注目のスタートアップ

株式会社あるやうむ 畠中博晶|ふるさと納税NFTの事業展開で注目の企業


ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供する事業で注目されているのが、畠中博晶さんが2020年11月に創業した株式会社あるやうむです。

NFTとは「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると『非代替性トークン』となります。替えの効かない唯一無二の印・証拠、という意味です。
インターネットが発達し、デジタルコンテンツが一般化したことにより、近年大きな注目を集めているキーワードの一つです。
従来、デジタルデータは簡単にコピーや改ざんができるので、資産価値があるものとはみなされませんでした。それがNFTの出現により、デジタルコンテンツにも資産価値がつけられるようになるのです。

そこに着目し、ふるさと納税制度にNFTを掛け合わせ、地域の景観、伝統工芸品などをデジタル上の地域特産品としてを返礼する仕組みを作り、普及させようとする取り組みが始まっています。

従来のふるさと納税制度では、地域の農作物や海産物、伝統工芸品等、現物を納税者に返礼品として送ることが一般的でした。が、地域ならではの魅力や価値は現物以外にも存在しています。例えば日が昇るほんの一瞬の地平線の美しさ、そこでしか聞くことが出来ない波音と海鳥の鳴き声のハーモニー、祭囃子と集う人々の熱気、天然記念物に指定されている動物たちの様子・・・等々、その場所、その瞬間にしか得ることが出来ない価値が様々に存在しているのです。
それらをデジタルコンテンツにし、日本中、あるいは世界中の人々に届けることが出来るようになれば、目先の税収増加だけではなく、地域ブランドの確立やファンの獲得、移住者の増加など、根本的な地域創生にもつなげることが出来る可能性が大きく広がります。

株式会社あるやうむの畠中博晶さんに、事業の特徴や今後の課題などについてお話をお聞きしました。

創業手帳別冊版「創業手帳 人気インタビュー」は、注目の若手起業家から著名実業家たちの「価値あるエピソード」が無料で読めます。リアルな成功体験談が今後のビジネスのヒントになるはず。ご活用ください。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

このプロダクトは自治体と連携して、ふるさと納税の返礼品としてNFTを作成し、ユーザーさんにNFTの返礼品を受け取ってもらうものです。

自治体の人から見た場合には、初期費用無料で、忙しい自治体職員の代わりに、ふるさと納税の返礼品にNFTを提供できるようにするのが特徴です。
寄付者から見た場合には、地域の特性をNFTという新しい形で楽しむことができます。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

▼自治体職員の場合
①ふるさと納税の返礼品施策に疲れている自治体職員
②返礼品制作に手が回らない自治体職員

▼寄付者の場合
①昔から仮想通貨を持っていた、納税額が多いクリプト長者
②仮想通貨にそこまで詳しくはないが、NFTに興味のある一般投資家
③NFTなどの知識はまったくないが、新しい地域おこしの形をやってみたい地域おこし愛好家

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

返礼品競争の加熱より広がる自治体格差を、ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供することで、その自治体の返礼品にかけるコストや、時間を削減することに貢献します。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

最初の自治体を探すことや、途中まで話が進んでいた自治体とプロジェクトが白紙に戻ってしまうことがありました。
辛いことがあったときにはしっかり休んでメンタルを回復して乗り越えました。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

あるやうむ単体だけではなく、あるやうむで仕事をした人が、将来地方のスタートアップに参画することで、地方の活性化や賃金水準の向上につながるエコシステムづくりができるような会社にしたいです。

・今の課題はなんですか?

ふるさと納税の返礼品にNFTを提供することは自治体に求められていることだとわかりました。
一方で、どのようなNFTを返礼品として用意すれば、寄付者の心を動かすことができるのかが、明確にはわかっておりません。

・読者にメッセージをお願いします。

あるやうむはweb3スタートアップという先進領域のスタートアップにもかかわらず、本社を札幌においています。読者の皆さまが、あるやうむのように、東京以外の街からスタートアップという新しい産業づくりに、貢献してくだされば、嬉しいです。

会社名 株式会社あるやうむ
代表者名 畠中博晶(はたなか ひろあき)
創業年 2020年11月1日
社員数 6名
資本金 1,250万円
所在地 001-0038 北海道札幌市北区北三十八条西六丁目二番二十三 カトラン麻生302号室
サービス名 ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供する
事業内容 ふるさと納税の返礼品としてNFTを提供するためのソリューション
代表者プロフィール 東京・渋谷での中高生活に疲れ、北海道大学への進学を希望するも周囲の猛反対に遭い、失意のまま滋賀県大津市で学生生活を送る。
2017年7月、大学3回生の時に仮想通貨の裁定取引を始め移住費用を稼ぎ、2020年3月念願の札幌移住を果たす。
2020年11月、株式会社あるやうむを北大大学院在学中に創立。
2021年12月、ふるさと納税×NFTソリューションを実現するために総額2100万円の資金調達を実施。
関連記事
所得税の計算方法のルールと注意点を解説
所得控除には様々な種類がある!賢く利用して節税対策をする方法を解説
モノマネ芸人 アントキの猪木|人とのつながりを大事にすることが副業につながった
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ NFT あるやうむ ふるさと納税 所得税 畠中博晶
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

Web3領域においてメタバースプロモーション・企画・マーケティングなどを手がける「N3」と「GFA」が資本業務提携
GFA株式会社は、N3株式会社と、Web3事業に関して資本参加を含む業務提携契約を締結することを決議したことを発表しました。 N3は、現代アーティストを中心に、Web3領域においてNFT、メタバースプ…
資産として保有できさらに相互利用可能な物件をシェア購入できるプラットフォームを提供する「NOT A HOTEL」が28億円調達
2023年2月28日、NOT A HOTEL株式会社は、総額約28億円の資金調達を実施したことを発表しました。 NOT A HOTELは、自宅や別荘のように資産として保有でき、相互利用可能な物件を年1…
コンテンツプロデュース事業などを展開する「Minto」が資金調達
2022年5月10日、株式会社Mintoは、総額約6億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、株式会社カカオピッコマと資本業務提携契約を締結したことも併せて発表しました。 Min…
Web3プロジェクト発のIP/コンテンツ創出を手がける「microverse」が2億円調達
2023年2月22日、microverse株式会社は、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 microverseは、NFTプロジェクトの構築・実行に必要なAPI群を備えた自社プロダクト「…
AI Vtuber「紡ネン」やNFTプロジェクト「NEN」を展開する「Pictoria」が1.2億円調達
2022年5月31日、株式会社Pictoriaは、総額1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Pictoriaは、AI VTuber「紡ネン」や、NFTプロジェクト「NEN」を展開…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】