平成29年版「給与所得の源泉徴収票」エクセル・e-Taxでの書き方・作成方法【年末調整】

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源泉徴収票を作る時の注意点とは?

(2017/11/15更新)

「源泉徴収票」というと、サラリーマンが年に1度もらうあの紙のことでしょう、とイメージされる方も多いですよね。しかし、源泉徴収票を使う場面はあまり多くはないため、もらってもなんとなく見ていただけの方もいるのではないでしょうか。

今回は、源泉徴収票を作成する側になった経営者のために、基礎知識と作成方法について解説していきます。

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源泉徴収票の基礎知識

源泉徴収票とは?

従業員などに支払う毎月の給与や、給与から天引きした社会保険料、各種控除などを計算する「年末調整」

「源泉徴収票」とは、この年末調整の結果をまとめた、所得税額を証明する書類です。

源泉徴収義務者には源泉徴収票を発行する義務があり、もし源泉徴収票を発行しなければ、従業員が年末調整などの手続きができなくなってしまいます。
場合によっては税務署からの指導が入ることもありますので、源泉徴収票は必ず発行しましょう。

源泉徴収票は誰が対象になる?

源泉徴収票は給与を支払ったすべての人間に発行します。これには役員も該当します。
また、源泉徴収はフリーランスなどの報酬でも行いますが、源泉徴収票は発行せず、かわりに「支払調書」というものを発行します。
支払調書は交付の義務がないため、求められたときに発行するものです。

税務署への提出が必要な場合がある

以下のケースにおいては、源泉徴収票を税務署に提出する必要があります。

年末調整したものの場合
  • 法人の役員(現に役員をしていなくても、その年中に役員であった者を含みます。)については、その年中の給与等の支払金額が150万円を超えるもの。
  • 弁護士、司法書士、税理士等については、その年中の給与等の支払金額が250万円を超えるもの。
  • 上記以外の者で、その年中の給与等の支払金額が500万円を超えるもの。
年末調整しなかったものの場合
  • 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した者で、その年中に退職した者や、災害により被害を受けたため給与所得に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収の猶予を受けた者については、その年中の給与等の支払金額が250万円を超えるもの(ただし、法人の役員については、50万円を超えるもの)。
  • 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出した者で、その年中の主たる給与等の金額が2,000万円を超えるため、年末調整をしなかったもの。
  • 「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなかった者で、給与所得の源泉徴収税額表の月額表又は日額表の乙欄又は丙欄の適用者については、その年中の給与等の支払金額が50万円を超えるもの。

なお、書面だけではなく、e-Taxや光ディスクなど(CD、DVDなど)で提出することもできます。

提出期限は、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日。事業所などの所在地を所轄する税務署へ提出します。

源泉徴収票の書き方・作成手順

源泉徴収票を書くためには1月から12月までに支払う給与の合計額が必要なので、12月の給与が確定してから翌年の1月31日までに作成することになります。

作成までの猶予が1月ほどしかなく、また従業員のイレギュラーな状況のせいで源泉徴収票をどう記載したらよいのかわからない、という場合があるかもしれません。
なので、事前に源泉徴収票を作成するために必要な書類と、その手順を確認しておきましょう。

源泉徴収票作成に使う書類を準備する

まず、源泉徴収票を作成するために「源泉徴収簿」と「マイナンバー」を用意しましょう。

源泉徴収簿は、毎月の給与の支払額や源泉徴収額、扶養親族の情報を記録しておくものです。
作成の義務はないため様式は一定ではありませんが、国税庁が公表している様式があるのでそれが使われることが多くなっています。
参考:【源泉徴収簿の記事】

また、マイナンバーの記入が平成28年分から必須となりました。
マイナンバーの確認のために従業員からコピーを取ってもらうことがあるかもしれませんが、マイナンバーは重要な個人情報であるため、保管や廃棄には十分な注意を払う必要があります。

源泉徴収票を自分で作る場合の手段は主に3つ

源泉徴収票は、「エクセル」「e-Tax」「クラウド給与計算ソフト」の3つの作成方法があります。

エクセル

「源泉徴収票 エクセル」などで検索すると税理士事務所などが公開しているエクセルのテンプレートがいくつか出てくるはずです。
会社情報や、給与、従業員情報などを入力することで源泉徴収票が作れる便利なテンプレートです。
しかし、計算結果が合っているという保証はないため、自己責任で使いましょう。

e-Tax

e-Taxは、国税庁が提供している国税電子申告・納税システムです。
源泉徴収票等作成ソフトのインストールには利用者識別番号と電子証明が必要になります。利用者識別番号は、e-Taxを利用するための開始届出書を税務署に提出することで取得できます。
e-Taxを使えば、様式にそって必要事項を入力するだけで源泉徴収票を作成することが可能です。
また、支払者の氏名や住所などが自動で表示されるので入力の手間を省くことができます。提出に関しても、そのままインターネットを通じて税務署に提出することができるのでわざわざ窓口まで行ったり、郵送する手間がかかりません。

e-Taxはセットアップするまでにやや手間がかかりますが、実際の税務関係の作業の際にはとても便利なシステムなので、早めの導入を検討してみてください。

クラウド給与計算ソフト

クラウド給与計算ソフトは有償のものがほとんどですが、給与計算にかかわる事務作業が大幅に楽になります。

まず、日々の勤怠データや従業員情報から給与を自動で計算してくれます。
源泉徴収票を作成する際にも、従業員情報を活用して簡単に作成することができます。

また、クラウド上でデータを管理するため、パソコンの故障などでデータを失う危険性がありません。
もし作業上わからないことがあっても、各社チャットやメールでのサポートも充実しているため、安心して使うことができます。

【おすすめサービス】

ソフト導入の際は、社労士などと相談して行うのが良いでしょう。

源泉徴収票の書き方

源泉徴収票をどの方法で作るかを決めたら、次は記入項目の確認です。

源泉徴収票には、氏名、住所、支払金額、源泉徴収税額、控除対象配偶者の有無等など24の記入項目があります。

マイナンバーについては、税務署に提出する分にのみ記載し、従業員に交付する源泉徴収票にはマイナンバーは記載しません。従業員本人のものだけではなく、扶養親族の欄も同様です。

また、控除対象扶養親族の欄と16歳未満の扶養親族の欄は4人分しかないので、5人を超えた分は摘要欄に書きましょう。

摘要欄に書いた場合、マイナンバーは備考の欄に記載します。
一番下にある支払者の欄の「個人番号又は法人番号」ですが、こちらも税務署に提出する分にのみ記載します。

詳しい書き方については、国税庁のHPに説明がありますので、そちらをご確認ください。

源泉徴収票を作る時の注意点

金額に相違がないか確認

一番注意することは、金額が正確かどうかです。
とくに「支払金額」と「源泉徴収額」は年末調整の基礎となる金額なのでよく確認しましょう。

摘要欄に記入漏れがないように

「摘要欄」は書くことが多いため記入漏れが発生しやすい箇所です。
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」をよく確認して記載するようにしてください。

途中入社の従業員

途中入社の従業員についても注意が必要です。
その年度のすべての給与収入を合算したうえで行うので、その従業員の前職の給与を把握する必要があります。
その従業員が前職の退職時に源泉徴収票を発行してもらっていないのならば、前職の会社に発行を依頼してもらいましょう。

もしなんらかの理由で発行されない場合、自社分の給与だけで源泉徴収票を作成して、摘要欄に「年調未済」と記入して交付します。

会社員の押印を忘れずに

印刷された源泉徴収票ならば、法的には押印は必要ありません。
それは税務署に提出する用のものも、従業員に交付する用のものも同じです。
ですが、従業員がマンションの契約や住宅ローンを組む際に源泉徴収票を提出する場合は、会社印の押印が必要となることが多いです。
また、手書きやコピーで作成した場合は偽造防止のために会社印を押印するほうがよいでしょう。

受給者の住所は、翌年の1月1日時点のものを

受給者(従業員)の住所は、翌年の1月1日時点のものを記載することになっています。
平成29年分の源泉徴収票であれば、平成30年1月1日の住所ということです。
この時期に引っ越しをする社員がいれば注意しておきましょう。

マイナンバー必須

税務署に提出する源泉徴収票にはマイナンバーが必須となっています。
もし従業員などからマイナンバーの提供が受けられなかった場合は、法律で定められた義務であることを伝えて提供を求めます。
それでもマイナンバーが提供されなかった場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどして、単なる義務違反ではないことを明確にしておきましょう。
またこの場合は摘要欄に理由を書く必要はありません。
マイナンバーの記載なしで提出したあと、マイナンバーの提供があった場合、再度マイナンバーを記載して源泉徴収票を再提出します。

まとめ

源泉徴収票は、受給者(従業員)などに給与を支払う企業ならばどの企業でも作成するものです。
厳密な書類でなくてはならないため、計算や記載事項などが複雑になっています。

初めて作成するときはわからないことも多くあると思いますが、注意点などを押さえ、期日を守って必ず提出するようにしましょう。

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(執筆:創業手帳編集部)

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