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大型蓄電池の製造・販売や電気運搬船の開発を手がける「パワーエックス」が19.2億円調達

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2023年7月3日、株式会社パワーエックスは、総額19億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

パワーエックスは、大型蓄電池の製造・販売、EVチャージステーションのサービス展開、電気運搬船の開発・製造を手がけています。

今回の資金は、蓄電池製品の研究開発や、岡山県玉野市に建設中の国内最大級規模の蓄電池工場「Power Base」の設置費用などに充当する予定です。

「Power Base」は2023年8月に竣工を予定しており、そこからテスト生産を、2024年春からEV急速充電器や定置用蓄電池などの出荷を開始する予定です。

2023年4月には、蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger」の製造を担う徳島の提携工場の試験稼働を開始しています。


SDGs(持続可能な開発目標)が推進され、世界的に再生可能エネルギーへの移行が進んでいます。

再生可能エネルギーには太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などさまざまな種類がありますが、国際的には太陽光発電と風力発電が主流です。

国内では、広大な平坦地が限られているため大規模な太陽光発電設備の設置が難しく、風力発電も風の弱さと安定性の欠如から効率が低いという課題があり、導入が遅れていました。しかし、最近の技術の進歩により発電効率が向上し、また、震災による原子力発電所の停止や電力不足の問題、政府のFIT・FIP制度などの取り組みにより、再生可能エネルギーの導入が国内でも進んでいます。

とはいえ、太陽光発電と風力発電の普及にはまだいくつかの課題が残っています。そのなかでも重要な課題のひとつが、蓄電池のコストの問題です。

太陽光発電や風力発電は時間や季節によって発電量が変動し、需要と供給のバランスを保つことが難しいため、電力を貯めて必要な時に利用できる蓄電池を必要とします。

しかし、蓄電池のコストは高く、現在の国内の蓄電池システムは、蓄電池を導入しないよりも、蓄電池を導入したほうが経済的なメリットが得られる状態であるストレージパリティを達成していません。

パワーエックスは、大規模な蓄電池製造工場を建設し、高性能で価格競争力のある国産蓄電池の製造に取り組んでいます。日本市場平均価格の1/3までコストを引き下げ、ストレージパリティを達成する国産蓄電池を提供することを目指しています。

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