事業再構築補助金の申請手順を詳しく解説!申請する前にも把握しておくべきポイントも!

創業手帳

各ステップごとに注意すべき点がありますので、事前に把握してスムーズな申請を!

事業再構築補助金申請

事業再構築補助金の申請には、たくさんの手続きが必要です。複雑に感じますよね。

今回は「申請から補助金を受け取るまでの手順」を、8つのステップでわかりやすく解説します。

また今回は、実際に事業再構築補助金の採択を受けた事業者にインタビューをしました。申請経験者が戸惑った点等をもとに、不備の無い申請のための注意点もお知らせします。

事業再構築補助金の公募開始から応募締切までの期間は、2ヶ月ほどです。スムーズな申請をするために、ぜひ最後までごらん下さい。

創業手帳では別冊版として、本当に起業家・経営者に役立つ補助金・助成金にしぼって解説した「補助金ガイド」を無料でお届けしています。あわせてご活用ください。

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申請準備〜補助金受け取り後までの全体像を把握

事業再構築補助金の手順全体像

これから8つのステップを紹介しますが、まずは全体像を把握しましょう。各ステップを確認中に、「補助金受け取りまであとどれくらいなのか」がわかりやすくなります。

STEP 内容 段階
1 申請準備 申請前
2 申請をおこなう 申請中 事業内容の採択を受ける
3 審査結果の通知・公表
4 助金の交付申請をおこなう 補助金額を申請
5 交付決定通知
6 事業実施期間
(12カ月~14カ月)
事業実施〜事業完了
7 事業実績報告
補助金額の決定〜支払い
補助金受け取り
8 ・事業化状況報告
・知的財産権等報告
申請後

では、各ステップを一緒に確認していきましょう。

STEP1 申請準備(要件を確認、アカウント作成、認定支援機関選び)

事業再構築補助金の申請をする前に、以下3つを必ずクリアする必要があります。

  • 申請要件に該当するかどうかを確認
  • 電子申請のためのアカウント取得
  • 認定支援機関選び

それぞれわかりやすく解説します。

申請要件に該当するかどうかを確認

下記の要件を全て満たしていれば、事業再構築補助金を申請できます。

  • コロナの影響で売上高が減少※1
  • 3年〜5年をかけて事業再構築を行う
  • 認定支援機関の支援を受けながら事業計画書を策定する※2

※1 対象となる期間、計算方法、企業規模が決まっています。詳しくは最新の公募要領で確認しましょう。
※2 「作成」ではなく「策定」という言葉が使われている点に注目です。事業実行の具体的なビジョンがわかる、高い精度の事業計画書が求められます。

3つの要件に当てはまることがわかったら、電子申請のためのアカウント作成と認定支援機関選びを同時進行でおこないます。

電子申請のためのアカウント取得

事業再構築補助金の申請受付は、電子申請のみで行われています※。そのため、まずは電子申請のためのアカウント「GビズIDプライムアカウント」を作成しましょう。

※「郵送で書類を送る」という方法では申請はできません。

GビズIDプライムアカウント作成の流れは、以下のとおりです。

インターネット上でアカウント作成にエントリー
(アカウント作成のエントリーは、こちらのページから行います)

エントリーに必要な項目を入力すると、画面上で「登録申請書」のダウンロードを指示される

「登録申請書」をダウンロード

登録申請書と印鑑証明書をGビズIDの運用センターに郵送
(印鑑証明書とは、「法人:法人の印鑑証明」、「個人:事業主の印鑑登録証明書」のことです。登録申請書の押印欄には、印鑑証明書と同じ印鑑を押印して下さい。)

GビズIDの運用センターが審査

原則2週間以内にアカウント作成が完了。登録したメールアドレスに完了通知が来る
(不備によって2週間以上かかるケースもあります。早めに手続きをしましょう)

事業再構築補助金は全て電子申請なのですが、GビズIDプライムアカウント作成時には郵送が必要です。時間がかかるイメージがありますよね。

実際に採択を受けた事業者も、アカウント作成に対して以下の感想をお持ちでした。

手続き自体は難しくないけど、時間がかかるので余裕をもって申請するのが大切

公募締切までにアカウント作成が間に合わない場合は暫定アカウントで申請できるのですが、ベストな方法は「アカウント作成後の申請」です。ぜひ早急に手続きをして下さい。

アカウント作成手順は、こちらの記事をご確認下さい。作成したアカウントは、他の補助金申請や行政サービス利用時にも活用できます。
GビズIDの登録手順を解説!オンライン申請で補助金申請を効率化

認定支援機関選び

GビズIDプライムアカウント作成と同時に、認定支援機関※選びを進めます。

※事業再構築補助金の申請には、認定支援機関が発行した確認書が必ず必要です。

認定支援機関選びが採択を左右することもあるため、実力のある機関を選びましょう。

中小企業庁の「認定経営革新等支援機関」のページで「認定支援機関検索」&「各機関ごとの過去実績チェック」ができますが、採択件数だけでなく採択率を確認するのが重要です。

また補助金事務局から「不当に高額の報酬を要求する機関がある」との注意喚起が出ているのですが、無料or安いという理由で選ぶ場合も、十分な支援を受けられない可能性がある点にご注意下さい。

認定支援機関の実力を見極めるポイントや選び方を、こちらの記事で確認して下さい。
【税理士監修】事業再構築補助金における最適な認定支援機関の選び方とは

申請準備が完了したら、申請をおこないます。STEP2へ進みましょう。

STEP2 申請をおこなう

事業再構築補助金の申請

STEP1の終了後は、「新しい事業内容が事業再構築補助金の主旨に合っている」と採択を受けるための申請手続きをおこないます。

認定支援機関の支援を受けながら事業計画書を策定し、その他の書類も揃えて電子申請をしましょう。

また必要書類は「申請内容によって細かい規定がある」&「公募回によって変更点がある」ため、常に最新の資料を見ながら完成させて下さい。

第5回(公募期間:2022年1月20日〜3月24日)、第6回の公募でも複数の変更点があるので、確認が必要です。
事業再構築補助金 第5回・第6回の方向性をみていく|令和3年度補正予算案より

STEP3 審査結果の通知・公表

申請後、事務局の審査によって採択・不採択が決定します。

審査結果がメール(GビズIDプライムアカウント作成時に登録したメールアドレス)に届くため、以下の手順で確認して下さい。

メールアドレスに記載されているURLをクリック

GビズIDページが開く

GビズIDでログインして審査結果を確認

申請が採択されたら、STEP4へ進みます。

また採択後には「採択事例」として事業計画名、事業計画書の概要、認定支援機関名などが公表されます。参考までに、事業再構築補助金のHPより過去の採択事例もチェックしてみて下さい。

STEP4 補助金の交付申請をおこなう

採択決定後は、すぐに「交付申請※」の準備を始めましょう

※「事業計画書に沿った設備投資や必要経費の具体的な内容」について、審査を受けるための申請です。

すぐに準備を始める理由は、事業の完了期限※があるためです。交付申請が遅れることで「完了期限までの期間が短くなる=事業実施期間が短くなる」可能性があるため、十分にご注意下さい。

※事業の完了期限については、STEP6で紹介します。

交付申請では事業計画書の中で予定していた設備投資や必要経費を精査しなおし、事業実施内容の最終形を示す必要があります。

このとき以下の点に注意が必要です。公募要領を確認しながら申請準備を進めて下さい。

  • 依頼業者等を決める際には、原則として入札や相見積りの実施が必要です
  • 補助対象として認められる設備投資や経費には細かい決まりがある など

ちなみにこの段階で、事業計画書の範囲内で設備投資や必要経費を変更するのはOKです。

交付申請後の変更は事務局の承認を受ける必要があるため、「あとは事業を実施するだけ」という状態で交付申請をするのがおすすめです。

【事前着手申請について】
事業再構築補助金の規定では、「交付決定後に経費を支出するのが原則」とされています。でも、コロナの影響で早急に事業着手が必要というケースもあるのではないでしょうか。

そこで第2回公募から「事前着手申請を行って承認を受ければ、交付決定前の経費支出も補助対象とする」という特例が実施されています。

ただし事前着手申請の承認を受けても、STEP5以降で補助金交付の対象から外れる(最終的に補助金を受け取れない)というケースがある点にご注意下さい。

また第6回公募以降は事前着手の内容が変更になることも、公表されています。

事前着手申請の詳細については、こちらのページで確認できます。

STEP5 交付決定通知

事務局による交付申請の審査が完了すると、交付決定通知が届きます。

交付決定通知を見る前に、以下の点を確認して下さい。

  • 交付申請した設備投資や経費が認められず、減額となるケースがある
  • これから実施する事業の内容によって、最終的に受け取れる補助金額が変わるケースがある

交付決定通知書の右上に記載されている「交付決定日」から、いよいよ事業を実施してOKです。

STEP6 事業実施期間(12カ月~14カ月)

交付決定通知を受け取ったら、事業計画書&交付申請によって決定した内容に沿って事業を実施します。このとき、事業完了期限を必ず確認しましょう。事業完了期限を過ぎてからの支出は、補助対象とならない点に注意が必要です。

事業完了期限は、類型(「通常枠」等)によって決まっています。例として、第5回公募の事業完了期限を一覧表で紹介します。

類型 事業完了期限
通常枠 以下2つのうちどちらか早い日まで
・交付決定日〜12ヶ月以内
・(STEP3で紹介した)採択発表日〜14ヶ月後の日
大規模賃金引き上げ枠
緊急事態宣言特別枠
最低賃金枠
卒業枠 以下2つのうちどちらか早い日まで
・交付決定日〜14ヶ月以内
・(STEP3で紹介した)採択発表日16ヶ月後の日
グローバルV字回復枠

※第6回公募からは、類型に変更があります。必ず最新の資料をご確認下さい。

また事業実施中には、個別に以下のような対応が必要なケースがあることも、覚えておきましょう。

  • 状況報告:事務局の指示によって事業の進捗状況を報告
  • 中間検査:事務局担当者が、支払状況等を確認

STEP7 事業実績報告・補助金額の確定・補助金の請求・支払い

事業再構築補助金受け取り

事業の実施が完了したら、補助金の受け取りまであと一歩です。スムーズに手続きを進めましょう。

「事業実績報告書」を提出
(提出期限は、「事業完了日〜30日」or「事業完期限」のどちらか早い日です)

確定検査
(事務局が事業実績報告書の内容に問題がないかを検査します)

問題がなければ補助金額が確定
(事務局から「補助確定通知書」が届きます)

事務局へ補助額を請求する

補助金を受け取る

STEP8 事業化状況報告、知的財産権等報告

事業再構築補助金では、事業完了後も5年間の状況報告が必要です。

また設備投資で取得した建物等や補助経費支出によって取得した物品等を、自由に処分できない点にご注意下さい。

  • 事業実施のために取得した資産や物品を、補助金の主旨に沿って5年間管理
  • 補助金に関する経理書類を5年間保存

5年の間に50万円以上の資産や物品を廃棄、売却などする場合には、事務局による承認が必要です。廃棄や売却などを検討している時点で、事務局へ相談して下さい。

まとめ

事業再構築補助金の申請手順を解説してきました。細かい規定があるものの、全体的な流れを把握するとスムーズに申請準備等ができますね。

事業再構築補助金は、新型コロナウィルスによる社会の変化をビジネスチャンスとして捉える事業者に、強力な支援をする制度です。今回の情報を参考に、ぜひ不備なく採択をゲットして下さい。

また一度不採択となった場合でも最新資料を確認すれば、採択につながるヒントがたくさんつかめます。再チャレンジの際も、ぜひ当記事を参考にして下さい。

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