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NousLagus株式会社 守屋恵美|デジタルツール導入の要件定義効率化ツールの提供事業が注目の企業


企業がデジタルツールを導入する際の要件定義を明確にし、効率よく該当事業者との連携を図れるサポートツールの提供事業で注目なのが、守屋恵美さんが2021年に創業したNousLagus株式会社(ノスラゴス株式会社)です。

DXというキーワードが一般的になり、あらゆる業界でデジタル化の波が押し寄せています。
アナログ作業をデジタルに置き換えることによって、時短・労力軽減・正確性の担保など様々なメリットが得られます。そうした利点を自社に取り入れて、働き方改革や事業拡大、スピード成長を図ろうとされている経営者も大勢いらっしゃることと思います。

しかし、実際に自社に新しいツール導入をするとなると、どのような点を検討する必要があるのか迷ったことがある方がいるのではないでしょうか。

デジタル化が必要なのはわかるけれど、何から手を付けたらよいかわからない、何をどう改善したら効率化が測れるのかがわからない、といった根本的な要件定義の部分でお悩みの企業様も大勢いらっしゃるのが実情です。
要件が定まらないまま、言われるままになんとなくツールを導入したところで、データ活用やツールの活用が十分にできない場合もありますし、数年後に溜まってきたデータをどのように管理していけば良いかわからない状況になりかねません。
まずは各企業の実情を把握し、何がボトルネックなのか、何が根本的な解決要件なのか、将来の展望を見据えた上での適切なデジタル化とは、といったことを整理した上での推進が肝要です。

この要件定義の部分に着目し、DX化がよりスムーズに美しく進行できるようAIとオペレーターが連携サポートしてくれるサービスに、今注目が集まっています。

NousLagus株式会社の守屋恵美さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

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・このプロダクトの特徴は何ですか?

お客様のデジタルツールの導入をAIとオペレータの連携により安価に提供できます。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

・新しいデジタルツールを導入したいと思うけれども、どの会社のツールにしたらいいかわからない
・導入したはいいものの、ツール同士の連携ができず、エクセル管理がかえって煩雑になっている
といった会社全体でのデジタル経営にお困りの方にご利用いただきたいです。

具体的には、年商10億円以上の中小企業様と、そのような企業様と連携をしているような会社様へのご導入を想定しております。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

広い意味では、データを活用できずに不安や行動できない時間が続いている人を支えられるようになりたいと思っています。
例えば、SDGsで挙げられている課題のうち最も日本として取り組めていない課題15「陸上資源」を一つとっても、これらを保全するためのルールを合意形成を図りながら設定し、持続的に運営していかなければなりません。

このような十分なデータに基づいたルール(条例など)の設定は、予算が多分につくものを優先的に対応が進んでおり、関係領域全体までカバーできていないのが現状です。
こういった現状が続いている背景の一つに、EBPMの実現ができていないという課題が挙げられます。

データに基づいた政策決定をしていくためには、まず使えるデータがなければならないです。
しかし、データは使われなければきれいな状態で保たれ続けることはなく、きれいな状態でなければさらに応用的な用途に使うことはできません。
身近な課題で使われるようにすることで常に使える状態のデータを蓄積していくことが大切です。これにより大きな政策決定にも利用できる状態のデータが増え、常に現状にあった政策策定が可能となっていきます。

大きな社会問題を取り上げましたが、こういった課題が各団体や組織に起きています。

会社のやり方、学校のルール、小さなコミュニティで起きる課題でもこういったデータがないことで意思決定ができない状況が出てきます。
もちろん、この中にはデータだけでは解決できない問題も多いです。しかし、そういった感情や想像を中心としたコミュニケーションと、データやファクトを中心とした検討は両輪でデザインしながら合意形成を図ることが大切だと私は考えています。

今受けている案件の中でも、中小企業と大企業での連携をもっとよりスムーズに行うことができると感じていますし、
上下関係でなく、役割の違いとしての関係性を構築していくことが求められていると考えています。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

プロダクトをどのように作り、限られた資源の中で価値を増やすことができるか悩みました。
これを実現できなければ、お客様にとって安価で使いやすい技術は遠い存在のままです。
この解像度を上げるためには、お客様の目線に立つことが大切ですが、副業をしながら大企業で働いた経験だけではこれらの解像度を上げることができていませんでした。
今では、少しずつ実際の現場で学ぶことができ、目の前の人や協力してくれる人、また大学での講演など自分にできる発信を行うことで、お客様との距離が縮まってきていると感じています。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

価値があるけれども、技術とお客様が繋がっていないことで価値を最大化できていないデータをお客様が使える状態の知恵に変えていきたいと考えています。
どんな時も、お客さまの感じているちょっとした不安やもやもやを、より近くに感じ、寄り添える企業でありたいです。
デジタルツールの導入やコンサルティングというと、どうしても聞いたこともないような遠い存在であると感じている中小企業様も多いと感じています。
中小企業様に限らず、そういった技術が遠いものであると感じている人は多いと思います。ただ、その方々が何か知りたいことがあってわからずに悩んでいるのであれば、その人たちの先を見守る月のように、そっと明るくできるような存在でありたいです。

サービスとしては、ゆくゆくはAI倫理の領域にも入り、どうしたらデータが心地いい状況で使われ続けることができるかを考えてまいります。
具体的には、直近ではヒアリングをキクメモのAIとオペレータにより丁寧に安価に定量的に行うことで、実際にデータ管理においてどのような課題があるかを洗い出します。
このデータをもとに、デジタル要件定義さんの自然言語処理の精度を向上させ、専門のコンサルタントでなくてもあらゆる会社で課題解決が行えるような素地を作ってまいります。
これが実現されることで、実際に抽象的であったデジタルツール導入、データやAIの活用における課題はどこにあるかがわかってきます。
これにより成功事例の一部しかわかってなかったAIベンチャー側としても、次の打ち手の解像度を上げるスピードを向上させることができます。
また、AIベンチャーがそのような取り組みをもとに効率的になることによって、コア技術の開発に注力することができ、あらゆる生産性向上に寄与する技術開発が進むと考えています。

キクメモとデジタル要件定義さんで初期の課題抽出を代替できることで、コンサルタントはより付加価値の高い業務に集中することができます。会計SaaSが税理士の課題を解決してきたように、キクメモがコンサルタントの課題解決を促進していきます。
このような一貫した流れが生まれることで、今まではコンサルタントが絵を描くところと、具体的なツール導入のみにとどまっていたDXが、実際に産業構造の変革を具体的なステークホルダーを巻き込みながら推進していくことが可能となります。

一連の動きは工場を中心とした産業が広がるアジアでも言えると考えており、まずは物流や各社の調達部門を中心とした展開をおこなっていくことで、世界へと同様の動きを広げていこうと思います。

・今の課題はなんですか?

現状の課題は、実際に中小企業様にSaaSを導入することで実現できる効率化のイメージを持っていただけていない、知られていないということです。
まず導入までにイメージを持ってもらう必要がありますが、データは概念的なものなので、事例ベースでないと伝えることが難しいです。
この事例を作りながら、少しずつ顧客獲得につなげていきたいと考えています。

会社名 NousLagus株式会社(ノスラゴス株式会社)
代表者名 守屋恵美
創業年 2021年
資本金 1510万円(準備金含む)
事業内容 デジタルツール導入の要件定義効率化ツールの提供
サービス名 キクメモ・デジタル要件定義さん
所在地 〒171-0014 東京都豊島区池袋2-36-1 INFINITY IKEBUKURO ポストC-63 6階受付 社名板 C-37
代表者プロフィール 1993年生まれ。筑波大学(農学士)、東京農工大学大学院(農学修士)にて生物の個体群動態に関する統計解析を学ぶ。2018年、大手通信キャリアに入社。データエンジニアを経て、AIコンサルタントとしてスマートシティを中心とした事業戦略を担当。その他、社内起業やJ.Score案件に従事。2020年RPAコンサルとして個人事業を開業、2021年にはDX推進/AIコンサルのNousLagus株式会社を創業。
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