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2023年2月10日株式会社奇兵隊 阿部遼介|自律的なまちづくりを実現するためのクラウドファンディングサービス事業が注目の企業
自律的なまちづくりを実現するためのクラウドファンディングサービス事業で注目なのが、阿部遼介さんが2010年9月に創業した株式会社奇兵隊です。
世界には、生活インフラが整わず、教育が行き届かず、飢えや貧困にあえぐ地域がたくさん残されています。
紛争や災害によって穏やかな生活を奪われてしまった地域もたくさんあります。
日本国内においても地域格差は大きな社会問題の一つです。
現在は外部からの無償の支援によって、これら地域の最低限の生活環境を整え、命を守る取り組みがなされています。
しかし、外部支援活動が苦しむ地域すべてを完全に網羅することは難しいことであり、また、生活の質向上というところにまでは手が及ばないのが実情です。
持続的に生活環境を整え、よりよい生活の質を創出していくためには、そこに暮らす人々が自分たちの手で自律した街づくりを実施してくことこそが大事です。
豊富な資源や、希少価値の高い何かを保有している地域はそれをもとに発展への道筋を立てやすいでしょうが、そうでない地域は新たに価値を創り出し、世界に知ってもらい、注目してもらうことが必要になります。
そこで今注目されているのがNFTを活用したまちづくりです。
一過性の支援に終わるのではなく、資金を有効活用して永続的によりよい生活環境、まちづくりを推進できる新たな仕組みとして、今大きな注目を集めています。
株式会社奇兵隊の阿部遼介さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・この事業の特徴は何ですか?
世界各国地域で「自律的なまちづくり」を実現するための、Web3の技術を使ったクラウドファンディングサービスです。自律的なまちづくりとは、地域の課題解決をその地域の住民や自治体自らが主体となって実行するまちづくりのことです。
それを実現するために、プロジェクトを実施する地域の特徴を生かしたNFTアートを制作・販売することで、その地域の住民や自治体が自ら世界中から資金と応援者を集め、課題解決に向けた施策の実行までを担うことができる仕組み作りを行っています。
解決したい課題を抱える自治体・企業・団体の方にとっては、NFTアートの販売によって独自に財源の確保や関係人口(定住や単発の観光などとは異なる多様な形で、特定の地域に継続的に関わる人々)の創出ができる点が特徴です。
NFTアート購入者の方にとっては、応援したいと思うまちを、NFTアートを購入することで楽しく支援できる点や、まちづくりへ自らの意見を反映することができる点などが特徴です。
・どういう方にこの事業を知ってもらい、活用してもらいたいですか?
1. 自治体・企業・団体の場合
・まちづくりのために、自ら使い道を決めることができる独自の財源を確保したい自治体・企業・団体
・関係人口と地域住民を含む「住民」らと共にまちづくりを行いたい自治体・企業・団体
2. NFTアート購入者の場合
・NFTやWeb3に関する知識は問わず、新しい形の国際協力や地域創生に関心がある方
・昔から仮想通貨やNFTアートを持っているが、同じNFTアートを購入するなら、社会貢献できるNFTを買いたいという方
・コミュニティに参加して、世界中に共感しあえる仲間をつくりたいという方
・この事業の解決する社会課題はなんですか?
全世界に向けてNFTアートを販売することで、関係人口の増加が期待できるほか、海外やクリプト界に滞留する資金を活用することで、地方経済に貢献することができます。
独自で財源を確保し、その使い道を自分たちで決定することで、大きな企業や団体、政府などによる中央集権的な支援では手が行き届かなかったり時間がかかってしまうミクロな課題の解決を素早く行うことができます。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
奇兵隊の創業期は、海外向けのサービスを一から作ろうとして、すべて手探り状態でのスタートだったので大変でした。例えば、開発していくサービスのジャンル、カテゴリの決定や、外国人従業員の採用など、調べながら進めていきました。
Open Townも、実は、NFTやWeb3に関する知識が全くない状態からはじめました。海外向けサービスの事例や業界トレンド、テクノロジーについて、たくさんリサーチすることで乗り越えてきた部分もありますが、今でも最適な形を模索しながら進めています。
・今後、どのような会社、サービスにしていきたいですか?
世界中から「ありがとう」と言われるサービスを日本から生み出す会社にしたいというのが、創業期から変わらない私の想いです。Open Townも、海外の方に当たり前のように使っていただけるサービスにしたいです。
・今の課題はなんですか?
Web3の技術を活用した「自律的なまちづくり」を社会実装する上で、地域住民の方にとって、分かりやすく使いやすいUIを設計することが現在の課題です。
・読者にメッセージをお願いします。
弊社では2022年にOpen Townをスタートし、海外ではウガンダのカルング村とインドネシアのロンボク島、国内では埼玉県横瀬町の3つの地域で「NFTアートを活用したまちづくり」を実施しています。これまでにNFTアートの売上を用いて清潔な水を容易に確保するための雨水貯水タンクの設置や、学校の修繕工事などを実現しました。今年1月には、埼玉県の横瀬町でグローバル人材の育成を目的とした実践型のWeb3講座「JOY LAB」を開始しました。今後も国内外の地域と連携し、自律的で持続可能なまちづくりを展開していく予定です。弊社では一緒にプロジェクトをつくってくださる方を探していますので、ご興味いただける方には、ぜひご参加いただけたら嬉しいです。
会社名 | 株式会社奇兵隊 |
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代表者名 | 阿部遼介(あべりょうすけ) |
創業年 | 2010年9月 |
資本金 | 93,001,663円 |
社員数 | 21名 |
事業内容 | グローバルWebサービス |
サービス名 | Open Town |
所在地 | 108-0074 東京都港区高輪1-26-20 アムス高輪9F |
代表者プロフィール | 1982年生まれ。2007年国際基督教大学卒業後、アクセンチュア株式会社入社。アクセンチュアでは3年間にわたり、金融機関、官公庁、化学メーカー、新聞社などの顧客に対して、新規事業立ち上げ支援、業務改革、BPO 立ち上げ支援など複数のプロジェクトに従事。2011 年株式会社奇兵隊の代表取締役に就任。奇兵隊の代表取締役として、会社全体の事業戦略の策定、資金調達、採用及びサービスのマーケティング全般を管掌。奇兵隊の従業員の出身国は10カ国以上にもわたり、多国籍メンバーで構成されたチームを率いる。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | NFTアート Web3 クラウドファンディング まちづくり 奇兵隊 社会貢献 阿部遼介 |
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