注目のスタートアップ

海事産業のDXを目指す「Marindows」と「ソフトバンク」が資本・業務提携

company

2022年7月26日、Marindows株式会社は、ソフトバンク株式会社と、資本・業務提携契約を締結したことを発表しました。

Marindowsは、海洋統合デジタルプラットフォーム「Marindows」の構築を目指しています。

「Marindows」は、船員の働き方改革、船員と船舶の安全向上、船員の健康向上を実現するプラットフォームです。

船員の働き方では、船員向け業務支援端末「マリコ」を通じ、海事産業のデジタル化に必要な、労務管理アプリ・ヘルスケアアプリ・業務支援アプリを提供します。

船員と船舶の安全向上では、ネットワーク型ドラレコ「ドラコ」とポータブル電子海図「ナビコ」により、安全性の向上、船舶の見える化、保険連動・証拠保全を実現します。

「Marindows」は、2022年10月の提供を目処に開発を進めています。

ソフトバンクとの提携により、小型船舶の安全・安心な運航に向けて、SOS発信・位置通報・双方向通信などに対応した衛星電話ソリューションの導入や、NTN(非地上系ネットワーク)ソリューションの活用による船舶での洋上ブロードバンドインフラの構築・普及に取り組みます。

また、ソフトバンクは「Marindows」の基盤となるクラウド環境を提供します。

陸上では大容量・高速の通信インフラの整備が進み、人びとはスマートフォンなどの端末でインターネットにアクセスして情報を取得したり便利なアプリを活用したりできる環境を手に入れています。

一方海上は、大容量の通信インフラの構築が困難だったこともあり、インフラ整備とリーズナブルなサービスの提供が遅れています。また、通信インフラが整備されていないことで、デジタル化が進みづらい状況にあります。

たとえば、海上でよく利用されている衛星通信は月額約14万円ほどかかります。また、通信速度が最大で約400kbpsと、陸上の約1/100以下の通信速度しか出ません。

しかし、テクノロジーの進展により、安価かつ高速な衛星通信サービスが提供されはじめています。

テスラのイーロン・マスク氏が設立したSpaceX社が提供する衛星通信サービス「Starlink」は、基本プランが月額99ドル(約1万3,000円)で、通信速度の中央値も約97Mbpsとなっています。これは地上のモバイル通信とほとんど変わらない速度です。

またソフトバンクは、通信衛星サービスを提供する英国のOneWeb社と、国内・グローバルでの通信衛星サービスの展開に向けた協業を行っており、今回のMarindowsとの提携により、OneWebの次世代高速衛星通信サービスなどを活用した洋上ブロードバンドインフラの構築・普及に取り組んでいくことを発表しています。

この衛星通信サービスの普及に伴い、海上においてもITの活用が大幅に進むと考えられています。Marindowsはこの海上のデジタル化を見据え、海事産業全体をDXするために事業を進めています。

創業期はなにも導入されていないまっさらな状態なため、最新のシステムを導入するのにうってつけです。「冊子版創業手帳」では、社内システムの整備ノウハウを詳しく解説しています。また、ICTの専門家にインタビューを行い、創業期のシステム整備のメリットや注意点なども伺っていますので、こちらもご参考ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ DX Marindows OneWeb ソフトバンク デジタル デジタル化 内航船 株式会社 次世代 海上物流 海上輸送 海事産業 海洋産業 海運 物流 船舶 資本業務提携 通信
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
普通の人が起業するには?成功する5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

創薬ベンチャーの「ジェイファーマ」が5億円調達
2021年1月7日、ジェイファーマ株式会社は、総額5億円の資金調達を実施したことを発表しました。 細胞膜表面のSLCトランスポーターを創薬標的とした創薬ベンチャーです。 トランスポーターとは、細胞の生…
ペットクリニックの口コミ・検索サービス「Pocket Pet」を運営する「ポケットペット」が資金調達
2022年12月1日、ポケットペット株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 ポケットペットは、ペットクリニックに特化した口コミ・検索サービス「Pocket Pet」や、ペットクリニック向け…
IoTスマートホームを展開する「アトムテック」とIoTプラットフォーム提供の「ソラコム」が資本業務提携
2022年5月18日、アトムテック株式会社は、株式会社ソラコムと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 アトムテックは、スマートホームカメラ「ATOM Cam」を展開しています。 ソラコムは…
実証実験プラットフォーム「POCOLAB」や官民連携事業展開の「官民連携事業研究所」が資金調達
2021年12月7日、株式会社官民連携事業研究所は、資金調達を実施したことを発表しました。 実証実験プラットフォーム「POCOLAB」の運営や、官民連携アクセラレーターを運営するための人材の育成、官民…
10分で届く次世代コンビニ「QuickGet」を展開する「クイックゲット」が3.5億円調達
2022年6月29日、クイックゲット株式会社は、総額3億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 食料品や日用品などコンビニ以上の品揃えを10分で届ける次世代コンビニ「QuickGet」…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集