注目のスタートアップ

低コスト細胞培養技術「CulNet System」の生産プラットフォーム化を目指す「インテグリカルチャー」が7.8億円調達

company

2022年1月20日、インテグリカルチャー株式会社は、総額7億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

独自開発の低コスト細胞培養技術「CulNet System」の生産プラットフォーム化を目指しています。

「CulNet System」は、動物体内の臓器間相互作用を模した環境を擬似的に構築することで、様々な利用範囲を持つ細胞を培養できる技術です。

理論的にはあらゆる動物細胞を大規模かつ安価に培養することができます。

今回の資金は、細胞農業生産プラットフォームの構築に充当されます。2022年度は、世界初の培養フォアグラ量産化上市のための研究開発と事業展開を行います。

畜産の倫理的な課題は言うまでもありませんが、家畜を育ててそれを食べるということは効率の悪い食料生産の方法でもあります。

また、牛のげっぷは温室効果ガスであるメタンガスを多く排出し、それが地球温暖化の促進要因であるといわれています。

そのため畜産はクリーンな食料生産への転換が求められており、世界では大豆・昆虫・藻などを利用した代替タンパク質の開発・提供が進められています。

また、肉の細胞を培養することでクリーンな食肉をつくるという取り組みも行われています。

これは細胞農業と呼ばれており、複数のスタートアップが開発を進めています。

細胞農業では実際の動物と関わることなく、動物の細胞を培養することで、肉そのものをつくりだすことを目的としています。

生産過程にまったく動物が使われていないため倫理的な課題が生じませんし、実際に動物を飼育するよりも環境負荷が小さいことが大きなメリットです。

また細胞培養技術を応用すれば、食料以外の生産も可能であるため、多くの投資家に注目されている領域でもあります。

とはいえいまだ細胞農業は培養コストが高いため、完全に畜産の食肉を代替するには時間がかかると見込まれています。

インテグリカルチャーは、低コストかつ大量に培養できる細胞培養プラットフォームを構築し、食品加工メーカーなどに提供することで、細胞農業全体の活性化を目指しています。

SDGsは大きなビジネスチャンスとなり得ます。世界に先んじて革新的なプロダクトを開発できれば、大きなシェアを獲得できるでしょう。そのためには開発やマーケティングのために豊富な資金が必要となります。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報について詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ CulNet System SDGs インテグリカルチャー プラットフォーム 代替タンパク質 動物 培養 培養肉 株式会社 環境 細胞 細胞農業 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

空飛ぶクルマと物流ドローンを開発する「SkyDrive」が資金調達
2023年4月6日、株式会社SkyDriveは、資金調達を実施したことを発表しました。 SkyDriveは、空飛ぶクルマ(エアモビリティ)と、1回の飛行で30kgの荷物を運搬できる物流ドローン「Sky…
独自の長鎖DNA合成技術を活用した事業を展開する「オリシロジェノミクス」が「旭化成メディカル」から資金調達
2022年6月6日、オリシロジェノミクス株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、旭化成メディカル株式会社です。 オリシロジェノミクスは、独自の長鎖DNA合成技術を活用し、研究用試…
田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」を開発する「有機米デザイン」が4.4億円調達
2023年11月28日、ヤマガタデザイン株式会社は、グループ会社の有機米デザイン株式会社が、総額4億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 有機米デザインは、田んぼの自動抑草ロボット「…
スペースデブリ除去など軌道上サービスに取り組む「アストロスケールホールディングス」が101億円調達
2023年2月27日、株式会社アストロスケールホールディングスは、総額約101億円の資金調達を実施したことを発表しました。 この資金調達により、累計調達額は約435億円となっています。 アストロスケー…
卸売・仕入ワンストップ取引を実現するBtoBコマースプラットフォーム「グッズ」を提供する「goooods」が4億円調達
2024年9月17日、goooods株式会社は、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 goooodsは、卸売・仕入がワンストップで完結するBtoBコマースプラットフォーム「グッズ」を提供…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集