「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」中間とりまとめが公表

tips

2024年4月25日、厚生労働省は、「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」の中間とりまとめを公表しました。

「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」は、ヘルスケア領域におけるスタートアップの立場にたって振興・支援策を検討するため、2024年2月5日に発足しました。

各領域の最前線で活躍する有識者とともに、各ヘルスケア市場の特性を踏まえた最適な振興・支援アプローチを選択する観点から、議論を行っています。

プロジェクトチームは各タスクフォースにおいて多数のヒアリングを実施しているほか、「ヘルスタ・アイデア・ボックス」を通じ、国民からもヘルスケアスタートアップ振興に関する政策提案を広く募集しています。

今回、プロジェクトチームにおいて中間とりまとめを行ったものが公表されました。

中間提言

1. 現状:日本は、世界に先んじてヘルスケア領域のイノベーションを生み出す潜在能力があるものの、ヘルスケアスタートアップの活躍が限定的

・日本は超高齢化による課題先進国となっており、世界に先んじたヘルスケア領域における課題解決とイノベーションが不可欠である
・日本ではヘルスケア領域の研究は非常に注力されており、独自の強み(皆保険下のデータ集積のしやすさ等)も含め、日本の潜在力は高い
・しかし、現状ヘルスケアスタートアップの数や成功例が限定的であり、ヘルスケアスタートアップを育む仕組みの不足や課題の解決が急務である

2. 目標:ヘルスケアスタートアップの振興を通じ、日本のヘルスケア水準の向上とヘルスケアスタートアップのグローバル市場での活躍の両方を目指す

・国民生活に不可欠なヘルスケア(医療・健康・介護)の質の向上を図り、かつ持続可能なものにする
・日本発の新たなサービス・製品の海外市場展開を促進し、グローバルな競争力を有する成長産業にする

3. 戦略:各ヘルスケア市場の特性を見極め、最適な振興・支援アプローチを選択

① 世界直行型アプローチ:国内市場と世界市場が構造的に近接。ヘルスケアスタートアップが初期から世界市場を視野に展開するための戦略を構想し、遂行するための支援・環境整備に注力するアプローチ
② 段階的海外展開型アプローチ:国内市場と世界市場の規制環境などに差異。まずは国内で先駆的な製品・サービスの展開を支援した上で、段階的に海外進出の可能性を模索するアプローチ
③ 国内充実型アプローチ:ヘルスケアスタートアップが国内で不可欠な医療・健康・介護を持続的に提供できるための支援・環境整備を行うアプローチ

4. 具体策:ヘルスケア主要分野ごとの問題意識と中間提言

・主要分野は、総論、バイオ・再生、医療機器・SaMD、医療DX・AI、介護テックの5つ


現在、国内の約15%の人口が生活習慣病の患者とされ、これは健康な長寿を妨げる最大の要因であり、また国民の医療費にも大きな影響を与えています。そのため、ヘルスケアや予防医学の重要性がますます高まっています。

さらに、医療・ヘルスケアビジネスは、国内や先進国における高齢化の進行や、世界的な人口増加の影響を受け、急速に市場が拡大しています。

2020年の医療・ヘルスケア産業の世界市場規模は1,400兆円~1,500兆円と推計されていますが、2032年には2,600兆円~2,800兆円とおよそ倍程度に成長すると予測されています。

日本は世界に先駆けて超高齢社会に突入しており、医療・ヘルスケア産業は成長産業としてさらなる発展が期待されています。

しかし、今回の中間とりまとめによると、ヘルスケア産業の発展・イノベーションに大きく貢献する存在であるヘルスケアスタートアップについては、その絶対数や成功例が限られており、ヘルスケアスタートアップを生み出す仕組みの確立が求められています。

「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」の取り組みが、どのような支援に結びついていくのか注目が必要です。

創業手帳では起業を目指す方などを対象に無料で専門家の紹介を行っています。起業にあたって不安や相談したいことなどがある起業家の方はぜひご活用ください。また、起業家や専門家の生の声をもとに記事化した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」も無料で発行しております。ぜひご活用ください。

さらに「補助金ガイド」では、専門家に監修してもらいながら、創業手帳が実際に補助金申請を行った経験をもとに補助金・助成金のノウハウを解説しています。

また、日々更新される補助金・助成金の情報を、個人に最適化してメールでお知らせする「補助金AI」も運営しています。こちらもご活用ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ スタートアップ ヘルスケア ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム ヘルスケア産業 まとめ 厚生労働省
詳細はこちら

「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」 の中間とりまとめを公表します

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

4歳から12歳の子どもを主な対象としたお菓子のD2Cブランドを運営する「KIDS SNACK LAB」が資金調達
2023年5月8日、株式会社KIDS SNACK LABは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社ANOBAKAです。 KIDS SNACK LABは、4歳から12歳の子どもを主な…
法人向けにオンライン診療などの健康支援プログラムを提供する「リンケージ」が5.5億円調達
2022年3月30日、株式会社リンケージは、総額約5億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 リンケージは、従業員のストレス要因を多角的に分析できるメンタルウェルネスサービス「Rasi…
セミナー「スタートアップによる大規模技術実証を支援する補助金について」
一般財団法人バイオインダストリー協会は、セミナー「スタートアップによる大規模技術実証を支援する補助金について」の開催を発表しました。 スタートアップ等によるイノベーション創出をするためのSBIR(Sm…
企業分析SaaSを開発・運営する「バフェットコード」が資金調達
2024年3月19日、バフェットコード株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 バフェットコードは、企業分析SaaS「バフェット・コード」を開発・運営しています。 上場企業データベースのエン…
【厚生労働省】「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」を設置
2024年10月25日、厚生労働省は、「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」を労働基準監督署に設置することを発表しました。 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーラン…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集