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2023年5月19日国産オリジナルのゲノム編集の基盤技術開発に取り組む「C4U」が15億円調達
2023年5月17日、C4U株式会社は、総額15億円の資金調達を実施したことを発表しました。
C4Uは、国産のゲノム編集技術であるCRISPR-Cas3を基盤技術とする、2018年3月に設立された大阪大学発のバイオベンチャー企業です。
真下知士教授(東京大学医科学研究所)などが発明した、CRISPR/Cas3系ゲノム編集方法ツールを基に、ゲノム編集の最新の学術情報と最先端の技術を用いて国産オリジナルのゲノム編集の基盤技術を開発しています。
CRISPR-Cas3技術を用い、遺伝性疾患だけでなく、遺伝子を改変した細胞を用いた治療などによる新規治療法の開発などを進めているほか、技術のプラットフォーム展開により提携先における同様の治療法の開発を推進しています。
今回の資金は、さらなる研究開発体制の強化などに充当します。
ゲノム編集技術とは、ハサミのようにDNAを切断する酵素を利用し、特定の塩基配列を選択的に切断・改変する技術です。
DNAを切断すると細胞の機能によってDNA修復が起きますが、この際に特定の配列を与えることで、切断部に狙った配列を挿入することができます。また、配列を挿入しなくても、DNA切断・修復の過程で突然変異が起こることから、この変異を利用して改変を行います。
ゲノム編集技術は、新たな治療技術の創出、創薬の加速、農作物の品種改良の加速などで応用されており、今後さまざまな分野で重要な技術となっていくことが予測されています。
現在のゲノム編集技術において一般的に利用されている酵素CRISPR/Cas9は、高効率・低価格・自由度が高い・構築が容易などのさまざまなメリットを持っていることからスタンダードとなっている一方で、標的部位ではない場所も改変してしまうオフターゲット変異という現象が発生しやすいことが課題となっています。
また、CRISPR/Cas9はその特許が複雑な状況にあり、企業での活用において問題が生じる可能性もあります。
C4Uが研究を進めるCRISPR/Cas3技術は、オフターゲット変異のリスクが少なく、ゲノム中のターゲットその上流を比較的大きく削ることができるといった特徴を持っています。
CRISPR/Cas9の特許状況に左右されない国産のゲノム編集技術として注目を集めています。
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