シェアオフィスで創業融資は受けられる?条件や融資の種類、重視されるポイントを解説
コスト削減につながるシェアオフィスで創業融資は受けられるのか?

起業時の大きな課題のひとつに「初期コストの負担」が挙げられます。
そのようなオフィス賃料や設備投資を抑える手段として、近年はシェアオフィスを活用する起業家が増えています。
一方で、「シェアオフィスでも創業融資は受けられるのか?」と不安に感じる人も多いです。
金融機関や公的融資制度では、事業の実態や継続性が重視されるため、オフィス形態が審査に影響する可能性もあります。
そのため、シェアオフィス利用が不利になるケースや、逆に問題なく融資を受けられる条件を正しく理解しておくことが重要です。
本記事では、シェアオフィスで創業融資を受ける際のポイントや、審査で見られる観点についてわかりやすく解説します。
これから起業を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
シェアオフィスでも創業融資は受けられる?

初期費用を少しでも抑えるために、シェアオフィスを利用して開業する場合でも、創業融資は受けられるのでしょうか。ここでは、その疑問について解説します。
シェアオフィスでも創業融資を受けることは可能
結論からいうと、シェアオフィスであっても創業融資を受けることは可能です。
そもそも創業融資は、新たに事業を立ち上げる際や、創業から間もない経営者が利用できる融資制度になります。
起業・開業を資金面でサポートするのが大きな目的になるため、通常の融資に比べて融通がききやすいというメリットがあります。
シェアオフィスは創業間もない時期で収入がまだ安定していない場合に、コストを抑えられる手段のひとつです。
シェアオフィスであることだけを理由に、創業融資の審査が通らないということは考えにくいです。
シェアオフィスで融資を受けるための条件
融資を受けるための条件は各金融機関によって異なるものの、共通してチェックされる部分もあります。
例えば、事業を行う専用スペースが設けられているかどうかです。専用スペースの有無によって、本気で事業に取り組んでいるかどうか判断されます。
シェアオフィスによっては専用スペースが用意されている場合と、フリーアドレス制で専用スペースがない場合もあるので、融資を受ける際は事前に確認してください。
また、創業融資を受けるためには実現可能性の高い創業計画書が必要です。計画書に書かれた事業が成功する可能性が高いかを判断するために、提出が必要となります。
シェアオフィスでも受けられる創業融資の種類

創業融資にも様々な種類がありますが、その中でもシェアオフィスでも受けやすい融資制度を選ぶことが大切です。ここで、おすすめの創業融資を紹介します。
新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫)
新規開業・スタートアップ支援資金は、日本政策金融公庫が行っている創業融資です。新規事業を立ち上げる人または事業開始後おおむね7年以内の人が利用できます。
融資限度額は7,200万円(うち運転資金が4,800万円)まで借りられ、返済期間も設備資金が20年以内、運転資金が10年以内(どちらもうち据置期間5年以内)となっているため、長期の返済が可能です。
ほかの融資に比べて返済負担を抑えられます。
また、女性や35歳未満、55歳以上など、条件に該当していれば特別利率で融資を受けられるため、より負担を抑えながら融資を受けられます。
制度融資
制度融資とは、地方自治体・金融機関・信用保証協会の3つの機関が連携し、融資を申し込んだ中小企業者に対して行われる融資です。
希望者はまず地方自治体に制度融資を申し込み、首長の承認を経てから金融機関に融資を申し込みます。
融資を申し込まれた金融機関は信用保証協会に依頼し、申込者の信用保証の審査が行われます。
信用保証の審査に通ると金融機関へ保証承諾の連絡が入り、融資が実行されるという流れです。
制度融資にも様々な種類があり、事業者の目的に合った制度が見つかりやすいです。創業融資はもちろん、事業承継や海外展開、新規事業を行うための融資などもあります。
一方で、銀行から直接融資を受ける際に比べて、申し込んでから実際に融資を受けるまで時間がかかりやすいです。
利用する際は融資を受けるまでの時間も考慮し、早めに申し込むようにしてください。
信用保証付き融資
信用保証付き融資とは、金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会が公的な保証人となる融資制度です。
創業したばかりの中小企業・個人事業主は実績がないため、金融機関は「返済されないかもしれない」というリスクを被ります。
信用保証付き融資なら万が一返済がストップしてしまった場合、信用保証協会が代位弁済を行うため、通常の融資よりも返済リスクが低くなり借りやすくなるのです。
ただし、信用保証付き融資で代位弁済が行われたからといって、事業者の借入れがすべてなくなるわけではありません。
信用保証協会が代わりに金融機関へ返済しただけで、その後は信用保証協会に返済していく必要があります。
そもそもシェアオフィスとは

シェアオフィスとは、1つのオフィスに複数の企業・個人事業主が共同で利用するスペースを指します。
専用のオフィスを設けようとするとかなりのコストがかかってしまいますが、1つのオフィスを複数の企業・個人事業主で共有することで、コストの負担が軽減します。
また、施設によっては会議室やプリンターなどが用意されている場合もあり、設備を購入する費用も抑えることが可能です。
シェアオフィスといってもその種類は多岐にわたり、フリーアドレス制のオープンスペースタイプもあれば、パーテーションなどで仕切られた半個室タイプ、完全にプライベート空間が確保されている個室タイプも存在します。
レンタルオフィスとの違い
シェアオフィスと似ているものに、「レンタルオフィス」があります。シェアオフィスとレンタルオフィスの主な違いは、共有中心か専有中心かというところになります。
シェアオフィスにも専用の個室スペースを完備しているところもありますが、複数の事業者が共有できるスペースが中心となっているケースが多いです。
一方、レンタルオフィスは専用の個室スペースが中心となります。共有できるスペースはあっても、それほど大きくない場合が多いです。
コワーキングスペースとの違い
コワーキングスペースとは、所属・バックグラウンドが異なる人が集まり、共に働くためのスペースです。
シェアオフィスと非常に似ていますが、コワーキングスペースのほうが人との交流を重視しています。
起業家やフリーランス、副業をする会社員など、様々な背景を持つ人が集まっているため、自然と交流してアイデアや考え方などを共有できる空間となっています。
一方で、シェアオフィスは1つのスペースを共有で使ってはいるものの、交流することがメインではないため、自分の事業に集中したい人も利用しやすいです。
バーチャルオフィスとの違い
バーチャルオフィスとは、物理的に実体のないオフィスを指します。
シェアオフィスは実際に仕事をするスペースがありますが、バーチャルオフィスの場合は別途仕事をするスペースは自分で準備しなくてはなりません。
バーチャルオフィスはあくまで事業上の住所を設定したい場合に利用するサービスであり、オフィスに必要な電話番号やFAX番号の貸し出し、郵便物の受取・転送サービスなどを提供しています。
場所よりも創業融資で重視されやすいポイント

シェアオフィスかどうかといった「場所」の要素は、創業融資の審査において一定の影響はあるものの、それ以上に重視されるポイントがいくつかあります。
金融機関は事業の実現性や返済可能性を総合的に判断するため、より本質的な要素を押さえておくことが重要です。
ここでは、特に重視されやすい4つのポイントについて解説します。
経歴・支払い能力
まず重視されるのが、申込者のこれまでの経歴や支払い能力です。
具体的には、これまでの職務経験と関連する事業で創業する予定か、安定した収入や信用情報に問題がないかといった点が見られます。
例えば、飲食業での勤務経験がある人が飲食店を開業する場合、事業の成功確率が高いと判断されやすくなります。
なぜなら、起業しようと考えている事業に詳しく、経験豊富だったり実績を出していたりしたほうが、将来的に借り入れた金額を返済してくれる可能性が高いと判断されやすいためです。
また、過去にローンやクレジットの延滞がないかもチェックされるため、日頃から信用情報を健全に保つことが大切です。
隠そうとしても金融機関は必ず信用情報機関に照会するため、正直に申告して再発防止に努めていることを説明してください。
自己資金
自己資金の有無や金額も、融資審査において重要なポイントです。
自己資金は「どれだけ本気で事業に取り組んでいるか」を示す指標とされるため、一定額を準備していることで信頼性が高まります。
一般的には、借りたい金額の3~5割程度を自己資金として用意していると評価されやすい傾向にあります。
また、単に金額だけでなく、コツコツと貯めてきた実績があるかどうかも見られる点に注意が必要です。
事業計画書の内容
事業計画書は、融資審査の中核となる資料です。事業の内容やターゲット市場、収支計画、今後の成長戦略などが具体的かつ現実的に記載されているかが重要です。
特に、売上の見込みが根拠に基づいているか、リスクへの対策が考えられているかといった点が評価されます。
説得力のある事業計画書を作成することで、シェアオフィス利用であっても十分に融資を受けられる可能性が高まります。
融資の使用用途
融資の使い道が明確であることも重要な審査ポイントです。設備投資や仕入れ、運転資金など、何にどれだけ使うのかが具体的に説明できる必要があります。
資金の用途に合わせて、資金が必要である信ぴょう性や妥当性、投資後に期待できる効果なども伝えられるようにしてください。
また、事業に直接関係のない用途が含まれていないかもチェックされます。
資金の使い道が曖昧だと、計画性に欠けると判断される可能性があるため、詳細な資金計画を立てておくことが大切です。
シェアオフィスで創業融資を受けるために押さえておきたいこと

シェアオフィスでも創業融資を受けやすくするためには、以下のポイントを押さえることが大切です。どのようなポイントを押さえればいいのか解説していきます。
信頼性の高いシェアオフィスを選択する
シェアオフィスで起業する場合、信頼できるシェアオフィスを選ぶことが大切です。
例えば、シェアオフィスの運営会社で違法行為が行われていたり、第三者がシェアオフィスを悪用していたりする場合、自分の事業と関連性があるのかと疑われてしまうおそれがあります。
シェアオフィスの運営会社について調査するのはもちろん、そのオフィスを利用する企業も問題ないか確認しておくと安心です。
個室があるシェアオフィスを利用する
シェアオフィスには共用スペースしか用意されていない施設と、専用の個室スペースも利用できる施設があります。創業融資を受けるなら、後者を選んでください。
なぜなら、融資の要件によっては「事業を行う専用のスペースを確保していること」を評価するためです。
個室など専用スペースがないシェアオフィスでも融資を受けられる場合があります。
できるだけ不利な状況にならないように、個室があるシェアオフィスを選ぶのがおすすめです。
シェアオフィスであることを隠さない
シェアオフィスだと融資審査で不利になると考え、面談などで隠す人もいるかもしれません。
しかし、面談時にシェアオフィスであることを隠そうとせず、正直に伝えたほうが好感を持ってもらえます。
逆に、シェアオフィスであることを隠そうとしたり、嘘をついたりすると、融資を悪用するのではないかと疑われ、審査で不利になってしまう可能性も考えられます。
固定電話番号の取得も検討する
シェアオフィスでも創業融資を受けやすくするためのポイントとして、固定電話番号の取得も挙げられます。
「スマートフォンがあるから固定電話は不要」と考える人もいますが、固定電話があることで事務所の存在自体を証明でき、審査でも有利になる可能性があります。
シェアオフィスによっては固定電話番号をレンタルできるサービスもありますが、通話料が高かったり、移転する際に固定電話番号が変わったりするなどのデメリットもあるので確認してください。
このようなデメリットを解消したい場合は、IP電話やクラウドPBX、電話代行サービスの活用も検討してみてください。
まとめ・シェアオフィスでも創業融資を受けられるように準備を進めよう
シェアオフィスは創業時の初期費用を抑える手段として活用されていますが、創業融資を受けられるのか不安に感じる人も多いです。
シェアオフィスでも創業融資は受けられますが、要件によっては審査に通らない可能性もあります。
しかし、創業融資ではオフィスの形態よりも「事業の実現性」と「返済能力」に直結する要素が重視されます。
シェアオフィスを利用する場合でも、これらのポイントをしっかり押さえておくことで、融資審査を有利に進められるでしょう。
創業手帳(冊子版)では、創業融資に関する情報やその他融資制度についても詳しく紹介しています。創業を計画する中で融資を受けたい人は、ぜひ創業手帳をお役立てください。
(編集:創業手帳編集部)
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