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LGBTsライフプランニングや住まい探しをサポートする「IRIS」が4,000万円調達

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2022年3月25日、株式会社IRISは、4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

IRISは、ライフプランニングや住まい探しをサポートする事業を展開しています。

スタッフはLGBTs当事者とアライ(ally, LGBTsの支援者)で、同棲経験もあるスタッフが多数在籍しているため、安心して相談することができます。部屋の提案・案内・相談は無料で受けられ、部屋の制約時に手数料を支払う成功報酬制を採用しています。

また、不動産会社向けの啓発や接客品質の向上を目的とした研修などのソリューションを提供し、不動産業界全体でのLGBTsフレンドリー対応を促進しています。

今回の資金は、店舗エリアの拡大、メディア規模/機能の拡大(当事者とのリレーション強化)、顧客体験改善のためのツールのDXに充当されます。

これまで同性愛者などLGBTsは社会から抑圧されてきました。しかし当事者やアライの取り組みにより社会全体の価値観も変化し、世界では30カ国以上で同性婚、もしくはパートナーシップ法が制定されています。日本においても2015年に東京都の渋谷区と世田谷区でパートナーシップ制度が制定され、それから日本全国の自治体へと広がっています。

LGBTsはSDGsの推進に伴って活動や考え方が広まっています。SDGs自体にはLGBTsに関する目標は盛り込まれていないのですが、これは国によっては同性愛などが宗教的に禁忌であることが理由です。世界的にどのような人でも抑圧されることのないよう暮らしていける社会を構築する取り組みは続いており、日本においても同性婚を認めるための法改正なども議論されています。

一方でLGBTsへの理解がない人もいまだ存在していることは事実です。たとえば、LGBTs当事者が賃貸を探す際、申し込みや審査の時点でオーナーや不動産会社から断られるという事例があるようです。

IRISは、LGBTs当事者が安心して好きな賃貸物件・住宅購入できるようサポートを行っています。また、不動産会社などへの啓蒙も行っており、新たな時代の企業として、その取り組みに注目が必要です。

株式会社IRISのコメント

このニュースを受けまして、株式会社IRISよりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

以下の3点です。
・エリア的拡大を行い、LGBTsフレンドリーな不動産仲介サービスを全国的に展開していくこと、
・メディアの機能開発により、物件へのリーチや当事者からのアクセス性を改善し、規模を拡大する
・ツールのDXを推進し、遠隔地やアウティングを気にするユーザーも気軽に利用することを可能とする

・今後の展望を教えてください。

今後はLGBTsへの理解度など地域的な格差を解消していくとともに、不動産会社への啓発や研修を通じて、アライを増やしていく営みを継続していきます。

・読者へのメッセージをお願いします。

LGBTsという言葉でくくると多くの人にとって無関係の事柄であるように感じられます。
しかし、本質的には「誰を好きになるのか?自分はどういう人なのか?」という性的指向と性自認の話なのです。

「男のくせにウジウジするな」「女らしくしたらどうなの?」というような言葉をかけられてもやもやした経験は多くの人にもあるのではないでしょうか?

自分で選んだわけでもないのに「らしさ」を強要されることは結構理不尽なことだと思います。
性の形によるらしさの押し付けではなく、誰もが「自分らしく」あるように、皆が当事者として生きやすい社会を実現していけたら幸いです。

SDGsの推進などにより世界的に価値観の変化の激しい時代となっています。ビジネスはこういった時代で新たな価値観を示したり、生まれた課題を解決するために重要な役割を担っています。「冊子版創業手帳」では、社会課題をビジネスで解決することを目指す起業家のインタビューを掲載しています。先人の思考や手法を知ることは、新たなビジネスの創造に役立つでしょう。

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