1日平均500名、月間 10000人の来客を11年間継続して担当し、のべ120万人を接客した受付のスペシャリスト。2016年01月21日にディライテッド株式会社を設立。2017年1月11日にiPad無人受付システムRECEPTIONIST(レセプショニスト)をリリース。

熱い思いを込めて作ったサービスが、お客様の元に届く喜び

ー起業した時に一番大変だったことはなんでしょうか?

橋本やはり資金調達関連ですね。資金調達自体もそうですが、資本政策を作るのも本当に大変でした。例えば、株の比率をどのように決めたら良いか、といった資金を集めるための知識が全くありませんでした。その点を教えていただきながら動いていったので、起業した時には苦労しましたね。

ー起業経験がある人だったらまだしも、最初はこのポイントで難しいと感じる方が多いですよね。

橋本:そうですね。ゼロからのスタートですし、受付の時には扱ったことが無いような金額を扱いますから。起業する前に勉強しましたが、実際にやってみたら違いましたね。

ー自身を振り返って、同じような状況の方に「こうしておいた方がいいよ!」というアドバイスはありますか?

橋本資本政策は一旦プロの方にアドバイスをもらった方が良いですよ!って言いたいですね。なんでも一人でやろうとしないで、初めてのことやわからないことは人の手を借りながらやっていくことをおすすめします。

また、資本政策は後戻りしづらいものでもあります。認識のズレがあったりすると、後々ツラくなってくるので、慎重に進めていった方が良いですね。

資金調達も重要ですが、一番注力しなければいけないのは、サービス作りです。なるべく、資金調達に注力しなくても良いような環境を作っていくのも重要ですね。

ーでは逆に、起業して嬉しかったことはなんですか?

橋本お客様の声を直接聞くことができることですね。自分が熱い思いを持って作ったサービスが、お客様の手に渡って役に立っていたり、「導入したら、こんな良いことがあったよ!」と言っていただくと、本当に響きます。その感動は、起業ならではのことだと思います。

あとは、メンバーが楽しそうにサービスを作ってくれたり、お客様からのフィードバックを喜んでくれるのも、起業ならではだと思います。

ーフィードバックがもらえると、サービスを提供している側からすると嬉しいですよね。

橋本:そうですね。弊社のサービスが良いアップデートをできているのは、ITの知識が高いお客様に使っていただいているからだと思います。

ITの知識が高いお客様に使っていただくと、的確なフィードバックがもらえます。それを社内で精査してアップデートすることによって、サービスの成長を加速させることができます。その点は弊社の強みになっていると思います。

ーちなみに、起業してから印象的なエピソードってありましたか?

橋本メディアに出させて頂いていると、初めてお会いするお客様から「橋本さんにお会いしてみたかったんです」と言ってくれることがあります。
自分のことを知ってくれている人がいる、ということは受付時代には考えられなかったことなので、本当にありがたいです。

そういえば、グーグルで検索すると、そのワードでよく一緒に検索されるワードって出てくるじゃないですか。弊社の社名「ディライテッド」を検索すると、「ディライテッド 橋本 結婚」っていうワードが出てきたときがあったんですが、それは私も興味がありますね(笑)。

あまり肩肘張り過ぎないでください

ーメディア出演やセミナーへの登壇も積極的にやられていますよね。

橋本:そうですね。取材やセミナーでの登壇をすると、自分の頭の中を整理することができます。また、「あの時の自分はこういう風に感じていたなぁ」といったことを思い出させてくれる場でもあります。私にとって良い機会です。

あと、これは個人的な思いなのですが、女性の方にも、次のキャリアの一つとして起業も検討できる世の中になっていけば良いなと考えています。

私は特別なスキルがあるわけではなく、受付をやっていたという経験で起業して、なんとか会社を続けられています。「私みたいな人でも起業できる」というきっかけになればと思って、メディアやセミナーのお話は積極的に受けさせていただいております。

ー確かに、女性の方が細やかな視点を持っているので、サービス作りに活かせるところもありますよね。

橋本:そうですね。世間のニーズに寄り添ってサービスを作る、というのは、女性が得意なところだと思います。

ー事業を行なっていくうえで、大切にしている信念はありますか?

橋本:社員が働きやすい環境作りは、いつも心がけています。
あとは、「受付の経験だけは誰にも負けない」という自信を常に持ち続けていることですね。

ーこれから起業しようと考えている方に向けて、メッセージはありますか?

橋本今は非常に起業する体制が整っていて、恵まれている環境だと思います。自分にしかできないことが見つかったのであれば、ぜひチャレンジして欲しいと思います。

私が今のところ続けられているのでなんとかなります。もし上手くいかなかったとしても、死ぬ訳ではありません。一生懸命やった結果、思い描いていた結果に結びつかなくても、やり直す事もできます。

もちろん、人様のお金と、社員の家族の生活も預かるので、覚悟は必要です。ですが、それ以上に頭でっかちになる必要はないと思います。

ー今まさに起業して大変な思いをしている人がいると思います。そんな方に向けて、伝えたいことはありますか?

橋本私は、よく「肩肘張りすぎていないか?」と自分自身に問いかけるようにしています。

どんな商品・サービスも、一人で作るということは絶対にありません。
自分に足りないもの・困っていることは、人に助けを求めることが必要です。
「人に頼る」ことがうまくできるのが、良い社長の特徴ではないでしょうか。

今は、起業している人も多いので、皆で力を合わせて、起業家の輪を広げていけたらと思っています。

ーでは最後に、女性起業家に向けてメッセージをお願いします。

橋本女性の方に関しては、「私を見てください」と言いたいです。有名大学を出たわけじゃありませんし、自分の好きだった仕事に毎日向き合ってきた結果、起業に至っているので、何か特別なスキルがあったわけではありません。

もちろん、簡単に「起業しよう」と言っている訳ではありません。ですが、一部のすごい人ができる特別なものでもないということです。

少しずつでも選択肢の中に思い描くことによって、今後描くキャリアの選択肢が広がると思います。

女性起業家はまだまだ少ないですが、私たちが頑張ることによって、増えていけば嬉しいです。
そして、いい意味で「女性起業家」という言葉がなくなる世界を目指したいですね。

(取材協力:ディライテッド株式会社/橋本 真里子
(編集:創業手帳編集部)

創業手帳では、常に新しい情報を発信するために、小さなスキルアップが目的のセミナーから、著名人による大規模セミナーまで幅広く開催しています。

創業手帳別冊版「創業手帳woman」のミッションは「女性の起業失敗のリスクを軽減させる」とこを掲げています。そのために女性起業家ならではの起業時におさえておきたいポイントを一冊にまとめています。無料でお届けします。



創業手帳
この記事に関連するタグ
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す
今すぐ
申し込む
【無料】