注目のスタートアップ

マンガに特化したAI翻訳技術を手がける「Mantra」が7.8億円調達

company

2024年6月26日、Mantra株式会社は、総額約7億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、株式会社集英社、株式会社小学館、株式会社KADOKAWA、株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスなどです。

Mantraは、マンガに特化したAI翻訳技術の研究開発を行っています。

開発する技術を活用し、マンガ・Webtoon専用多言語翻訳エンジン「Mantra Engine」や、マンガを英文多読の教材として活用する学習サービス「Langaku」などのサービスを提供しています。

今回の資金調達により、マンガAI翻訳の精度向上に取り組みます。また、並行して、小説・ゲーム・動画への翻訳技術転用を本格化させ、エンタメ領域における翻訳作業の省力化に向けた研究開発を進めていきます。


公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、2023年のコミック市場規模は約6,900億円(前年比2.5%増)に達しました。

媒体別では、紙の売上が約2,100億円(前年比8.0%減)、電子書籍が約4,800億円(前年比7.8%増)となり、電子書籍の成長が顕著です。

日本のマンガ・アニメ作品は海外でも高く評価されていますが、公式に翻訳・出版されている作品は限られています。一方、有志による翻訳で海賊版として出回る作品が多く、出版業界にとって大きな損失を生んでいることが課題となっています。

こうした状況下で、アニメ業界ではローカライズ配信の取り組みが進み、海外市場の獲得、そして市場の成長につながっていることから、マンガ業界でもローカライズとそれによる海外市場の獲得が注目を集めています。

しかしマンガはその表現(手書きフォント、独特な口語、複雑な文脈、右開き、縦書きなど)により、通常の翻訳よりも時間とコストがかかるという課題を抱えています。

この翻訳の課題を解決するため、マンガに特化した翻訳AIの開発を手がけるスタートアップがいくつか誕生しています。

Mantraが提供する「Mantra Engine」は、マンガに特化したクラウド翻訳ツールです。AI技術を活用して翻訳を効率化することで、従来の翻訳フローを半分以下に圧縮しています。

2024年6月現在、月間延べ10万ページの翻訳に活用されています。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーの見込める企業などとの提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI BtoB LANGAKU Mantra Mantra Engine エンターテインメント マンガ ローカライズ 作品 出版 外国語 多言語 娯楽 技術 書店 株式会社 漫画 研究開発 翻訳 翻訳エンジン 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

AIアルゴリズム・モジュール開発とライセンス提供の「日本データサイエンス研究所」が資金調達
2019年11月5日、株式会社日本データサイエンス研究所は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、東京大学の松尾豊研究室の関係者が中心となって運営しているVCファンド「Deep30投資事業…
イヤホン型BCI「Ear Brain Interface」などを開発するブレインテックスタートアップ「CyberneX」が資金調達
2022年2月28日、株式会社CyberneXは、資金調達を実施したことを発表しました。 イヤホン型Brain Computer Interface(BCI)「Ear Brain Interface」…
独立支援型シェアサロン運営の「Reco」が資金調達
2021年9月15日、Reco株式会社は、総額数千万円の資金調達を実施したことを発表しました。 独立支援型シェアサロン「Reco(リコ)」を運営しています。 フリーランスや独立予定の美容師を対象とした…
ノーコード予測AI「UMWELT」を提供する「トライエッティング」が2.5億円調達
2023年9月7日、株式会社トライエッティングは、総額約2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 トライエッティングは、ノーコード予測AI「UMWELT(ウムベルト)」、自動シフト作…
オルタナティブ投資プラットフォーム「LUCA」を開発する「LUCAジャパン」が資金調達
2022年6月15日、LUCAジャパン株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 LUCAジャパンは、オルタナティブ投資プラットフォーム「LUCA」を開発しています。 ヘッジファンド、プライベ…

大久保の視点

「ZOHOLICS Japan 2024」ゾーホージャパン社長コメント&創業手帳大久保登壇の模様
「Zoholics(ゾーホリクス)」は、「Zoho CRM」などのビジネスソフトウェアを提供するゾーホージャパン株式会社が毎年開催しているビジネスイベントで…
(2024/9/20)
スタートアップワールドカップ九州大会:優勝は医薬品開発のStapleBio!熊本で開催
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の九州予選である「KYUSYU REGIONAL 2024」が、2024年8月27日(火)に開…
(2024/8/27)
「スタートアップビジネスMBA講座」明治大学MBAの執筆陣と出身起業家が解説
創業手帳代表も執筆陣に参加。注目のスタートアップ本 起業家教育が近年注目を浴びています。しかし、スタートアップはまだ新しい領域であり、不確実性も高く、学問に…
(2024/7/29)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】