事業再構築補助金|第3回の採択結果を分析。最低賃金枠の採択率が8割に!
新設された「大規模賃金引上枠」や「最低賃金枠」の結果はいかに?!
事業再構築補助金「通常枠・大規模賃金引上枠・卒業枠・グローバルV字回復枠・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠」の第3回採択結果が11/30に発表されました。
第3回より新設された「大規模賃金引上枠」や「最低賃金枠」の状況と、前回同様に応募総数や採択件数、都道府県別での応募件数などについて、どのような結果になったのかをみていきたいと思います。
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この記事の目次
事業再構築補助金 第3回の応募総数と採択結果。最低賃金枠などの新設枠に注目
事業再構築補助金「通常枠・卒業枠・グローバルV字回復枠・緊急事態宣言特別枠」の応募総数は20,307件になりました。第2回では、応募総数20,800件だったので、それほど変化はありません。
そのうち、書類に不備などがなく、申請要件を満たしていた件数(申請件数)が18,519件で、採択件数は9,021件となっています。
このことから申請件数のうち、採択件数は約50%程度ということがいえます。
この割合についても、第2回とは特に変化は見られない数字でした。
今回特筆すべき点でいうと、新設された「最低賃金枠」の採択数を書類不備などなく申請要件を満たした件数(申請件数)で割ると約88%という非常に高い採択率であったことがあげられます。
業種別での応募件数と採択件数は変化なし
日本標準産業分類において業種を当てはめ、応募件数と採択件数を分析すると、宿泊業・飲食サービス業と製造業がほぼ同じぐらいの数値で応募・採択ともトップであり、続いて卸売・小売業、建設業となっています。
第1回採択結果においては、応募・採択結果ともにトップの業種が製造業で、第2回の採択結果では、宿泊業・飲食サービス業がトップであったので、やはりこれら2業種においての応募が多いことがわかります。
都道府県別の応募件数と採択件数にばらつきがなくなった
次に、都道府県別の応募件数を見てみると、件数ベースでは東京・大阪・愛知・兵庫の順に応募件数が多く、こちらは第2回と同様の結果となっています。
ただし、割合においてでみると、第2回では京都が1.03%と一番高い割合であったのですが、今回は1%越えをしているところは見当たらなく、東京・関西周辺・香川・愛知などが多かったことがわかります。
また、都道府県別の採択結果をみると、富山県、鳥取県、岡山県などで採択率が高いことがわかります。
応募金額・採択金額の分布について(全類型合計)は、3,001~4,500万円の応募・採択金額が増加
応募金額及び採択金額の分布(全類型合計)がどのような割合になっているかを1,500万円単位で分析すると、100~1,500万円が最も多く、全体の約4割を占めています。
第2回では、100~1,500万円の採択金額の分布(全類型合計)が52%でありましたが、第3回では47%であることから、若干ではありますが、採択金額が低いところへの分布が少なくなっています。
また第2回と比較し、3,001~4,500万円の応募、採択金額が約10%程度増加していることがわかりました。
また、応募金額別の件数をみてみると、通常枠の補助金額上限である4000万円、6000万円、8000万円付近の応募が多い傾向があることがわかります。
第3回より、従業員が多い企業の通常枠の補助上限が8,000万円に引き上げられ、それと同時に従業員数が20人以下の企業の補助上限は4,000万円に引き下げられたことが影響しています。
認定支援機関別応募・申請・採択状況については変化なし
事業再構築補助金の必須申請要件として認定経営革新等支援機関と事業計画を策定するということが盛り込まれています。
その認定経営革新等支援機関としては、金融機関が約7,800社で最も多く、次いで税理士関係が約4,800社、商工会・商工会議所が約2,600社という結果になっています。
認定支援機関の選び方については、創業手帳に以下の記事がありますので、こちらも合わせて参考にしてください。
まとめ
事業再構築補助金については、第5回公募は2022年1月中に、第6回においても実施が予定されています。
今までの採択結果を参考に、事業再構築補助金の申請準備を進めていかれることをオススメします。
(編集:創業手帳編集部)