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2022年6月30日株式会社あるやうむ 畠中博晶|ふるさと納税NFTの事業展開で注目の企業
ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供する事業で注目されているのが、畠中博晶さんが2020年11月に創業した株式会社あるやうむです。
NFTとは「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると『非代替性トークン』となります。替えの効かない唯一無二の印・証拠、という意味です。
インターネットが発達し、デジタルコンテンツが一般化したことにより、近年大きな注目を集めているキーワードの一つです。
従来、デジタルデータは簡単にコピーや改ざんができるので、資産価値があるものとはみなされませんでした。それがNFTの出現により、デジタルコンテンツにも資産価値がつけられるようになるのです。
そこに着目し、ふるさと納税制度にNFTを掛け合わせ、地域の景観、伝統工芸品などをデジタル上の地域特産品としてを返礼する仕組みを作り、普及させようとする取り組みが始まっています。
従来のふるさと納税制度では、地域の農作物や海産物、伝統工芸品等、現物を納税者に返礼品として送ることが一般的でした。が、地域ならではの魅力や価値は現物以外にも存在しています。例えば日が昇るほんの一瞬の地平線の美しさ、そこでしか聞くことが出来ない波音と海鳥の鳴き声のハーモニー、祭囃子と集う人々の熱気、天然記念物に指定されている動物たちの様子・・・等々、その場所、その瞬間にしか得ることが出来ない価値が様々に存在しているのです。
それらをデジタルコンテンツにし、日本中、あるいは世界中の人々に届けることが出来るようになれば、目先の税収増加だけではなく、地域ブランドの確立やファンの獲得、移住者の増加など、根本的な地域創生にもつなげることが出来る可能性が大きく広がります。
株式会社あるやうむの畠中博晶さんに、事業の特徴や今後の課題などについてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
このプロダクトは自治体と連携して、ふるさと納税の返礼品としてNFTを作成し、ユーザーさんにNFTの返礼品を受け取ってもらうものです。
自治体の人から見た場合には、初期費用無料で、忙しい自治体職員の代わりに、ふるさと納税の返礼品にNFTを提供できるようにするのが特徴です。
寄付者から見た場合には、地域の特性をNFTという新しい形で楽しむことができます。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
▼自治体職員の場合
①ふるさと納税の返礼品施策に疲れている自治体職員
②返礼品制作に手が回らない自治体職員
▼寄付者の場合
①昔から仮想通貨を持っていた、納税額が多いクリプト長者
②仮想通貨にそこまで詳しくはないが、NFTに興味のある一般投資家
③NFTなどの知識はまったくないが、新しい地域おこしの形をやってみたい地域おこし愛好家
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
返礼品競争の加熱より広がる自治体格差を、ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供することで、その自治体の返礼品にかけるコストや、時間を削減することに貢献します。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
最初の自治体を探すことや、途中まで話が進んでいた自治体とプロジェクトが白紙に戻ってしまうことがありました。
辛いことがあったときにはしっかり休んでメンタルを回復して乗り越えました。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
あるやうむ単体だけではなく、あるやうむで仕事をした人が、将来地方のスタートアップに参画することで、地方の活性化や賃金水準の向上につながるエコシステムづくりができるような会社にしたいです。
・今の課題はなんですか?
ふるさと納税の返礼品にNFTを提供することは自治体に求められていることだとわかりました。
一方で、どのようなNFTを返礼品として用意すれば、寄付者の心を動かすことができるのかが、明確にはわかっておりません。
・読者にメッセージをお願いします。
あるやうむはweb3スタートアップという先進領域のスタートアップにもかかわらず、本社を札幌においています。読者の皆さまが、あるやうむのように、東京以外の街からスタートアップという新しい産業づくりに、貢献してくだされば、嬉しいです。
会社名 | 株式会社あるやうむ |
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代表者名 | 畠中博晶(はたなか ひろあき) |
創業年 | 2020年11月1日 |
社員数 | 6名 |
資本金 | 1,250万円 |
所在地 | 001-0038 北海道札幌市北区北三十八条西六丁目二番二十三 カトラン麻生302号室 |
サービス名 | ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供する |
事業内容 | ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供するためのソリューション |
代表者プロフィール | 東京・渋谷での中高生活に疲れ、北海道大学への進学を希望するも周囲の猛反対に遭い、失意のまま滋賀県大津市で学生生活を送る。 2017年7月、大学3回生の時に仮想通貨の裁定取引を始め移住費用を稼ぎ、2020年3月念願の札幌移住を果たす。 2020年11月、株式会社あるやうむを北大大学院在学中に創立。 2021年12月、ふるさと納税×NFTソリューションを実現するために総額2100万円の資金調達を実施。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | NFT あるやうむ ふるさと納税 所得税 畠中博晶 |
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